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ジャンケン

「グリンピース!グリン、グリン、チョリン!チョリン、チョリン、パリン!…ドン!」

小学生の時はよくわからないジャンケンがよく流行っていた。「グリン」って何だ。「チョリン」だってよくわからない。「パリン」もわかりそうでわからない。あいこになった時突然現れる「ドン!」に関しては、「それアリなんだ…」と驚きつつ、あまりの脈絡のなさに色々と諦めがついて有難い。  「グー辛」、「チョー辛」、「パー辛」が手札の「カレーライスジャンケン」は、あいこになった時「水!」が掛け声だから、「グリンピースジャンケン」も見習ってこれくらい筋通したら良いと思う。

それはそうと、私は恐ろしくジャンケンが弱い。ジャンケンは偶然性が高いゲームだからあらゆる場面で活用されているのだと思っていた。どんな人でも勝てる確率は平等なはずだけど、それにしては負けすぎなのだ。私はきっと生まれつきジャンケンで勝てる確率が他の人より低いに違いない。

私が所属するアイドルグループは5人組で、よくメンバーみんなと勝った人から好きな種類を選べるお菓子ジャンケンをする。早くお菓子が選びたい私は、メンバーに「ジャンケンしよう!」と率先して呼びかけ、他4人が勝ち、私1人だけ負けるということがよくある。誰よりもやる気があるのに結果が付いてこない。メンバーに「言い出さなければイケるのでは?」と助言を貰い、他メンバーの呼びかけを待ってジャンケンに挑んだこともあるが、ビリ、もしくはビリから2番目くらいの成績がほとんどだ。大学生の時、ゼミで誰もやりたくない不明な実行委員決めジャンケンが行われ、20人くらいに負けて不明な実行委員になったこともある。

ジャンケンの成功体験が無さすぎて、ジャンケンはもはやビリになりに行くものだと、最近は思うことにしている。基本的には負けず嫌いなのに、ジャンケンに対するプライドは一切ない。ただ、こんな風に思っていると、ごくごく稀にジャンケンの女神が私に微笑み、恒例のお菓子ジャンケンで一抜けできてしまったりする。私が一抜けすると、珍しすぎて一回全員驚く時間がある。期待もプライドもゼロのところから一発当ててしまうと、流石にドーパミンドパドパだ。その興奮で都合の悪いことは全て忘れ、「またあの快感を味わいたい」、「勝てるかもしれない」と自らお菓子ジャンケンの開催を呼びかけ、見事惨敗する。だからギャンブルってそう簡単にやめられないんだろうな。ジャンケンの女神から向けられた微笑みは、「なんか目が合っちゃったから気まずいし一旦笑って誤魔化しておくか…笑」的な微笑みだったのかもしれない。脈ナシすぎる。

ジャンケンをする前にぎゅっと組んだ手をひっくり返してできた穴を覗くアレは、一体何が正解だったんだろう。みんなやっていたから私もそれっぽくやっていたけど、別に何も見えなかったし、ある時期から諦めて何も見ていなかった気がする。目とほぼゼロ距離に組まれた手のぼやけた肌色があるだけ。みんなには穴を覗いた先に何か見えていたのだろうか。こうしてわかったふりしたまま大人になった私を、ジャンケンの女神が鼻で笑っている…!

 

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