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10-FEET 『HEY!』


「死に別れる、身内を亡くした時の…あの“ありがとう”って、たった5文字だけどものすごい想いが詰まっているし、おっきいなと」


 
 
●最近はすごく忙しいみたいですね。
 
TAKUMA:(インタビュアーが持ってきたジャングルライフを読んでいる)
 
●えっと、後で読んでもらえますか? あげますから。
 
TAKUMA:でも今言っていたように最近忙しくて読む暇ないから~。
 
●いやいやいや、今は取材中だって知ってます?
 
TAKUMA:もう~仕方がないな~。(ジャングルライフを閉じる)
 
●ホントすいませんね。ツアーの忙しい時にありがとうございます。というか今回のツアーもMCは毎回使い回しですか?
 
TAKUMA:いや~もうね…ほっといて下さい。
 
●あ、やっぱり。でも充実している日々じゃないですか。
 
TAKUMA:そうですね。余計なお世話ですけどね。
 
●…え?
 
TAKUMA:そうそう、今回のツアーから日記を書くようになりましたよ。正確には日記じゃないんですけど、ノートに。1日最低1小節という感じで。
 
●へぇ。
 
TAKUMA:バンドに関係あるかどうかわからないんですけど、いつか詩集とか出したいな~と思っているんですよ。
 
●初耳ですね。
 
TAKUMA:PHP研究所みたいなのを俺みたいながダメな奴が出したら面白いなと。
 
●なんか意外です。TAKUMAくんから詩人的な印象は受けていませんでしたよ。
 
TAKUMA:いつ死んでもいいように何か残しとかなあかんなって。
 
●カッチョイイー! “生きていくということは死ぬ準備をすること”ですね!
 
TAKUMA:いつ死ぬのかなんて予測出来ないですからね。いつ死んでもいいように、そのノートの表紙に“いつか本を出したい!”と書いてあるんですよ。
●かなり切実ですね。そう思うようになったのはやっぱり色々考える事があったんですか?
 
TAKUMA:そうですね。余計なお世話ですけどね。
 
●…え?
 
TAKUMA:でもアルバム『REALIFE』を出して、KOUICHIも腱鞘炎になって渋谷AX以降のツアーを休んだりして(その後5月から復帰)…今年は結構色んな事がある年じゃないですかね。
 
●あれはびっくりしましたよ。
 
TAKUMA:前からかなりヤバかったんですけどね。今は我慢の時ですね。ゆっくり治療に専念させるべきだし。でも自分のバンドが自分無しで回っている状態って、KOUICHIにしかわからない辛いことなんだと僕とNAOKIは自覚しないといけないなと思います。出来るところで力になりたいと思っているし、今あいつを励ましたり、笑わせたり、安心させたりすることが僕やあいつが愛している10-FEETのためになるに違いないと思います。僕が逆にそうされたらやっぱり嬉しいし。
 
●うん。
 
TAKUMA:早く良くなって欲しいし…「腕がへし折れるまでやったらどうや? 俺も付き合うで!」という感じですね。
 
●めっちゃいい話ですね。…でも「KOUICHI君の腕が折れたら、TAKUMA君のちんちんも同時に折れるという設定だったらどうですか?
 
TAKUMA:いい話をめちゃくちゃに壊す質問ですけど、それはそれで面白いですね。全然いいですよ。
 
●ところで、シングルを出すらしいですね。
 
TAKUMA:はい。『HEY!』です。
 
●このシングルでは結構好きなことをやっている気がするんですが、やっぱり『REALIFE』があったからこその作品なのかなと思ったんです。
 
TAKUMA:そうですね。今まで僕たちは“今までの10-FEET”と“これからの10-FEET”を同時に詰め込むということをリリース毎に徹底してやってきたんですよ。今回もそれを継承して、1曲目「HEY!」は今まで自分たちがやってきたことを1曲に凝縮出来たと思うし、2曲目「SEE YOU」は今までにないスローな感じにチャレンジした作品で。
 
●「HEY!」の歌詞は、最近の10-FEETにしては英語の割合が多いですね。
 
TAKUMA:結構色々な割合を試してみたんですけど、元の曲に合うように純粋に詞を入れていったらそうなりました。
 
●日本語が少ないけど、ものすごいインパクトで。
 
TAKUMA:1ヶ所だけですもんね。
 
●“昔の君が今君に聞く 「なぜいつも嘘をつくの?」”…これガツーンと来ますね。
 
TAKUMA:これ結構傷つきますよね。案外若い子は本当の意味での共感はしないかもしれないですね。もう少し上の僕らくらいの年齢の人が一番共感するかもしれないです。
 
●2曲目の「SEE YOU」ですが、この曲は3/20の渋谷AXでやりましたよね?
 
TAKUMA:はい。
 
●その後このCDを聴いた時にびっくりしたんです。聴いたのはそれが人生で2回目なはずなんですけど、めちゃくちゃ耳に残っていたんですよ。絶対、何十回も聴いたことあるなと思いました。
 
TAKUMA:なんでそんな巧いこと言うかな…半端ねぇッ!! 最高だよあんた!
 
●そんな話はいいですから、なんでこんなスローな感じにしたんですか?
 
TAKUMA:そんなにスローな曲をやったことがなかったから、10-FEETにとっては難しいんですよね。だから何回やっても最初のうちは前傾姿勢になって走っちゃう。でも、僕は純粋にチビの頃からゆっくりな曲も大好きでよく歌っていたから、それを10-FEETでやって自分のものにするのはすごい大事なことだと思ったんです。歌詞に込めたメッセージもこのテンポに合ってると思うし。
 
●この曲の“ありがとう”は、具体的にどういう?
 
TAKUMA:死に別れる、身内を亡くした時の…あの“ありがとう”って、たった5文字だけどものすごい想いが詰まっているし、おっきいなと。自分の近いところで亡くなった人たちって、「生きていたらそうは思わなかったんだろうな」というすごい大事な事を教えてくれるんですよ。ああいうことって「亡くなった人たちが命がけで僕に色々くれたんだ」と思いたいんです。
 
●なんかすごくわかります。
 
TAKUMA:そういうことを考えるというのは人間には必要なことだなと思うんです。
 
●確かに。ところで、今回のシングルにはおまけが入っているんですよね。ミニ・フライング・ディスク。
 
TAKUMA:はい。小さいフリスビーみたいなものです。こういうのを付けたら面白いかなと。限定のグッズ…キラーン♪
 
●は? 何言ってるんですか?
 
TAKUMA:こんなの付いていたら僕は絶対に嬉しいですけどね。
 
●6/27の日比谷野外音楽堂ワンマンではたくさんのディスクが空を舞うんでしょうね。
 
TAKUMA:絶対飛ばさへん! これ限定ですよ。絶対投げないですって!
 
●でもこれが一斉に空を舞ったら気持ちいいだろうな~。
 
TAKUMA:ぜーったい投げないですって! 部屋に飾っておきます! 一枚も飛ばないですよ!もう手に入らないやつですよ。僕は絶対に投げない!
 
●でも投げると思うな~。それでライブ終わってみんな帰ったあと、会場に落ちていたりして。
 
TAKUMA:その上落ちているディスクにいっぱい噛んだ跡が残っていたりしてね。授業中に退屈で鉛筆噛む、みたいなノリで。
 
一同:(爆笑)。
 
●ところでみんな絶対に投げますよね?
 
TAKUMA:絶対に投げません!