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メトロノーム×PENICILLINツーマンライヴ、セッションコーナーは狂喜乱舞の灼熱フロアに!

 ピコピコとゴリゴリが融合するロックバンド・メトロノームが、偉大なる先輩であるPENICILLINを迎えて、恵比寿LIQUIDROOMにてツーマンライブ「致死量フリーク症例・抗」を開催した。以下、ライブレポートを掲載する。
 

 
 美麗かつハードでステージから絶対的な圧力を放つPENICILLINのステージのあと、すでに沸騰中のフロアに登場したメトロノーム。「どうかみなさん、お手柔らかにー!!」シャラク(VOICECODER=Vo.)が叫び、「世界はみんな僕の敵」でメトロノーム・パートがスタート。
 フクスケ(TALBO-1=G.)はギターをギュンギュンいわせつつ、弦をストロークした後の指で客席を色気たっぷりに煽る。リウ(TALBO-2=Ba.)がリズムにのってベースのネックを左右させるのに合わせて、客席が左右に揺れる。ステージ中央に据えられたメトロノームロゴが輝くステップの上で、高身長のシャラクが機械のような動きでフロアを睨め回す。
 続く「ねじ式」ではイントロがスタートした途端フロアから悲鳴があがる。サイケなサウンドにコントラストの強い赤と青の照明の中、フクスケが怪しげなステップでギターをかき鳴らし、フロアが前後に大きく波打った。
 一気に雰囲気が変わって贈られたのは「千年世界」。疾走感と切なさが共存するこの曲では、腕が一斉に上がった後クラップが巻き起こる。曲の終盤ではシャラクが高く斜めに伸ばした腕と客席が完全に一致した。
 

 
 MCでは、シャラクがメトロノームのファンに話しかけてますと言いながら「オイラが“お前らー!”って言ったら“私! 私! それは私!!”って感じで(盛り上がって)一生懸命応援してくれたら、PENICILLINさんファンがメトロノームを応援したくなるからそういう作戦で行こう”と盛大に作戦をアピールしたあと、PENICILLINファンには「100万バンドいたら100万バンドが言うことを言います。“メトロノーム”って名前だけでも覚えて帰ってください。」と会場をひと笑いせてから投下したのは、メトロノームファンにもレアな「アクアリウム」。
 アクの強いサウンドから歌のメロディの雰囲気が目まぐるしく変わる。青く滲む光のなか囁くようなシャラクの歌声が浸透していく。リウが歌詞を口遊みながら、まぶしそうに客席に目をむけた。
 

 
 黒いアコースティックギターがフクスケの前に置かれスタートしたのは「魔法」。リウもアップライトベースに持ち替えて抱くように爪弾く。より生々しさを感じさせるパフォーマンスで客席が釘付けに。
 テクノSEの後は「暗いbaby」。長い両腕を大きく伸ばして少し歌謡曲の風味も感じさせるメロディをビブラートも効かせて歌い上げるシャラクが色っぽい。
 そこから急にまた色を変えて放つ「コンピュータ」は、ド頭にフクスケとリウが揃って大きく左右にステップを踏んでキュートにスタート。
 その後は唯一無二のおもちゃのようなシャラクの歌声にのせてフロアもメンバーも一緒になって無限ジャンプ。曲中でメンバー紹介するシャラクが自分の紹介と共にお客さんもメンバーのように紹介するとフロアはさらに盛り上がりを魅せた。
 

 
 その後のMCでは、シャラクが“整形するならベスト10の堂々第一”と対バンのPENICILLINのVo.HAKUEIとのエピソードを話す中で、マイクを通しているにもかかわらず小声で「たぶん、ここだけの話、HAKUEIさんは“フォトショップ”って言葉を知らないと思う」と言うと会場は爆笑と和やかな雰囲気が広がった。
 

 
 「あの、かっこいい曲やりますんで…」と投下したのは、メトロノーム再起動後初のシングル曲「解離性同一人物」。トークのふんわり感から一転、直球で投げられるロックサウンドに会場では拳が突き上げられた。
 間奏でテルミンをあやつるフクスケの指先が美しく踊る。キーボードスタンドの上に立ち上がったリウはさらに高くベースを掲げ、下手ファンはまぶしそうに見つめていた。
 続けて「めんどくさい」はまたも完璧にステージ上とフロアが完全に一体となった動きで“めんどくさい”と叫ぶように連呼。曲中に入るフクスケのひとことは「PENICILLINさんとのツーマン、ドキドキするぜ…ドキドキ分度器――――!!!」とPENICILLINのG.千聖をリスペクトした叫び。
 その後ステージ狭しと走り回りカオスな雰囲気のまま「自分コンプレックス」に突入。ハードロックとピコピコの共存した楽曲で、この日のサポートドラムのJOEのバスドラムが肝に響きまくる。リウが尋常じゃない高さにジャンプした後、更に一回転。フクスケのヘッドバンギングとフロアのヘッドバンギングがシンクロした。
 メジャー1stアルバムのリード曲「強くてNEW GAME」はリウ、フクスケ、シャラクの歌声が呼応。サビでは一斉にクラップが鳴り響く。ギターソロでステージセンターで弾き倒すフクスケにリウが傍らでベースを負けじとかき鳴らした。
 最後は「人によっては3回転半回る」とシャラクが語る「φD-SANSKRIT」へ。フロアではファンが精いっぱい伸ばした手のひらが踊り、凄まじく熱いステージに。サビの“ラップトップ デスクトップ”では人によっては“三回転半”以上余裕で回って本編が終了した。
 

 
 当然の如く沸くアンコールに再び登場したメトロノームの面々が、PENICILLINのメンバーを呼び込んでセッションタイム。「何をみんなが聴きたいかわかってる。そのパッション。」といたずらっぽく笑みを浮かべるフクスケ。
 事前にお願いしたところ、PENICILLINが快くOKしてくれたというその曲は、イントロで早くもフロアのファン全員が卒倒寸前となったほどのあのナンバー、「ロマンス」。
 千聖のギターが入るとフロアの温度が急上昇。狂喜乱舞の波が客席を覆う。キレッキレのO-JIROのドラムでさらにフロアが揺れに揺れた。HAKUEIがリウに背中を寄せて歌うと、リウは完全に少年のような笑顔を爆発させる。
 さらにHAKUEIに肩を抱かれたシャラクも緊張と照れがないまぜになった様子で歌に熱を込めた。
 

 
 特にリウにジェラシーを感じたフクスケがMCで千聖にそのことを漏らした後、次なるセッション曲はメトロノームのBON DANCE(盆踊り)ナンバー「MATSURI」。腕を左右に盆踊るPENICILLINのメンバーにおそらく両バンドのファンが驚愕。
 シャラク独特の歌声をついで歌いだしたHAKUEIが、シャラクのおもちゃ声に寄せてまさかの鼻をつまんで歌うという爆弾級のインパクトを与えて、ファンはもはや気絶レベル。サビではHAKUEI本来の色気と激しさを兼ね備える歌声で客席を圧倒した。
 MCで「うらやましい!」と言っていたフクスケは、念願かなって千聖と背中合わせでギターをかき鳴らし、リウも合流しての演奏は眼福そのもの。LIQUIDROOM全体が狂瀾怒濤のピースフルなカオスに包まれ、ツーマンライヴは終わりを迎えた。
 外は雨が完璧に雪に変わっていたものの、このライヴに参加した全員の心は燃えに燃えて、それぞれ帰路についたことだろう。
 

 
 メトロノームは3/7にニューシングル『弊帚トリムルティ』を引っ提げて、3/17(土)の梅田CLUB QUATTROを皮切りに、東名阪QUATTROワンマンツアー「弊帚トリムルティ [05→98→18迄-7=20]」がスタートする。
 シングルには表題曲「弊帚トリムルティ」のほか、新曲2曲を加えた全3曲。初回限定プレス盤には、2017年8月に赤坂BLITZで行われた19周年記念ライヴ「しゃーたん&めとたん」の模様に加えて、同年4月に行われたツアー「現代MONO/POLY」のファイナル公演の未公開映像収録のDVDが同梱される。
 
PHOTO:大塚秀美
 

 
 
■リリース情報
Major 2nd Single
『弊帚(へいそう)トリムルティ』

KING RECORDS
【初回限定プレス盤DVD付き】
KICM-91835
¥2,500+税
【通常盤】
KICM-1835
¥1,300+税
2018/3/7 Release
 
CD(※初回限定プレス盤/通常盤共通)
01. 弊帚トリムルティ
02. ボクになりたかった僕
03. 友達の和
 
DVD(※初回限定プレス盤のみ)
メトロノーム 19周年記念公演 『しゃーたん&めとたん』
01. 空想ヒーロー
02. 豆腐メンタル
03. MATSURI
04. 強くてNEW GAME
05. 絶望さん
06. φD-SANSKRIT
(Recorded at Akasaka Blitz, August 25th, 2017)
 
特典映像
『現代MONO/POLY』 ツアー・ファイナル 未公開 ㊙ ライヴ ・メドレー
(Recorded at TSUTAYA O-EAST, April 29th, 2017)
 
店頭特典情報はこちら→【URL】
 
 
■ライブ情報
メトロノーム QUATTRO 東名阪ツアー
弊帚トリムルティ[ 05→98→18 迄-7=20 ]

3/17(土) 梅田CLUB QUATTRO
3/18(日) 名古屋CLUB QUATTRO
3/25(日) 渋谷CLUB QUATTRO
 
 
■WEB
Official Site

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