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SPECIAL LIVE REPORT:SiM

すべての感情を解放させる非現実的な現実

_MG_5235“EViLS TOUR 2013 FiNAL 2MAN SHOW”
2013/7/21@渋谷AX
w/ ONE OK ROCK

 

 

 

 

ステージを覆う黒い幕が開くとスクリーンが現れ、そこに映像が映し出される。アルバム『PANDORA』の今秋リリース、そして本邦初公開の新曲が流れるというサプライズにオーディエンスは大きな声をあげる。会場の興奮は限界まで達し、もう我慢できないというところでサイレンが鳴り響き、スクリーンに4人のシルエットが浮かび上がる。そして「Blah Blah Blah」のスタートで一気にスクリーンが落ちる。

観客はVo.MAHと一緒に歌いながら暴れまくる。「来いよ!」と煽るMAH。G.SHOW-TAHE、Ba.SIN、Dr.GODRiの3人はアグレッシブに暴れながらも強固なアンサンブルを組み上げて腹の奥底まで突き刺さるサウンドを鳴らす。ここ数ヶ月で何度も彼らのライブを目にしてきたが、全国47都道府県をまわるツアーを経て、更に存在感が増している。カリスマを帯びているというか、確固とした自信を感じさせる佇まいだ。

彼らのライブでは、フロアでいろんな現象が生まれては消える。ライブハウスで起こる様々な現象がぎゅっと詰まっている。クラップ、シンガロング、ダイブ、肩車、モッシュ、コール&レスポンス、ヘッドバンギング、2ステップ、スカダンス、ハーコーモッシュ、ウォール・オブ・デス。笑っている者がいれば、泣いている者もいて、じっと食い入るように観ている者もいれば、自分の靴が脱げたことにすら気づかずに暴れている者もいる。よく考えたらそれはすごいことだ。どのような種類かは別にして、その場にいる全員が感情を最大限あらわにし、理性を吹き飛ばさないとそんな状態にはならない。SiMの圧倒的なライブが、SiMの懐の深い音楽が、観る者の感情の蓋をこじ開けるのだろう。

MAHが「これまで47都道府県、これまで51本。俺は命をかけてやりますよ。みんなも倒れる寸前までやってくれ。人間らしく振る舞う必要なんてないさ。猿のように踊り狂え!」と叫び、「JACK. B」へ。フロアはヘドバンとクラップを経てカオス状態に。MAHはフロアの端から端まで目を向け、1人1人に問いかけるように、1人1人を煽るように歌う。2Fから観ているとよくわかるのだが、MAHが視線を向けた先のオーディエンス一帯が爆発するように激しく反応するのだ。

ギター、ベース、ドラム…全部の音がヘヴィかつラウドなのに、暖かい雨の中に身を投じるような心地よさを感じる「Murderer」。スカダンスがフロアを揺らした「Set me free」。「みんなの分まで俺は中指を立てて“FUCK YOU!”、“FUCK YOU!”って言ってやるよ!」とMAHが叫んでAXが狂宴と化し、全員で「FUCK YOU!」と叫ぶ様がとてつもなく壮観だった「I Hate U」。キラーチューン連発、一瞬も息をつく暇がないライブ。しかしMAHはまだまだ足りないようで、「溜まっているものをもっとぶつけてこいよ! せっかくこんな夢みたいなところにいるんだから、もっと出してこいよ!」と煽る。そして始まった「Amy」は狂乱の極み。ダイバーとモッシュの嵐、人と人、感情と感情のぶつかり合い。生命力に溢れるフロアは、前から後ろまで隙間なく激しく暴れまわっている。SINの指輪型エフェクターが炸裂して「うおおおおお!!」と歓喜の声があがる。次から次へと沸点が訪れるライブに全員が没頭する。

ライブハウスという場所で起きることを歌った「Same Sky」で大きな一体感を生み出し、「Get Up, Get Up」からの「f.a.i.t.h」で狂騒の本編が終了。「そういえばあの曲がまだ…」とまだまだ暴れ足らずにいたオーディエンスを待ち構えていたアンコールのステージは、ONE OK ROCKのVo.Takaがゲスト参加した「KiLLING ME」。贅沢なサプライズに観客は再び大興奮。そして最後は、この日1曲目に演奏した「Blah Blah Blah」。複雑に音が絡み合う同曲の魅力を存分に引き出すタフなステージで、彼らは再びAXを混乱と歓喜と感情のるつぼへと叩き落とした。

TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:H.and.A / kohei Suzuki

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