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がらくたロボット、<シングルカセット3部作>第2弾を12/6よりライブ会場限定販売開始! 神戸VARIT.公演のライブレポも!

同世代バンドと一線を画するアプローチで時には“時代錯誤”と揶揄されながらも、頑なに彼らの初期衝動を時代に叩きつけ一部のマニアの間で話題になりつつある「がらくたロボット」が、12/6より<シングルカセット3部作>第2弾『Strawberry Dreamers』をライブ会場限定で販売することが決定した。
 
2012年神戸で結成された、がらくたロボット。結成5年を迎えるにあたりその活動の“本格化宣言”をした2017年10月以降、必然のごとく築かれるシーンブームという巨大な扉をひたすらノックし続け、それをなんとか揺り動かせないかと叫ぶ姿は、これまでも幾度となく訪れてきた時代のうねりを受け止める姿勢を保ち続けている。
 
10/13(金)に地元・神戸VARIT.で行われたライブでは、大先輩「KING BROTHERS」「Radio Caroline」と共演し、渾身のライブを見せつけた。今回そのライブの模様を、がらくたロボットを愛してやまない神戸の女の子がレポート。せひその一部始終をチェックしてみて欲しい。
 
 
■2017/10/13 がらくたロボット ライブレポート@神戸VARIT.
がらくたロボットは、昨今のバンドたちが失いつつある、ロックスターのルーツをしっかりと受け継いでいる、現代では希少なバンドだと思う。関西の同世代バンドの中でもカリスマ的なオーラを放ち、一線を画している存在だ。
そして、この日は西宮で約20年ロックスターとして今も走り続けているKING BROTHERS、ウエノコウジ参加のRadio Carolineという、ロックンロールの大先輩との共演だった。もしかすると、彼らが対バンするにはまだ早いと思うリスナーもいるかもしれない。けれどもそんな大先輩にも屈せず、彼らはいつも通りただイカしたライブをするだけで、私は日本のバンドシーンの歴史に残る一夜だったと心から思う。
 

 
ビシッとスーツで決め込んだ姿で、SEの「産叫〜威風堂々」で登場した彼ら。胸に手を当て深く息を吐く様子は、神聖なステージに誓いを立てているように見えた。VARIT.のステージがいつも以上に狭く感じた。
 
1曲目はこんな夜に相応しい、疾走感溢れるロックナンバー「Lonely It's Alright」を選んでいた。ライブではすっかり定番となった曲で、イントロのギターでファンは歓声を上げる。ヤマモトダイジロウ(Vo./G.)がサビで「カモン!」と煽り、ファンは一斉に手を挙げ合唱する。おそらく今日ががらくたロボットを初見であろう、訝しげな様子だった観客も、徐々に乗せられ踊りだしていた。
 
2曲目は「塗りつぶせ」。「Lonely It's Alright」と同じくらいがらくたロボットの中でもキレのある激しい曲だが、惜しげもなく立て続けに演奏。立ち止まってやるもんか、着いてこれるもんなら着いて来い、と言わんばかりのキレのあるパフォーマンスで、観客を唸らせた。
MCではダイジロウが「俺ら今日前座ちゃうからな」とニヤリ。大先輩相手でも怯まない様子が伺え、会場を沸かせた。
 
そして新曲「One Hundred Guns」を演奏。イノウエタカヒロ(Dr.)の軽快なドラムによって思わずこちらまでビートを刻んでしまうような、ゴキゲンなナンバー。観客も跳んだり頭を揺らしたりノリノリに。
 
4曲目は100本限定でライブハウスで販売中のカセットテープより「STOP」を披露。「耳を塞いだら もう真っ赤っか」、「うすぼやけた目玉 万年モザイク」など、ダイジロウらしい言葉選びがされた歌詞で構成されている。厚みのある音と歌声で会場はヒートアップ。「ほんまに100本しか作ってないんで、多分今日で売り切れるんで、欲しい人はこのあと買ってください」とムラカミフウタ(Ba.)が言うと、拍手が起こった。CDはおろか音源はダウンロードで入手する人が多いこのご時世で、あえてカセットを作ってしまう粋な計らいは、まさにカセット世代のリスナーには堪らないだろう。
 
次に演奏したのは「夜」「月」という言葉が歌詞に登場し、いつもの如く激しい曲調ながらも、どこか儚げな印象を受ける曲「Morning glory」。4曲目までの骨太な曲とは打って変わって、激しいのに穏やか、明るいのに切ない、言葉にはとても表現し難い彼らの独特の世界観に会場はどっぷりと包まれた。
 
6曲目は「トンネル」。個人的にこの曲はキラーチューンになる予感しかしない。まさしく今夜は「壊れそうな夜」だっただろう。スピードのある曲調と圧倒的な演奏力に観客はみな酔いしれていたように思えた。
 
そして次の「ハネル」はこれまでの曲とは一転、しっとりした“聴かせる”バラード。今夜は特に彼らが魂を削りながら演奏しているように感じ、思わず涙がこぼれた。会場もはっと息をのむような、神秘的な空気に。
そう、彼らが歌って音を鳴らすのに訳なんてない。けれどもダイジロウは曲中の一言一句に自身の想いを乗せる。「僕は叫ぶ それしかないから」と歌う。私は彼らはこの曲をやるためにバンドをやっているのだとすら思ってしまう。彼らの持つ美しさをこの曲で全身全霊で体現している。まさしくバンドの真骨頂だといえる曲だと言ってもいいだろう。
がらくたロボットはよく激しい曲が多いとイメージされるのだが、彼らを知らなかった人達にもこんなメロウでブルースな曲も出来るのだと知ってもらえたはずだ。
 

 
そんな空気のまま続いて演奏された「Strawberry Dreamers」は、かねてよりライブで披露している未音源化曲。エモーショナルなロックナンバーである。サビで観客はみな拳を突き上げ、大盛り上がり。大サビ前の「飛べない小鳥は デイドリームビリーバー」というキラーフレーズにがっちりハートを掴まれたのは私だけではなかっただろう。
 
感傷的な空気を変えたのは「Bye Bye Baby」。サビではつい一緒に口ずさんでしまう。少し落ち着いたフロアを休ませる暇もなく、さらに沸かせていた。
 
そして最後まで散々フロアを盛り上げたあと、最後は思わずゆらゆら踊ってしまうとっておきのダンスナンバー「ディストーション」でフロアを揺らした。曲が終わったあともみな呆気にとられたのであろう、大喝采とともに感嘆のため息をつく人もいた。
 
ダイジロウいわく「喋ってる暇あるんやったらはよ曲せえやって思う」そうなので、彼らのライブでは長々とMCをすることはない。この日も「オッチャンらが待ってるからさっさとやるわ」と肝の据わった煽りをしてみたり、激しい演奏もすました顔で難なくやってみせる様子は、平均年齢22歳とはとても思えない成熟したライブだった。KING BROTHERSのマーヤ(G./Screaming)も彼らの煽りに対ししっかり煽り返していたが、ニヤついていてどこか嬉しそうに見えた。
 
がらくたロボットには余計な言葉は必要なく、独自のかっこよさだけで屈服させる強さがある。余裕綽々でこっちの気持ちなんか御構い無しに、振り返りもせず、これからもただ突っ走っていてほしい。だが、先述したようにその余裕のなかに魂を削るような、毎回のライブで一切手を抜かず、ギリギリの状態でライブをしているような危うさも孕んでいるので、私は一度たりとも彼らのライブを見逃したくない。
 
ロックンロールは決して古臭いものではない。無機質になってしまった今の時代を変えるのは、間違いなくがらくたロボットだ。
もちろん、彼らはただ生意気なだけではなく、これまで日本のロックンロールシーンを作り上げてきた大先輩に対してのリスペクトを強く持っていて、それを今夜改めて感じられた。そうやって伝統は継承され、彼らよりも上の世代のリスナーももちろん、彼らと同世代、またそれよりも若い世代にも早くその魅力に気付いてほしい。
 
音楽業界には忙しなく流行り廃りがあるけれども、こういうバンドを大切にしてほしいと切に願う。とにもかくにも、今でさえ“出来上がっている”このバンドが、これからどのように仕上がっていくのか、私は本当に楽しみでしかない。(TEXT:岩田藍 / PHOTO:Shinpeee)
 

 
 
■セットリスト
01. Lonely It's Alright
02. 塗りつぶせ
03. One Hundred Guns
04. STOP
05. Morning glory
06. トンネル
07. ハネル
08. Strawberry Dreamers
09. Bye Bye Baby
10. ディストーション
 
 
■リリース情報
第2弾シングルカセット
『Strawberry Dreamers』

¥1,000
2017/12/6よりライブ会場限定販売開始
カセットテープ100本限定発売 

<収録曲>
01.Strawberry Dreamers
02.Oh!Yeah
03.君を待ってる
特典:シリアルナンバー入り缶バッヂ&「Strawberry Dreamers」のみ収録のCD-R
 
 
第1弾シングルカセット
『STOP』

¥1,000
NOW ON SALE(ライブ会場限定)
カセットテープ100本限定発売 

 
※第3弾:2018年2月 ライブ会場限定販売開始予定
 
 
■WEB
Official Site
 

 
 
 
 

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