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10-FEET 『goes on』

シングル『STONE COLD BREAK』のリリースツアーをTAKUMAの喉の不調によ全て延期せざるを得なくなり、待望の復活ライブとなる予定だった7月開催の自主企画イベント“京都大作戦”が台風により中止。心待ちにしていたファン以上に苦しかったのは、他の誰でもなく10-FEETだったはず。同しようもない苦しみを自らの手で乗り越え、3人だからこそ鳴らせる音楽を携えて彼らは戻ってきた。
 
 
 


「歌詞を書く時、“海”や“波”みたいなダイレクトすぎる言葉はあまり使わないんですよ。でもこの曲はバックの音楽にハマったから。だから結果的にですけど、僕的にはすごく珍しい表現になった。」


 
 
 
 
●7/15の“京都大作戦は残念でしたね。まさか台風が来るなんて。
 
KOUICHI:やりたかったっすよ~。でも来年もやるもんな。頑張ってやろな。
 
TAKUMA:うん。
 
KOUICHI:期待が大きかっただけにね。
 
●すごいメンツだったし。
 
KOUICHI:そうですよね。
 
●観たかったなぁ~。ELLEGARDENとGO!GO!7188と湘南乃風とチャットモンチーとつじあやのとDragon AshとMONGOL800とYacht。
 
KOUICHI:10-FEETが入っていないやんけ
 
TAKUMA:ロットングラフティーも忘れてるやんけ!
 
●でも真面目な話、TAKUMAくんは喉を痛めてツアーを延期して、このタイミングで復活の予定でしたもんね。
 
TAKUMA:やってたら絶対に泣いてましたね。
 
●いろいろありましたけど、今ココにいるというということは乗り越えたということですからね。
 
KOUICHI:結局“RISING SUN ROCK FESTIVAL 2007 in EZO”が4ヶ月ぶりのライブだったからちょっと緊張しましたね。
 
●「この棒、どうやって持つんやろ」って?
 
KOUICHI:(無視して)でも人も多かったし、楽しかったです。
 
TAKUMA:いや~、楽しかったな~(モグモグ)。
 
●いつもJUNGLE★LIFEの取材中におにぎり食べるのやめてもらえませんか?TAKUMA:今回11/14に10枚目シングル『goes on』をリリースします(ゴクゴク)。
 
●「goes on」はいつ書いた曲なんですか? 歌詞を見れば、最近書いたというのがすぐにわかったんですけど。
 
TAKUMA:確かに最近書きましたね。今作はどうでした?
 
●特に「goes on」をパッと聴いて今までの10-FEETっぽさを感じたんですよね。でもそれは実は現時点だからこそ出せるパワーなんじゃないかと。今年10周年になりますけど、ひとまわりして、初期衝動も経験もひっくるめた上で、しっかりと楽曲にまとめているという気がしたんです。
 
KOUICHI:ふんふん。
 
●バンド以外の音ってあまり入れていないと思うんですよ。アコギとキーボードくらいで。バンド本来の音で、正攻法でポップな勢いも出している印象を受けたということは、バンド自体の底力がついた気がします。
 
TAKUMA:なんかだいぶ褒めてくれてる!
 
KOUICHI:ほんまや!
 
●新しい感じもしますけど、でもそれよりも10-FEETの芯というか、3曲通して『STONE COLD BREAK』の延長という気がしますよ。
 
KOUICHI:ちゃんと聴いてくれていますね。
 
●はい。今回は聴きました。
 
KOUICHI:え? 今までは?
 
●さっき楽器構成がシンプルという話をしましたけど、「goes on」とかは特にギターのアレンジが気持ちよかったんですよね。英語詞の前の間奏に2回入るギターフレーズの、ちょっとカチンとくる感じとか。
 
KOUICHI:“カチンとくるフレーズ”ってええなあ(笑)。
 
●「goes on」の歌詞から察すると、この曲はツアーの延期と“京都大作戦”の中止があった上で、自らを鼓舞するという意味も含めて書かれたと想像したんです。だからすごくリアルだったんですよね。今までもリアルだったと思うけど、“こいつらにしか書けない歌詞や”と思って。
 
TAKUMA:たしかにカラッと晴れたイメージの歌詞では無いですよね。9月の頭くらいにレコーディングに入ったんですけど、その直前に書いたんです。サビはずっと前からイメージを持っていたんですけど。歌詞は特定少数というより、不特定多数の人に届く感じになったんじゃないかと思うんです。というか、そもそも“不特定多数の人に届けよう”とか最初は考えなかった。
 
●なるほど。
 
TAKUMA:“人が海のように大きくなれたら 人が波のように優しくなれたら”とか言葉が大きすぎて、リアリティが無いと思うんです。じゃあなぜそういう言葉を選んだかというと、バックの音楽にめちゃくちゃハマったからで。雰囲気や空気感というか。
 
●確かにサウンドと歌詞の一体感は強いですね。
 
TAKUMA:仮に“メロディーと雰囲気がいいから、いい言葉を乗せよう”と考えたらそれはそれで“作った感が出てしまう”。僕は歌詞を書く時に“海”や“波”みたいなダイレクトすぎる言葉はあまり使わないんですよ。でもこの曲はバックの音楽にハマったから。だから結果的にですけど、僕的にはすごく珍しい表現になりましたね。
 
NAOKI:遅れてすみません!(※渋滞で遅れていたNAOKIが到着)
 
●お疲れ様です! ずっと取材も始めずに待っていたんですよ。
 
KOUICHI:俺ら2人で一生懸命喋っていたやんけ!
 
●冒頭でちょっと話しましたけど、2曲目の「RUMBRING BALL」はTAKUMAくんとNAOKIくんのヴォーカルの絡みが気持ちいい曲ですが、この曲は10-FEETの特徴の一つというか、いろんなパーツを組み合わせて成り立っていると思うんです。そうすると展開がダイナミックになって、曲としてすごく面白みが出るタイプの曲で。
 
TAKUMA:そうですね。
 
●でも聴いていると、なんかパーツに分かれているという感覚を忘れてしまうというか。歌詞はあえて面白く歌っている部分もありますが、“染み入るいい曲”という印象の方が強かった。10-FEETのふざけた部分とメッセージ性の部分、両面が詰まった面白い曲だと思いました。
 
TAKUMA:NAOKIは高くて太くて抜ける声で、僕らの武器の一つだと思っていて、それが曲にバッチリだったんですよ。サビまでの曲調は暗いわけじゃないけど激しくてヘヴィで、曲の中で暴れる感じじゃないですか。この曲のサビは“トンネルを抜けた感”をいちばん大事にしたかったんですよね。
 
●あぁ~、なるほど。
 
TAKUMA:サビで“よっしゃー”という。最初のネタ作りの時からそんな感じで話しながらやっていましたからね。でもさっき「パーツに分かれているのを忘れる」と言っていましたけど、この曲は曲調が変わる時にあまり力押しをしないようにしたんです。そうすることで逆に極端なシフトチェンジが出来て、やっていて面白かったですね。それにこの曲は、久々にリフから考えていったんですよ。10-FEETはリフから作った曲が多そうなイメージですけど、実はあまりリフから作ったことが無いんです。
 
●ギタリストの技術がないから?
 
TAKUMA:そうそう…って、何言わすねん! “技術ある”って書いといて。
 
KOUICHI:(笑)。
 
●TAKUMAくんはライブとかでいつもかっこつけてギターの位置を低くしていますけど、実は下の方の弦に届いていないとか?
 
TAKUMA:いや、あれ本当は弦じゃないんですよ。線が書いてあるだけ。
 
一同:(笑)。
 
●それに、展開としてサビのメロディは曲中に3回ありますけど、最初の2回が英語詞で、最後の1回だけ日本語詞というのがニクかった。
 
TAKUMA:NAOKIの声質で英語詞を歌っているあのサビだったら、聴いてる人は最後に同じ声で日本語が来るとは思わないですよね。メロディ的には外人の女性が歌っているような雰囲気だったから、最後に驚きを入れたかったんです。当初は、サビは全部日本語にしようと思ったんです。
 
●それと3曲目の「雨」は雰囲気があって、また違う感じの魅力がある曲ですよね。
 
TAKUMA:この曲は自分的にはブレース的な感じで、弾き語りで作ったんです。
 
●長良川の河川敷で一人で作ったんですね。
 
TAKUMA:京都在住って公言しているんだから普通は鴨川ちゃうんかい!
 
●ここまでのラブソングというか失恋ソング、10-FEETには無かったですよね?
 
TAKUMA:そう。面白いと思うんですよ。10-FEETとして考えたら面白いけど、自然な曲だと思うんですよね。
 
●うん。自然でしたね。
 
TAKUMA:普通に考えたら「goes on」をやるようなアーティストが「雨」とかはやらないですよね。でもうちらはバンドとしてナシじゃないというか。そういう曲が1つのCDに入っているのが面白いと思ったんです。
 
NAOKI:面白いですよね。それに歌詞が出来たのが最後だったから、それまで僕らはどんなことを歌うのか知らなくて。
 
KOUICHI:そうそう。
 
NAOKI:特にサビの切ない感じの歌詞とかまったくの予想外だったんです。僕は歌詞を見る前にベースラインを作っていたんですけど、すごく明るい方向に持っていっていて。逆にそれが良かったのかな?
 
TAKUMA:うん。それが本当に良かった。
 
NAOKI:ベースラインまで切ない感じだったら、色気が出すぎるというか。ちょうど中和できてよかったと思いますね。
 
●こういう曲はライブとかでいいアクセントになりますよね。ところでライブと言えば、現在はRIZEとACIDMANと10-FEETでZepp6ヶ所をツアーする“Trinty Trip”真っ只中ですが。
 
NAOKI:楽しいっすよ。
 
TAKUMA:RIZEとACIDMANは両方とも男前やし。
 
●それについてはノーコメントでお願いします。
 
KOUICHI:ほとんど言うてるようなもんやんけ!
 
TAKUMA:僕ら弁当の中に入ってる豆みたいなもんですよ。
 
●両バンドから受けた刺激というのはどうですか?
 
TAKUMA:両バンドは本当に僕らとタイプが違うんですよ。今まで色んな人達と対バンしたりツアーしたりしてきましたけど、改めて“俺らはなんだかんだ言って共通点の多い人達とやってきたんやな”というのが、このツアーで改めて思うくらい違った刺激がありましたね。
 
●なるほど。
 
TAKUMA:この両バンドとは音楽の作り方が根本的に違う気がして。僕らは、汗と一緒に身体全体で音楽を出すというイメージだけど、彼らは出す音楽自体で雰囲気を作って、そこでライブをやっているというか。僕らに持っていないものを持っている人たちで、めっちゃ刺激を受けましたね。
 
●焦りました?
 
KOUICHI:焦りどころじゃないですよ。ブルブル震えて、その震えでドラムを叩いていた。
 
一同:(笑)。
 
TAKUMA:焦りもありましたけど、でも“ライブってこういう見せ方も出来るんや”と気づかせてもらったというか。思っていた以上にまだまだ僕らにも余白があった。その改めて気づいた余白は今すぐに塗りつぶす場所じゃなくて、自分らは今までのペースでやっていけばいいんだなと思いましたね。いいもん貰いました。
 
●11月から始まる振替ツアーは楽しみですね。
 
TAKUMA:楽しみですね。
 
NAOKI:前にやる予定だった以上のいいライブを見せたいと思っています。楽しみにしていてほしいですね。
 
KOUICHI:“ロ”で始まって“ー”で終わるバンドは?
 
●ロットングラフティー。