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Nothing’s Carved In Stone Cover&Interview


 
 
 
2008年の始動から2枚のアルバムと1枚のシングルをリリースし、深遠で造形美的な味わいのある音格的世界観と、その場でしか生まれ得ない躍動感あるステージで、シーンに於ける自らの存在を大きくしていたNothing's Carved In Stone。結成から3年、数多くの経験を積み重ねてきた彼らは、メンバー各々が放つ才能を共鳴させながら3枚目のアルバムを完成させた。バンドとして成熟期を迎え、メンタル的にもグルーヴ的にも増々充実した今の状態を感じさせるアルバム『echo』。半永久的に響き続ける耐性と強度をもつ13曲が放たれる。
 
 
 

INTERVIEW#1

 
 


「“素直でいいんだ”っていう心境で出来たものがかっこよかった気がするな。素直さがすごく出てるというか、変に構築しようとしてないというか」


 
 
●バンドとしては3年目で、アルバムも今作で3枚目ですよね。最近のバンドの状態はどうですか?
 
生形:ツアーも3回くらい回ったし、フェスも出たしライブもいっぱいやってきて。そんな中で言い合いなんかも全然するけど、すごく仲はいいですね。昨日もみんなで飲みに行ったし。
 
村松:なんか最近は、バンドを通してメンバーそれぞれの充実感が伝わってくるというか。それは今回のアルバムにすごく出てると思ってて。バンドの成長を実感できるっていうか。
 
●はいはい。
 
村松:だから今がバンドとしてどういう時期なのかは自分ではわからないですけど、すごく良い感じだと思うんですよね。
 
日向:うん。すごく良い状態だよね。ようやく肩の力が抜けてきたというか。
 
●肩の力が抜けてきた?
 
日向:今までは単純に突っ走ってきたので。アルバム1枚目2枚目と作って、ツアーもいっぱいやりつつ、止まることなく突っ走ってきて。
 
●はい。
 
日向:それは作風とかライブのテンションにもすごく表れてて、その時々でちゃんとアルバムに切り取れたっていう自信があって。で、今回は…相変わらずいきり立ってはいるんですけど、みんなの見えているものが、ようやくお互い認識し合えてきたというか、意思の疎通が出来てきたというか。
 
●なるほど。
 
日向:だから今作の制作は今まで比べても楽でしたね。1stアルバム『PARALLEL LIVES』(2009年5月)は勢いでバーッち作ったから早かったんですけど、2ndアルバム『Sands of Time』(2010年6月)はお互い認識し合いながら…。
 
生形:ちょっと時間かかったよね。
 
日向:うん。お互いを認識し合いながら、探り合いながら、言い合いもしながらビジョンに持って行ったというか。それはそれですごく好きなんですけどね。
 
●はいはい。
 
日向:で、3rdアルバムの今回は、勢いもあるしテンションもすごいんだけど、みんなに余裕があるというか。「それすげぇわかる」「それわかる」っていうことが多かったからこそバランスが取れたアルバムになったと思いますね。
 
●今までの活動でお互いをより深く理解することが出来たからこそのアルバムだと。
 
日向:そうそう。「いや、こうじゃねぇか」とかじゃなくて「それ認識出来るよ」っていう対処の仕方。そういう意味での肩の力が抜けたっていう。あうんの呼吸がすごく出てると思います。
 
●なるほど。
 
大喜多:意識しているのに無意識っていうか。
 
●意識しているのに無意識というのは?
 
大喜多:上手く言えないんですけど、曲が進行していく時に、すごくかっこいいと思える方向に自然と進んでいくんですよね。
 
●「あーだこーだ」と言わなくても?
 
大喜多:そうそう。細かいことを言わなくてもポーンと出した時にすごくかっこいい方向に行くから、そこにメンバーが出したものを便乗させていく。素直さっていうか。作っている時にそういうことを思いましたね。バンドとしてそういう感じになってきている。
 
●今作はちょっと今まで持っていた印象から変わったんですよね。今までのNothing's Carved In Stoneからは、作りこんだ美しさを感じていたんです。細かいところまで作りこんだ造形美というか、そういう魅力がすごくあるバンドだと思っていて。
 
生形:うんうん。
 
●で、今作を聴いた感想は、音の1つ1つの存在感がしっかりしている上にバランス良く絡んでいるので、それがシンプルだったとしてもすごくいい味が出ている。全体的にシンプルな印象が強かったんです。
生形:そうですね。弾くギターの本数も減らしたし。俺は元々“間”を結構埋めちゃうタイプなんですよ。怖くなっちゃって。でも今回はそれもやめたし。
 
●はいはい。
 
生形:そういう“間”に関することは今回みんなと話し合いながらやりました。曲の中に“瞬間”を入れるっていう。次のこととか考えたらもっと音が少なくても良かったのかな、くらいに思ってます。
 
●意識的にそうしたんですか?
 
生形:意識的にしました。まぁ、それはギターに関することですけど。もちろん曲によっては重ねてるんですけど、入れない曲は徹底的に本数を少なく。
 
●だからかもしれないんですけど、もう1つの印象としてビートが立っている曲が多い。
 
生形:そうですね。そうすると曲が立体的に聴こえるっていうか。
 
●ブログによると、今作の制作は去年の秋ごろから始めたということですが。
 
生形:結構早い段階から取り掛かったんです。最初にみんなで合わせて作ったものを、俺がアレンジを色々と考えるっていう作業の流れで。
 
●ということは、今回も最初はセッションから?
 
生形:セッションからですね。リズム隊は曲が出来るのがいつも早いんですよ。で、俺がいつもギターのことでネチネチ考えてるのが長いっていう。
 
●ネチネチって(笑)。
 
日向:ネッチリです。
 
一同:ハハハハ(笑)。
 
生形:でもそれくらいがちょうどいいんですよ。俺がギター考えてて1週間後くらいにまたみんなで会うじゃないですか。そうするとね、ひなっちは絶対に変えてくるんです。「ここのベースはもうちょっとこうしよう」とか。それの繰り返しだよね。
 
日向:そうだね。
 
生形:そういう作業を半年くらいやってたっていう。
 
日向:アレンジを変えたくなっちゃんだよね。
 
生形;やっぱり時間が経つと、色々思うところがあるんですよ。客観的に考えられるっていうか。
 
日向:だからウブ(生形)がネチネチしている間はアレンジを考えられるからいいなって。
 
●ハハハハ(笑)。
 
生形:ひなっちは爽やかにウォーキングをしながらアレンジを考えてるんだよね?
 
日向:ウブがネチネチしてる間に、俺は爽やかに考えてるんです。サッパリネチネチです。
 
一同:(爆笑)。
 
●作品の全体像はあったんですか?
 
大喜多:全体的なイメージがあって作り始めたわけではないです。今までなかった曲をやりたいな…とか本能的にミュージシャンが思うことってあるじゃないですか。そういうのでかっこよさを追求していければいいなっていうのはちょっとありましたね。
 
日向:なんか“素直でいいんだ”っていう心境で出来たものがかっこよかった気がするな。素直さがすごく出てるというか、変に構築しようとしてないというか。さっき言ってましたけど、余裕が出てきたからそうなったのかな。いきり立ってねじ伏せるんじゃなくて、余裕が出てきたがゆえに、素直さを見てもらいたいと思えるようになった。そういうメンタルとか。
 
●過去2枚のアルバムがあったからこそそういうメンタルになれたんだろうし、今までの活動を通して聴いてくれるお客さんの存在を実感したからこそですよね。
 
日向:そういうことでしょうね。バンドが成長する過程によって出てくるグルーヴだと思うんですね。
 
 
 
 

INTERVIEW#2

 
 


「ライブバンドとして成長してきて、メンバーそれぞれの成長がバンドの成長にもつながっていて。そこで、日本語があるとかないとかの理由で止めたくなかった」


 
 
●今作のポイントとして、日本語詞の曲が3つありますよね。
 
村松:もともと、英語の曲をやろうっていうのは俺と真一(生形)で決めたんです。でも2ndくらいから自然と「日本語の曲やりたいね」ってみんなで話してて。
 
●あ、アイディアとしては前作の頃から話題に出てたんですね。
 
村松:そうです。その前の流れとして、THE YELLOW MONKEYのトリビュート『THIS IS FOR YOU~THE YELLOW MONKEY TRIBUTE ALBUM』(2009年9月)で「バラ色の日々」をカヴァーさせてもらって、ライブでその曲を演る機会があったんです。
 
●あ、なるほど。
 
村松:それが“Nothing'sで日本語をやるのもかっこいいな”と自分でも思うきっかけにもなって。そういう流れで今回やりました。
 
●前回のインタビューで、村松さんが歌詞について「伝え方としては散文的なものでいいと思ってるけど、出来る限り自分の中から出てくるリアルなもので表現したい」とおっしゃってて。
 
村松:言ってましたね。
 
●だから日本語の歌詞が出来るのは自然な流れなのかなと。
 
村松:すごく自然でした。ツアー中に対バンとかすることが結構あって、そこで日本語で伝える力を持っているバンドを間近で見ることが多かったんです。
 
●はい。
 
村松:俺は英語の歌が基本的に好きなんですけど、そういうバンドのパワーに直面すると“ああ~、俺も日本人だな”って思うし、そういうところでも闘えないと歌を歌っている人間としては足りないのかなと思うところもあって。
 
●なるほど。
 
村松:Nothing'sの音楽を伝えようと始まって、ライブバンドとして成長してきて、メンバーそれぞれの成長がバンドの成長にもつながっていて。そこで、日本語があるとかないとかの理由で止めたくなかったというか、闘えるんだったら闘いたかった。
 
●うんうん。
 
村松:それに説得力みたいなものも欲しかったし。色々と考えましたけど、やってみようということで。
 
●実際に日本語で書いてみた時、感覚は違いましたか?
 
村松:日本語詞の書き方色々あると思うんですよ。英語っぽく日本語で書くとか、雰囲気だけで日本語で書くとか。あとはストーリーだけじゃなくて情景や出来事の描写も含めて書いたりとか。
 
●日本語詞でも色んな表現がありますもんね。
 
村松:俺は元々、英語っぽく書く日本語詞の方が好きなんですよ。ただ、そうやって書くと俺の場合は難しくなりすぎちゃうので、そういうのは周りに相談しながら。
 
●日本語史詞になったことによって。アレンジのアプローチが変わったりしたことはあったんですか?
 
生形:いや、それはないですね。前からそうなんですけど、歌詞を乗せるのは一番最後なので。
 
●あ、そうなんですね。なぜそういう質問をしたかというと、日本語詞になってるとはいえ、村松さんの歌詞は散文的というか、明確なメッセージや想いを書いているわけじゃないじゃないですか。
 
村松:そうですね。そういう書き方はしていないです。
 
●その中で日本語詞の「9 Beat」(M-9)という曲に最後、“君が思うより足音は響いてる/誰にも言えないでいた思いはもう”というところでバックの音がすごく薄くなりますよね。そこで感じたんですけど、アレンジ的な手法を使って、この曲でいちばん言いたいことを伝えようとしているのかなって。
 
村松:ああ~、でもさっき真一も言ったように歌詞は完全に後乗せなので、アレンジで言いたいことを表現したわけではないです。後乗せサクサクです。
 
●後乗せサクサクですか(笑)。
 
生形:きっとそれは歌詞を書く側の感覚としてあったのかもしれないです。曲の情景と言葉をリンクさせるというか。
 
村松:さっき「説得力が欲しかった」と言ってたのが、そういうところなのかなって。「9 Beat」のその部分は意図していたわけじゃないですけど、言葉が入ってくるかどうかっていうところを気にしながら歌詞を書いていたので、そういう風になったのかもしれないですね。
 
 
 
 

INTERVIEW#3

 
 


「どこかでつじつまが合ってるんでしょうね。自分たちでもどこでつじつまが合ってるのか意識してないんですけど(笑)。」


 
 
●制作は半年くらい掛けたとおっしゃってましたが、一番最初にできた曲はどれなんですか?
 
生形:「Truth」(M-2)ですね。
 
●あっ、最初に「今作はシンプルな印象がある」と言いましたけど、「Truth」で強くそう感じたんですよ。この曲の楽器の絡みというのはもう…。
 
生形:これはもうウチ独特ですよね。
 
●ですよね。“このアンサンブルの気持ちよさは何だ?”とびっくりして。
 
生形:これも最初はギターが違ったんですよ。違うリフを持ってきてて、そこにウチのリズム隊が合わさった時に“うわ! すげぇかっこいい!”ってなって。で、その後に俺がネチネチとギターを考え直して。
 
日向:この曲、俺もネチネチしちゃってて。
 
●アハハハハハハハハ(笑)。
 
日向:一回止めちゃったよね。
 
生形:「ちょっと今の時代に合わない。ロックすぎる」ってアレンジ考えるのいったん止めたんだよね。
 
日向:そしたらウブが「いや、この曲絶対やりたい」って。
 
●そういうやり取りがあったのか。
 
生形:リズム隊が絶対にかっこいいって思ってたから。で、俺が最初に考えたリフが“ロック臭さ”を出してたと思ったんですよ。だからリフを変えようと。
 
日向:そう。この曲は2人がネチネチしてたよね。
 
村松:二人ともネッチリだね(笑)。
 
●でもこの曲の絡み方は独特ですよね。すごく気持ち良くて。
 
生形:全員違うことやってるっていうね。
 
●でもちゃんとバランスが取れている。
 
生形:どこかでつじつまが合ってるんでしょうね。自分たちでもどこでつじつまが合ってるのか意識してないんですけど(笑)。
 
日向:すごい勝手だよね。「いっせーの」でみんな勝手なことやってる。
 
村松:それで合うってすごいよね。
 
●肌感覚みたいなことなんでしょうか?
 
日向:そういうことでしょうね。肌感覚で作った感じが強いです。
 
●あと、今作はガツンとしたロックの曲はあまりないですよね。
 
日向:「TRANS.A.M」(M-12)くらいですね。
 
生形:特に意識したわけじゃないんですけど、2ndが結構ロック色が強かったので、今回はモードがそうだったのかな。さっき言ってたように余裕が出てきたし、音数も少なくっていう方向だったし。
 
●ということは、ある意味「TRANS.A.M」に集約したというか。
 
日向:そうですね。勢いだけで作っちゃいまいた。
 
生形:「この曲だけは勢いで作ろう」って。最初にひなっちがイントロのベースを弾いて、オニィ(大喜多)がドラム叩いて…結構そのままだよね?
 
日向:うん、最初のアレンジのまま。5分くらい出てきたアレンジをそのまま使ってます。
 
●そうだったのか。
 
生形:そういうのが大事な曲ですよね。
 
日向:オニィがね、「“トランザム”っていう言葉を使って曲を作ろう」と言ったんですよ。車のトランザム。
 
●え? そういうスタートだったんですか?
 
生形:俺ら結構そういう感じで作り始めた曲多いですよ。
 
村松:イメージを共有する方法としてね。
 
●そうなんですね。トランザムってアメ車のトランザムですよね? ボンネットが長くて“ファイアーバード”て呼ばれている。
 
日向:そうですそうです。オニィが「“トランザム”っていう言葉を使って曲を作ろう」と言って、あのトランザムが鬼のような速さで直線を走っているようなイメージから拡げていったんです。
 
生形:そういうイメージを思い描かないとこういう曲は出来ないですよね。
 
●間奏のギターとか思いっきりドライブしてますもんね(笑)。
 
村松:あれヤバイよね(笑)。
 
生形:それもギリギリっていうか、“いなたさ”と“洗練”のギリギリのライン。やっぱりいなたくなったら止めちゃうし。
 
●PV曲は「Chain reaction」(M-5)ということですが、この曲は日本語詞でシンセも入ってますが、どういう経緯で出来たんですか?
 
生形:俺がネタ持ってきて、バンドで思いっきり拡げて。冒頭にシンセのペコペコした音が入ってますけど、あれも最初はギターで弾いてたんです。「テケテケテケテケ…」って。
 
●あ、そうだったんですか。
 
生形:「このギターはシンセにしたいんだけど」と俺が言って。そしてらひなっちがパソコン持ってきて。
 
日向:そう。「これじゃね?」って。
 
生形:そしたら「ペコペコペコペコ…」ってあのシンセが出てきた(笑)。
 
日向:「あ、これだよこれ」って(笑)。
 
●あの…話を聞いているとすごく軽いノリなんですけど…。
 
一同:アハハハ(笑)。
 
生形:そこら辺はすんなりいきましたね。この曲は最初にビジョンを結構話しましたから。「ああしよう」「こうしよう」って。
 
●この曲でPVを作ろうと思ったのはどういう理由があったんですか?
 
生形:最初に完成したのは「Truth」と「Spiralbreak」(M-4)と「Chain reaction」の3曲だったんですよ。その中からPVを撮ろうということになったんです。その中で一番びっくりされるのは「Chain reaction」だなと。まず日本語で歌っているし、シンセから始まるし。
 
●新しい画を見せようと。
 
日向:勝負に出てるんです(笑)。
 
●ハハハ(笑)。
 
生形:でもそういう部分はありますね。「Truth」だと“あっ! Nothing'sだな!”ってイントロ聴いて思うだろうし。
 
日向:「Spiralbreak」のリズムもかっこいいけど、やっぱりウチっぽいからね。
 
●なるほど。
 
生形:でも「Chain reaction」の冒頭のシンセ聴いてもウチとは思わないですよね。
 
日向:しかも拓が日本語でいきなり乗っかってくる感じがすごく新鮮じゃないですか。ある意味、めっちゃエッヂィだなって。
 
村松:めっちゃ尖ってるよね(笑)。
 
日向:曲調は尖ってないけど、姿勢がめちゃめちゃ尖ってる。
 
●「Chain reaction」を聴いて特に思ったんですけど、今作は無機質的な音と有機的な音が上手く混ざってますよね。
 
日向:そこは狙ってたところなんです。相反するものが同じ世界に同居してる感じ。
 
●お、なんか深い話。
 
日向:無機質的な…同期っぽい音が入ってるんだけど、でもすごい生っぽい音がいたりとか。その振れ幅を同時に表現することが、今の俺達にとってすごくロックだなと思ってて。
 
●相反するものが同時に存在する…二律背反というか。
 
日向:そういうところをうまく乗っけることができたと思います。
 
生形:それがかっこいいと思うんだよね。
 
日向:そう、思ってる。みんなが最近かっこいいと思ってる音楽にはそういうものが多かった。
 
●あ、なるほど。「無機質なものと有機質なものを同居させようぜ」と言葉で共有したわけじゃなくて、それぞれがかっこいいという感覚を共有したらたまたまそういう共通項が出てきたと。
 
日向:そうです。それも肌感覚ですけど。
 
●4人の感覚の共通項が音に出てるんですね。あと「My Ground」(M-8)という曲がありますけど、この曲は後半ガラッと雰囲気が変わるじゃないですか。別の曲か! ってくらいに。あの展開はちょっと想像出来なかった。
 
日向:前半だけセッションで作ってたんですよ。で、それをまたウブがネチネチし始めて。
 
●またネチネチ(笑)。
 
村松:で、気づいたら後ろに付いてた。
 
一同:アハハハ(笑)。
 
日向:デモの段階で、あの後半のパートがクロスフェードで乗っかってきたんですよ。「これどうやって繋げようかな?」って(笑)。
 
生形:キーが違うからね。
 
日向:そこを上手くアレンジでハメっていったというか。
 
生形:シンセを合わせて1回モヤ~っとさせといて、いつの間にかキーが変わってるという(笑)。
 
●どうりで急に景色が変わると思った(笑)。
 
日向:あれはちょっと大変でした(笑)。ウブの無茶振りをなんとか形にした曲だよね(笑)。
 
生形:最初のパートは踊れる感じでかっこいいんだけど、なんかもう1つ欲しいなと。こういう展開はあまり日本的じゃないのかもしれないけど、ビートルズも曲と曲をつなげたりしてるじゃないですか。ああいうのを1回やってみたいと思ってて。
 
日向:ブツ切りな感じでね。
 
●ライブはどうするんですか?
 
生形:後半のシンセをベースで聴くことになるのかな。
 
日向:それかシンセ置いちゃうかだね。後半ベース出てこないから。
 
●ライブが楽しみな発言だ。
 
 
 
 

INTERVIEW#4

 
 


「各プレイヤーがそれぞれイニシアティブを取れるところをちゃんと持ってるじゃないですか。だけど俺はヴォーカルなので、全員の存在を鳴らしていけるような存在でいたい」


 
 
●アルバムタイトルを“echo”にしたのはどういう理由ですか?
 
村松:俺の発案だったんですけど、バンドのメンバーがそれぞれ響き合ってる感じがまずひとつあって。
 
●はい。冒頭でそういう話がありましたね。
 
村松:あとは、反響してオーディエンスに届いて欲しいっていう。よく真一が「ウチはこれぞバンドですって感じのバンドだよね」って言うんですけどずっとそういう感じなんですよ。誰か一人がイニシアティブを取っているわけじゃなくて、ベーシストはベースでイニシアティブを取ってて、ドラマーはドラムで出来てるっていうか。
 
●はいはい。
 
村松:そういうのがちゃんと出来てるバンドなんですよね。だからそういう状態が“echoだな”と思って。人間がやってることを人間に伝えていくというか。自分たちがやっていることをちゃんとCDパッケージにして、それがエコーして第三者に伝わっていく。それは自分たちの国を作っているというか、ファミリーを増やしてる感覚…そういう感覚が Nothing'sにはあるんですよ。だからもっと響いていって欲しいし。だから“echoだな”と思ったんです。
 
日向:覚えやすいタイトルだよね。言葉の印象としてすごく空気が澄んでいるような、清々しいイメージがあるんですよね。森林とか。
 
村松:すげぇわかる。
 
日向:多分みんなそう思ってたと思うんだよね。
 
大喜多:ロックやってたらやっぱり混沌な世界観を求めがちだけど、このタイトルは響きがすごく良いよね。理想郷っていうか。
 
●ところで、以前から村松さんの歌詞には内面のリアルなものというか、“核”のようなものを探し求めているような志向性を感じているんですよ。
 
村松:ああ~、そうかもしれないですね。
 
●だから歌詞の表現は具体的ではないかもしれないけど、そういう志向性に共感したり心を震わせられたりするんです。どういう感じで歌詞を書くんでしょうか?
 
村松:俺らは昔から“青春“みたいなものがテーマで。“青春”っていうとちょっと青臭いんですけど、ウチのバンドは30を超えてるおじさんたちが青春してて、俺ももうちょっとで30歳なんですよ。
 
●はい。
 
村松:“青春”って青臭いけど、ドキドキしたりだとか、生活のハリになると思うんです。そういった“青春”からの刺激を受けて変わり続けて、今の己があって。今の己があるんだけど、それでもこれからも変わり続けたいというか。
 
●ふむふむ。
 
村松:繰り返し繰り返し自分を出していくということは、俺は流れ出ていく血のようなイメージがあるんです。ずーっと自分を出し続けていくとどんどん中身がなくなっていく、みたいな。
 
●表現することについて、そういう感覚があるんですね。
 
村松:その空っぽになった中身は、色んな所から刺激をもらって変わり続けていくことでしか埋めていけないんです。そういう感覚が俺の歌詞のテーマで。そのための刺激みたいなものが、俺の中では“青春”なんです。
 
●俗に言う若い年頃の“青春”ではなくて、常に感受性を豊かにしている心の状態というか。
 
村松:そうです。だから別に若い頃のことでもいいんですけどね。自分を動かしていくための材料っていうか。
 
●それを常に求めている?
 
村松:人間誰しもそれがないとやってけないと思うんですよ。だから真実っていうか、そういうことを歌詞に書きたいんです。“俺たちはこうやって生きてますよ”っていうところに寄り添ってももらいたいというか。今回、俺はウチのバンドのスピーカーになりたいと思ってて。バンドの自信とか、メンバーみんなの“こういうの楽しいよね”とか“かっこいいよね”という感覚をリアリティをもって書いたんです。なんかそれがすごく“青春”っぽいんですよ。
 
●「バンドのスピーカーになりたい」と思ったのは、何かきっかけがあったんですか?
 
村松:バンドの個性がすごくあって、各プレイヤーがそれぞれイニシアティブを取れるところをちゃんと持ってるじゃないですか。だけど俺はヴォーカルなので、全員の存在を鳴らしていけるような存在でいたい。そういう意味で“バンドのスピーカーになりたい”遠思ったんです。
 
●Nothing's Carved In Stoneというバンドの、ヴォーカリストとしての自覚というか責任みたいなもの?
 
村松:そういうことですね。
 
日向:ロックに責任はつきものっていうか。実は責任とかって大事なんだよね(笑)。「責任なんて関係ねーよ!」っていうのがロックでかっこいいわけじゃなくて。
 
生形:それはダサいよね。
 
日向:今はそういう時代じゃないっていうか。かっこいいものを突き詰めるにはやっぱり自覚が必要だし、責任持ってみんなに伝えていくっていうのがかっこいいんじゃないかな。本当にそう思います。
 
 
 
 

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