全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

twitter instagram

吉田健児 “音楽を届ける”ということに真っ直ぐに向き合った吉田健児の発見と決意

吉田健児 “音楽を届ける”ということに真っ直ぐに向き合った吉田健児の発見と決意


 
 
 
飾ることなく、奇をてらうこともなく、そして悲観することもなく、ただ自分の歌だけを信じてきたシンガーソングライター・吉田健児。1stアルバム『forthemorningafter』を2016年にリリースした後、長い間リリース的沈黙を守ってきた彼が、今年に入って新曲の一発録り動画をYouTube上で発表し続け、トータルの再生回数は80万回を迎えようとしている。そんな中、一発録り第1弾及び第2弾として発表された「ドントレットミーダウン」「I LOVE YOU」が収録されたシングル『I LOVE YOU』を11/13にリリースすることが決定。長い沈黙を破ったのは、彼自身の心境の変化と発見、そしてシンガーソングライターとしての決意だった。
 
 

 

 
 
●3作連続シングルの第1弾『I LOVE YOU』(浅田信一プロデュース)が11/13にリリースとなりますね。
 
吉田:はい。もう第2弾も出来ていて、第1弾と第2弾の間は3ヶ月くらい空けようかなと思ってますね。
 
●このシングル、配信はするんですか?
 
吉田:配信もされます。ストリーミングとかでも。所詮シングルだし、Apple MusicやSpotifyとかも網羅されるので、CD自体はレーベルや僕のホームページ限定で販売って感じですね。
 
●ということは、流通には乗せない?
 
吉田:乗せないですね。3作連続シングルの後のアルバムだけ乗せますけど。連続シングルで、アルバムまで繋げる感じで。本当は、“シングルは盤は要らないかな?”と思ってたんですけど、まああってもいいかなという結論になって。
 
●以前インタビューさせてもらったのは4~5ヶ月前で、一発録りの動画をYouTubeにアップし始めた直後でしたよね。一発録りの動画を発表し続けて半年くらい経つわけですが、感触はどうですか?
 
吉田:思った以上に反応がありましたね。今トータルで70万回再生くらいいってるみたいだし(※10月末時点)、その流れでMVも公開したらすぐに3万回くらい再生されて。時代が完全に違うんだなって(笑)。
 
●そういう部分の考え方は変わりました?
 
吉田:変わりましたね。「もはやCDはグッズの1つ」ということはわかっていたんですけど、もうスマホで音楽も聴けるし映像も観ることが出来るということに、迷いなく完全にシフトしたんだなと思います。
 
●スマホやSNSの普及によって、音楽の聴き方が劇的に変わりましたよね。
 
吉田:なので僕も、レーベルの人に「アルバムを出す時にどうせ全曲聴けるし、アルバムをメインにして、配信もアルバムを出した時にすべて網羅する形でいいんじゃないか」という相談をしていたんですけど、「せっかくだからそれまでにもやれることはやろう」という結論に至ったのは、正しかったのかな。
 
●現時点で一発録り動画は第11弾まで発表していますが、それまで「リリースをどうするか」ということで悩んでた時期が結構長かったじゃないですか。色々と考えた結果、プロモーションのことを考える以前に、とにかく“音楽としての発信”から始めようとしたんですよね?
 
吉田:完全にそうですね。映像も含めてやれるところからやろうと。でも映像で何かを発信する路線って、2つくらいあるじゃないですか。YouTuberみたいになるというのも苦肉の策として選択肢に挙がりましたけどね(笑)。前も個人的に話してましたよね。
 
●はい。
 
吉田:でもそうじゃなくて無骨に「音楽で」と考えて、色々と調べてみると案外やってる人が少なかったんですよ。だったら試しに1回やってみようかなと。今は毎月のように撮影なんですけど。
 
●発表はだいたい月2本くらいのペースですか?
 
吉田:そうですね。最初の感触が良くて味をしめて「これはもう新曲もどんどん撮ったほうがいいんじゃないか」と思ってペースを上げたんです。感触的に、想像とは全然違った。
 
●想像してたよりも反応が大きかった?
 
吉田:もう全然レベルが違う感じ。
 
●当初は、今くらいの反応をまったく想像していなかった?
 
吉田:というのも、僕の友だちとか先輩のミュージシャンのYouTubeを参考に観てみると、1年半前にアップされた動画でも再生回数が一桁だったりするケースもあったんです(笑)。メンバーも見てねえだろこれって(笑)。でも僕の場合、桁が全然違っていたから“ちゃんとやればいけるんだな”と第2弾くらいで感じましたね。
 
●その“ちゃんとやる”というのは、具体的にはどういうことですか?
 
吉田:何か特別なことをするわけではなくて、基本的なことですね。大きくはなくてもしっかりとしたレコーディングスタジオで、音響設備も整えて、カメラマンを用意して、カメラは8台くらい置いて、映像の編集もしてもらう。映像は全部一発で録っているんだけど、その前に確認とか一応ちゃんと準備をする。演奏自体は結構勢い勝負ですけど(笑)。そうすれば作品的なクオリティが上がる。そしたら、反応が良かったんですよね。すごく当たり前なことですけど、やっぱりクオリティって大事なんだなと。
 
●要するに“記録動画”ではなく“作品”にしているということですね。
 
吉田:そうですね。カメラマンやレコーディングスタジオの人も協力してくれてて。いつもは色んなものがあってグチャグチャしているスタジオも、映像のために絵になるようにして。GOATEEってレコーディングスタジオなんですけど、あの空間好きなんですよね。僕のポスターどかーんとメインで貼ってくれてるし(笑)。
 
●YouTubeをきっかけにして知ってくれた人からの反応はあったんですか?
 
吉田:反応してくれるのはそっちがメインですね。
 
●具体的にどういう反応ですか?
 
吉田:“吉田健児”というミュージシャンを音楽面で今まで応援してきてくれた人は、ライブハウスで知ったとか、有名なプロデューサー繋がりとかで知ってくれた人が多いんです。西原誠(exGRAPEVINE)さんや浅田信一さんとか。ギター弾いてくれてた西川弘剛(GRAPEVINE)さんもそうですね。
 
●はい。
 
吉田:一方で、YouTubeで知ってくれた人は振れ幅が違うというか、音楽に興味がない人まで観てくれる。だから色んな人に届くのがYouTubeなんだなって改めて思いました。やっぱ映像って分かりやすいですね。
 
●Twitterでリプライが来たり、コメントが付いたりとか?
 
吉田:そうですね。Twitterでスタッフが大体毎日発信もしてくれるし、僕の個人的なtwitterでも発信したりするし、それで「CD買ったよ」ってリプライが来たり。そうこうしながらあとはYouTubeで回っていく感じですね。
 
●ほう。
 
吉田:だから“ライブって何だ?”となりますよね(笑)。ライブハウスで聴いてもらうより、YouTubeで聴いてもらってからライブハウスに繋げることが出来る。手法が逆になってるんだなって。全部考え方が変わりました。
 
●極端な話ですけど、ライブをしなくても手応えがある。
 
吉田:はい。最近はレコーディングだらけでライブはあまり出来ていないんですけど、でも結局はライブをやらないと地に足がつかない感じがするんです。だからちゃんとタイミングを見てライブを組んでいこうかなと。マネージャーにも投げてます。
 
●YouTubeで発表している曲はどういうタイミングで作ってきたんですか?
 
吉田:作って1週間で撮影、っていうのが結構多くて。書いてすぐなので、アレンジが固まってなかったりという部分での後悔はあります(笑)。それはそれで勢い勝負ですね。
 
●ハハハ(笑)。
 
吉田:これからリリースする3作連続シングルに収録する曲も撮影してるんですけど、映像だとサウンドクオリティが音源とまではいかないので、みんなのマイクに音かぶりまくりですしね。だから僕の好きなように一発録りはやって、作品のレコーディングはプロデューサーに委ねている感じですね。
 
●一発録りの動画を公開していく中で、「ストックしていた曲を発表する」という考え方だったものが、「新たに作った曲を発表する」という考え方に変わったんですよね?
 
吉田:変わりました。出し惜しみはしないほうがいいかなって。今、漫画とかもネットで無料で読めるじゃないですか。なのに、単行本になったり映画化したりする。
 
●漫画はすごくわかりやすい形で、ネットで無料だったものが作品として世の中に広まっていくモデルケースが多いですよね。
 
吉田:だから全て後からついてくるのかなと。今はそういうビジネスモデルになっているというか。だから、勘違いが起きない時代なんだと思ってて。
 
●勘違いが起きない?
 
吉田:昔はいわゆるジャケ買いがあったって言うじゃないですか。あれっておそらく勘違いに近いと思うんですよね。中身を聴いて想像と違う場合もたくさんあっただろうし。
 
●ああ、なるほど。
 
吉田:でも今は誰も勘違いを許さないと思うんです。だったら最初からさらけ出して、結果は後からついてくればいいかなと。映像観りゃ一瞬でどんな音楽か分かりますしね。おそらく今後、音楽を聴く方法の主流はストリーミングの方向になってしまうだろうけど、そこに加えてCDがあってもいいかなと思ってるくらいの感じです。
 
●はい。
 
吉田:僕も家にCDプレイヤーがないし(笑)。「CDプレイヤーを持ってないのにCDをリリースするのもどうかな?」って思ったんですが(笑)、グッズのひとつという感じかな。「あんまCDプレーヤー持ってないって言うな」って言われるんですけど。
 
●吉田さんの今までのイメージは、ロック色が強くて歌詞も強めの言葉が多く、全体的にソリッドな印象だったんです。でもYouTubeで発表している最近の新曲たちを聴くと、なんとなく柔らかくなってきたというか。
 
吉田:なんかちょっと日和り始めたと思われるかもしれないですけど(笑)、実際に反応が見えたりすると、自分を一歩引いて考えてしまうところがあって。
 
●一歩引いて考える?
 
吉田:「こうあるべきだ」というポリシーみたいなものが崩れるというか、「もっとわかりやすくてキャッチーな方向に持って行きたい」と思ったりするんです。SNS上で反応をもらったりすると、発表する楽曲にも偏りが出てくる。実際のところ「これ名曲!」とか言われると「え? マジで?」と、そう言われる理由がイマイチわからないこともあるんですよね。
 
●なるほど。
 
吉田:でもそれがだんだんわかってくるようになる。“やっぱりリスナーはこう感じるんだな”とわかるんだけど、ミュージシャンとしてやりたいことも当然ある。よし、じゃあ極端にしようと思っていて。
 
●極端というのは、振り切れるということ?
 
吉田:そうですね。第1弾のシングルはポップスにかなり寄ってるんですよ。一方で第2弾はロックにかなり寄っていて、ジャケットも極端になる。もしかしたら第2弾は反応が少ないかもしれないけど(笑)、でも全然それでいいと思っていて。プロデューサーも五味誠(ZEPPET STORE)さんで、第1弾の浅田信一さんとは完全に色違いだし。そういう流れを経てリリースするアルバムになると、そのバランスがちょうどいいと思うんです。まあ極端ですけどね(笑)。
 
●なるほど。それと、現時点での再生回数は曲によってばらつきがありますよね?
 
吉田:実はもっとひどいのがあったんです。第6弾くらいで発表した動画、消してもらったんですよね。
 
●え? なぜですか?
 
吉田:「ベガ」って曲で、僕としてはこの曲がいちばん好きなんですけど、再生回数がまあまあ不調で、MVに切り替えたんです。
 

 
●原因は何だったんですか?
 
吉田:原因ははっきりしていて、その曲の撮影中ずっと僕のマイクの音が割れてたんですよね。録る際にセッティングミスっちゃってた感じで。エンジニアも言ってて、“これはちょっとダメだな”とわかってはいたんだけど、まあ失敗しちゃったけど仕方ないんじゃね? ってスタッフに言ってて、結局公開したんですよ。そしたら全くダメで。
 
●曲としてというより、作品としてのクオリティになっていなかった?
 
吉田:そうなんです。その失敗を身をもって体験した。
 
●現在発表している楽曲の中では、「BIRD」や「シルシ」は特に再生回数が多いですよね。これはどういう理由だと思っているんですか?
 
吉田:「BIRD」は僕も好きな曲で、かなりロックに寄ってるんですけど不思議なくらい好評なんですよ。だから僕のポリシーが通じるんだっていうのはこの曲でわかった。
 
●「BIRD」は背伸びしていないし、歌いたい内容で、歌いたいメロディで歌っている感じがするんですよね。
 
吉田:そうですね。丸出しだから。僕、Bメロが嫌いだから「BIRD」のBメロは排除したんですよ。要するにAメロ・Bメロ・サビというポップソングの定石からは外れている曲で。でも、それでも届くんだなと思いました。
 
●今までの価値観は変わりました?
 
吉田:変わったというか、“正しかったんだ”と思えた。すごく勉強になった。
 

 
●一方で「シルシ」はどうですか?
 
吉田:「シルシ」は、自分ではなんともわからなくて(笑)。
 
●でも反応は大きいですよね?
 
吉田:思い入れはある曲なんですよ。でも、決して分かりやすい曲でも無いと思うんだけど。
 
●「シルシ」は第6弾で発表しましたが、動画を重ねていくにつれて、だんだんシンプルな言葉選びになってる気がするんです。
 
吉田:本当にそうだと思います。あと、僕はボーカルに関してあまり関心がなくて、サビで音程を上げて、叫ぶように声を張るというのが定石だと思うんですけど、僕は声を張りたくないんです。むしろ大事なところで音程を下げたい。一貫してる僕の独特なポリシーですね。
 
●なるほど。
 

 
吉田:でもそれはやっぱり間違いでもあって。もともとはキーも低めを意識していたんだけど、最近は上げ始めたんです。やっぱりそのほうが届くということを痛感した。
 
●「愛について」「月とヘッドライト」では結構声を張ってますよね?
 
吉田:そうですね、わざとそうしましたね。
 
●だから歌の聴こえ方も今までと違うというか。吉田健児という歌い手はハスキーっぽさが特徴だと思ってたんですけど、張ったらかなり芯が詰まって通る声なんですよね。ちょっとびっくりして。
 
吉田:最初は僕も反対していたんですけど、相棒のベーシストが「上げよう」としつこく言ってきて。それで無理矢理やらされて、後で聴いてみたら「あー確かになー」と(笑)。
 
●あの声で、あの張り方をするのは武器になるんじゃないですか?
 
吉田:そうかもしれないですね。自分のこともよくわかってなかったけど、最近わかってきた(笑)。
 
●そういうことも影響して、歌詞の作り方や言葉の選び方がシンプルになってきたのかもしれない。
 
吉田:はい。ちょっと変わったと思います。
 

 
 

 
●現時点は第2弾シングルのプロデューサーである五味さん(ZEPPET STORE / G.)と制作中なんですよね?
 
吉田:はい。第2弾シングルはロックを追求して、ごちゃごちゃせずに本当にタイトでソリッドな感じになってて。「流石だな」と思ったし、五味さんは五味さんで面白がってくれていて。感性として合うというか。僕としては最高に相性いいなと思いましたね本当に。やっぱロック方向なんですよね僕。
 
●アルバムのリリースは半年先くらいですか?
 
吉田:はい。そこまでのシナリオも僕と五味さんで話していて。僕が動くところは一応僕が動いて、動けないところは人に委ねてます。周りに報告しながら、色々と計画を立ててる感じですね。
 
●そういえば今回のシングル、一発録りで発表している曲が2曲入ってるじゃないですか。これはアレンジが違うんですか?
 
吉田:違いますね。プロデューサーの浅田さんはかなりポップ寄りの人なんですよね。一発録りはレコーディングの後にやったんですけど、「ドントレットミーダウン」も「I LOVE YOU」も、僕本来のロックなアレンジにした感じですね。構成も違うし。サビもCDでは2回繰り返しているけど1回にして。どうせなら映像は僕の音楽性丸出しで行っちゃえって思って。
 
●一発録りの動画で吉田さんを知った人はCDを聴いてどう感じるでしょうね。
 
吉田:一発録り映像の「ドントレットミーダウン」が好きと言ってくれる人も多くて。だから今回のシングルを聴いたらびっくりするんじゃないですかね(笑)。
 
●それはそれで楽しみですね。
 
吉田:すごく恥ずかしかったんですが、浅田さんにプロデュースしてもらうことになって「吉田くんの曲から3曲選ばせて欲しい」と言われたんですよ。それで、一緒にスタジオで僕の曲をだーっといっぱい聴いてて、僕的にはすごく自信がある曲になったんです。そしたら浅田さんが「これサビどこ?」って。
 
●ふふふ(笑)。
 
吉田:そういうことが何回かあったんですよね。僕の中の人生でいちばん辛い時間でした(笑)。でも「やっぱりサビはわかりやすくないといけないんだ」と勉強にもなりましたね。どうしても僕はロックに行きたがるので、なかなか分かりやすいフックは避ける傾向があるので。
 
●いい経験ですね。
 
吉田:曲ごとにプロデューサーが違ってるからカラーを極端に変えるっていうのも、浅田さんのおかげで見えてきたんです。
 
●アルバムで今後の吉田健児が見えると思うんですけど、まさに今は音楽も活動スタイルも変わっている最中なんですね。過渡期というか、変革期というか。
 
吉田:はい。僕の周りのミュージシャンは先輩とかも含めて、どうすればいいかわからなくて悩んでいる人が多いんです。僕ももちろんどうすればいいかわからなくて、ずっと考えてきて。
 
●はい。
 
吉田:そんな中で僕の映像の反応を見て、どうやってるのか訊いてくる人も居るんですよ。でも僕に出来ることなんて限られてて、準備をしっかりする以外は特には無くて。基本に忠実にやるしかないんだなって。
 
●でもそれが大事なことなんでしょうね。
 
吉田:例えばGoogle検索で上位に表示されるようなホームページにするためには、色々とノウハウや技術があるらしいんですけど、簡単に言うと最も大事なのは見る人にとって有益なページを作ることじゃないですか。だから音楽も同じで、ちゃんと届く曲を作って、届くような映像にする。最終的には基本的なことなんだろうな。
 
●第一線で活躍してる若い世代のバンドは、そのバランス感覚が優れていますよね。若い層やSNSユーザーもしっかり取り込みつつ、フェスとかリアルな音楽シーンにもしっかりハマっているというか。
 
吉田:正直なところ、YouTubeでは音楽にこだわらない方が注目を浴びると思うんです。僕のようなやり方だと月に2本が限界だし。魚を捌いている動画は毎日アップ出来るけど、こっちは毎日なんて絶対に無理。でも毎日は出来ないけど、毎日やった方がいいのはわかっているんです。トークとかね。まあやってませんけどね(笑)。意図的な戦略は大事だろうなと思います。
 
●確かに。
 
吉田:路線は見えたんですよね。方向がはっきりした。一発録り映像をやってなかったらどうしようもなかったかも。周りのミュージシャンも、「やっぱお前いい曲書くなあ」ってLINEくれたりして。純粋に嬉しかったです。僕はあまり自分から色々発信してこなかった気もするので。
 
●どういうことですか?
 
吉田:ボーカルで数年前にSennheiserの賞を獲ったけど言わなかったし、自慢にもならないと思っていた。選ばれたらSennheiserのマイクくれるって言うからエントリーしただけだし(笑)。歌唱力に対するこだわりは無いんですよね。レコーディングだって別に一発でバシッと録りゃそれでいいし。そして、今まで声を張って歌うことも出来るけど、敢えてやらなかった。なぜかっていうと、聴いてる人はそういうところを全部見抜いてくれていると思っていたからなんですよね。”あえて”やらない美学みたいな。Aメロ・Bメロ・サビの定石を崩すのも同じですね。コードを極端に少なくするのも同じ。全部僕のポリシーだったんです。
 
●あ、なるほど。
 
吉田:でも、ちゃんと分かりやすくやらないと人には伝わらないということを実感しました。自分が思っている以上に、人は表面しか見ないということを痛感しましたね。反応の大きさには、レコーディングを手伝ってくれているバンドメンバーも喜んでくれてるので本当に良かったです。
 
●今後が楽しみですね。シングルの連続リリースが始まるわけですが、一発録りはどうするんですか?
 
吉田:続きますね。
 
●ゴールは決めてないんですか?
 
吉田:決めてない。僕が力尽きるまで(笑)。
 
●ミュージシャンとしての活動のひとつになっている。
 
吉田:僕も含めて、ミュージシャンって寂しがり屋だから。聴いてもらえると純粋に嬉しいんです。僕の映像には広告も入ってないから、それで収益を得ようなんて一切思ってない。ただ聴いてもらえるのが嬉しいんですよね。
 
 
 
interview:Takeshi.Yamanaka
assistant:Yuina.Hiramoto
 
 

 

 

 

 

 
 


3作連続シングル第1弾
『I LOVE YOU』
¥1,100(税込)
1.I LOVE YOU
2.ドントレットミーダウン
3.OVER TIME
 
 
https://kenjiyoshidamusic.com/

 
 

吉田健児