全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

10-FEET 『6-feat』

フィーチャリングという妙技によって新しい顔に生まれ変わった名曲たち。10-FEET×6アーティストによるコラボレーションアルバムが誕生!
 
 


「どんどん進んでいくよりも「うわ! びっくりした!」で終わらせたい」


 
 
●ズバリ最近のマイブームは?
 
KOUICHI:ベタな質問やな…じゃあ、キャッシュで(笑)。
 
●キャッシュは前から好きですよね。すべてがお金のために…。
 
TAKUMA:……「カチッ」(おもむろにテープレコーダーを止める)
 
●「カチッ」…何するんですか?
 
TAKUMA:気に入らんから。
 
●相変わらず忙しい日々を送っているんですか?
 
TAKUMA:うちの犬がこないだ散髪に行ったんですけど、せっかくモコモコで可愛かったのに、すごい細くなってしまったんですよ。
 
●犬のことなんて全く興味ないですね。
 
TAKUMA:おい!
 
●新曲は出来てきていますか?
 
TAKUMA:うーん…。
 
●煮詰まっているんですか?
 
TAKUMA:年中煮詰まっているけど、最近は時に。曲作るのって大変やね…。
 
●そういう時、NAOKIくんとKOUICHIくんは何をしているんですか?
 
KOUICHI:二人で飯食いに行ったり、旅行に行ったり。それで、TAKUMAからの集合がかかったら「ほな行くわ!」という感じ。
 
NAOKI:たまに集合かかっても「俺ら旅行中だからすぐに帰るの無理やわ~」となる。「俺らを待っている間にもう1曲作っといて」と。
 
●…大変ですね。
 
TAKUMA:…うん。
 
●2月にリリースした『ライオン』は、10-FEETが本来やりたかったことが表現出来た曲だと思うんです。そういう意味で、曲作りも含めて新たな境地に至ったのかなと思ったのですが。
 
TAKUMA:『ライオン』をリリースしたことで、何かに挑戦する時に肩に力を入れないで良くなった。でもね、10-FEETは決して複雑な音楽をやっているわけじゃないから、曲を出せば出すほど、音楽的なバリエーションだとか、アイデアとかそういうものの寿命は縮まっているのかな、と感じるときもある。
 
●消耗しているような?
 
TAKUMA:まぁ、1回やったことはもう出来ないじゃないですか。曲が出来ないんじゃなくて、曲がいっぱい生まれてくる中で「これだ!」となる曲が出てくるのが難しくなる。
 
●要するに、自分に課すハードルが高くなっているわけですよね。
 
TAKUMA:どんどん高くなっているし、飛べば飛ぶほど上がっていくしね。その中でも何が難しいかというと、シンプルさ。これは絶対うちらの売りなんですよ。やればやるほどパターンが無くなっている中で、新たなことにも挑戦していきたいし。だから、新しいものを構築しようとしても、どんどん作曲に時間がかかるようになってしまう。
 
●そんな中、間を繋ぐために作ったコラボレーションアルバム『6-feat』ですが…。
 
KOUICHI:そんなにハッキリと言うなや!
 
一同:(笑)。
 
KOUICHI:ちゃんと聴いてくれましたか? お気に入りを教えて下さいよ。
 
●僕のお気に入りは「recollection feat. つじあやの」と「4REST feat. Kawasaki electro academy」です。でも全曲素晴らしいと思いましたよ。iPodで聴きながら歩いていたら曲の世界に入り込んでしまって、車に轢かれそうになりました。誰かが後ろからリュックを押しているなと思ったら車だったんです(笑)。
 
KOUICHI:危ないっすね。
 
TAKUMA:…轢かれれば良かったのに。
 
●それに改めて、曲の良さにも感動したんです。元の曲が弱かったら、こういう作品は出来ないと思います。今だからこそ出来るのかなと。
 
TAKUMA:まあ、積み上げたものがあるから出来ることというか。
 
●多種多様なジャンルのアーティストとコラボレーションするという企画自体おもしろいですね。
 
TAKUMA:やっぱりリスナーは常に刺激と事件を求めているわけで、それはこういうことでも与えられると思ったんですよね。
 
●刺激をください。
 
TAKUMA:例えば、バンドシーンとクラブシーンのコラボってあんまりビシッと出来ているイメージが無いじゃないですか。特に、僕らみたいなバンドとクラブシーンって本当は繋がりはないんですよ。それがこういう形で繋がりが出来たら絶対面白いし、また新たにそういうものが出てくるかもしれない。ここで色々なものが生まれたらすごく強い一枚岩みたいなシーンになるんじゃないかなと思ったんですよね。
 
●確かに。
 
TAKUMA:でも僕らみたいなバンドがクラブシーンの人たちと絡んでこういう音源を作ることは、基本的に無理だと思ったんです。
 
●そうなんですか?
 
TAKUMA:一番の理由はやっぱりお客さんがクラブシーンにステイタスを持っているというか…。「クラブは大人」「バンドは子供」みたいに分かれているんですよね。ファッシィンやカルチャーも違うし。だから前例があまりない。僕は、クラブシーンの人たちに逞しさをすごく感じるんです。個人でしっかりとやっていかないといけない環境だから。
 
●以前のインタビューで、自分たちの周りから派生させて一つの流れみたいなものを作りたいとおっしゃっていましたね。
 
TAKUMA:それは是非したい。僕らの周りのバンド友達を紹介していったら、絶対にすごいおもしろいことになると思うし。自分が聴いてきた音楽がどうこう関係なしに楽しい奴らばかりだし。
 
●そうやって新しいものが生まれることは、マーケットがどうとかを抜きにして楽しいと思います。
 
TAKUMA:むしろ、そんな考えがあったら生まれてこないと思う。実際、今作も最初はただ盛り上がって始まっただけの話だし。
 
●コラボレーションする相手はTAKUMAくんの繋がりでオファーしていったんですか?
 
TAKUMA:直接お願いしに行ったりとか。
 
●この6組の中で逆に今まで繋がりがなかった人はいるんですか?
 
TAKUMA:つじあやのさん。レコード会社の人にお願いしました。そもそも僕が「recollection」を作る時に、“つじあやのさんのような、ああいう感じの曲がやりたい」というイメージがあったんです。
 
●2年前に作った曲ですね。
 
TAKUMA:ああいう感じのドライブ感と、爽やかで優しくて、風が吹くようなイメージがあったんです。そのモチーフになったのが彼女だった。だから今回歌ってもらえたのはめちゃくちゃ嬉しかったですよ。最初の仮歌を歌ってもらった時点で「きた!」と。「ドハマリ! ピース! バンザーイ!」って。びっくりしたもん。
 
●うん、すごくハマっていますね。
 
TAKUMA:失礼な話かもしれないですけど、彼女自身の曲みたいだなと思った。もちろんキーも合わせたし、つじあやのさんの新しいシングル『春風』もあったからそのテンポ感を出しつつやったんですけど、めちゃくちゃハマりましたね。
 
●「CHERRY BLOSSOM feat. MINMI」でもMINMIさんが歌っていますが、女性ボーカルに抵抗はなかったんですか?
 
TAKUMA:いや、むしろやってくれという感じですね。
 
●MINMIさんとはどういう繋がりが?
 
TAKUMA:これは完全にKOUICHIですね。
 
KOUICHI:僕、関わっていないと思ったいたでしょ?
 
●思っていました…。
 
KOUICHI:甘く見過ぎや!
 
●すみません、ナメてました。で、どういった関係なんですか?
 
KOUICHI:バイト先が一緒だったんですよ。
 
●…また嘘ついた。
 
TAKUMA:以前、リミックスを頼まれてやったことがあるんですよね。だから今度は俺らが「仕返しして」という感じでお願いしたんです。湘南乃風も前から深い交流があって、前にトラックを作ったことがあったので今回は「じゃあ逆にお願いしようか」と。
 
●「2% feat. 湘南乃風」はピースフルな感じがすごくいいですね。「RIVER (wow wow unite remix) feat. Kj (from Dragon Ash)」は?
 
TAKUMA:Kjは元々10-FEETをよく聴いてくれていたみたいなんです。それでROCK IN JAPAN FES.のときに楽屋に顔を出しに来てくれたりして。その後、Dragon Ashが京都にツアーで来たのを観に行ったら、ライブ中に「10-FEET、今日は来てくれてありがとうとMCで言ってくれたんですよ。で、楽屋で「なんで俺がいるってわかったん?」と聞いたら「客席に派手な蛍光グリーンとダウンジャケットと、同じような色の帽子をかぶっているAV男優みたいなやつがいる」とステージ上で話していたらしいんです。よく見たらそれが僕だったと(笑)。
 
●今だから笑い話になりますけど、何本かAVに出てましたからね。
 
TAKUMA:キミ、帰ってくれるか?
 
●……。
 
TAKUMA:その時にはこのアルバムを作ることは決定していたから、Kjに頼んだんです。なんか「10-FEETはこういう感じが好きなんじゃないかな?」と考えて作ってくれたみたいで。すごく嬉しいですね。
 
●お礼言うた? ちゃんと「ありがとう」と言うた?
 
TAKUMA:うん、言うた…オカンか。
 
●そして、「4REST feat. kawasaki electro academy」は大変なことになっていますね(笑)。原型がない。
 
TAKUMA:歌詞も“MY.my forest”くらいしか入っていないですからね。要は僕の言葉や文を一行でも入れたら、僕の人間像が曲に出てしまう。その時点でkawasaki electro academyなりの「4REST」という曲が成立しないんですよ。だから、音として使える言葉しか使っていないし、サンプリングした言葉もエフェクトやキーの編集処理で民族音楽っぽくなっているし。英語でもない、どこかの原住民族のオリジナルな言葉、儀式や祭りで何かを願って叫んでいる声なんじゃないかという。
 
●はい。
 
TAKUMA:だから本当にkawasaki electro academyが「“4REST”という言葉のもとで10-FEETのイメージを曲で書くならこうだよ」と言う感じで作ってくれたんですよね。音色のチョイスとかも、僕らバンドの常識では想像つかないほど難しいと思うんです。すごく作り込まれている。
 
●ちゃんとお礼言うた?
 
TAKUMA:うるさい。ちゃんと言うたわ。
 
●「GOING CRAZY feat. tick」のtickについては。
 
TAKUMA:聴いてもらったらわかると思うけど、すごいから。とにかくめちゃくちゃかっこいい。まだtickという名前を知らない人も多いと思うけど、このそうそうたるメンツの中でもtickが良かったという声は多いし。これをtickを知らない人が聴いたらギャフンというと思います。このメンツの中でちゃんと戦っている。名前は知られていないにも関わらず、「めっちゃかっこいい」という方向で戦っているからすごい。
 
●10-FEETよりも?
 
TAKUMA:10-FEETよりも! ……10-FEETよりも?
 
一同:(笑)。
 
TAKUMA:まあ、すごいバンドだと思いますよ。絶対いくと思います。
 
●コラボレーションアルバムとして出来上がった感想は?
 
TAKUMA:めっちゃ喜んでいます。自分らで音源作ることとはまた別だし、自分たが敬意を表している人たちに歌ってもらったり、作ってもらえるなんて。こんなに贅沢なことはないです。
 
●…楽だし。
 
TAKUMA:楽だし(笑)。人のふんどしで相撲を取る…人のふんどしで相撲を取るアルバム…人に仕事をフルアルバム!
 
一同:…。
 
●いいアルバムですね。曲数は少ないけど。満足感がある。
 
TAKUMA:いや、こんなもんでしょ? これ以上入れたら聴いている人の頭が固くなる。どんどん進んでいくよりも「うわ! びっくりした!」で終わらせたい。耳が慣れてくると疲弊してしまうし。だから終わり方が素晴らしい。
 
●さっき曲作りで悩んでいるという話がありましたが、新曲もいいものが出来るんでしょうね。今後に期待しています。
 
TAKUMA:期待していてくださいよ。
 
●10-FEETの音楽は生きていく上で必要だと思います。日本の音楽シーンに10-FEETは必要ですよ…と、誰かが言っていました。
 
TAKUMA:自分の言葉じゃないんかい!
 
●じゃあ、最後に読者へのメッセージだけでも。
 
KOUICHI:あ、僕はいいです。
 
TAKUMA:僕もいいですわ。
 
NAOKI:うん。