音楽メディア・フリーマガジン

STUDIO CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延のPAST & POST MASTERS #73

<特集アーティスト>

勇助「音楽という名のタイムマシーンで届ける夢の味」

・プロフィール

勇助

路上ライブを見た事をきっかけにギターを持ち、20歳から柏駅の路上を中心に活動をスタート。

その後拠点をライブバーに移し、26歳で初めてのCDをリリースし、関東ツアーを完走。

また、日本各地の音楽家が柏に集まる企画「音ノ色彩」を定期的に開催し、注目を集めている。

20代最後となる今年は、NEWアコースティックアルバム「風に吹かれて」を6月にリリースし、関東の他に、関西や名古屋などを含めたツアーを予定しており、着実に活動範囲を拡げている。


・音楽を始めたきっかけ

音楽をはじめたきっかけは、高校生の頃に歌が上手い友達に「一緒にネットで、歌い手の活動みたいな事をしないか」と誘ってもらったことです。

その後、彼みたいに上手に歌えない自分はコンプレックスから、どんどんロックやパンクなどに傾倒していきました。

そんな時に同年代のシンガーソングライターが、柏で路上ライブをやっていることに衝撃を受け、自分も路上ライブを始めました。

「自分の音楽を自分の演奏で目の前にいる人に届ける」という形の方が、ネットで画面の向こうの誰かに向けて歌うよりも向いていたのか、それからはどんどんご縁が繋がって、柏を中心に関東各地ライブバーやライブハウスで歌わせて頂けるようになりました。

 

・今回の音源の聴きどころ(セルフライナーノーツ)

アルバムを作るからには、アルバムとしての意味も持たせたいと各曲をセレクトしたので、是非一度全編通しで聴いていただけたら嬉しいです。

 

1.テレキャスター

あの日の高校生は、ロックバンドのギターボーカルに憧れていた。

彼らが使っていたギターは、みんなテレキャスターだった。

だから、社会人1年目のボーナスで緑のテレキャスターを買った。

そしてバンドを組んだ。たった2回のライブで解散した。

そのバンドのギタリストは、結婚して子供ができて幸せに暮らしていると聞いた。

そのうち、緑のテレキャスターには埃が積もるようになり、当時お金が無かったことも相まって、テレキャスターを手放した。 

なぁ、俺は今日もアコースティックギター掻き鳴らして歌っている。君はどうだい?

そんな思いを込めて、緑のテレキャスターを手放したお金を元手に買ったアコギで、バンドマンにはなれなかった僕が掻き鳴らしました。

2.海へ行こうよ

アコギを掻き鳴らしていたら、たくさんの人と繋がることができた。

それは思っていた以上の幸せでもあり、思っていた以上の不幸せでもあった。

だから遠くに。誰も知らないところに本当に大切なモノだけ持っていこう。

そう思った。

本当は、そこで終わりの曲だったんだけど、ある日最後の一節ができた。

幸せも不幸せも全て含みで、あなたに会えてよかった。

また会いに行くねと今は心から思う。

実は、この曲の海は茨城県日立市の河原子海岸のイメージでして。

河原子海岸の駐車場に車を停めて、海の音を聴きながら過ごす時間はどんな薬よりもメンタルに効きます。

ほんとに。

まぁ、そんな日立も今は誰も知らない街では無くなってしまったんですがね。笑

だからそういう意味でも、日立の海が近いスタジオで最高の音で録れたことがうれしいです。

3.タイムマシーンがあったら

僕も人間なので、トラウマや人に言いたくない過去の経験なんてものは、もちろん数え切れないほどある。

そして、きっとあなたもそうだと思う。

でも、変えられないものは愛するしかないわけで。

だって愛さないとずっと辛いから。

未来のことはわからない。過去は変えられない。

だからこそ、僕らは今を生きるのです。

今回のアルバムの中で、唯一の一発撮りです。

だって、間違えたところをリテイクなんてできないのが人生なのだから。

4.ヒーロー

路上ライブ時代に毎週一緒に活動してくれていた先輩へのオマージュで書いた曲で、その先輩の企画ライブの時に持って行った曲。

だから、しばらく歌っていなかったのですが、深夜にお酒を飲みながら自分の過去の演奏動画を見返したことがありまして、その時にめちゃくちゃ励まされたんですよね。

それでアルバムに入れようと思った曲です。

その先輩は路上ライブの時、古いモーリスのギターを弾いていたので、僕も持っているギターの中で一番古いギターを使って演奏しました。

弾きにくくて大変だったけど、重みと深みある良いテイクが録れたと思います。

5.ライブハウス

初めて行ったライブハウスのことを、僕の原点の体験を歌った曲。

前述した路上のシンガーソングライターに誘ってもらって、初めてライブを見に行った日。

早く着きすぎて会場の回りをうろうろして、受付の見た目怖いお兄さんにお金払って、不安と期待を胸にドアを開けたら、そこには本物のロックンローラーがいた。

その日のバンドは、今はやめてしまっているものがほとんどだけど、今もずっと僕の中で生きている。

これからもライブハウスで鳴らしていこう、という思いを込めた曲。

6.夢の味

この曲は兵庫の歌うたい「かわらかの」と「君の街まで伝えたい言葉をツアー」というツアーを回った時の曲。

そもそも僕は、夢を見て音楽をやっているタイプの音楽家ではない。

でもこの時のツアーは、僕のこれからのライブハウスでの活動指針になるツアーだった。

夢の味を思い出させてくれたツアーに感謝を込めて、そのツアーで対バンした全アーティストの名前をモチーフに歌詞を書いた。

そういうのを推測しながら歌詞カード見てみるってのも、楽しいかもですね!

その時のツアーで一緒に周ったギターで、僕のことを一番古くから知ってくれているギターで鳴らしました。

7.おかえり、ただいま

僕の活動の根幹にあるのは、「おかえり」と「ただいま」だった。

遠征した時におかえりって言ってくれるお店や、ただいまって言っている人に最初は違和感があったのですが、最近そういうことかと気が付いた。

貴方のいる街に帰るし、僕のいる街に帰ってきてくれるのだと。

であれば僕もそういう場所を作り続けたいし、帰り続けていきたいとそういう気持ちで書いた曲。

今回の音源のレコ発ツアーでも、久しぶりに帰れる場所があるからうれしいです。

8.終わらない

色々なことが重なり全部上手くいかなくなって、人間が怖くなって、もうライブ活動辞めようってなった時に、大好きなミュージシャンの曲をたくさん聴いてできた曲。

子供の頃真っ暗な部屋の片隅で聴いた曲、あの日ライブハウスで涙した曲、そんな曲達は僕に「お前はそこで終わるのか」って言ってくる。

そうだ、まだ終われないって、終わらないって思いで、一気に書き上げた曲。

この曲ができたから、今回のアルバムを作ろうと決めました。

今までライブで一番沢山弾いてきたギターで、掻き鳴らしました。

いつか、ガガガSPのアンコールを求める時にファンが歌う「弱男」みたいになったら面白いなって、ちょっと思ってる笑

 

・影響を受けたアーティスト

ガガガSP サンボマスター ザ・マスミサイル ウルフルズ ハンバートハンバート 谷井大介 ナツメグバンド える先生

 

・これから国内外のミュージックシーンはどうなっていくと思いますか

音楽を聴く事にお金をかける時代は終わりを迎えつつあるので、ライブのように体験するものや、グッズ等にこだわる時代が来ていると感じています。

また、インターネットやライブ配信のような新しめの表現ツールから、ライブハウスや路上ライブみたいな古くからあるツールまで、やり方が多種多様になってきていて、誰にでもチャンスがある時代が到来していると思います。

そんな時代だからこそ、良い音楽を作って演奏するだけではなく、今までよりも更に、セルフプロデュース力やブランディング能力が求められてきているのではないかと思います。

また、そういう時代だからこそ、ローカルの音楽シーンはどんどん面白くなるのでは、とも思っています。

 

・今後の展望

今回のアルバムのレコ発ツアーが6月からスタートします。

前回のツアーでは、関東地方を中心としましたが、今回は仲間のミュージシャンの力を借りて、名古屋や関西などを含めた過去最大規模のツアーに挑みます。

長期的には、地元でもっと大きな音楽イベントが開催できるようになりたいと思っています。


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ライブスケジュール 

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・最新作

レコード番号 SNR-002

発売元 ソラネコレコード

ライブ会場での手売り販売のみ

 

MVはこちらです。

https://youtu.be/fVj2J5BPvww?si=miRX9L1IxJpgKht5

・ライブ情報

レコ発企画が2本決まってます!

2026/6/20千葉 柏アニマリア

2026/6/27茨城 土浦レオズライブバー

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