3rd Album『CONTINUE?』収録曲
今回の教材は『Our Journey』。
この曲をひと言で表すなら、
「自分の耳を信じて街を歩く、ジャズファンク×
テンポは112 BPM。
これは、テンポが速い曲ではありません。ミドルテンポ、
それなのに聴いていると、不思議なくらい前へ前へと進んでいく。
電車で一気に目的地へ向かうというより、イヤホンをつけて、
『Our Journey』では、その“歩き続ける感覚”を、リズム、
今回は、TëKMO+の中でも少し異色な「
なぜ『Our Journy』は、速くないのに
「前へ進んでいる」ように感じるのか?
音楽で疾走感を出そうとすると、
でも『Our Journey』はその逆。
テンポそのものは約112 BPM。
ちゃんと足元を確認しながら歩ける速さです。
それでも曲が止まって聴こえないのは、
ビートの中に細かな“前進する力”が仕込まれているから。
さらに、
つまりこの曲は、
「速さ」で旅を表現しているのではなく、「グルーヴ」と「
ここが大きなポイントです。
『Our Journy』の前進感を作っているのは、大きく分けて3つ。
① 112 BPMの中に仕込まれた、
② 明るさと少しの陰りを行き来する、大人っぽいハーモニー
③ 曲が進むほど音の景色が広がっていく、立体的なアレンジ
この3つが重なることで、
走ってはいない。
焦ってもいない。
でも、確実に昨日とは違う場所へ向かっているような、
そんな『Our Journey』独特の“旅の速度”が生まれています。
設計ポイント①
リズム&ベース:「ドン・ドン」と進むのではなく、“隙間”
まず注目したいのがリズムです。
『Our Journey』は、
でも、その間に細かなアクセントが入ってくる。
これがジャズファンクやヒップホップでよく感じる、
「ビートの”隙間”が気持ちいい」という感覚につながっています
ドラムが全部の場所を埋め尽くすのではなく、
そして、その隙間をベースが縫うように動いていく。
特に面白いのは、
キックと一緒に地面を踏む瞬間もあれば、
この小さな“食い込み”が、「次へ行こう」
テンポそのものを速くしなくても、
これが『Our Journey』のグルーヴの正体です。
設計ポイント②
ハーモニー:明るいのに、少しだけ影がある
もうひとつ、
全体としては、D♭メジャーと、そのすぐ隣にあるB♭
専門的に言えば、
だから、「明るい!」
から突然、
「暗い……」
に変わるわけではありません。
明るい景色の中に、ほんの少し影が差す。
心地よいの温度変化を感じられると思います。
これが『Our Journey』に歌詞にもすごく相性が良くて、
「この道でいいんだろうか」と思う瞬間もある中で、
それでもまた歩く。
『Our Journey』のコード感には、
ただ明るい応援歌にしなかったことで、曲に“大人のリアリティ”
設計ポイント③
アレンジ:曲が進むほど「街が広がっていく」
そして今回、音源を細かく聴いていて特に面白かったのがここ。
『Our Journey』は、曲が進むにつれて音の横幅が変わっていきま
Aメロ付近では、
イメージするなら、
まだ狭い路地を歩いている感じです。
そこからサビへ向かうにつれて、鍵盤やギター、
視界が開けて、街の景色が一気に広がるような感覚です。
さらに面白いのが終盤。
2:18前後からは、それまで以上に音の横幅が広がり、
単純に「最後だから音量を大きくする」だけではありません。
音を明るく、広くする。
だから最後の展開では、
「同じ場所をぐるぐる回っている」のではなく、
ちゃんと遠くまで来たように感じる。
イントロではまだ街の一角にいた主人公が、
そんな映像すら浮かんできます。
タイトルが『Our Journey』であることを考えると、
この曲の核にあるのが、「自分の耳が選ぶbeat」という感覚。
周囲が選んだ正解ではなく、
これは、音楽の話だけではないと思います。
仕事でも、人生でも、活動でも、
「普通はこうする」
「この年齢ならこうする」
「成功するならこうする」
みたいな正解は、たくさんあります。
でも結局、自分の人生を最後まで聴いていられるのは自分だけ。
だから、自分がちゃんと身体を揺らせるbeatを選ぶ。
『Our Journey』では、そのメッセージを強く叫ぶのではなく、
少し力を抜いたグルーヴの上に乗せています。
そこがこの曲の格好いいところ。
「俺について来い」ではない。
「俺はこっちへ行くけど、一緒に歩く?」
くらいの距離感なんです。
正体:90年代アシッドジャズの「都会を歩けるファンク」
今回聴き比べてほしいのは、
Jamiroquai『Virtual Insanity』
https://www.youtube.com/watch?
ジャズの少し複雑なコード感。
ファンク由来のベースとドラム。
そして、その上に乗る都会的でクールなボーカル。
こうした要素を「難しい音楽」としてではなく、
この感覚は『Our Journey』にもつながっています。
特に共通しているのが、
“グルーヴそのものが風景を作っている”
ところ。
ギターやシンセで派手な景色を描く前に、
そこへジャズ的なコードの色彩が加わることで、
普通のファンクより少し知的で、
普通のポップスより少し路地裏っぽい。
そんなアーバンな質感が生まれます。
曲の最初と、2:18前後の終盤を聴き比べてみてください。
チェックするのはひとつだけ。
「音の景色は、どちらが広く感じる?」
最初は音がタイト。ドラムとベースでリズム感を作っていますが、
終盤になると、グルーブの上に左右へ広がる音が増えて、
イヤホンで聴くと、より分かりやすいはずです。
音量ではなく、“音の広さ”を聴く。
これだけ意識して、もう一度聴いてみてください。
『Our Journey』は、
猛スピードで夢へ向かう曲ではありません。
立ち止まることもある。
迷うこともある。
でも、自分の耳が選んだbeatを信じて、また一歩進んでいく。
その姿を、112 BPMのヒップホップ的なグルーブ感で、
ジャズファンクをおもわせるのベースとハーモニー、
そして少しずつに広がりを見せるアレンジで描いた曲です。
速く進むことだけが、前進ではない。
誰かが決めた道を歩くことだけが、正解でもない。
昨日より少しだけ先へ行けたなら、それも立派な旅です。
ドラムが足取りを作り、ベースが次の一歩を促し、
鍵盤やギターが街の景色を描き、
そんな4人の音が重なって、『Our Journey』は今日も続いていきます。
自分の耳が選んだbeatを信じて。
次は、どこへ行こうか。
文:MAKIO (TëKMO+ Bass,Vocal)
作品とライブの案内
3rd Album『CONTINUE?』全国発売中!
『surface tension』『24/7』『navyblue』『
配信で聴く:
https://pcim.lnk.to/continue
販売元購入サイト:
https://pcimusic.com/s/pec/
タワーレコード:
https://tower.jp/search/item/
楽天ブックス:
https://books.rakuten.co.jp/
ONE-MAN LIVE情報
2026年11月27日(金)
渋谷gee ge
「TëKMO+ サウンド設計室 -共同作曲編-」
https://www.tekmoplus.com/
2027年2月27日(土)
みなとみらいブロンテ
TëKMO+ ONEMAN LIVE
“RëLOAD”
~5TH ANNIVERSARY~