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10-FEET 『4REST』

その楽曲センスと秀逸なライブパフォーマンスで止まることなく活動を続ける10-FEET。「僕らはホンマにあかんたれやさかい」と常日頃から言う彼らが、大切なモノに対する気持ちを詰め込んだアルバム『4REST』には10-FEETならではの温かく大きな世界が広がっている。
 
 
 


「音楽自体は色々なものをくれるし、一回も自分のことを裏切ったことはない。そして今後も絶対に裏切らないと思う」


 
 
(10-FEETの3人、おにぎりを食べ始める)
 
●今回は10-FEETさんが表紙なんですけど…。
 
TAKUMA:そんなことより食べます? 遠慮しなくていいですよ。
 
KOUICHI:シャケもありますよ?
 
NAOKI:明太子もありますよ?
 
●(無視して)前のツアーの恵比寿LIQUIDROOMにお邪魔したんですよ。僕のすぐ目の前に普段はライブハウスに来ないようなOL風の女性が立っていたんですけど、ライブ中に号泣していて。
 
TAKUMA:素晴らしい。いい話じゃないですか。
 
●それが感慨深くて。ライブハウスに来たことがないような人まで呼んじゃう…それぐらい手が届かないくらい大きくなっちゃったのかなって。
 
TAKUMA:モグモグ…なってますね。
 
●え…?そこは肯定しちゃうんですか?
 
TAKUMA:はい。
 
●すごい天狗になっているとか?
 
TAKUMA:確実になっていますね。エグい。
 
●エ、エグいんですか?
 
TAKUMA:ええ。反り返ってますね。
 
●…最近はBECKとかゴジラトリビュートなど活動の幅も広くなってきていますが、SUM41の来日公演のオープニングアクトも務めましたね。
 
TAKUMA:SUM41は上手かったですね。エンターテイナーという感じで。
 
●勉強になりました?
 
TAKUMA:かなり。アヴリル・ラヴィーンと写真撮ったんですよ。
 
●…それは勉強とは関係ないですよね。
 
TAKUMA:だって~出てたんだもん~。
 
KOUICHI:めっちゃいい匂い。
 
●に、匂ったんですか?
 
KOUICHI:横通っただけで甘~い匂い♪
 
●…あの~、SUM41の話は?
 
TAKUMA:ギターのDAVE BAKSHがめっちゃ喜んでいましたよ、ウチのライブ観て。ちょくちょくメール交換しているんですけど。
 
●今もしているんですか?
 
TAKUMA:はい。こないだメール来て「自分らの新しいアルバムめっちゃ良かったわ」って。
 
●あ、関西弁…。
 
TAKUMA:ライブのときも横で観ていましたね。
 
●それ結構自慢ですよね。
 
TAKUMA:向こうもアメリカでバンバン自慢しているらしいですよ。「10-FEETのTAKUMAからメール来たわ」って。
 
●いや知らんて。
 
TAKUMA:…。
 
●今回のアルバムは全アルバム『REALIFE』から数えると約1年4ヶ月ぶり。
 
TAKUMA:遅い方ですかね?
 
●1年に1枚が普通なんですかね。実際1年4ヶ月と言ったら結構な時間ですよ。
 
TAKUMA:あ、でも普通くらいじゃないですか? ツレ(友達)のバンドとか…メタリカとかめっちゃ空くし。アルバムは3~4年空くから。
 
●メタリカがツレときたか…。
 
TAKUMA:去年10月くらいからレコーディングを始めて、結局終わったのは最近ですね。
 
●その待望のアルバムですが、タイトルは『4REST』。このタイトルは“4つの安らぎ”という意味が込められていますよね。どんなキーワードなんですか?
 
TAKUMA:区役所と市役所と税務署。
 
●いや、どう考えても3じゃないで…
 
TAKUMA:(遮って)えっと、家族と仲間と酒と音楽。これはそれぞれに対する感謝の気持ちですね。僕らがそういう人たちとかそういうモノに支えられているおかげで音楽が出来ているなと思うし、生きていられると思う。僕らは普段あかんたれだから。
 
●今回のアルバムは、マインドの部分で“死生観”が今まで以上に出ていると感じたんです。常日頃から死を身近なものとして捉えていて、だからこそ笑おうじゃなかいという。
 
TAKUMA:そういう意味では、去年の夏に沖縄に旅をして地元のおばあちゃんとかに戦争の話を聞いて、それ以降に書いた曲の詞に関してはどこかインスパイアされていると思います。そもそも死に関してはだいぶ前から考えていたし、それが沖縄とかに行ったら一層大きくなった。もちろん同時に「いかに生きていくか」ということも含めてなんですけど。
 
●今回のアルバムもすごくいいですよね。ずっと聴いていますよ。
 
TAKUMA:それは嘘や。
 
●いや、聴いてますよ。
 
TAKUMA:それは絶対嘘や。
 
●聴いてますって。
 
TAKUMA:絶対に嘘や。
 
●聴いてるって言うてるやろ!
 
KOUICHI:1曲目どういう曲ですか?
 
●マイマイフォレストマイフォレストマ~イ♪
 
3人:(笑)。
 
TAKUMA:2曲目は?
 
●サルサルサルサル♪
 
TAKUMA:3曲目は?
 
●歌うのは難しい曲ですけど、関西弁で始まる曲ですよね。
 
TAKUMA:そうです(笑)。
 
●アルバムの話に戻ります。
 
TAKUMA:ええ~! もっと~!
 
●今回はどんな曲でも10-FEETの曲に仕上げる事ができるという自身が見えるアルバムですね。安心して聴けるというか、何をやっても10-FEETは10-FEETなんだという。今回もレコーディングは苦労したんですか?
 
TAKUMA:苦労しましたね。時間めっちゃかかりましたから。1曲目の「4REST」も実は最後にギリギリで書いた曲なんですよ。完パケ1週間前くらいかな。
 
●この曲でさっき言った“死生観”を強く感じたフレーズがあって。英語の部分なんですけど…“人間は死ぬまでにどれくらいたくさん笑うかが重要で だから僕は君を笑わせるんだよ”という意味の歌詞で。これ、もうそのまんまですよね。何も言うことなくて。
 
TAKUMA:あ~、そんな部分ありましたっけ?
 
●ええ~! 歌詞書いたんですよね?
 
TAKUMA:ああ! はいはい、覚えています。だいぶ苦労しましたよ…英語に訳すのに。
 
●人が感動しているのを台無しにするコメントですね。2曲目の「MONKEY」は…
 
KOUICHI:僕が小学校の時にサッカーをしていて、監督から僕だけが名字じゃなくて「サル」と呼ばれていたんです。そこから生まれた曲ですね。
 
●読者のみなさん、それは嘘です。
 
KOUICHI:でもあだ名はほんまです。
 
●誰もがもともとサルなんだから、そんなに悩むことも気にすることもないよということですよね。
 
TAKUMA:僕が結構気を遣って溜め込んで我慢する人だから。言いたいことを言えないタイプ。「そんなに気を遣ったりしなくてもええんちゃうの?」という感じで自分に言ってます。
 
●え? さっきからすごい言いたいこと言われている気がするんですが。
 
TAKUMA:それはもうナメてるから。
 
一同:(笑)。
 
●あれ? 気のせいかな…今、「ナメてる」と言われたような…?
 
TAKUMA:溜め込む人の辛さとかストレスの溜まり方は僕はようわかっているし、そういう人ってまずこの国に多い気がする。それって怒りとかじゃないんだけど、すごいストレスで。そういう人にたまには「もうええやん」と言って、「嘘ついて仕事休むのも必要やねんで」と言ってあげたい。
 
●自分にも言いたいと。
 
TAKUMA:僕自身にも言いたい。
 
●…嘘ついて仕事休むのも必要やねんで。
 
TAKUMA:うるさい。
 
●そういうものをアーティストに求めているわけじゃないですけど、安らぐ感じがするんです。
 
TAKUMA:もう人としてですよね。友達に言われてもそれは安らぐことだと思うんですけど。僕がライブハウスに行くキッズだったら、そういうことを言ってくれる兄ちゃんのことめちゃめちゃ好きになると思うし。そういうことを言っている人はいっぱいいるんだろうけど、僕はたまたま巡り会えなかったから、じゃあ僕がやろうと。それは、僕が言っといて自分が出来なくって、自分のことを棚に上げていてもそれで全然いいと思う。それですごい元気になれるやつとかおったら、それだけの値打ちがあると思うし。
 
●その気持ちは3曲目の「VIBES BY VIBES」の歌詞に色濃く出ていますね。“助けるんは無理やねんけどお前のこと好きやねん/今日はどうしたん? 何々どうしたんや? 遠慮しんでいいぞ”…これちょっとやばいです。
 
TAKUMA:僕も自分で書いたのにやばかったです。やっぱり助けてあげられへんもん。でもお前のことは好きだから話だけでもしてみいなという奴が僕は好きだから。
 
●これはモテますね(笑)。
 
TAKUMA:モテますか? いけますか?
 
●石田純一さんとかが言ってそうですよね。「女性は話を聞いてあげるだけでいいんだよ」と。
 
TAKUMA:だけどそれは女性に限らないですよ。話し上手は聞き上手だと思っているもん。聞いてもらうのがすごく嬉しいということとわかっているから、自分の好きな友達とか音楽の話を聞いてあげたりとかは出来るんじゃないかなと思う。
 
●…こんなにグッと来るいい曲を、おにぎりを食べながら取材を受けるような人たちが作ったのかと思うと…。
 
一同:(爆笑)。
 
●この曲によって10-FEETは、やしきたかじんと円広志に続いて関西弁で歌う代表的な…
 
TAKUMA:(遮って)どこに続くんじゃ!
 
●アレンジ面も手間をかけている感じですよね。10-FEETの素晴らしいところは、メッセージだけとかライブ感だけとかじゃなくて、聴いていて気持ちがいいリスナーの視点をすごく意識して作っているところだと思うんですよ。
 
TAKUMA:してますね。
 
●とくにこの曲はそう感じたんです。例えば、イントロに入るギターのフックとか、言葉1文字に重なる音とか。入っている場合とそうでない場合では全然印象が違うと思うんです。
 
TAKUMA:僕もそう思う。
 
●“叶えば失う交換条件の夢”のところで、“交換条件”の“こ”の部分に1音だけフルートっぽいキーボードが入っていますよね。この言葉だけを耳に引っ掛からせようとする仕組みというか。
 
TAKUMA:ああ、それはやっています。
 
●ギターのソロというかメロディーが遠くで鳴っていたり。単純にメッセージだけとか曲のパワーだけじゃなくてアレンジを練っているんだなと。
 
TAKUMA:あれ? 結構聴いてますね?
 
●聴いています。…これ言うの今日5回目です。
 
TAKUMA:…。
 
●ところで、「IOWA」で歌っている“IOWA”は、どういう意味で使っているんですか?
 
TAKUMA:田舎の象徴というか。ばあちゃんやじいちゃんと会話をしていて、本当に欲がないなと思うし、孫や娘や息子のことを心から愛しているし、思いやりもくれる。
 
●去年の夏に行った旅でそう感じたんですか?
 
TAKUMA:そうですね。沖縄とか北海道とか端っこの田舎の方に行ったらすごいそう感じました。競争している街の人にはない優しさがやっぱりあるし、勝ち負けとかを全く気にせず人に対して優しく出来ている人たちの話をもっと聞きたい。損得勘定なしで人に接しているというというのはある意味悟りなんじゃないのかなと思うんですよ。“年を老いていくことは欲を超越”と歌っていたけど(アルバム『REALIFE』収録曲&シングル曲「nil?」)、今回もすごくそう感じました。
 
●たしかに若い頃は自分の欲望と闘うことがテーマだったりしますね。
 
TAKUMA:それめっちゃ思います。もっと人に渡して渡して、その渡したことを忘れて忘れて、みたいになりたいですね。
 
●ところでコーラスの量は増えているんですか?
 
TAKUMA:それみんなに言われる。
 
●パッとそういう印象を受けるんですが、よく聴いてみると量的に増えているということではないと思うんです。要するにコーラスが抜群。
 
TAKUMA:だって、めっちゃ力入れたも~ん。
 
●際立って印象に残るから増えたと錯覚してしまうんでしょうね。「MONKY」とか特にそう感じます
 
TAKUMA:コーラスに関しては今回すごいNAOKIとやりとりしたんですよ。
 
●髪を掴み合うくらいの?
 
TAKUMA:もう指に絡み付くくらい抜けましたね。そのコミュニケーションが一番激しくて。「MONKY」のあのコーラスってすごい声が高いとか綺麗と言われたりするんですよ。でもNAOKI自身は強く太く歌っているイメージがあって。僕の中で曲が出来た時からここはあのNAOKIの一番綺麗なところの声というイメージがあったから、頼むからそこでいかせてくれという言い合いがあって。それで作り込んでいったんです。
 
●なるほど。確かに今回コーラスがすごいなと。
 
TAKUMA:めちゃくちゃ嬉しい~。
 
NAOKI:僕もめちゃくちゃ嬉しい~。
 
KOUICHI:じゃあ僕も~!
 
●アルバムが出来上がっての実感はどうですか?
 
TAKUMA:実はまだそんなに時間が経っていないからわからない感じ。
 
●自分でも聴いているんですか?
 
TAKUMA:ちょくちょく聴いていますけど。リスナーとして聴くよりも、「この曲ここで僕あれだったんだな」という。
 
●プレイヤーというか作り手側の。
 
TAKUMA:そうそう。だから逆に感想は言いづらい。アルバムを聴いての感想というのはまだ言いづらいところがありますね。
 
●今、2回言った。
 
TAKUMA:作ってみての感想はあるんですけどね。だから今は周りからこのアルバムに対する感想を聞いていてすごい楽しいです。
 
●『4REST』は4つのテーマというかキーワードがあるわけじゃないですか。酒と…
 
TAKUMA:区役所と市役所と税務署。
 
●家族と仲間と酒と音楽、それぞれについて訊きたいのですが。
 
TAKUMA:全部好きなものばっかりやから、惜しげもなくこういうタイトルをつけたんです。家族に関してはかあちゃんだの姉ちゃんだのじいちゃんだのばあちゃんだの、その辺がいてくれて励みになっている時が絶対にあるし、もしいま全員死んでもうたら気ぃ狂うだろうな~とか。寂しくて寂しくて。そういう意味で支えてくれてありがとうと思うし。
 
●では仲間。
 
TAKUMA:情でもって自分を励ましてくれたり、癒やしてくれたり支えてくれたり、時には怒ってくれたりみたいな。友達というかやっぱり仲間ですね。血の繋がりじゃないんですけど、他人じゃないような。
 
●そして酒。
 
TAKUMA:酒というのは酒だけじゃなくて、休日に色々な事にあって、娯楽をしていること自体を指していて。息抜き出来ている時間をすべて総称しています。
 
●最後に音楽。
 
TAKUMA:音楽はもちろん大好きだし、やっぱり今でも色々な辛いことがあるけど音楽を聴いているだけで若干心が休まったりすることは絶対にある。元気がないときに昔よく聴いていた音楽を聴いてその時の楽しかった思い出とかが出てきたり。ケロッとしてるんやけど、昔失恋した時に聴いていた音楽が流れてきた時にちょっと胸が痛くなって。人に優しくすることをその悲しい思い出を通じて思い出したり。音楽自体は色々なものをくれるし、一回も自分のことを裏切ったことはない。そして今後も絶対に裏切らないと思う。そういうニュアンスで一つ一つ、尊敬と感謝の気持ちを感じています。僕は本当にあかんたれやさかい…デタラメなところいっぱいありますから。
 
●6月から11月くらいまでツアーですね。
 
TAKUMA:間はちょっと空いていますけど。
 
●毎回ツアーは重要なポイントだと思いますが。
 
KOUICHI:僕のソロ(弾き語り)で新たな曲が披露されるかもしれませんね。
 
●それは全然重要ポイントではないですが、ぶっちゃけちょっと気になります。
 
TAKUMA:もう恒例みたいになってきたから。笑いも用意していくし、楽しめるライブをしたいですね。昔のナンバーもやるだろうし。僕らがメインのライブというのはツアーでしかないので、楽しみにしておいて欲しいですね。
 
●最後に読者にメッセージを。
 
TAKUMA:ライブ来てください。毎回一緒ですけど、まじでほんまライブに来てもらったら伝わると思うのでライブいらっしゃい。
 
KOUICHI:僕も同じです。ほんまライブに是非。
 
NAOKI:あとアルバムもお願いします。
 
●では京都からお越しいただきました…
 
3人:ロットングラフティーでした!