tokyo pinsalocksが通算6枚目となるニューアルバムをリリースする。自身のアパレルブランドを主宰するVo.Naokoに、a flood of circleやGHEEEでも活躍するBa.Hisayo、ケラ&ザ・シンセサイザーズにも参加しているDr.Reikoという多才な3人。
昨年10月には4度目のヨーロッパツアーも行うなど、多忙なスケジュールの中でも互いと向き合いながら今作を無事完成させた。
それぞれが表現者として活動する中で“tokyo pinsalocks”の芯を明確にした結果が、カラフルさと解放感を増したハッピーなニューウェイヴサウンドに昇華されている。
「それぞれに表現する場所が増えたことで、逆に"tokyo pinsalocksで出すものはこれなんだ"ということがハッキリしたんだと思います」
●昨年の夏にライブ会場限定で『ルラ・ハレルヤE.P.』をリリースしたわけですが、その頃には今作『ハレルヤガールズ』の収録曲を作り始めていたんですか?
Naoko:曲は色々あったんですよ。
Hisayo:前作のアルバム『くるくるとぐるぐる』(2010年)を作っているときに「間を空けずにすぐ次の作品を出そう」という話があって、その時点から曲のストックはしてあったんです。そんな中で会場限定でEPを発売する企画が上がったので、まず『ルラ・ハレルヤE.P.』を作ることになって。
Reiko:ヨーロッパツアーの予定もあったので、海外でも手頃な値段のアイテムを持って行きたいという気持ちもありました。
●昨年10月にヨーロッパに行かれたんですよね。
Hisayo:海外ツアーは4回目だったんですけど、今回はかなり反応が良かったんですよ。
Naoko:ロンドン公演はソールドアウトだったりもして。今まで以上に日本人に関心を持ってくれているように感じたし、すごく楽しかったですね。
●ヨーロッパツアーに行く前には、アルバムのレコーディングにも入っていた?
Hisayo:レコーディングの真っただ中に行ったんです。海外でも歌詞の打ち合わせをしたりしていて、自分たちでも"なぜここで!?"っていう感じでした(笑)。
Reiko:ロンドンでは、ホテルのロビーでずっと歌詞の打ち合わせをしていて。その時点で、リズム隊はもう録り終わっていましたけどね。
●今作に向けて、新たに作った曲もあるんですか?
Hisayo:このアルバムのために作り足したのは、1曲だけですね。『くるくるとぐるぐる』の制作中にはもうできていたんだけど、全体のバランスを見て仕方なく外した曲もあって。『ルラ・ハレルヤE.P.』のときにも作っていたから、今回のアルバムを作るにあたって曲が足りないということはなかったんですよ。
Naoko:今回は全曲、作った時期がバラバラなんです。
●一番最初にできていた曲というと?
Hisayo:M-5「Unlucky doughnuts」かな。
Naoko:これは歌詞を3回くらい変えたんですよ。実はタイトルも元から変わっているので、いまだにメンバー自身も馴染めていないっていう(笑)。
Reiko:「どれのことだっけ?」ってなるよね(笑)。
●(笑)。最初の段階からは変遷を遂げている。
Hisayo:しばらく寝かせておいた分、良い感じになりましたけどね。『くるくるとぐるぐる』の頃から、ライブの雰囲気も変わったんです。以前はNaokoがシンセを弾きながら歌っていたんですけど、今はハンドマイク1本になって。それに合わせて、寝かせておいた曲も雰囲気が変わってきたんじゃないかな。
Naoko:そのときは1週間後にライブが決まっていたんですけど急に「歌だけにする!」と言って、楽器を放り投げたんです(笑)。
●それはどういう心境の変化だったんですか?
Naoko:伝えることに集中しようと思ったんです。やっぱり楽器を演奏することで、意識をそっちに持っていかれちゃう部分もあって。楽器を辞めてからは、より楽しく歌えるようになりましたね。ライブでとりあえず試してみたら、キーボードを弾きながら歌っている姿しか見たことがなかったお客さんからも「すごく良い」と言ってもらえたのでそれでいこうとなりました。
●楽器を弾かなくなって歌への意識も変わった?
Naoko:歌が楽器的なものではなく、より"歌"になった気がします。 ただ歌詞を音として辿るんじゃなくて、"歌詞を伝えたい"という意識が強くなりましたね。
●メッセージ性が強まったんでしょうか?
Naoko:伝えたいメッセージはいつもあって。今年は世の中的にも大変なことが色々あって、みんなの悩みが余計に増えていると思うんですよ。でも"生きているだけでも大変なんだから、もう生きているだけで良いと思うよ"と言いたくて。そういう意味で今作のM-1「[NUDE]」には、"自由に裸になろう"というメッセージを込めました。
●そういうメッセージをライブでもより伝えたいと思うようになったんでしょうね。
Naoko:ライブもよりカラフルでエネルギッシュになったと思います。曲に合わせた振り付けを考えたりもするようにもなって。プロデューサーの三浦さん(ケラ&ザ・シンセサイザーズ、NESSほか)もステージに出てきて、お客さんと一緒に振り付けしたりします(笑)。
●前2作に続いて、今作も三浦さんのプロデュースなんですか?
Naoko:今作もです!
Reiko:もはや三浦さんは、4人目のtokyo pinsalocksみたいな感じですね。
Hisayo:私たち3人は、一緒に曲を作るということはあまりしなくて。誰か1人が作ったデモに合わせて歌詞を付けて、それぞれがドラムとベースを乗せた後に三浦さんに渡すんです。なので、三浦さんとも一緒に作業をするというわけではなくて、渡した曲がいったいどうなって返ってくるのかを楽しみに待つ感じなんですよ。
●最後は三浦さんにお任せしている。
Naoko:ウチらもこだわりのポイントが定まってきたというか。"この芯さえあれば大丈夫!"というものが自分たちの中にあるから、ある程度アレンジされて返ってきても"そんなふうになったんだ"って思うだけなんです。昔はそういうところがなかなか受け入れられなかったんですけど、今は客観視できるようになったのかな。
Hisayo:予想外のものが返ってきても、今はそれが楽しいんです。
●そのtokyo pinsalocksの芯にあるものとは何なんでしょう?
Hisayo:音楽的なことというよりは、"スタイル"ですね。私たちの活動スタイルというか。3人それぞれが他で色んな活動をしながら、tokyo pinsalocksをやっているんです。1つのことに集中するんじゃなくて、スマートに色んなことをしっかりとこなす現代女子っぽい感じが私たちにはあって。
●メンバー3人が他でも活動していることが、このバンドの良さにもつながっている?
Hisayo:3人全員が他でも表現をしているから、良いバランスなんです。他のことがあるからと言い訳することもなく、それぞれがここに大事な部分を持って帰ってくる。そのスタイルって、ウチらにしかできないと思う。
Naoko:私はファッションブランドをやっているんですけど、私たちは3人とも表現者なんです。服や楽器や歌を通じて表現したことに誰かが反応して、人生が変わったり元気になってもらえたら良いなと思っていて。それぞれに表現する場所が増えたことで、逆に"tokyo pinsalocksで出すものはこれなんだ"ということがハッキリしたんだと思います。
●色んな活動を並行する中で、tokyo pinsalocksとして表現すべきことが明確になった。
Naoko:そのおかげで今は色んなことがスムーズなんだろうなと。昔はここに全てを詰め込もうとしていたので、譲れないものも多かったんです。でも今は、曲が伝わりやすいように削ぎ落すということもできるようになりました。
●自分たちの芯が固まったから、余計な装飾を削ぎ落して全部見せてしまえるというか。
Naoko:人に何かを伝えるときに自分の強い面だけを見せて話しても、なかなか受け取ってはもらえないから。そういう言い方をすると、相手が「でも私は違う」と思っちゃったりする。弱い部分やカッコ悪い部分も全部見せた方が他人は共感してくれるだろうし、そのほうが届くと思うんですよ。
●今作の歌詞でもそういう部分が出ている?
Naoko:うっとうしい女子の部分なんかも出ていますね。たぶん、それは昔の私かもしれない(笑)。
Reiko:うっとうしい女子だったんだ(笑)。
●M-3「NO カモフラージュ」もタイトルからしてそうですけど、「[NUDE]」で歌っているようなことは今作に割と一貫している気がします。
Naoko:M-6「アテンションプリーズ」も同じようなメッセージですね。人はみんな「私のことを見て!」と思っているんじゃないかと思っていて。例えば変な行動をしてみたり、メイクや服装を変えてみたりする。ちょっと悪いことをしちゃう人も、ただ「私を見てよ!」って言いたかっただけなんだろうなと。
●ただ周りの気を引きたかっただけというか。
Naoko:それは別におかしなことじゃないと思うし、もしも周りにそういう人がいたら「気にしてあげて!」っていう歌詞ですね。そういう小さなことって、日常にたくさん散らばっていると思うんです。仕事をお願いしたときに「私いっぱいいっぱいなの」って言う人も実はそんなに忙しくなくて、アピールしたいだけだったりするから。それって、特に女子に多いと思うんです。
●そんな女子3人が集まったバンドが、ずっと良い関係性で続けられていることが素敵だと思います。
Hisayo:今作を作っているとき、久々にケンカしましたけどね(笑)。
Naoko:でも、この歳になっても言い合える人は他になかなかいないから。信頼しているからこそできることだし、そこで関係が終わることなくちゃんと決着をつけられるとわかっているので良いんだと思います。
●ちなみに今回は何でぶつかったんですか?
Naoko:向き合い方みたいな部分ですね。
Hisayo:レコーディング中だったんですけど、歌詞についてでした。3人とも歌はとても大事な部分だと思っているから。サウンドに関しては全て任せてくれているのでぶつかり合うことはなくて。今回は1つ1つの歌詞についても3人で話し合っていたんです。
Reiko:言葉の響きとかまで細かく話し合いました。ヨーロッパツアーの最中だったこともあって、話し合う時間は多かったですね。
●ツアー中はずっと一緒にいるわけですからね。
Hisayo:今回は色んなことが重なってタイトなスケジュールの中でやっていたので、生活の中で作業することがより増えました。今後はもう少し時間を取ってゆっくり制作したり、逆にセッションからいきなり作るということもやってみたいですね。でも今作は今のスタイルで活動する中で最大限のことをやれたと思っているので、自信を持ってリリースできるんです。
●タイトなスケジュールの中でもお互いに向き合いながら作れたからこその自信なんでしょうね。
Naoko:実は今作の完成後にも、今後の制作方法について少しモメたんです。次はどんなふうに作るのかっていうこともやっぱり熱い内に話し合っておかないと、私は忘れてしまうので。Hisayoはめっちゃ覚えているけど…(笑)。
Hisayo:根に持つタイプです(笑)。同じことで何度もモメるのはアホらしいので、ちゃんと覚えておきたいんですよ。
●そういうところの性格は真逆なんですね。
Naoko:私は何でもすぐに忘れちゃうので、そのとき初めて聞いたり言ったりしたかのような反応をしちゃう(笑)。そういう面でも、バランスが良いっていうことで!
●(笑)。リリース後には各地でツアーも予定されています。
Reiko:"ハレルヤガールズコレクション"というツアータイトルなので、オシャレなコレクションカタログが付いてきます!
Hisayo:マジで!? それはReikoが作ってくれるんだよね? (笑)。
Naoko:言った人が作らないと(笑)。
Reiko:やっぱり、嘘です!
一同:(笑)。
●実際、何か特別なことも考えているんですか?
Naoko:"コレクション"というタイトルらしく、ライブの登場もいつもと違う感じになるかも…!?
Reiko:2012年がどんな年になるのかわからないですけど、"2011年よりも良い年になるように"という想いを込めて"ハレルヤガールズ"というタイトルをつけたんです。あなたをハッピーにするために、"ハレルヤガールズコレクション"が各地を訪れます!
Interview:IMAI
Assistant:Hirase.M / HiGUMA
「それぞれに表現する場所が増えたことで、逆に"tokyo pinsalocksで出すものはこれなんだ"ということがハッキリしたんだと思います」
●昨年の夏にライブ会場限定で『ルラ・ハレルヤE.P.』をリリースしたわけですが、その頃には今作『ハレルヤガールズ』の収録曲を作り始めていたんですか?
Naoko:曲は色々あったんですよ。
Hisayo:前作のアルバム『くるくるとぐるぐる』(2010年)を作っているときに「間を空けずにすぐ次の作品を出そう」という話があって、その時点から曲のストックはしてあったんです。そんな中で会場限定でEPを発売する企画が上がったので、まず『ルラ・ハレルヤE.P.』を作ることになって。
Reiko:ヨーロッパツアーの予定もあったので、海外でも手頃な値段のアイテムを持って行きたいという気持ちもありました。
●昨年10月にヨーロッパに行かれたんですよね。
Hisayo:海外ツアーは4回目だったんですけど、今回はかなり反応が良かったんですよ。
Naoko:ロンドン公演はソールドアウトだったりもして。今まで以上に日本人に関心を持ってくれているように感じたし、すごく楽しかったですね。
●ヨーロッパツアーに行く前には、アルバムのレコーディングにも入っていた?
Hisayo:レコーディングの真っただ中に行ったんです。海外でも歌詞の打ち合わせをしたりしていて、自分たちでも"なぜここで!?"っていう感じでした(笑)。
Reiko:ロンドンでは、ホテルのロビーでずっと歌詞の打ち合わせをしていて。その時点で、リズム隊はもう録り終わっていましたけどね。
●今作に向けて、新たに作った曲もあるんですか?
Hisayo:このアルバムのために作り足したのは、1曲だけですね。『くるくるとぐるぐる』の制作中にはもうできていたんだけど、全体のバランスを見て仕方なく外した曲もあって。『ルラ・ハレルヤE.P.』のときにも作っていたから、今回のアルバムを作るにあたって曲が足りないということはなかったんですよ。
Naoko:今回は全曲、作った時期がバラバラなんです。
●一番最初にできていた曲というと?
Hisayo:M-5「Unlucky doughnuts」かな。
Naoko:これは歌詞を3回くらい変えたんですよ。実はタイトルも元から変わっているので、いまだにメンバー自身も馴染めていないっていう(笑)。
Reiko:「どれのことだっけ?」ってなるよね(笑)。
●(笑)。最初の段階からは変遷を遂げている。
Hisayo:しばらく寝かせておいた分、良い感じになりましたけどね。『くるくるとぐるぐる』の頃から、ライブの雰囲気も変わったんです。以前はNaokoがシンセを弾きながら歌っていたんですけど、今はハンドマイク1本になって。それに合わせて、寝かせておいた曲も雰囲気が変わってきたんじゃないかな。
Naoko:そのときは1週間後にライブが決まっていたんですけど急に「歌だけにする!」と言って、楽器を放り投げたんです(笑)。
●それはどういう心境の変化だったんですか?
Naoko:伝えることに集中しようと思ったんです。やっぱり楽器を演奏することで、意識をそっちに持っていかれちゃう部分もあって。楽器を辞めてからは、より楽しく歌えるようになりましたね。ライブでとりあえず試してみたら、キーボードを弾きながら歌っている姿しか見たことがなかったお客さんからも「すごく良い」と言ってもらえたのでそれでいこうとなりました。
●楽器を弾かなくなって歌への意識も変わった?
Naoko:歌が楽器的なものではなく、より"歌"になった気がします。 ただ歌詞を音として辿るんじゃなくて、"歌詞を伝えたい"という意識が強くなりましたね。
●メッセージ性が強まったんでしょうか?
Naoko:伝えたいメッセージはいつもあって。今年は世の中的にも大変なことが色々あって、みんなの悩みが余計に増えていると思うんですよ。でも"生きているだけでも大変なんだから、もう生きているだけで良いと思うよ"と言いたくて。そういう意味で今作のM-1「[NUDE]」には、"自由に裸になろう"というメッセージを込めました。
●そういうメッセージをライブでもより伝えたいと思うようになったんでしょうね。
Naoko:ライブもよりカラフルでエネルギッシュになったと思います。曲に合わせた振り付けを考えたりもするようにもなって。プロデューサーの三浦さん(ケラ&ザ・シンセサイザーズ、NESSほか)もステージに出てきて、お客さんと一緒に振り付けしたりします(笑)。
●前2作に続いて、今作も三浦さんのプロデュースなんですか?
Naoko:今作もです!
Reiko:もはや三浦さんは、4人目のtokyo pinsalocksみたいな感じですね。
Hisayo:私たち3人は、一緒に曲を作るということはあまりしなくて。誰か1人が作ったデモに合わせて歌詞を付けて、それぞれがドラムとベースを乗せた後に三浦さんに渡すんです。なので、三浦さんとも一緒に作業をするというわけではなくて、渡した曲がいったいどうなって返ってくるのかを楽しみに待つ感じなんですよ。
●最後は三浦さんにお任せしている。
Naoko:ウチらもこだわりのポイントが定まってきたというか。"この芯さえあれば大丈夫!"というものが自分たちの中にあるから、ある程度アレンジされて返ってきても"そんなふうになったんだ"って思うだけなんです。昔はそういうところがなかなか受け入れられなかったんですけど、今は客観視できるようになったのかな。
Hisayo:予想外のものが返ってきても、今はそれが楽しいんです。
●そのtokyo pinsalocksの芯にあるものとは何なんでしょう?
Hisayo:音楽的なことというよりは、"スタイル"ですね。私たちの活動スタイルというか。3人それぞれが他で色んな活動をしながら、tokyo pinsalocksをやっているんです。1つのことに集中するんじゃなくて、スマートに色んなことをしっかりとこなす現代女子っぽい感じが私たちにはあって。
●メンバー3人が他でも活動していることが、このバンドの良さにもつながっている?
Hisayo:3人全員が他でも表現をしているから、良いバランスなんです。他のことがあるからと言い訳することもなく、それぞれがここに大事な部分を持って帰ってくる。そのスタイルって、ウチらにしかできないと思う。
Naoko:私はファッションブランドをやっているんですけど、私たちは3人とも表現者なんです。服や楽器や歌を通じて表現したことに誰かが反応して、人生が変わったり元気になってもらえたら良いなと思っていて。それぞれに表現する場所が増えたことで、逆に"tokyo pinsalocksで出すものはこれなんだ"ということがハッキリしたんだと思います。
●色んな活動を並行する中で、tokyo pinsalocksとして表現すべきことが明確になった。
Naoko:そのおかげで今は色んなことがスムーズなんだろうなと。昔はここに全てを詰め込もうとしていたので、譲れないものも多かったんです。でも今は、曲が伝わりやすいように削ぎ落すということもできるようになりました。
●自分たちの芯が固まったから、余計な装飾を削ぎ落して全部見せてしまえるというか。
Naoko:人に何かを伝えるときに自分の強い面だけを見せて話しても、なかなか受け取ってはもらえないから。そういう言い方をすると、相手が「でも私は違う」と思っちゃったりする。弱い部分やカッコ悪い部分も全部見せた方が他人は共感してくれるだろうし、そのほうが届くと思うんですよ。
●今作の歌詞でもそういう部分が出ている?
Naoko:うっとうしい女子の部分なんかも出ていますね。たぶん、それは昔の私かもしれない(笑)。
Reiko:うっとうしい女子だったんだ(笑)。
●M-3「NO カモフラージュ」もタイトルからしてそうですけど、「[NUDE]」で歌っているようなことは今作に割と一貫している気がします。
Naoko:M-6「アテンションプリーズ」も同じようなメッセージですね。人はみんな「私のことを見て!」と思っているんじゃないかと思っていて。例えば変な行動をしてみたり、メイクや服装を変えてみたりする。ちょっと悪いことをしちゃう人も、ただ「私を見てよ!」って言いたかっただけなんだろうなと。
●ただ周りの気を引きたかっただけというか。
Naoko:それは別におかしなことじゃないと思うし、もしも周りにそういう人がいたら「気にしてあげて!」っていう歌詞ですね。そういう小さなことって、日常にたくさん散らばっていると思うんです。仕事をお願いしたときに「私いっぱいいっぱいなの」って言う人も実はそんなに忙しくなくて、アピールしたいだけだったりするから。それって、特に女子に多いと思うんです。
●そんな女子3人が集まったバンドが、ずっと良い関係性で続けられていることが素敵だと思います。
Hisayo:今作を作っているとき、久々にケンカしましたけどね(笑)。
Naoko:でも、この歳になっても言い合える人は他になかなかいないから。信頼しているからこそできることだし、そこで関係が終わることなくちゃんと決着をつけられるとわかっているので良いんだと思います。
●ちなみに今回は何でぶつかったんですか?
Naoko:向き合い方みたいな部分ですね。
Hisayo:レコーディング中だったんですけど、歌詞についてでした。3人とも歌はとても大事な部分だと思っているから。サウンドに関しては全て任せてくれているのでぶつかり合うことはなくて。今回は1つ1つの歌詞についても3人で話し合っていたんです。
Reiko:言葉の響きとかまで細かく話し合いました。ヨーロッパツアーの最中だったこともあって、話し合う時間は多かったですね。
●ツアー中はずっと一緒にいるわけですからね。
Hisayo:今回は色んなことが重なってタイトなスケジュールの中でやっていたので、生活の中で作業することがより増えました。今後はもう少し時間を取ってゆっくり制作したり、逆にセッションからいきなり作るということもやってみたいですね。でも今作は今のスタイルで活動する中で最大限のことをやれたと思っているので、自信を持ってリリースできるんです。
●タイトなスケジュールの中でもお互いに向き合いながら作れたからこその自信なんでしょうね。
Naoko:実は今作の完成後にも、今後の制作方法について少しモメたんです。次はどんなふうに作るのかっていうこともやっぱり熱い内に話し合っておかないと、私は忘れてしまうので。Hisayoはめっちゃ覚えているけど…(笑)。
Hisayo:根に持つタイプです(笑)。同じことで何度もモメるのはアホらしいので、ちゃんと覚えておきたいんですよ。
●そういうところの性格は真逆なんですね。
Naoko:私は何でもすぐに忘れちゃうので、そのとき初めて聞いたり言ったりしたかのような反応をしちゃう(笑)。そういう面でも、バランスが良いっていうことで!
●(笑)。リリース後には各地でツアーも予定されています。
Reiko:"ハレルヤガールズコレクション"というツアータイトルなので、オシャレなコレクションカタログが付いてきます!
Hisayo:マジで!? それはReikoが作ってくれるんだよね? (笑)。
Naoko:言った人が作らないと(笑)。
Reiko:やっぱり、嘘です!
一同:(笑)。
●実際、何か特別なことも考えているんですか?
Naoko:"コレクション"というタイトルらしく、ライブの登場もいつもと違う感じになるかも…!?
Reiko:2012年がどんな年になるのかわからないですけど、"2011年よりも良い年になるように"という想いを込めて"ハレルヤガールズ"というタイトルをつけたんです。あなたをハッピーにするために、"ハレルヤガールズコレクション"が各地を訪れます!
Interview:IMAI
Assistant:Hirase.M / HiGUMA