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“Spotifyと輸入アナログのお話”の巻

あっという間にもう今年も終わり、だなあ。いろいろあったなあ、今年も。でも、大きな悪いことも個人的には無かったので(まー政治が経済がどうの、といった眉をひそめるような各種社会問題はありますが)、総じて良い年といえるでしょうな。地震で被災された皆様も昨年よりは良い年だったと言えるのなら素晴らしいのですが…。来年はもっと良くなるといいよね。

さて、最近の音楽関連のトピックスといえば、iTunes storeでSONYさんの音源が買えるようになった、という嬉しいニュースがございましたね。巷では小室さんのtwitterでのつぶやきがよかったんじゃないの? なんて言われておりますが、その真偽はともかくSONYの膨大なカタログがそのうち手軽に入手できるようになるかもしれない、ということはとってもいいこと。現状ではまだ新譜と一部のヒット作の旧譜中心ですが、そのうちすかんちとかBO GUMBOSとか遠藤賢司の『HARD FOLK KENJI』とか太田裕美とかキャンディーズとかカルメンマキ初期作とかそーゆーものも入手できるようになるのでしょう、きっと! いいこと! 極めていい(ちょっと偏っててすまん)! とはいえ、おそらく来年はもっともっと大きな変化が本格化していくんだろうなあ、と。現状、今皆さんは音源を配信でもしくはCDで購入しリッピングしてそれをiPodやiPhoneみたいなもので聴く、もしくはiCloudとかで聴く、という環境で日々音楽に親しんでいるのでしょうが、来年はおそらくSpotifyのサービスがいよいよ日本でも始まるんじゃないですかねえ。そしてこれが始まったら本当に音楽を巡る環境や聴き方はガラリと変わります。Spotifyってなあに? という人にざっくりと説明いたしますと、要は「もういちいちチミのパソコンにあるiTunesに音源をリッピングしたりiTunes storeで音源を買わなくても、パソコンで、もしくはiPhoneとかでSpotifyのサイトやアプリにアクセスすればCM付きで半年間は全くの無料、その後もCM付きで同じ曲を聴く回数、時間の制限あり(回数、時間制限は欧州のみ)なら無料で、もしくは月1300円くらい(現状の海外の値段ね)払えばCM抜きで聴きたい音源をストリーミングでいくらでも聴けちゃう。ハードディスクの容量も食わないし、面倒な管理も無用。」、っていうサービス。4大メジャーレーベルもインディレーベルも参加し、1500万以上の楽曲が聴き放題とか。日本で始まってもさすがにJ-POP含め全ての音源が、というのはもちろん不可能とは思いますが(iTunesですら無理なんだもんね)、いわゆる洋楽に関しては既にサービスが始まっている国と同じになるわけで、そうなるともう本当に洋楽に関してはこのサービスが一般化して、CDを買う量が減るでしょうね。でも買う量が一気に減るから聴かなくなる、じゃなくてむしろこのサービスが始まることによって上手くやれば洋楽を聴く人が増えるんじゃないかなあ、なんて思いますよ。なんたって聴き放題なんだもの。
そういうサービスかつてなかったっけ? と思い出す人もいるはず。そう、Napster Japanね。タワレコがやっていてあっという間に撤収したやつ。懐かしいねえ。でもほんの5年くらい前の話なんだけどね。実際このSpotifyのサービスとNapster Japanがやっていたサービスってザックリと考えてみれば実はあまり変わらない。でも状況がNapster Japanが設立された2006年当時と今じゃ違う。Napster JapanはなによりiPodに対応しなかったからねえ。音源を外に持ち出すには専用のプレイヤーが必要で、基本は携帯電話で聴かせるサービス、という形がまだ一般的じゃなかった。日本ではDRMフリーの波に対応できなくて結局サービスが続けられなくなったんだけど。失敗とはいえサービスの基本フォームはNapsterが作ってたわけで、そう考えれば早かった。で、実はSpotifyの出資者がかつてNapsterを作ったショーン・パーカーだったりしますよ。あれだ、映画「ソーシャル・ネットワーク」でジャスティン・ティンバーレイクが演ってた人ね。なんか話によるとSpotifyのサービスを見てショーンさん(33歳)が惚れ込んで連絡を取り、出資することになったそう。俺の屍を乗り越えて行けるのはお前、みたいな感じか? できる男はすごいねえ。
以前僕は「CDがメディアの中心という時代が終わっちゃっても良いのに!」とここで書いて一部の人たちから反発を喰らったのですが、いや、実はあそこでいいたかったのは「パッケージは作りたい理由のある物、必要なもののみを作ったらいいじゃないスか? もう全部をパッケージ化する必要性は感じない」ということでありました。そして「その作りたい理由を持って作るパッケージが音質的にもけして高品質とはもはや言えない、なによりコピーができてしまうCompact Discでええのかいな?」ということ。当時は僕もSpotifyみたいなストリーミングサービスをあまり考えずに発言してましたが、Spotifyの登場でますます以前の考えを強くしてます。ストリーミングサービスが素晴らしいな、と思うことがもうひとつ。偉い人が考える「不法アップロード、不法ダウンロードは許さん!」みたいな物言いって確かにそりゃそうなのですが、解決する手段は啓蒙やそれに圧力をかけることも必要ですが、何より不法アップロード、不法ダウンロードの意味をなくす、「もう後ろめたい感じで不法なことをしなくても、ほら、皆さんこれ便利でしょ〜?」っていう合法なサービスを用意するということが一番と思います。その意味をなくすサービスってストリーミングサービスなんじゃないスかねえ。機能の限定はされるものの無料で、もしくは1000円ちょっと払ったら機能制限なしで好きなだけ聴けるなら当然そちらを選ぶ人も多いと思いますよ。ハードディスクの容量食わないんだから。いたちごっこを繰り返す手間暇を考えれば元から絶つ、という仕組み作りは素晴らしいなあと思います。じゃあ絶対Spotifyの登場によってこの日本で音楽を巡る状況が好転するかと言えば少々懐疑的な部分もあるんです。たとえばちょっと前までのダウンロードサービス同様、SONYの音源はSONYがやってるストリーミングサービスのみで聴いてね、ということになるんじゃないか、とかね。実際既にSONYは欧米では「Music Unlimited powered by Qriocity」というストリーミングサービスをしているのですが、そちらをSpotifyに合わせて日本に導入、SONY音源を聴きたいならそっちで、というパターンもあり得る。例によって極めて使い勝手が悪い状況になる可能性がプンプンしますなあ。そしてSpotifyが広がった一つの目玉である「無料」というフォームを許可しない可能性もある。実はSONYのMusic Unlimited powered by Qriocityも無料フォームがないんだよね。それで海外では「生まれて即死」、なんて言われていたりするんだけど…。無料で使わせて、さらに便利に使うために1000円くらい払ってよ、というSpotifyの欧米での方法ができないのなら「じゃ、イラネ」ということになりかねない。あと値段。今のiTunes storeの邦楽の値段設定とSpotifyの値段設定を見て、かつてのNapster Japanの値段設定を思い出せばわかるだろうけど、おそらく海外のように1000円〜1300円、ということはありえない。おそらく、だけど、プレミアム会員1990円、とかそんな値段になるんじゃなかろか? これね、かつてNapsterがプレミアム会員1980円だったんだけど、高い! と言われてたんだよなー。SONY音源なし。無料会員なし、月額1990円、となってしまったら? んー。心配。大丈夫かなあ。
話はちょっと変わってSpotifyのサービスがスタートしたら、CDの購入数が減るだろうけど、代わりにきっと購入数が増えるだろうな、というものがございます。それはアナログ。もう既に散々購入してるじゃないですか? と僕を直接知っている人から突っ込まれそうだけど、中古じゃなくて新譜のアナログの話ね。ビートルズのアナログがあらためて出たということもあってyahooニュースとかでも取り上げられていましたが、ビートルズに限らず結構な数のアイテムが輸入アナログでリリースされております。既に実はもう徐々にアナログを買う件数が増えていたりするんだけど、現状はCDや配信がリリースされてちょっと経ってからアナログが出たりするパターンが多いので我慢できずにCDや配信で先に買ってしまう作品もあるんですよ。でもSpotifyがスタートしたら聴き放題でチェックするのでアナログまで待っても問題ないじゃないスか? これはありがたいなあ。思う存分アナログ買えるわ(笑)。今新譜で出るアナログっていいですよー。180gとか盤が厚い物が多くて音もいいしさ。値段が多少高くてもコレクト心がくすぐられるなあ。またも批判を受けそうな気もしますが、よく配信嫌い、CDでやっぱり欲しいんですよ、とおっしゃられる方をネット上で見かけますが、その理由が「ジャケット含めてアートフォームだと思うので」、とかだったり。じゃあアナログのほうがよくない? ジャケット大きいしさあ、というと、アナログはプレイヤーがないので、とかいうんだよね。わけわからんですわ(笑)。もはやCDプレイヤーがパソコンに装備されていない時代になっていきつつあるのに。しかもアナログはほぼ複製できないじゃない? 物として残しておくなら条件はアナログの方が確実に良いと思うのよね。で、今販売されている新譜の輸入アナログって中にダウンロードカードが入っていてアクセスすると音源がデータで手に入る、アナログ+ダウンロードも多くて素晴らしいなあと思うよ。一番理にかなっているもん、普段聴くのはパソコンで、ゆっくり時間のある時はアナログで、というスタイルが。まあ一度皆さんもAmazonとかのアナログコーナーをチェックしてほしいものですな。
というわけで今回はspotifyと輸入アナログのお話でございました。では皆様残りの数週間、よい年をお過ごしください。そして2013年が皆様にとってよい年でありますよう、早めのご挨拶をさせていただきます。ではまた来年!

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