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10-FEET 『OF THE ビデオ、BY THE ビデオ、FOR THE ビデオ!』

2006年8月、4枚目となるアルバム『TWISTER』をリリースし、Zeppワンマンを含む全48箇所のツアーを終えた10-FEET。2007年、彼らの幕開けは過去のPV(初回限定盤)を収めた、まさに10-FEETのベスト的映像作品集。暑苦しくも心地よいメッセージと、類稀なるメロディセンス、胸に突き刺さるライブパフォーマンスで、3人は今年も立ち止まらない。
 
 
 


「暑苦しい奴やかっこいい奴が増えろって思いながら死にものぐるいでやっている」


 
 
 
●2007年で結成10周年ですが、何か特別なことはしないんですか?
 
TAKUMA:特に自分たちで10周年を祝ったりするつもりはないですね。ただ、みんなに支えていただいたからここまで来れたので、みんなのためになにか面白いことをしたいという気持ちはあります。なので、イベントをやれればいいなと考えています。
 
●「今だから出来る」という実感があるんですか?
 
TAKUMA:もっと早くしなければいけなかったし、もっと早くしたかったという気持ちはあります。ロットングラフティーやG-FREAK FACTORY、3,6MILKなど、いわゆる僕たちが昔からやってきた仲間と話す機会があって。「そういうことをやるためにまずは力や環境を手に入れたりして、先に勧めた奴らが切り込み隊長になってきっかけをつくればいい。誰が先にとか別にどうでも良くて、出来る奴がきっかけを作って、みんなでスクラムを組んで、そういう場所を作っていこうぜ」と。全然誰にも知られていないような頃からよく話していたことなんです。
 
●なるほど。
 
TAKUMA:何をやるにしろ、僕が一番こだわりたいのは“一緒に足跡を残せる人たちとやりたい”ということなんです。それでいて自己満足やマイノリティなコミュニティーでもなく、自分たちの納得がいく結果をみんなで残していきたい。…夢ですよね。仲が良いだけじゃなくて、"こいつらがこの国で100万枚売れたら、国会よりも世の中を変えちゃうぜ”的なイカした奴らと、ペイ・フォワード式に暑苦しい奴らを増やしていく作業が。
 
●これまでたくさんライブを見てきましたが、そういう想いがライブとして具現化し始めたのは『4REST』リリース後のツアーからだと思うんですよ。
 
TAKUMA:…ホンマや。確かにそうですね。それまでは「何を歌いたいのか考えてんねん」と言いながらライブをしていたかもしれない。
 
●伝えたいことというか、やりたいことが明確になったんでしょうか?
 
TAKUMA:僕らの親は愛を持ってどつきながら育ててくれた。そういう愛を受けた世代なのに、僕らと同じ世代の人がすごく寒い事件を起こしているじゃないですか。それはすごいショックなことだし、「これから日本はもっと悪くなっていくの?」と思ってしまう。…だからやるべきことがあるんじゃないかと思うんです。実際にやることはイベントだったりするんですけど、具体的な効果があり、面白くて、音楽が素晴らしいと思える…という3つの要素が必要だと思うんですね。
 
●なるほど。
 
TAKUMA:正直言って、「今バンドを辞めたところで何が出来るかな」と思うところも多々あります。そこで「残り40~50年という人生の中で自分は何が出来るやろ?」と考えた時に、今までバンドで作り上げてきた暑苦しいものをせっかくだからもっともっと繋げていきたいと思ったんです。僕らにもいずれ終わりの時代が来るだろうし、だからこそ次の世代に繋がっていくような道を残していきたい。やっぱり、日本は世界の中でもかっこいい国になってほしいんです。
 
●12/2にZepp Tokyoで行われたワンマンで、アンコールが終わってもTAKUMAくんがお辞儀をしたままステージでずっと動かなかったことが印象的だったんです。あれは感謝の気持ちがあったからだと思うんですが、ライブに来てくれている人やファンの人達に与えられてきたものってなんなんでしょう?
 
TAKUMA:あれだけでは足りませんでしたね。ずっとああしていたかった。やましいことがあるわけでもないけど、至ってない部分は感じるから。
 
●MCでも「与えられているものの方が大きい」と言っていましたよね。
 
TAKUMA:うん、本当に大きい。僕らは素晴らしいライブばっかりやってこれたわけではないし、ヒットする音源を出してきたわけでもない。「笑い」、「流れ」、「音楽」、「演奏」と全部の期待に応えられてきたわけではないし、裏切ったこともあると思う。でも僕らが期待に応えた以上の愛をみんなから確実にもらっていると思うんです。
 
●はい。
 
TAKUMA:あの人達は僕たちの期待にはいつも応えてくれる。…どんな理由であれ、しょうもないライブを一回でもしたら二度と来てもらえないということを今回のツアーで何度も痛感した。音楽もライブも素晴らしくて、その上に暑苦しいものがあってこそ伝わるものなんだと自覚しないといけない。何回も同じことをしてきて贅沢になってしまったり、考えた上での失敗があったり。
 
●10-FEETのライブは出来上がりつつあるんじゃないかと思ってましたけど、ずっと苦悩していたんですね。
 
TAKUMA:今回のツアーはいろんな失敗があったんです。暑苦しいライブの中で長ったらしくてマイク無しの聞こえにくいMC。ただふざけることもあるし、間奏でいきなり喋りだすこともある。良いライブをしようと思って、伝わるまで喋ってみたり、要所だけを集めて短くまとめてみたりもして。いろいろやってきたんです。前のインタビューで『TWISTER』は肩の力を抜いて作ったとお話したと思うんですけど、肩の力を抜いて演奏したり話をすることによって、自分たちらしさを出せるかもしれないと思ったからなんですよ。実際にそれが音源に出た結果は良かったと思っている。でも、ライブには必要ないことに気づいたんです。
 
●なるほど。
 
TAKUMA:伝え続けてきた暑苦しいものと同等のもの、もしくはそれよりも大きいもの、暑苦しいもの、芯があるものを伝えていかなければいけないと思った。これは肝に命じて生きていくつもりなんですけど、ライブを観に来たお客さんは、今まで見た一番良いライブを基準にすると思うんです。それをイメージして来てくれると思う。それよりもMCが薄かったり、簡単すぎたり、短くても考えさせてくれるものがなかったり、楽曲の演奏や歌が良くなかったら、それは確実に裏切りになる。理由として、「10-FEETのライブがよりすごいものになるのかもしれない」と思って試みた失敗なら許されるけど、みんなが僕たちの期待に応えるために来てくれたことに対して、サボったり、怠慢になるような気持ちの結果の失敗は、絶対に許されないものだと思うんです。それを自分たちで許してしまったら、自分たちに後はない。来てくれたみんなに対して、そういうことばかり考えてやってきている。
 
●理想的なライブとは、どういうものなんですか?
 
TAKUMA:「どれだけ余韻が残るものだったか」なんです。どれだけ盛り上がっても「あ~スッキリした」では違う。確かに僕たちの音楽にはそういう要素はありますけど、そんな作り方はしていない。「ワーッ」と盛り上がるからこそ伝わるというものを常に持ってやっているんです。ただ伝えたいことがあるから、暑苦しい奴やかっこいい奴が増えろって思いながら死にものぐるいで演っている。
 
●1/17に初のPV集が発売されますね。今までのすべてのPVと、初回限定盤で「quiet」のPVが収録されたDVD作品ですが。
 
TAKUMA:今回の「quiet」はすごいですよ。昨日撮影したばかりなんですけど、写メールを見てください!(と言ってPV撮影風景を撮った写メールを見せる)
 
●……気持ち悪い。
 
一同:(爆笑)。
 
NAOKI:ローションまみれでツイスターゲームをやっているPVです。
 
●雰囲気のある名曲のハズですけど、ちん◯ん出ているじゃないですか。
 
TAKUMA:出てるんやなくて、出しているんです!
 
●…なんで堂々と言っているんだこの人…?
 
3人:あかん?
 
●しかも全員逆ギレするという。
 
KOUICHI:めっちゃ面白かったですよ(笑)。まあ、ちん◯んを出しているところはPVには使えないでしょうけど。
 
●当然です。というか、逆に捕まってほしい。
 
TAKUMA:ローション塗って録り始めた25秒後くらいに「危ない!」と言ってわざと転んだり、バーンっと滑ってKOUICHIのパンツに俺の手がバーっと入っていったり(笑)。要するに悪ふざけが過ぎたという。
 
KOUICHI:始まりはすごくシリアスなんですよ。曲に合わせて、3人が真剣な顔で1枚づつ脱いでいくんです。音が激しくなる瞬間にツイスターゲームに映像が切り替わる(笑)。
 
●取材のために改めて過去のPVを全部観ましたけど、そこまでふざけたものは無かったですよね。
 
TAKUMA:1曲目の「EVERY」から14曲目の「JUST A FALSE! JUST A HOLE!」まででメッセージが伝われば伝わるほど、この曲で消えますからね。
 
●君たち、本当にそんなPVでいいの?
 
TAKUMA:…わかんない。
 
KOUICHI:…たしかにやりすぎた感はあるな。
 
NAOKI:うん、先生ごめん。
 
●10-FEETは、PVでそういう面を見せたいと思うんですか?
 
TAKUMA:笑えるものにしたいんですよ。なるべく最後で笑ってほしいんです。すごくグッと来て、「うわ~ええ歌やなあ~…え? なにこれ。なんやこいつら!(笑)」みたいな。「今までの台無しやん!」と思わせたら多分10-FEETを好きになってもらえる。
 
●ちなみに一番お気に入りのPVは?
 
TAKUMA:「quiet」ですね。これをやる前までは「VIBES BY VIBES」がパンチあるなと思っていたけど、これはそれ以上の次元のパンチなので。
 
●映像としてもふざけているのが好きなんでしょうか?
 
TAKUMA:でも「VIBES BY VIBES」は真面目にやっているんですよ。カッパの格好して。
 
●真面目ではないでしょ。カッパの格好したヒゲ面のドラムがキュウリで叩いているようなPVですよ。
 
KOUICHI:すごくピリピリした雰囲気の中で遠慮がちに「あの~、僕スティック無いんですけど…」と言ったら、バッとキュウリ渡されて「あ、これなんや」みたいな。怖くて何も言えなかった。
 
一同:(笑)。
 
●ちなみに編集部内では「つじあやのちゃんがいい」と評判でした。
 
3人:俺ら関係ないやんけ!
 
●PVを通して自分たちを振り返ってどうですか?
 
TAKUMA:「2%」や「RIVER」のような過酷な撮影で撮ったPVほど、その時の状況をリアルに思い出せるんです。PVというか、あの頃の自分を思い出すというか。
 
●今作で今までを振り返ることも、10-FEETを改めて知ってもらうことも出来る。いい作品になりましたね。
 
TAKUMA:要するに映像付きのベストアルバムですからね。
 
●2007年はどういう予定なんですか?
 
TAKUMA:僕はNAOKIとKOUICHIの指示で曲を作ったり、喋ったりしているだけなんで、2人に訊いてください。
 
NAOKI:来年どうする? とりあえず俺は引っ越しするけど。
 
KOUICHI:NAOKIの引っ越しが終わって、両隣に挨拶して、ダンボールから荷物出してからTAKUMAに電話しようか。そこから曲作りさせて、年内リリースという感じ。
 
●それまで何も無しですか?
 
KOUICHI:そうですね。とりあえず僕とNAOKIは自由な時間を過ごします。…TAKUMAは電話があるまで何をするって言ってたっけ?
 
TAKUMA:爪切ってる。
 
KOUICHI:爪がなくなったらどうすんの?
 
TAKUMA:会いに行くわ。
 
●では最後に今まで10回近くインタビューしている雑誌とは思えない質問で終わります。
 
3人:タイプの女性を芸能人で言うと?
 
KOUICHI:長澤まさみ(即答)。
 
NAOKI:永作博美(即答)。
 
TAKUMA:はな(即答)。