優れた音楽性とシーン最強のアンサンブルを武器に目覚ましい成長を遂げ、1/14にシングル『Gravity』とLive DVD&Blue-ray『No Longer Strangers』をリリース、渋谷CLUB QUATTROでの3ヶ月連続開催イベントや各イベント出演で話題を集めているNothing's Carved In Stone。当連載は、同バンドのフロントマン村松が、2014年3月から1年に渡って人間的な進化と動物的な本能を追い求めて規格外なことに挑戦していく村松拓強化プロジェクトである。
前回の『Vol.11:船橋競馬「日本一なるぞ村松拓キングコングニー記念」の巻』にて、自腹1万円だけではなく当連載の存続をかけて勝負し、見事に撃沈したたっきゅんこと村松拓。1年に渡って人間的な進化と動物的な本能を追い求めて規格外なことに挑戦していきた村松拓強化プロジェクトは、ここで完結を迎えることとなった。最終回となる今回は、たっきゅんと共にキングコングニーでやってきた様々なチャレンジを振り返り、村松拓が本当の“漢”になったかどうかを確認していった。
以下、テキストでもご紹介
結果から先に言いますけど、この1年間で拓さんは日本一になれなかったじゃないですか。
だから最終回となる今回は、結局我々のどこが悪かったのかを検証したいなと。
そうなんですよ。この頃はまだ我々はそこまでお互いを知らなかったじゃないですか。そんな状態で、2人きりで6時間過ごすっていう。
そうそう。そもそも1合目から富士山の山頂まで行くっていうこと自体がバカじゃないですか。俺が言い出したんですけど(笑)。もっと言うと、俺はそもそも富士の樹海で野宿したかったんですよ。でもそれを相談したら、さすがにマズいでしょと。だったら樹海から富士山を登ろうということになったんです。
で、この日になぜか2人で話してて「日本一になろう」ということになったんですよね。そこから「日本一なるぞ!」が生まれたんです。
動画の最後の絡みのところも一切リハーサルもせずにやっていて。あの6時間でキングコングニーの原型みたいなものができましたよね。
いやいや、我々は5合目までしか登ってないんですよ? 大失敗です。
Vol.4:たっきゅんのアーティスト性を検証するの巻
Vol.5:ツアー開始直後のたっきゅんにインタビューをするの巻
僕とマネージャー2人、そして拓さんの4人でアルバム『Strangers In Heaven』のジャケットをイメージした画を描き、拓さんにアーティスト性があるかどうかを読者に投票してもらおうという回でした。
読者から投票をつのった結果、拓さんの画に13票、チーフマネージャー石谷さんの画に3票、マネージャー渡辺さんの画に7票、僕の画に3票入ったんです。なので、拓さんにはダントツでアーティスト性があるということが証明されました。
石谷さんって普段は陽気なプロレス好きでムードメーカーなんですよ。なのに画を描いたら…なんだこの闇を抱えている世界観は? と。でも正直に言うと、石谷さんの画がいちばんアーティスト性があると思った。
で、マネージャー渡辺さんの画は、彼は普段からおしゃれ野郎なんです。だからこの画を見たときに「このおしゃれ野郎が!」と思ったんです(笑)。
僕は渡辺さんの画を見て、ファンを意識しているなと思いました。
ね? そうでしょ? 見せていく渡辺。いい意味で優等生だし、悪い意味でも優等生というか、そつがないですよね。
で、山中さんの画ですけど…俺、初めてこの画を見たときに「なに本気出してんだよ!」ってムカついて。「いい大人がなにを本気になってるんだよ!」って。だってこれ絵画だもん(笑)。俺の予想では渡辺さんと山中さんの画が票を集めると思っていたんですよね。
Vol.6:生き急げたっきゅん! 103mからファーラウェイ! の巻
いや、楽しみで(笑)。でも正直な話、どうしても落ちるところとか想像しちゃって。
これ、アルバム『Strangers In Heaven』のツアーが始まってすぐのタイミングだったんですよね。
“飛ぶなら今だ”と思ったんです。一皮むけた姿でツアーに挑みたかったので。だから高所恐怖症だろうが何だろうが、越えられない壁を越えていこうっていう。でも怖かったっすよね。変な興奮状態だったし。最初に吊り橋が見えたときの後悔。
でもね、こないだ親父に会って話したときに初めて知ったんですけど、親父が勤めてる会社って橋を作ってて、この橋、親父の会社が作ったんです。
で、この橋ができたとき、親父とおふくろでこの橋でデートしたって(笑)。
両親のデートの想い出の橋で、息子が高所恐怖症を克服したという(笑)。なんかいい話だな。
飛ぶ前と飛んだ後では、景色が変わりましたね。なんでもいける感覚っていうか。たかがバンジーだったけど、俺にとってはされどバンジーでした。だからこれは達成したでしょ?
いや、ちょっと待ってください。我々100mからは飛びましたけど、103mからは飛んでないですよね?
高所恐怖症の拓さんからするとすごいことですけど、103mではないので日本一ではないですよね。
Vol.7:Strangers In Heaven Tour 2014/10/14@Zepp Tokyoレポートの巻
このツアーで、ライブ中に客席から「日本一なるぞ!」という声が出たんですよね。
そうそう。そのときに山中さんがニヤっとしてたという話も聞きました。
あのツアーでは、各地で「日本一なるぞ!」という声が出始めたんです。この連載の影響力みたいなものを感じましたね。“日本一”というのは曖昧だけど、「日本一なるぞ!」というメンタリズムみたいなものを、ウチのお客さんもおもしろがってくれている感じがあって。逆に言うと、みんなもちょっと期待してくれているのかなって。それが嬉しかったですね。
Vol.11:船橋競馬 「日本一なるぞ村松拓キングコングニー記念」の巻
記憶に新しい前回の、自腹1万円と連載継続をかけた船橋競馬「日本一なるぞ村松拓キングコングニー記念」ですが。
正直に言うとね、俺は競馬に対して1mmも思い入れがないんです。
でも俺のやりたいことはこれだなって思いました。バカなことに時間をかけて、構想を練って練って、遊びに行く。
そう。この企画の俺の目的としては、半年間も時間をかけて壮大な運試しをしましょうっていう。だからレース名に自分の名前や連載名が付いてるとかは、大事なことではなくて。
でも全然知らない人でもこのレースのことを知ったら「バカなことやってるな」とか「おもしろいな」と思ってくれると思うんです。それは世の中から考えたらとても小さな空気かもしれないけど、それがすごく有意義だったし、俺がやりたいことだった。
それはなによりです。でも馬券は当てられなかったので、連載の終了が決定しました。
馬券は当てられなかったけど、でも俺は持っていると思うんですよね。だってあのレース、3連単1万円買ってたら3750万円になる大荒れのレースだったんですよ。
この倍率を見たら、“嵐を呼ぶ漢”と言ってもいいのかなと。俺は持ってるなと。
いやいや、馬券当たらなかったですからね。たっきゅんは運を持っていなかったという結果ですよ。
この1年間のチャレンジを振り返ってきましたけど、散々でしたね。
やり残していることはいっぱいありますよ。だからそれが悔しいですね。
1つ言いたいことがあるんですけど……俺、最初からわかってた。「たっきゅんのキングコングニー」をやり続けても、日本一にはなれないだろうって。
富士山を1合目から登ったから日本一か? というとそうでもないし。だって日本一は富士山だもん。
竜神大吊橋でバンジーしたら日本一か? というとそうでもないし。日本一なのは竜神大吊橋の高さだもん。
うん。でもね、いろいろと確認できた。“なんでもこい!”というメンタルというか、精神的な器。それは俺にはあるよ〜。
要するにね、負けを知っている漢ほど強いんですよ。俺は負けてないけどね!
山中さん的に、俺が日本一になれたかなれなかったのかを教えてください。
うーん、最初の頃は、まだ僕は村松拓という人を深く理解できていなくて、読者から熱量の高いメールがたくさん来ているのを目の当たりにして、正直なところ“この人のどういう部分にみんな惹かれているんだろう?”と思っていたんです。
でもキングコングニーを重ねていくうちに、僕だけじゃなくてスタッフも含めて、みんなが“たっきゅん”という場所で思い切り遊んでいるような感覚になっていって。“アーティストを惹き立てる”というより、“みんなが思い切り楽しむ”という感じになっていったと思うんです。その中心にはいつも拓さんが居て。そういう、不思議な空気感を作り出す人だなと。
だから拓さんが日本一の漢かどうかはわからないですけど、いい漢ですよね。そう思います。
それ嬉しいですね。近所の兄ちゃんたちが“なんかわかんないけどおもしろいことしてるな”っていう幸福感。俺はそういうことを発信したかったんですよ。だっておもしろいじゃん。幸せになれるじゃん。だからキングコングニーが終わるのは寂しいですね。
でも漢に二言はないです。1年間、みんなで一生懸命作ってきてよかったです。またどこかで会いましょう。
FIND OUTは続きますけど、キングコングニーはこれで終了ということで。
みなさん1年間どうもありがとうございました!!
たっきゅんのキングコングニー最終回へのメッセージや感想はyamanaka@hirax.co.jpまで!!
宣伝:たっきゅんが出演するライブがあるよ!!
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