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座布団忍者、新作『Still, You Dance』で示す”編集されるポップ“の現在地

4人のソングライターが織りなす、その確かな根拠からなるポップネス

<特集アーティスト>

座布団忍者(Zubtone Ninja)

写真左から 金子凌大(Dr)、河上憲将(Vo,Gt)、野崎千鶴(Vo,Ba)、秋田温奏(Vo,Gt)

都内大学に在学中の4人組。

2025年3月より活動を始め、同年8月には初音源『B132』をリリース。

2026年4月15日NEWFOLKから1stアルバム「Still, You Dance」を配信リリース。

6月3日にCDもリリース予定。

それに伴い、2026年5月22日下北沢BASEMENT BARにて、アルバムのリリースパーティーが開催される。

4人のソングライターが織りなす、その確かな根拠からなるポップネスは、界隈を問わず早耳なリスナーから評価を集めている。


  1. バンド結成のいきさつ

大学に入学したばかりの時、音楽サークルで出会った野﨑と河上に、僕が声をかけて結成しました。

凌大さんは高校時代からの知り合いで、ドラムを上手に叩くので呼びました。(秋田)

 

  1. 最新作セルフライナーノーツ

1stアルバム「Still, You Dance」

 

1.「Mr. Dの逆襲」(作詞 作曲: 秋田温奏)

この曲は、60~70年代にペルーで流行した音楽ジャンルである"チーチャ"を参照しています。

隣国コロンビアのクンビアを取り入れながら、英米のサーフロックなどの影響も受けたエレキの音楽です。

その「ごちゃ混ぜ感覚」がcoolだと思ったので、アルバムの一曲目はこういうふうにしました。

と同時に、アフロポップと歌謡曲も念頭に置きました。

チーチャとアフロポップと歌謡曲では節操がない感じがしますが、それにも意図があります。

それは一体なんなのかというと、長くなるのでやめます!(秋田)

 

2.「待合室」(作詞 作曲: 野﨑千鶴)

アルバムの中では最初の方に録った曲なのですが、長胴のスネアやベースの乾いた音色がかなり好きな雰囲気になったなと思います。

途中のコーラスは3人で歌っています。

アレンジの際にはシュガーベイブやJames Taylorを持ってきてくれたのですが、今度のリリースパーティ(5/22)ではキーボーディストも一緒に演奏するので、かなりその感じで演奏できそうで楽しみ!(野﨑)

 

3.「summertime」 (作詞 作曲: 河上憲将)

スタジオ・ワン的なインストのロックステディに、良い具合にストーリー・テラー調の日本語詞を乗せたいと思い作りました。

秋田くんにはラングリン風のギターワークをお願いして、ベースをさほど濃ゆくしなかったことによって、ポップに仕上がったと思います。

曲終わりのオブリはロビー・ロバートソンを意識しました。(河上)

 

4.「雑踏の中で」(作詞 作曲: 野﨑千鶴)

もともとベースのリフから作った曲です。

バンドでやる際に、河上君がPrince Jammyの『War in the asteroid belt』を出してくれたのが発端で、このような曲になっていきました。

最初と最後の方に鳴っているサンダーの音は、持ち込んだスプリングリバーブで出していたり、間奏前のボーカルディレイはその場のアイデアで生まれたり、エディットで作り込んだ部分が多かったです。

みんなDUBが好きなこともあり、ライブでやっていても特に楽しい曲です。(野﨑)

 

5.「Vanishing Girl 2」(作詞 作曲: 河上憲将)

わかりやすくモダン・ポップを作ろうと思い、ベースがメジャースケールを行ったり来たりした後、大サビでシンプルなコードにコーラスが乗るという、ある種マナーに沿ったような構成にしました。

デモの段階ではもっと味気ないものだったのですが、練習中に千鶴ちゃんが流したポール・サイモンのパターンを参考にしました。

Van Dykeの気の抜けたアルバムや、Led Zeppelin『In Through the out Door』など、嘘サンバや嘘カントリーが好きなので、図らずもそれらしい瞬間が出来て嬉しいです。(河上)

 

6.「誰かが見た幻」(作詞 作曲: 秋田温奏)

時間が経過することが怖くてしかたない時が、2日に1回ぐらいのペースであります。

眠りについて目が覚めたら、今日だったものが昨日になっているって、どういうことなのか理解できません。

マジでなんなんだ!

この曲は、僕をよく家に泊めてくれるひとの、家のベランダで夜中に思いつきました。

月がなぜ浮かんでいるのか、みんなが言ってる宇宙とは一体なんなのか、既に死んでしまった人はどうして今目の前に現れないのか、なぜみんな恋を続けるのか、色々考えていたらよくわからなくなってきました。

そこで、そんな悩みを悲哀に留めないようにしてくれるのが、ギターポップやディスコです。

音楽を聴いていたら、うっすら答えがわかった気になります。

アズテックカメラに涙を流した後は、古くてダサいディスコで踊ろう!(秋田)

 

7.「ロボット」(作詞 作曲: 河上憲将)

仕方の無いおじさんや、それに始まるマチズモに擦り寄る人々についての話を、AOR-つまりはDad Rockで聞かせてしまおうという、僕なりのジョークです。

「Japanese gentlemen stand up please!!」を間に受けられたらどうしよう。

少しは静かに座っていて欲しいです。ちゃんとお話がしたい。(河上)

 

8.「快速電車」(作詞 作曲: 野﨑千鶴)

16歳の時に作った曲なので、何も覚えていないに近い…

中学生の頃から、iPhoneのGarageBandで適当なトラックを作るのが好きだったのですが、飽き性なこともあり、ほぼ初めて最後まで完成させることができた曲でした。

アレンジするにあたっては、秋田君の「Clairo的な雰囲気にならないか」という無茶振りを、河上君が形にしてくてたものが中心になっています(ありがとう!)。

途中のベースラインは完全に、私の大好きなkhruangbinの『white gloves』です。(野﨑)

 

9.「川を下って」(作詞 作曲: 河上憲将)

Blue Nile『Let's Go Out Tonight』が40分続くアルバムがあれば、それが僕のベストアルバムだなと普段から思っています。

Prince『Last December』の前半の静かな部分がもう少し長ければな、と思いその気持ちで作ってみましたが、製作中にゴスペルを聴いたせいで気持ちを抑えられず、結果大団円になってしまいました。

それはそれで、好きなのでOK。(河上)

 

10.「貴方は踊るのをやめない・愛のありか」 (作詞 作曲: 河上憲将)

様々な時代を辿るように曲を紡いできて、グローバルに自分たちを客観視する必要があると考え、作りました。デジタルが発展し始めた時代の、失敗した音作りをグリッチサウンドで挟み込み、かつ日本語が美しく聴こえるようハイハットを排しました。

(ハイハットで細分化されたビートは、本来的には伸びやかな日本語の響きとあまり合わないのでは、とたまに思います)(河上)

 

  1. 影響を受けたアーティスト

<河上>

60年代のソウル・ミュージック、母親が弾いてくれたショパンとTake Five、保育園に通園する車で聴いていたPerfume

<秋田>

あくまでポップでありながらも一筋縄ではいかない、捻くれたポップミュージックが好きです。

最近知ったジョーミークという人が正にそれで、よく聴いています。

あとレゲエやダブもたくさん聴きます。

ポストパンクも好きです。

<野﨑>

細野晴臣、Trish Keenan(Broadcast)

近所に古くさいレコード屋があり、中学生の頃にいわゆるニューミュージックやよく分からないフォークのレコードを恐る恐る買って聴いていました。その影響もあり、初期の谷山浩子や山﨑ハコとかも好きです。

<金子>

浜田省吾や岡村靖幸は、実家の車で小さい頃からかかっていたので馴染み深いです。

ドラムを始めてからは、国内外問わず色んなバンドを聴きました。

なかでも影響を受けたと思うのは、TelevisionやThe Police、David Bowieで、自分のプレイスタイルにおける本質的な部分がそこにある気がします。

最近は、久石譲が携わったジブリ映画や北野映画のサウンドトラック、どうぶつの森に出てくる“とたけけ”の曲ばかり聴いています。

 

  1. これから国内外のミュージックシーンはどうなっていくと思いますか

<河上>

国外でどんどんバンドサウンドの解体が加速する一方、国内ではさほど流行ってないのかなと感じます。

ライブハウスを好きな人が多いのか、オルタナ信仰はまだまだ続きそうだなと思います。

それはそれで、みんな好きなことをしたら良いという話ではあるんですが、同世代の人間がシーンに向けて提示したことを受けて、自分は何をするのか、というのは少なからず忘れずに考え続けたい部分だと思います。

映像表現批評における「長回しのカットばかりの映画ならば演劇で十分である、映画の本質はやはりeditだ」という考え方が、ポップ・ミュージックにおいても大事になってくるかなと考えています。

これは個人的にライブに興味が無さすぎるだけかも……。

<秋田>

ことロックバンドに関していうと、DAWの編集感覚を生演奏に持ち込みつつも、ロックのダイナミズムは損なっていないようなアルバムが目立っているように感じます。

CarolineやGeeseがそれを上手くやっているイメージです。

あと、近頃ずっと続いている80'sリバイバルもまだ舞える気がします。

80’sサウンドをリファレンスにしつつも、懐古厨に留まっていないところがいいと思います。

良くも悪くも、もっと突き詰めたところまで行くはずです。

でも、日本のバンドシーンがこれからよくなるかどうかはわかりません。

<野﨑>

主にバンドシーンでは、様式美的な内面性が飽和しているなと思いつつも、混乱した社会情勢のなかでそれぞれの苦しみや悲しみが表面化された音楽は、今後も生み出され支持されていくのだろうなと感じます。

世の中の事を考えて悲しくなることも多いですが、音楽の中ではしなやかにいたいですね。

上手いことを言えず恐縮ですが…

<金子:>

わかりやすいようでかえってわかりにくいようなご時世ですが、これからも時代を彩り続けていってほしいと切に願います。

 

  1. 今後の展望

<河上>

はやく2枚目を出したいです。

<秋田>

セカンドを作りたいです!

<野崎>

よりタイトでミニマムなベースを弾きたい!

<金子>

まずは、リリースパーティーをステキでハッピーなものにしたいです!

 

Instagram

https://www.instagram.com/zubtoneninja/

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*最新作

1stアルバム「Still, You Dance

 

LABEL:NEWFOLK

CAT.NO.:NFD-028

JAN:4582561407444

FORMAT:CD / DIGITAL

RELEASE DATE:2026年4月15日 (CD:2026年6月3日)

CD販売価格:3,000円(税込)

https://linkco.re/606z0dDd

*ライブ情報

2026年5月22日(金)

『座布団忍者1st Album Release Party!!』

場所 : 下北沢BASEMENTBAR

出演 : 座布団忍者と手裏剣サウンドシステム / UlulU

アルバム発売を記念し、レーベルメイトでもあるUlulUをお迎えして2マンをやります!

座布団忍者は8人編成でのライブです。

ぜひお越しください。

ご予約用リンク↓

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScUo4QHApQ6M4zDiAVlluaud9PHHzxcaoZb0PIDvro5AN1wzQ/viewform

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