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SPECIAL LIVE REPORT:Nothing’s Carved In Stone

一瞬一瞬がすべてピークと思えるほどに、たくさんの感情が入り混じった濃密な時間

LIVE_NCIS01Nothing's Carved In Stone “TOUR REVOLT”
2013/9/20@Zepp Tokyo

「Assassin」での幕開けに客席から「オオーッ!」という歓声があがって鳥肌が立つ。今まで5枚のアルバムをリリースしてきたNothing's Carved In Stoneは、作品毎にバンドとしての成長を我々に見せてきた。前作『Silver Sun』のリリース前後からVo./G.村松はその内面性をステージで開示するようになり、その変化は非の打ち所のないアンサンブルに熱を注ぎ、我々オーディエンスはそれまで以上にライブで熱狂するようになった。硬質な4つの音で組み上げられた無機質な構造物が、実は巨大な生命体だったことを再認識した。当誌のインタビューにてG.生形が「絶対に聴いているだけじゃわかんないんだけど、感情とかいろんなぐちゃぐちゃしたものが音の中に入っている」と言った、5枚目のアルバム『REVOLT』。そのレコ発ツアーが、今までと同じようなライブになるわけがない。我々の期待が大きかったが故に、音が鳴り始めた瞬間にZepp Tokyoのフロアはたくさんの感情で埋め尽くされた。

村松が「お台場ー! いくぞー!」と叫び、「You're in Motion」がスタート。4人のアンサンブルは肉感的で艶っぽい。“これぞNothing's節”とも言える開けたサビでフロアは爆発的な盛り上がり。間奏で生形のギターが牙を剥き、オーディエンスは腕を振り上げて歓喜する。4人の一挙手一投足がフロアにおもしろいほど作用する。Nothing's Carved In Stoneにしか成し得ないライブを目の当たりにしてぞくぞくする。極度の興奮は限界のまま持続し、最高のグルーヴを作り出した「Spirit Inspiration」へ。村松のヴォーカルがグサグサと突き刺さる。「Out of Control」を聴いた瞬間に全員が「ヤバいのきた!」と数秒後の狂乱を予想して打ち震える。同曲エンディングの強大な一体感を経て、村松がここで初めて「Nothing's Carved In Stoneです」と告げ、それまでずっと呼吸を忘れていたかのように、会場から大きな声が沸き起こる。1秒もステージから目を離したくない、1音も聴き逃したくない。誰もが到達できない地点から、彼らは更に成長を遂げていたのだ。

「今日は客席とステージ、どっちもNothing's Carved In Stoneと思ってライブをするのでよろしく!」という村松が叫ぶ。Dr.大喜多が立ち上がってスティックを天高く掲げ、カリスマを帯びた村松はギターを置いてフロアを煽る。Ba.日向のベースはまるで生き物のようにうねうねと宙に軌跡を描き、生形は強烈なコントラストでギターを記憶に刻印していく。村松の歌とメロディが無限に拡がっていく名曲「Red Light」。狂乱の渦の中で多幸感を感じさせる「November 15th」。命が脅かさせるのではないか? と錯覚するほどエグい日向のベースを合図にバンドが持つ凶暴性を一気に見せた「Sick」。村松が「つまんないこと全部ぶっ壊して、今が輝くように」と言って始めた「きらめきの花」。「Around the Clock」と「Isoration」のドラマティックな一体感と、本編最後「朱い群青」の震えるようなエモーション。一瞬一瞬がすべてピークと思えるほど、たくさんの感情と感情が入り混じってこのライブを作っている。Nothing's Carved In Stoneが体現し、Zepp Tokyoに集ったオーディエンスが体現する、Nothing's Carved In Stoneのライブ。「Isolation」の曲中に村松が言った「知ってるか? お台場! 今が、今がすべてだぞ!」という言葉がすべてだったと思う。

アンコールでは、12月のシングルリリースと1月のツアーを発表し、そのシングルのイントロだけを披露。分厚くてタイトな同曲(のイントロ)は、荒々しくてふてぶてしく、肉体的かつ美しかった。12月のシングルリリースまで、その記憶を胸に彼らの新たな幕開けを待つことにしよう。

TEXT:Takeshi.Yamanaka