音楽メディア・フリーマガジン

矢沢洋子

ブレることなきロック魂を抱き、彼女は新たなステージに挑んでいく

矢沢洋子&THE PLASMARS
2013/12/20@下北沢CLUB Que “Bad Cat〜ニャンだこのやろう〜TOUR”
矢沢洋子&THE PLASMARS / LONESOME DOVE WOODROWS / KiNGONS / FLiP

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衝撃の新作ミニアルバム『Bad Cat』を11/13にリリースした、矢沢洋子。実父である矢沢永吉が初のプロデュースを行った新作は、打ち込みやストリングスなども導入し高度に完成されたスタジオ・アルバムだった。だが、東名阪で行われる今回のツアーは、THE PLASMARSを率いてのバンド編成だ。果たして新作の楽曲をいかにして表現するのか? いや、それ以前に今、彼女がどんなライブを見せるのかという関心を持って会場に向かった。

LONESOME DOVE WOODROWS、KiNGONSという2組の熱演に続いて、FLiPがさらなる熱狂をもたらしたことで十分すぎるほど温まったフロア。そこに本日のメインアクトである矢沢洋子がTHE PLASMARSを引き連れて登場すると、オーディエンスは大喝采で迎え入れる。オープニングナンバーは新作でも1曲目を飾る、タイトル曲の「Bad Cat」だ。クールな佇まいながらも挑発的にステージ上から歌いかける姿は、音源からもうかがい知れた表現力の進化を如実に実感できる。

だが、サビに差し掛かったところで、一気に放出されるパッション。“Bad Cat, Bad Cat!”と情熱的に歌う彼女と共に、バンドの鳴らすグルーヴもソリッドさを増していく。やはり、矢沢洋子というアーティストが軸足を置くところは“ロック”なのだ。2曲目の「ROSY」から「バイバイBOY」、MCを挟んでの「アドレナリン」と続くバンドサウンド全開の展開に、誰もが確信したことだろう。

新作とは異なるEnglish Ver.でテンポも速めて演奏された「Breakaway」、定番の「THE WILD ONE」と2曲続けての洋楽カバーではロック・ディーヴァっぷりを魅せつける。本編最後の「HONEY BUNNY」ではお決まりのウサ耳ポーズにフロア中を巻き込み、エンターテインメント感も味わわせてくれた。アンコールでは「C.M.C」「too late」とキラーなライブチューンを連発! 対バン形式でのライブなので時間は短めだったが、その中でも濃厚で充実したパフォーマンスを満喫できるライブだった。

進化を遂げた歌唱力とダイナミズムを増したバンドサウンド、そして決してブレることのないロック魂を抱いて、新たなステージへと挑んでいく矢沢洋子。次なる新作ではいったいどんな驚きを与えてくれるのか、今後の動きを期待しつつ注視していきたい。

TEXT:IMAI

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