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THE SKIPPERS

自称“弱者”の生き様は多くの人の心を動かした

186_THE_SKIPPERS昨年6月のアルバムリリース後、THE SKIPPERSは格段の飛躍を遂げた。それは過去最大規模キャパシティーの主催イベント“PUNK DRUG NIGHT 2012”の開催や、10周年記念ワンマンの盛況ぶりからも見てとれる。これもひとえに、自分の想いや生き様を曝け出す彼らのメッセージに心を動かされ、応えてくれるオーディエンスが着実に増加しているからこそだろう。では、彼らが絶対の自信を持って放つ“メッセージ”とは何なのだろうか? そのモチベーションを保つ要因は? 最新作を発表するこの機に、Vo./G.JAGGERに話を訊いた。

 

「僕は誰にも媚びたくないんですよ。自分が作り上げているものに対しては、とことん自信をもって良いんちゃうかな」

●昨年8月にBIGCATで開催した主催イベント“PUNK DRUG NIGHT 2012”以降ファン層が広がったイメージがあるんだけど、バンド的にはどう?

JAGGER:どこでライブをやっても毎回来てくれる人が増えました。みんな友達みたいな距離感で、すごく良い子達が来てくれているなと思います。やっぱりアルバムを出したり、10周年記念のワンマンをやったりと、たくさんの人と出会える機会があったので“もっと広げないとあかんな”と思って。

●思っていても、実際はなかなか結果がついてこないもんだよ。

JAGGER:出来そうにないことが出来た、というのは大きいです。10年間ずっと作れなかったアルバムも出来たし、“PUNK DRUG NIGHT 2012”も盛り上がったっていう実感がある。だから“こんなに来てくれるんや”と思いましたね。

●でも、無理をして集めたという感じでもないよね。俺も主催イベントを観させてもらったんだけど、6〜7時間くらいの長丁場だったのに全然飽きなかったし、流れも良かった。MCも含めて、愛あるメッセージがストレートに響くステージングだったよ。

JAGGER:昔は反発心ばかりギャーギャー叫んでたし、今でもそれがないわけではないんですけど…やっぱりステージからアツいものが伝わってきたら“戦ったるぞ!”みたいな気持ちになるじゃないですか。自分自身がキッズとしてライブを楽しんでいるから、そういう気持ちを感じ取ってほしいという必死さはありますね。お客さんが心底楽しんでくれなきゃ、やっている意味がないかなと。

●10年間の中で得てきたものが、確実に形を変えてきている!!

JAGGER:いっそうお客さんに寄り添っている感じはありますね。最近は見てくれる人も多くなったし、前よりも“ありがとう”という気持ちが実感できるようになりました。

●今作の『STAY KIDS INTO PUNK』は、未発表曲4曲・再録1曲のCDと、昨年11月のワンマン&主催イベント映像90分を収録したDVDがついているけど、新曲にはどんなメッセージがあるの?

JAGGER:M-1「PRICELESS」というメインの曲は、自分自身と目の前にいるお客さんのことを書いた曲ですね。僕らは夢を掴むために音楽をやっているけど、なかなか良さや思いが通じなかった時期があって…それでも今こうやって通じあっているというのは、奇跡みたいなものだなって思うんです。お客さんはお金を払ってライブを観に来てくれるし、僕らも少ないけどお金を貰うわけじゃないですか。

●「少ないけど」って(笑)。

JAGGER:ほんまに少ないですよね(笑)。でもいくら「音楽はお金じゃない」なんて綺麗事を言ったって、多少はお金が絡むじゃないですか。だけど、“この瞬間はお金には変えられないんだ”ということを歌ったのがこの曲です。今までは“メンバー3人が気持ちよければ良い”と思っていたんですけど、最近は“お客さんとぶつかり合える瞬間は、ほんまに価値のあるもんやな”と思うようになって。これまではどちらかというとお客さんが盛り上げてくれている感じだったから、実感するものも変わってきたのかも。

●1stアルバムが出来るまでのTHE SKIPPERSはいろいろ迷走していたけど、今のメンバーに戻ってから信頼関係が強くなった気がするね。それがオーディエンスにも伝わっているように感じる。

JAGGER:確かに一体感は感じますね。演奏はグッダグダなんですけど(笑)、意識的なものはカチッと合ってる。やっぱり、メンバーはいちばんの理解者やなと思います。僕は結構やんちゃしたり、嫌われるようなことをしてしまうこともあるんですよ。そしたら他のバンドから嫌われるし、普通はメンバーにとって迷惑なことじゃないですか。だけど2人は「お前がそうやって主張してくれるから、良いと思う」って言ってくれるんですよね。みんな僕のわがままを受け入れてくれる。

●だから“いちばんの理解者”なんだ。JAGGERは長いものに撒かれるようなタイプでもないし、人とぶつかることもあるかもしれないけど、そういった部分に惹かれてオーディエンスも反応するんじゃないかな。

JAGGER:音楽的ジャンルで言えばいろんなシーンがあるし、おのおの盛り上がっていますけど、僕らはどこにも属していないと思うんですよ。どこでも勝負できるし、どこでも勝負していきたい。

●スカだろうがパンクだろうが、どこでも関われると。

JAGGER:どこに混じっても闘志が湧いてくるんですよね。例え憧れている先輩でも、ステージに立っている間はライバルとして見ているし、すごい先輩であればあるほど余計に“負けてたまるか”って思う。

●JAGGERって昔からそういうタイプだった?

JAGGER:いや、ちっちゃい頃はイジメられっ子だったんです。高校に入るまで、自分の主張が何も出来いタイプでした。

●そうなんや。何をキッカケに変わったの?

JAGGER:すごく悔しいイジメられ方した時があって、見返すために“自分を変えよう”と思ったんです。そんな時に、音楽と出会って“バンドがしたい”と思ったんですよね。ただ音楽にのめり込んだというよりは、CDを出すような人になりたかった。ずっと“自分には目立ったりカッコ良くなることなんて不可能だ”と思ってたけど、それが出来るかもと思ったのがバンドなんですよ。ずっと上手くいかなかったし、今でもステージに立つと足が震えますけどね。

●でも10年立って変わってきたよね。お客さんも増えてきたし、安定感のあるライブができるようになってきただろうし。

JAGGER:演奏は安定はいつまでもしてないですけど(笑)、最近は毎回良いライブが出来ていると自信を持って言えますね。

●それに、今では関西の音楽シーンで中堅のイメージになってきていると思うけど。

JAGGER:世間から見たら、やっと中堅に来た程度のバンドに見えると思うんですよ。でも下積みの10年を経て今ここに立っている僕らが、さらに上のステージに上がった時、周りにいる奴らとは絶対に違うぞという自信があるんです。もちろんダメ出しをもらうこともあるし、「もう少し器用にやれ」って言われることもあります。でも、昔から必ず貫こうと思っている部分や、自分が今やろうと思っていることは絶対に貫きたい。演奏が上手いことも大事だけど、それ以上に伝えたいことがあるから。

●JAGGER自身は家族が出来たりして、守っていかなきゃいけない部分もできてるわけでしょ? やっぱりその影響がある?

JAGGER:自分的には意識していないんですけど、周りからは“子どもが生まれてからライブが変わった”とか言われます。

●今は仕事をしながらバンド活動をしているんだよね。

JAGGER:音楽で飯を食いたいとは昔から思ってますね。でも、現実的に僕は家庭があるから仕事をしないといけないし、仕事をしているからライブが楽しいっていうのは絶対にあると思う。普段出来ない分、ひとつひとつのライブに対して爆発力がありますよね。

●限られた時間だからこそ楽しいんだ。リハーサル自体も楽しい?

JAGGER:正直、練習はほとんどできないんです。ライブのために仕事の時間を割いているので、リハの時間が作れなくて。

●それだけタイトなのに、いつ曲を作ってるの?

JAGGER:仕事中にぼーっと考えてます(笑)。作ろうと思わなくても、パッと思い浮かぶことが多くて。逆に作ろうと意識した曲って、あんまり良いモノができないんですよね。最近僕はよくランニングをしているんですけど、その時はバンバン思いつきます。まずはメロディから浮かんできて、そこからバンドの音が広がってきて。

●ギターを持って“よし、作るぞ!”みたいな感じではないんや。ところで、JAGGERとはいろんなライブハウスで遭遇するけど、ほとんどいつも酔っぱらってるよね。

JAGGER:楽しすぎてつい羽目を外しちゃうんですよね。僕らは3人ともライブハウスが遊び場なので、ライブハウスに行くと何とも言えない開放感があって。それでも、最近は控えているんですよ。

●あれで!!

JAGGER:あれでもです(笑)。前はライブ前にも酒を飲んでましたけど、最近は止めました。実際止めてからはコンスタントに良いライブが出来るようになりましたね。

●どやねん(笑)。飲んでたのが原因だったんや。

JAGGER:悪かったというか、前はどうしてもかしこまっちゃって出し切れないものがあったかも。やっぱりバンドマン同士で大人な話をするより、キッズとフロアで遊んでいる方が楽しいですから。

●フロアでいろんなお客さんと会話してるんや。

JAGGER:そうですね。お客さんも最初は“バンドの人”と思って絡んでくるから、緊張してるんですよ。でも今はみんな馴れ馴れしいです(笑)。距離感が近いからか、悩み相談とかもよく受けますね。“バンドをやりたいけどどうしたらいいのか?”とか、恋愛相談とか。お客さんにもバンドマンにも媚びたくないので、気を遣わずに軽いノリで絡みます。

●じゃあ最新作は、ステージだけじゃなくて雰囲気も盛り込まれたDVDになっている。

JAGGER:10周年記念のワンマンを軸に、PVと“PUNK DRUG NIGHT 2012”の映像が入ってます。MCでは僕もヘラヘラしてるし、僕ららしい雰囲気はそこから伝わるかなと思います。アツいことは曲で伝えたら良いですからね。

●しかも、前作のリリースからあまり時間も経ってないよね。今までにないハイペース。

JAGGER:モチベーションは前よりも確実に上がってます。何だか沸き上がる気持ちがあるんですよ。

●本人もバンドも、ノってきてるってことでしょ。THE SKIPPERSはパンクバンドという自負があると思うけど、パンクって何だと思う?

JAGGER:元は政治に反発することかもしれないけど、僕は“自分の想いを貫くこと、生き様を曝け出すこと”がパンクやと決めつけて、ずっとやってきています。単に漠然と“パンクがやりたい”と思ってやってるだけだから、具体的に考えたことはないですけど…正しいかはわからなくても、自分の思うことを言い続けていたら良いかなと思いますね。

●実際に、自分のパンクロックが出来てると思う?

JAGGER:始めた当時から“こうありたい”と思っていることが出来ているので、出来ていると思います。

●そのパンクロックを持ってして、JAGGERとしてはどういう音楽の世界を広げていきたい。

JAGGER:今やっていることが元々自分がやりたかったことだから、それをただ広げるだけかな。自分の音楽性とかスタイル的に“こうなっていきたい”と思って進むわけじゃないんですよね。自分がやりたいことをやって、大勢の前でライブをしたい。自分の音楽で認めさせたいっていうのがあるから、それが夢ですね。

●でも昨年の夏以降からオーディエンスが増え出している事実こそが、自分の音楽が通じるようになってきたってことじゃないかな。

JAGGER:やりたいことをやっていても、昔から完璧に出来ていたわけじゃなくて。今になってやっと完成してきたんですよね。もっと成長したいと思うんですけど、ずっと満足のいくものが出来ている。

●その瞬間ごとには、“やりきっている”という満足感を持って出来ているイメージ。

JAGGER:そうですね。自分の作っている音楽やバンド自体にはずっと自信があったので、“なんでこの良さがわからへんのやろう”と思ってましたけど(笑)。今でも未完成ではあるけど、良さをわかってくれる人が増えたのは確実に実感しているし、ほんまに嬉しいです。

●そういう意味では、THE NINTH APOLLOというレーベルの存在は大きいかもね。代表の渡辺くんがステージの横で毎回ニコニコしてノりながら観ている。THE SKIPPERSが好きで好きでしょうがない人じゃないですか。この関係性はレーベルとアーティストのあるべき真の姿だと思うな。それが10年経って、やっと多くの人の理解を得られるようになってきたのは、傍から見ても感動だよ。

JAGGER:表向きには信頼し合っているという感じは出ていないですけど、芯は繋がっている感じ。いっつも横にいてくれてますし。

●渡辺くんは完全に4人目のメンバーだもんね。いちばんキッズっぽいもん(笑)。

JAGGER:DVDでもステージ横にいる姿が映ってますからね(笑)。

●本当に貴重なレーベルだし、関係性をもっと広げてほしい。最後に、JAGGERは“自分達に自信がある”と言っていたけど、どうすればそのモチベーションを持ち続けられるか教えてくれる!!

JAGGER:元々僕はマイナス思考になりやすいんですよ。いっぱい失敗して、落ち込んで落ち込んで…でもライブをやるたびに“そんなんじゃあかん、立ち上がってやる!”という気持ちが持てるから、負けん気の強い人間に変わったんです。やたらと戦いたがるのは、そう思わないと這い上がれないからなんですよね。そうすることで強がりでも心の底の想いをおもいっきり吐き出せるし、自信を持ってステージにも立てる。弱い部分のある人間だからこそ強がるし、どう思われようが思ったことを言ってやろうというのはありますね。誰にも媚びたくないし、理解できないならそれでもいい。自分が作り上げているものに対しては、とことん自信を持って良いんちゃうかなと思っています。

Interview:PJ
Edit:森下恭子

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