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UPLIFT SPICE

2ヶ月連続インタビュー第2弾:全メンバーインタビュー 他の誰にも作り得ない場所を手に入れたUPLIFT SPICE 狂った世の中に唾を吐いて投げつける愛が詰まったメッセージ

 耳と記憶に残るキラーチューン満載のアルバム『Memento』を昨年9月に発表し、レコ発ツアーを大成功に終わらせたUPLIFT SPICE。秀逸なサウンドメイクとキャッチーかつ個性的な歌、聴く者の心を躍らせるグルーヴと圧倒的なライブでその存在を着実に大きくしてきた彼らが、待望のニューアルバムを完成させた。我がJUNGLE★LIFEでは2ヶ月に渡って彼らに迫り、新メンバーを迎えて新しく生まれ変わったUPLIFT SPICEが秘める想い、そしてニューアルバム『パラダイムシフト』の全貌を暴く。彼らが手に入れた“兄弟パワー”とはいったい何なのか? 新作に込めた彼らなりのメッセージとは果たして何なのか?

Interview

「"プロのバンドってどんな感じなんだろう?"っていう。"そういう世界を知るいいチャンスだな"と思えたので」

●kenjiくんは今年の5月に正式メンバーになりましたが、それまでもUPLIFT SPICEのライブは何度か観てたんですよね?
kenij:そうですね。でも3~4回くらいで。

●あ、ガッツリ観てきたわけじゃないんですね。

kenji:そうですね。たまたま兄ちゃんから「今日ライブあるんだけど観に来ない?」みたいな感じで誘われてチョロチョロ遊びに行って。

●tovitaくんから見てkenjiくんはどんな弟なんですか?
tovita:しっかりしているように見せかけて、実は何もできないっていうか。

YOOKEY:あ、そうなんや。
tovita:うん。炊事とか洗濯とか全然できない。

YOOKEY:でもバンドだったらすごく気が利くよな。

千織:うん。むしろtovitaよりもちゃんとできてる。初めてラジオに出演したときも、tovitaより全然しゃべれてるし(笑)。

●アハハハ(笑)。

YOOKEY:ライブやリハとかで、重いキャビとか持って行こうかなと思ってたらスススッと来て持ってくれたりとか。

●周りに気配りができるタイプなんですね。

千織:うん。

●kenjiくんが音楽を始めたのはtovitaくんからの影響なんですか?

kenji:そうですね。俺が16歳のとき、学校行ってなくてバイトしてたんですよ。

YOOKEY:えっ? 中卒やったん?

kenji:中卒です。

YOOKEY:おおーっ!!

●色んな事実が出てきますね(笑)。

kenji:で、バイトしかしてなかったから時間があって、兄ちゃんに「ベースやってみない?」って言われて、それから始めたんです。

●聞くところによると、UPLIFT SPICEに入る前はジャズやHIP HOPっぽいバンドでやってたんですよね?

kenji:そうですね。最初はHi-STANDARDから入ったんですよ。でもロックとかだとベースはすごくシンプルじゃないですか。だから"ベースでもっと色んなことできないのかな?"とか思いながら色んな音楽を聴いていくと、ブラックミュージックとかでは結構ベースが要になっているということに気付いて、"俺もこういう音楽やりたいな"と思ってハマっていったんです。で、UPLIFT SPICEに入るまではそういうバンドをやっていて。

●なるほど。

kenji:そのバンドがメンバーの都合で解散するってなったときに、ちょうどあっちゃん(UPLIFT SPICE前ベーシスト守安)が抜けるとなって。「だったらやってみない?」って声が掛かったんです。

●誘われたときはすぐに"やろう"と思ったんですか?

kenji:そうですね。俺はそれまでアマチュアしか経験なかったんですけど、UPLIFT SPICEはプロのバンドじゃないですか。だから"プロのバンドってどんな感じなんだろう?"っていう。"そういう世界を知るいいチャンスだな"と思えたので。

●お、素晴らしい。

kenji:そんな機会も普通だったらないだろうし。

千織:最初は「メンバーに」っていう感じじゃなくて、「とりあえずスタジオに入ってみよう」って誘ったんです。でも最初から息は合ってたし。それまでtovitaとスタジオに入ったりとかしてなかったんだよね?

kenji:そうですね。俺がベースを始めたときにチョロっと一緒にスタジオに入ったくらいで、それ以降はまったく一緒にやったことはなかったんですけど、久々に一緒に入ることになって。

●実際やってみた感触はどうでした?

kenji:やっぱり合わせやすいっていうか。
tovita:2回目くらいのスタジオに入ったときに「兄ちゃん下手になったな」って言われました。

一同:アハハハハ(笑)。

千織:そんなことを最初から言えるっておもろいじゃないですか。
tovita:そうだね。本当に最初から気を使わないでやれる。

YOOKEY:なんか知らないけど俺も気を使わないでやれるんですよ。普通はどんな人でも慣れるまでやっぱり気を使うじゃないですか。それがなんか新鮮だった。

千織:「tovitaの弟っしょ?」みたいな(笑)。

●そういうのありますね(笑)。面識なかったけど友達の弟とかだったら最初から「おう!」って。

YOOKEY:最初から「とりあえず曲を覚えてきて」って結構無理のある曲数を言って。ちょうどその時期にレコーディングが始まったから新曲も覚えていって、でもライブもあるから既存の曲も覚えて。

kenji:そうでしたね。最初は大変だった。

千織:kenjiはそこですごく前向きやったんです。既存の曲でも覚えれへんかったらノートに書き留めたりして。そういう姿を見てて、もう1回訊いたんですよ。「どうする? やる?」って。そのまま確認せずにズルズルやるのは悪いと思ったから。そしたら…。

kenji:「やる」って言いました。その時点で20数曲分、自分用の楽譜を書いていたんですよ。ここまでやったらもうやるしかないでしょ、みたいな(笑)。

●今はもう正式メンバーですけど、kenjiくんはいちばん客観的にバンドを見れる立場だと思うんですよ。主観でいいんですけど、kenjiくんから見てUPLIFT SPICEはどういうバンドだと感じていますか?

kenji:やっぱりすごいパワーがあるバンドだと思います。ライブのときの迫力というか。入る前にライブを何度か観たと言いましたけど、そのときもブラックミュージックとかにはない迫力がかっこいいなと思ってたんです。で、実際に入ってみてもその迫力がすごいなっていう印象が強いですね。

INTERVIEW #2

「綺麗な音楽を作って綺麗なことばかり歌っても、でも現実はそうじゃないやん。なぜ隠す必要があるんかな? と思うんです」

●アルバムタイトルを"パラダイムシフト"という意味深なタイトルにしたのは何か理由があるんですか?
※パラダイムシフト:その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化すること。

YOOKEY:曲が全部できてからアルバムタイトルをつけたんですけど、俺らは常に"新しいことしたい"、"それまでの常識にとらわれたくない"という気持ちがあるんです。で、今回はそういう想いが今まで以上に強かったんでしょうね。このアルバムタイトルが出てきたときにピンときたというか。それは自分自身気付いたことなんですけど。

●なるほど。

YOOKEY:アルバムタイトルをどうしようか考えていたんですけど、そのときにはもうアルバムの推し曲はM-1「マイノリティ・パレード」に決まっていて。なんとなくですけど、一般的にアルバムの推し曲は"サビがポップでわかりやすい曲"みたいな一般常識みたいな感じがあるじゃないですか。

●うん。なんとなくありますね。

YOOKEY:別にサビがポップでわかりやすい曲が悪いとは思わないですけど、なんかみんながみんなそういう風にしている気がして。例えばポップチャートとかを見ると、結構似たような印象の曲が作品の推し曲やタイトル曲になっている気がするんです。でもアーティスト1人1人の曲を掘り下げていくと、みんな個性的で印象はそれぞれ違うんですよね。

●うんうん。

YOOKEY:なのになんでみんな同じような印象の曲を打ち出すのかな? って。だったら俺らは、自分たちらしくていちばんパンチのあるかっこいい曲を推し曲として選びたいなと。もちろんキャッチーさがあることが大前提で。で、「マイノリティ・パレード」は2コーラスしかないし、普通だったら推し曲にはならないようなタイプの曲かもしれないけど、でもかっこいいからいいよねって。楽曲のパワーがあるからこれでいいよねって。そういう想いがアルバムタイトルにも繋がってて、"パラダイムシフト"という言葉が出てきたときにピンときたんです。

●なるほど。そもそも「マイノリティ・パレード」は歌詞的にオンエアNGな局とかもいっぱいあるでしょうね。

YOOKEY:そう! でも俺らはそこも闘っていこうと(笑)。

●歌詞に"精液"とか"性器"とか出てきてるもんね。

YOOKEY:でも素晴らしい歌詞じゃないですか。

●いや、この歌詞は素晴らしいと思いますよ。表現を貫いていると思う。

YOOKEY:素晴らしいでしょ? でもそういう言葉ひとつ取って「ダメ!」「ダメ!」ってなって、みんなが抑えていかなきゃいけない風潮ってあるじゃないですか。でもロックってもともと自由なものだったと思うんです。それが社会とかと色々絡んできて、結局こじんまりしちゃってるっていうか。

千織:この曲を流すのがアカンのやったらアカンでしゃーない。でも、そっち側も闘ってくれる人がいるなら何かが届くと思うんよね。こういう表現を求めてくれる人は闘ってくれると思うんです。

●うんうん。

千織:世の中にはしょーもない制約とかいっぱいあるじゃないですか。そういう制約があるのはしょうがないけど、ウチらインディーズやし、おもろいことしたい。そこで"オンエアができひんから"っていう理由で「マイノリティ・パレード」を推し曲にするのは止めよう、という気にはならなかった。

YOOKEY:オンエアできるかどうかが重要じゃなくて、この表現がベストだとするならば、それを出すのがアーティスト側の仕事でもあるのかなって。

●「マイノリティ・パレード」の歌詞を読めばすぐにわかりますけど、この曲は奇をてらっているわけじゃなくて、追求した結果ですもんね。

千織:だって、もう世の中は狂ってるんやから、今さら隠したってしょうがないと思うんですよね。

●おっ、名言でた。

千織:綺麗な音楽を作って綺麗なことばかり歌っても、でも現実はそうじゃないやん。「いや、狂ってるでしょ?」って歌ってて、それをなぜ隠す必要があるんかな? と思うんです。「悪影響だ」とか言うけど、どんどん狂っていってるんやからそんなこと関係ないしって思う。今回のアルバムは結構そういうモードで作ったかもしれない。

●確かに今作はメッセージ性が強いですね。作品としてはどういうイメージで作り始めたんですか?

YOOKEY:前作『Memento』は、精神的な世界観をちょっと多めに出してみたっていう感じがあって。対して今回は、前作から質を下げずにわかりやすくするっていうことを考えましたね。

●今作を聴いた印象として、例えばギターで言うと前作に比べてクリーントーンっぽい音が目立っているような気がしたんですよね。あと、音の隙間を効果的に使っているというか。だから今までの延長線上ではあるんですけど、「質を下げずにわかりやすくした」というのはよくわかる。

YOOKEY:うんうん。もちろん今までの延長線上で、進化を見せつつわかりやすくしようという意識が強かったですね。でも捻くれている部分も持っていたりだとか、今回も自分なりのハードルというかこだわりを色々と設けて。

●それとkenjiくんのベースは、やっぱり今までとアプローチが違うから新鮮だったんですけど、最近メンバーになったとは思えないグルーヴが出ていますよね。「マイノリティ・パレード」もそうだし、独特なグルーヴ感が印象的なM-5「ガリレオ」とか聴いてて特にそう思いました。

YOOKEY:そうですね。ウチらスパルタなんかな?

kenji:スパルタです(笑)。

●あ、即答した。

YOOKEY:普通だったら入ってすぐのメンバーには「この曲はこんな感じでベース弾いてよ」とか具体的に言うのかもしれないけど、ウチらは基本的にあまり言わないからね。

kenji:そうですね。

千織:むしろ「君ならどう弾くの?」みたいな(笑)。試すっていうか(笑)。

YOOKEY:別に意図してそうしてたわけじゃないけど、"もうやるしかない!"みたいな状況に追い込んでたんかな(笑)。

kenji:まさにやるしかないっていう感じでしたね。でも前にやってたバンドは、曲は基本的にセッションで作っていたんですよ。コード進行だけ決めてあとは全部セッションで作っていくというか。

●即興性が必要とされていたし、そこで培われた部分も大きいんですね。

kenji:そうですね。だからそういう意味ではあまり抵抗がなかったし、ベースアレンジは結構任されましたけどそこまで悩んだり苦しんだりはなかったです。

●kenjiくんのベースが印象的だし、そもそもバンドとしてのグルーヴが際立っていると感じたのが「ガリレオ」なんですよね。Aメロからグルーヴで持っていかれるというか、こういう雰囲気は今までUPLIFT SPICEから感じたことがなかったからびっくりして。

YOOKEY:進化ですよ(笑)。この曲は制作の後半に作ったんですけど、そもそものきっかけは"おもしろい曲を作りたいな"という発想で。そのときに出来上がっていた他の曲を見渡してみて、キャッチーだけど個性的で、あまり聴き慣れない曲が欲しいと思ったんです。

●なるほど。

YOOKEY:そこで完全な主観というか勝手なイメージですけど、アメリカのR&Bみたいな雰囲気にロックやニューウェイヴみたいな要素を足していったらどうなるやろう? と思って。そしたらこんな曲になったんです。

●自分に"キャッチーだけど個性的で聴き慣れない曲"というテーマを課したんですね。でも音楽に落とし込むのは難しくなかったんですか?

YOOKEY:まあサビはだいぶん前からあったんですよ。でも平メロがなかなかハマらなくて"いいのないかな~"ってずっと探していたというか。そしたらたまたま今回できちゃった。

●たまたまできちゃったのか。

千織:この曲は木星探査機のことを歌ってるんですよ。"ガリレオ"って木星探査機の名前なんですけど、この曲に限った話じゃなくて、今回は好きなことを書こうと思ったんですよ。

●今までも結構好きなこと書いてましたけどね。

YOOKEY:そうそう、ずっと好きなこと書いてる。

千織:そうやけど、でも今回は更にっていう。私が宇宙好きって知ってるっけ?

●知らんわ!

一同:ハハハハ(笑)。

●でも今までもちょこちょこ宇宙に関連するようなこと歌ってきているから、興味はあるんだろうなとは思っていましたけどね。

千織:私は宇宙が大好きなんですよ。

●僕も大好きですよ。

千織:えー! ホントにー?

●宇宙に関する本もよく読むし、CSとかで宇宙の特集とかやってたら録画して観てます。

千織:私の中で、レコーディングに入るまで宇宙に支配されていく感じがあったんですよ。

●支配って、マイブームということ?

千織:そうですね。だから時期的にも浮かぶ言葉は宇宙に関することが多かったんです。

●確かに今作は宇宙を思わせるような言葉が多いですね。

千織:多いんですよ。だから自分でも"ちょっと多いかな?"と思ったんですけど、でも思ったことを素直に書こうと。インスピレーションって大事やと思うから。

●うんうん。

千織:それで「ガリレオ」のオケを聴いたとき、今までにない感じを受けたんですよね。宇宙っぽさも感じるけど、でも無機質的な肌触りもあって。そこで色々と自分の中で妄想を広げていって。そしたら木星探査機のガリレオがハマったんです。

●この曲も独特なキャッチーさがあると思うんですけど、何のこと歌ってるかよくわからない感じがあって。記号的というか。いきなり"ガリレオ ガリレオ 宇宙 ブンブーン"とか歌ってるし。

YOOKEY:うんうん。

●意味はわからないけど耳に残る。更に歌詞を深く読んだら、すごいドラマがあって。

YOOKEY:例えば「メジャー進行だったらキャッチーだ」みたいな風潮とかもあるじゃないですか。でも俺はそうは思ってなくて、「ガリレオ」もキャッチーだし、「マイノリティ・パレード」もめちゃくちゃキャッチーだと思うんですよ。更に、そこに千織のキャッチーな歌詞が乗るっていうのがUPLIFT SPICEの特徴というか武器だと思うんです。

千織:この曲はAメロからバシッとハマる言葉を入れたかったんです。意味なんてわからなくてもいいから。そしたら絶対にすごい曲になるだろうなと思って、それで"ガリレオ"という言葉がハマったとき、すごい手応えがあったんですよね。これはヤバいと。

●うんうん。

千織:毎回そうなんですけど、今回も歌詞は私なりに詰めて考えて、響きが面白かったり、つじつまが合ったりとか、ドラマチックだったり、メッセージを込めたりして。そういうおもしろさを見い出してほしいなって思うんですよ。歌詞カードを読んでまたそこで違う世界観が広がったらいいなっていう想いも今回は強かった。

●僕がまさにそうで、木星探査機のガリレオは知ってましたけど、そのドラマチックなエピソードは知らなかったんですよ。で、この曲の歌詞を見たあとに改めて調べてみたんですよね。そしたら…めちゃめちゃドラマチックですね。ちょっと前に話題になった"小惑星探査機はやぶさ"なんか比にならないくらい。

千織:でしょ! そうなんですよ!
(※この後、しばらく2人で木星探査機ガリレオの話で盛り上がる)
YOOKEY & kenji & tovita:…。

千織:お前らも調べろ!

INTERVIEW #3

「すっごい悩んでいることが、考え方や視点を変えることによって、実はすごく幸せなことやったりするかもしれへん」

●M-3「スターバースト」とかM-6「掌」から強く感じたことなんですけど、今作はバンドのサウンド的な芯がギュッと詰まってタイトになった感じがするんですよね。楽器ひとつひとつの要素というより、アンサンブルとしての気持ち良さが前面に出ているというか。

千織:やっぱり前は、個人のおもろいところをどんどん出していこうぜっていう部分が強かったんですよ。でもkenjiが入って、リズム隊の間での理解がめっちゃ早いんですよ。

●あ、出た。兄弟パワー。

千織:もう、2人で1人みたいな。なんでそうなのかやっぱり上手く説明できないんですけど、兄弟パワーみたいなものをすごく感じるんですよね。

YOOKEY:「これとこれどっちがいい?」って訊いたら、だいたい2人の意見は同じなんです。「曲順はこれとこれだったらどっちがいい?」って訊いたら、意見は一緒。

●うおっ、そこまでですか。

YOOKEY:そこまでなんですよ。

千織:前は、私とYOOKEYの意見がカブったりあっちゃんとtovitaが一緒だったりすることもたまにはありましたけど、結構それぞれがバラバラだったんですよね。「1 対 1 対 1 対 1」というか。でも今は「2 対 1 対 1」みたいな感じ。

YOOKEY:3人組みたいな感じですよ(笑)。
tovita:僕ら3ピースです。

●それがバンドのアンサンブルにも出てるのか。

千織:うん、出てると思う。

YOOKEY:それにkenjiは適応能力がすごくあるんですよ。すぐに合わせることができるっていうか、周りが見えてる感じ。そういうkenjiの個性もアンサンブルに影響してると思う。

●気も使えるし、周りも見えていると。お兄様とは違って。

千織:お兄様は「ドラムは芸術だ!」とか言ってますからね(笑)。

一同:アハハハハハハ(爆笑)。

YOOKEY:パッと入ってきてこんなに上手くまわるのは、なかなかないことだと思うんですよね。

●音楽的なルーツが同じという訳でもないんですよね?
tovita:そうですね。違います。

YOOKEY:食事の趣味嗜好も全然違うんですよ。正反対で。tovitaは濃いハンバーグとかが好きなんです。

kenji:でも僕はアッサリしたものが好きで(笑)。

●あ、全然違いますね。

YOOKEY:なんか精神的なところというか、根本的なところが近いのかなっていうのは俺は感じるんですよね。それが音楽みたいな、あまり形として見えないものには出るのかなって。

●音楽って人間性みたいなものが出ますからね。さっき「今作はメッセージ性が強い」と言いましたけど、M-10「新世界」という曲からはすごくバンドの心境的なものを感じたんですよね。それは前回のインタビューでYOOKEYが「ツアー終盤ですごく精神的に落ちたとき、UPLIFT SPICEを必要としてくれているお客さんたちの気持ちに支えられて"これからもバンドやろう"と強く思えた」と言っていましたけど、そういったバンドの内面的なものがすごく出ている楽曲だなと。それは「スターバースト」の歌詞とかからも感じたことなんですけど。

千織:ウチらは音楽をやらせてもらえてて、聴いてくれる人もいて、ライブでも発散させてもらえるし、かと思えばCDも作らせてもらえる環境で。要するに発散もできるし内にも入っていける環境に恵まれてるんですよね。

●はい。

千織:結構私の周りには心に闇を持ってる人とかも多いんですけど、「毎日おもんない」っていう人はいっぱいいると思うんですよ。どうすればいいのかわからんくて悩んでたり。そういう人にもパラダイムをシフトして欲しいなっていう想いもあったり。例えば「地球は平面やと思われていたけど実際は球体やった」みたいな感じで、すっごい悩んでいることが、考え方や視点を変えることによって実はすごく幸せなことやったりするかもしれへん。そういう想いもあるし。

●うんうん。

千織:更に、ウチらが生きている世の中のパラダイムだったり、もっと言えばウチらが活動している音楽の世界のパラダイムもシフトできたらな、っていう想いもあったり。「新世界」で歌っていることはそういうことやし、今回のアルバムで言いたいことも結局はそういうことなんですよね。

●なるほど。そしてリリース後には長いツアーがありますが、今回のツアーはどうしようと思っていますか?

千織:"UPLIFT SPICEのライブってこうだよね"ってみんなが思っている先入観をシフトさせたいですよね。
tovita:おっ! なるほど!

千織:「なるほど」じゃなくて、そこは合わせようよ(笑)。

一同:アハハハハ(笑)。

千織:まだ未知数な部分も多いですけどね。

YOOKEY:うん。kenjiにとっては初ツアーやしな。

kenji:そうですね。

YOOKEY:まあでも、それも含めて楽しみなツアーですね。

千織:あと、震災があった後、福島とか仙台のお客さんからメールもらったんですよ。「こっち来てライブしてください」って。それがすごく嬉しくて。震災が起きて、ライブとかは過敏な時期もあった中で"ウチらはやるしかないな"って思ってたけど、そういうメールもらって「あ、やっぱりキミらもそう思ってくれてるんや!」って実感して、すごく嬉しかった。今回のツアーではそういう地方にも行くから、行って、むちゃくちゃしたい(笑)。

●楽しみですね。では最後、tovitaくんとkenjiくんの兄弟に締めてもらいましょうか。
tovita:兄弟パワーから始まって、UPLIFT SPICE全部が家族みたいな一体感を出せるツアーにしたいです。

kenji:俺にとっては初めてのツアーだから不安もあって。どんなツアーになるだろうな? っていう。

千織:行ったことない場所とかもあるもんな。

kenji:そうですね。今の時点でも行ったことない土地に行ったりしてますけど、ツアーだとやっぱり初めての経験の連続だと思うから、そういうことも含めて思いっきり楽しみたいと思います。

interview:Takeshi.Yamanaka
Live photo:三條 康貴

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