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CULTURES’ BackPacker vol.9「音楽稼業七変化〜ディレクション編〜」

 前回のプロローグに続いて、さらに細かく各稼業を紹介していきます。今回はディレクション業。三味線弾きとしての人生で全く伝統芸能に関係ない、なんなら三味線も現場に持っていかない、脳みそと明るさで支えていくお仕事です

 

 さてまずはどんな内容か。

・アーティストディレクション

・作品制作ディレクション

現在は主にこの二つです。

写真)よく一緒に制作をする友重悠(はるか)くん。編曲はもちろん、レコーディング、ミックス、マスタリングも素晴らしいハイスペックな頼りになる友人。ほんとうにほんとうにいつもありがとう!

 

 アーティストディレクションは、そのアーティストのやりたい音楽や活動を叶えるために指揮をとっていくお仕事。たとえば、過去に服部奈緒やBoobie Goonなどをディレクションしましたが、彼女たちがシンガーソングライターとして歩んでいくために必要な仲間を集めたり、相性の良いライブハウスを紹介したり、リリース作品の方向性を整えてスケジュールを決めて舵取りをし、そのリリースキャンペーン(イベント企画制作を含む)などを支えていきます。

 それっていわゆるプロデューサーってことじゃないの?と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。プロデューサーとディレクターとは業務が異なります。

 

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プロデューサーはディレクターの上司といったポジションで、企画全ての責任を負う立場にあり、企画の立案やスケジュールなどを行います。 一方、ディレクターはプロデューサーの部下というポジションで、プロジェクトの詳細な管理やクライアントとの直接交渉、そして現場の総指揮を行うといった現場の責任者です。(出典:https://www.geekly.co.jp/column/cat-position/1906_023/)

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 なので、「こんなアーティストになりたい!こんな歌を歌いたい!」をそもそも立案している彼女たちはセルフプロデュースであり、そのために必要なことを揃えて進めていく舵取りをするのがディレクターの勤めということです。よく聞く”アイドルプロデューサー”というのは、アイドルたちの多くは「どんな歌でも衣装でも構わないから、とにかくアイドルになって舞台に上がりたい」という気持ちでオーディションに参加し、プロデューサーの思い描くアイドルコンセプトの元で活動していきます。あたしが面倒を見ているアーティストの多くは、歌やステージパフォーマンス像、衣装やキャラクター性など、自分らしく活動したい子達が多いです。しかし、本人自身でも分からないことがあります。そこで、客観意見でその子の魅力を引き出し、さらにフィットするものを提案しながら、スケジュールを組んで足を止めないように扇動していくのです。

 

◆服部奈緒「部屋着はグレー」ほか

M1,2作曲、M2編曲、トータルディレクション

https://music.apple.com/jp/album/%E9%83%A8%E5%B1%8B%E7%9D%80%E3%81%AF%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC-single/1599013959

 

◆Boobie Goon「Many Men, Many Minds」

M1編曲、M2共作曲、編曲、トータルディレクション

https://music.apple.com/jp/album/many-men-many-minds-single/1708864008

◆Cheek Eee「Doragonista」

リリースまでのトータルディレクション

https://music.apple.com/jp/album/doragonista-single/1700373438

◆M78「M78」

M1,2 共作曲、トータルディレクション

https://music.apple.com/jp/album/m78-single/1609030307

もちろんこれは長期的なものもあれば、1年ディレクションをしてみて巣立っていくもの、1作品だけのものもあります。

 

 1作品だけの場合は、例の二つ目に挙げた作品制作ディレクションのケース。この場合、あたしが関わるのは作曲や作詞で携わっている延長線上でディレクションする運びがほとんどです。歌入れ、コーラスワークのアドバイス、より深みのある作品にするために必要な音素材を引き出すために、レコーディングスタジオやエンジニアを紹介するところからディレクションしていくことが多いです。その紹介までするのは、心許せる慣れたエンジニアとの制作によって現場を和ませ、少ない言葉でスムーズに進行する連携が取れるのもメリットだからですね。こちら側の意図を汲んでくれ易いので相談も持ち掛け易いですし、チャレンジングなレコーディングにも積極的にトライしてくれることもあります。

写真)友重くんのほか、お世話になっている二大信頼エンジニアの三軒茶屋クロスロードスタジオ井上勇司さん。CHiLi GiRLのRecはもちろん、いろんな作品でよくお願いしている父のようなひと!と、母のような奥様♡(ママと呼んでいます)

 

◆和楽器プロジェクト「千響万来」

サウンドディレクション、レコーディングディレクション

https://youtu.be/u9bdozQ3XZU?si=zCl_7TLM6VKYWMRD

 

ーーーではなぜディレクション業をするようになったのか。

 

各回できっかけは様々ありましたが、先ほども言ったように作詞作曲、時に編曲で提供する機会があって、そこの延長線で携わらせていただくのが多かったです。それは三味線は関係なく、作家としての川嶋志乃舞/Shinobu Kawashimaを求めてくれた皆さんのお陰でもあります。しかしそもそも三味線に関係ないジャンルに踏み込めるようになった大元を振り返ってみると、伝統的ではない作品を自分自身が作り続けていたことに限ります。そこで気に入ってくださったから音楽的信頼感が芽生えてのことだと思います。

 

 さらに振り返ってみると、CLG BANDでも一緒にやってくれているような頼もしい仲間たちがそばにたくさんいることや、その仲間たちともっと何かを作りたいと思う気持ち、そして作っていく音楽に誰が最もマッチするかをセレクトしていく”愛とドライさ”が自分の中にあるからでしょう。その人に何が必要で、誰が最もその完成を祝ってくれるまで関わってくれるのか、我ながらその分析も得意だと自負しています。

 

 それにあたしは、自分が指揮をとって良い作品づくりを導くことも、その結果人がたくさん関わって完成をみんなで喜び合えることも大好きだから。これが間違いなく一番のきっかけかもしれません。

 

 CHiLi GiRLはそれらの集大成みたいなもので、セルフプロデュース&ディレクションはあたしがやっていますが、自分の音楽でみんなと笑い合いたいしメラメラ燃えたいという気持ちでメキメキと成長しています。

 

 これを読んでくれているCHiLi KiDSのみんなはもちろんですが、演奏家や作家だけではなくディレクターにもチャレンジしてみたい皆さんへ。自分の可能性を信じて、相手にその可能性を持ちかけてみるのが第一歩です。待つより動く。楽しい、美しい、素晴らしい音楽や才能ある人のそばにいたいと思うのは当たり前のことで、服部奈緒もBoobie Goonもあたしから「一緒にやろう」と声をかけました。

 

 自分の実績のスタートは自分自身なのです。

 

2023.11.10

Shinobu Kawashima著

 

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LIVE INFOMATION

・2023年12月3日(日)日立シビックセンター主催「CIVIC CROSSOVER LIVE」※バンド出演

 

 

・CHiLi GiRL pre. LOVE SPiCEシリーズ番外編

2024年1月13日(土)「川嶋志乃舞新春民謡コンサート」

10/9~10/10 先行予約受付  10/12~一般予約受付開始

https://clg-tokyo.bitfan.id/schedules/29846

 

 

 

 

 

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