音楽メディア・フリーマガジン

残響レコード社長兼te’ギター河野のコラム「イメージを形に」vol.5

PH_kono僕は数々のアルバイトをしてきましたが、その中でも音楽の勉強に一番なったのはライブハウスのPAの仕事でした。東京の端にある町田市という場所で生活していた僕は、縁あってライブハウスで働くことができました。そのライブハウスでは、一線で仕事をしているプロミュージシャンの皆さんに音楽の考え方を教わりました。おそらく、どんな専門学校より、素晴らしい環境であることはまちがいありませんでした。コンセプトは60’s・70’s Rock好きの集まるお店で、僕の触れることの無い音楽が溢れている場所でした。オーナーと店長は現役のスタジオミュージシャン。毎日演奏をするのですが、それがまたバカテク。また、ライブハウスの空き時間は好きに練習して良いということで、営業終了後からバンド練習を朝までやっていたこともあります。また、そこの常連客はほとんど現役のプロミュージシャンと音楽通ばかりで、話を聞くだけでも毎日刺激がありすぎて、驚きの日々でした。そこで2年ほど勤めて、残念ながら惜しくも閉店してしまうのですが、大好きな場所でした。最初はドリンクカウンターから始まり、やっとPAをやらせてもらえたときは、本当にドキドキで詳しいことは誰にも教わらずに、少しずつ先輩や常連のお客さんに教えてもらう日々でした。何度もスピーカーを飛ばしたりしましたが、誰も怒ったりしませんでした。そこで出会った師匠と呼べる天才ギタリスト(日向新さん:見てたら連絡ください! 笑)にたくさんのギターの本質を教えてもらいました。ある日、僕はVo./G.だったので僕のバンドに参加してくれることになり、ライブになると必ず日向さんばかりが目立ってしまうのですが、非常に嬉しかった日々が続きました。ある日、日向さんの足下を見ると、なんと、ほとんどエフェクターが無いのに、良い音がしているのを発見しました。なぜ、そんなにエフェクターが無いのにいろんな音色が出るのかを聞いたところ、ギターの本来のクリーンの音作りがきちんとできていれば、タッチのフィーリングでいろんな音が出せるのだということを教えてくれました。僕は彼のサウンドが本当に大好きで、いまだに忘れることができません。連絡も途絶えてしまいましたが、おそらくどこかで活躍しているでしょう。いつの日か、彼と同じくらいのプレイができるようになる日が来ると良いなといつも思っています。今、自分が出している音は、彼の音に近いサウンドだと思います。だからこそ、師匠だと勝手に思っています(笑)。ライブハウスの店長にも教わった台詞が今でも忘れられません。「ギタリストは、いろんなギターを使用しても、最後はストラトに帰るのだ」と。当時、JAZZMASTERが大好きだった僕は、えー!! なんて思ってましたが、今となっては、ストラトに回帰しております。皆さん、日向新さんを探して下さい!(笑)。

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