CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第81回
今回も、OKUTSU DENKOUのプレミアムな電源ケーブルをご紹介します。
OKUTSU DENKOUの開発したAir Cableシリーズ。
下の写真は前回ご紹介したエントリーモデル、strike AIR3-ST-1.5です。
AIR3には、この他に2つの上位機種Alchemy AIR3-AL-1.5とDestiny AIR3-DS-1.5があります。
そしてAIR3シリーズよりもう一段階以上の高級な音像を楽しめる、Universe AIR4-UV-1.5をご紹介します。
ワイドレンジで非常に位相が良く、きらびやかなフラットさが魅力で、どのような機材と組み合わせても全く死角がありません。
発売当時、定価で10万円ちょっとでしたが、ごくまれに中古市場で4~5万円で出ていることもあります。
既に1~3万円くらいのエントリーから中堅クラスのケーブルを所有していて、もっとステップアップを狙っている方には打ってつけの逸品と言えそうです。
【大学生バンドのセルフREC】
前回に続き、バラード曲のコーラス録り
Bメロ上ハモ、下ハモ、上ハモ下ハモのダブリングにチャレンジ。
Bメロの主メロは比較的中低域寄りなので、上ハモから録る。
その前に主メロのピッチ、リズムを直す。
Bメロは、Aメロと比べ楽器のアレンジが大きく変わる。
そこを見据えて、マイクはBLUE Dragonflyをチョイスした。
練習とバランスチェックを兼ねて数回試し録りをし、本番へ。
3rdテイクをOKとして、一部ピッチとリズムを修正。
2Bは主メロが少し変わる。1Bのつもりで歌ってみるとずれが出たので、ガイドメロディーを確認して数回テイクを重ねる。ようやくOKテイク、ピッチとリズムを修正した。
次はBメロの下ハモだ。
【今月のちょいレア】 TASCAM VL-X5
TASCAM VL-5シリーズ3種類のうちの一つ。大きさ、形、サウンドキャラクターはVL-A5に近いが、VL-X5はそれよりややシックでよりフラット。10年以上前の製品だが、中古市場で2万円台で見かけることも。3~5倍くらい価格が高い、欧米のスピーカーともいい勝負の実力を持つ名機なので、小型スピーカーから卒業したい方に是非おすすめしたい。
【今月のMV】 two pack milk 「わかりやすい癖」
https://www.youtube.com/watch?v=Q4QeIE9vAKE
例えるなら「オルタナ系メロディアスロック」とでも言うべきだろうか。独自の路線をまい進するtwo pack milkの意欲作。シューゲイザー系ギターサウンドとクールな映像とのコントラストが新鮮だ。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
PEI 「夢を見る島 / 瓦礫の上に立つ女」
福島県いわき市在住ギターロックバンドのシングル。王道サウンドの中にも、多少の亜流的要素が見受けられる点が個性になっている。声質と歌詞の絡み、楽器陣とのクロスオーバーも好印象。
前田和花 「月はおもしろいほど輝く」
高知出身18歳シンガーソングライターのメジャーデビューアルバム。椎名林檎や大森靖子に通ずるハスキーな声質や独特な世界観に、中毒性を感じる人が続出する予感。2021年10月全国発売。当スタジオではマスタリングを担当。
Talk Never Talk 「Flow」
カナダ、オーストラリア、日本の多国籍グローバル3ピースロックバンドのシングル。最新ビルボードチャート的な要素と、ヨーロッパインディーサウンドがハイクラスに混合しているのが聴きどころ。当スタジオではRECを担当。
Weather Forecast 「SLOUCY」
福島県会津若松市在住ロックバンドのシングル。80~90’sのJ-POP、J-ROCKド直球サウンドだが、20数年前に制作した楽曲を、少しずつアレンジを変えながら完成させたプロセスに、いわゆるオマージュではないものを感じ取ることが出来る。すべての世代におすすめ。
Risky Melody 「ESPERANZA」
Vo.アリスを中心とするガールズロックバンドのフルアルバム。各曲ごとのコンセプトの違いが音楽性の幅を広げつつも、根底では全曲通して一本の連続したストーリー性が完成している。スキャンダラスな雰囲気が見え隠れする楽曲にも着目したい。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第80回
今回からOKUTSU DENKO(奥津電工)の電源ケーブルをご紹介します。
OKUTSU DENKOは2008年に、絶縁体に独自の「空気絶縁構造」を採用したOFC導体を使用し、プラグ部には独自の固定機構を備えた電源ケーブルAir Cableを開発し、高い評価を得ているメーカーです。
【Strike AIR3-ST-1.5】
エントリーモデルであるこの電源ケーブルの一番の長所は、デジタルハードウエアとの相性です。
例えばオーディオインターフェース、マスターレコーダー、デジタルシンセ、ワードクロックジェネレーター、PCなどに使用すると、デジタルのギスギスした質感が和らぎ、ナチュラルかつプレーンな雰囲気を楽しむことが出来ます。
デジタル系に強いだけでなく、アナログ系機材でもディスクリート式のマイクプリ、EQ、コンプなどと相性ばっちりです。
発売当時4万円前後でしたが、現在中古市場で2万円前後で見かけることもあります。興味ある方はチェックしてみてください。
【大学生バンドのセルフREC】
【Aメロ上ハモコーラス録り】
Aメロは基本「上ハモと上ハモダブリングのみ」だが、楽器の音数が少なく1つ1つのパートが目立つので、全くごまかしが効かない。
コーラス録りの前に、メインVo.のピッチ、リズムをより丁寧かつ音楽的に直すことにした。
メインVo.のAメロ、2Aメロのピッチを、全直しに近いくらいに修正、リズムも多少修正。不自然にならないように修正することを心掛ける。
Aメロ上ハモコーラスの練習を開始、モニターバランスを下図のように調整。
マイクは前回と同じくCAD E300S
モニターバランスをリアルタイムで調整しながら数回録り、3回目がドンピシャにはまってOK。
2A上ハモコーラス録りは、1回目は惜しくも歌詞の間違いがあり2回目でOK。
Aメロ上ハモのダブリングを軽く録ってみたが、一聴して暑苦しいとの感想が多く、無しになった。
次はBメロ上ハモから。
【今月のちょいレア】 TASCAM VL-S5
前回紹介したVL-A5よりサイズは一回り小さいものの、パワー感はほぼ変わりない。全音域がバランス良く前に張り出し、加えて奥行きもよく見える真の実力機。ハイエンドブランドの同程度スピーカーを比較しても、勝るとも劣らないクオリティーはさすがである。生産完了品。
【今月のMV】 武田 愛 「So many stars - Japanese version」
ノラ・ジョーンズやシャーデーに代表される、セピア色のような空気感が漂う楽曲。映像と合わさると、オーセンティックでソフィスティケーションされた、肩の力を抜いた作品にブラッシュアップされている。当スタジオではミックス、マスタリングを担当。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
GLOCK406 「白いカーテン」
楽曲、音色、リズムパターンなどオーソドックスなギターロックに、Vo.が加わったとたん世界観ががらりと変わる点を大いに評価したい「GLOCK406」の配信シングル。細かいニュアンス、ディテールにとことんこだわったVo.を味わってほしい。
LeoLoop 「明日を描いて」
Vo.wataru、 Rap.ku-taによる男性ボーカルユニットのシングル。真っ向からJ-POPの王道を貫く楽曲に、独自の声質が絡むことにより彼らの個性がより前面に打ち出されている。
TALK NEVER TALK 「TALK NEVER TALK」
オーストラリア、カナダ、日本、とそれぞれ国籍の違う3人からなるボーダレスロックバンドのデジタルシングル。ポストロックと、最近のトラップが融合したニューエイジロックとでもいうべき特徴をそなえたサウンド。どこからどう聴いても洋楽ど真ん中です。
ZERo 「Missing Paradise」
明るさと暗さが同居する、独自の個性が発揮された楽曲を創り出すZERoのデジタルシングル。モダンポップサウンドに乗せて、癒しを与える歌声がより輝きを増している。
BErgamot velmail sole 「BErgamot velmail sole」
「民族音楽とブリットポップの結合」という点ではクーラシェイカーのようでもあり、「斜めからえぐるようなエスニック要素」という点ではバンド独自の個性を大いに感じる。視点を変えれば様々な音楽の融合が見えてくる作品。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第79回
今回もACOUSTIC REVIVE のパワーケーブルを取り上げます。
【POWER SENSUAL MD】
最近まで、ACOUSTIC REVIVE社国内販売用パワーケーブルのフラッグシップモデルだった製品です。(現在のトップモデルはPOWER SENSUAL MD K)
一際目を引く鉄の筒のようなパーツは「出川式MDユニット」と呼ばれ、電源ケーブルから発生する磁界を打ち消し、電源供給能力の劣化を抑える効果があり、電源ノイズ、グラウンドノイズを強力に消滅させ、S/N比が大幅に向上するそうです。
価格は、これまで紹介してきた同社製品と比較して一桁違いますが、実力は一桁どころか二桁以上違うと思います。
【大学生バンドのセルフREC】
今までに録った上ハモと上ハモダブリングのピッチをプラグインで修正、リズムのずれも少しずつ修正して、違和感がなくなった。
いよいよ下ハモ録り本番に突入。
上ハモ録りのマイクは中高音域がびしっときまるSHUREを使用したが、下ハモ用には中低域がリッチなCAD E300Sを使うことにした。
マイクのキャラクターが変わったので、モニターバランス、音色を念入りにチェック。練習がてら数回試し録音をした。
サビ1下ハモ録り 本番1回目。
全パート再生すると悪くない印象だったが、ボーカル各パートと今録った下ハモを部分的に聴くと、下ハモのピッチ、リズム共にずれており、ニュアンスもイマイチだったので、1回目テイクは没。
2回目を録り、先程と同じようにボーカル各パートと下ハモだけ取り出して聴いてみる。2回目はリズム、ピッチともにギリギリ大丈夫、雰囲気も良かったので修正してOKとする。
サビ2下ハモ録り 本番1回目。
慣れてきたようで全体的に良い感じ。修正してOKになった。
サビ3下ハモ録り 本番1回目。
サビ3の下ハモラインは他と少々違うので、まずハモリラインを単独で鳴らしてチェック。
1回目録ってみたが、先程までの癖が抜けずつられてしまう。
2回目でだいたいOK。ピッチ、リズムを修正。
続けて下ハモダブリングを録る予定だったが、お腹一杯な感じになってしまったので、次はAメロ上ハモを録る予定。
【今月のちょいレア】 TASCAM ニアフィールド・モニタースピーカー VL-A5
価格の1ランク上のクオリティーを保つ音響製品を提供し続ける老舗ブランドTASCAMの、ニアフィールド・モニタースピーカー。「真面目で素直な音」というブランドイメージとは少々異なり、「最近の海外ブランドスピーカーの派手さ」に通じる音像が印象的だ。ただし、色付けがあるというよりは「全体的にきらびやかなフラットさ」がある感じだ。
【今月のMV】 Andare 「希望のうた」
https://www.youtube.com/watch?v=Ms2ohepJmTo
Andare定番のヒーリング系バラードのMV。歌詞、歌声の存在感が、聞き手の感性にストレートに響く。一度聴いたら脳裏に焼き付く名曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
GLOCK406 「20」
「ソフトなエモーショナルギターロック」というキーワードが思い浮かぶ、空想力全開の一曲。歌詞の1ワードごとのニュアンスにこだわっており、街で流れていても耳を捉えるであろう存在感がみなぎっている。
ボトルメール 「なつぞめ」
いわゆるロキノン系枠、といえるスタンダードな一曲。ただ繰り返し聴くと、細部にわたり一筋縄ではない工夫が施されているのがわかる。リスナーを選ばない間口の広さが、次世代につながっていく作品。
ボトルメール 「また、ここで」
前出の曲と少々パターンが違う点は、歌詞、メロディーライン、声質、そして全体のアレンジの一体感が、かなり深いところで混然一体となっていることだ。おそらく5年、10年経っても色あせない魅力にあふれている。
ハレひらく 「赤 / 渡月橋」
ド直球J-POPかと思いきや、楽曲の細部にわずかに変化球的な要素が含まれている。それ故に不思議な世界観が構築されているのが個性であり、魅力となっている。当スタジオではミックスとマスタリングを担当。
THE SKA JUNCTIONS 「Feel the Beat」
スカに加え様々な音楽要素がクロスオーバーし、練りあがった「ハイブリットスカ」をキーワードに掲げる彼ら。この曲もスカ+αが絶妙にブレンドされている。スカに馴染みのないリスナーでも、自然に聴ける要素が十二分に感じられる。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第78回
今回も国内を代表するハイエンドケーブル&オーディオアクセサリーメーカー Acoustic Reviveのケーブルをご紹介します。
【POWER REFFERENCE】
今は生産完了していますが、前回・前々回に紹介した同社パワーケーブルよりレンジが広く、音像がより前にくるフラットさが特徴です。他メーカー 2~3万円クラスのミドルランクケーブルとは次元の違う、しなやかな力強さが堪能できます。メイン機材に使用すれば、システムのパワーアップを容易に感じられることでしょう。中古市場で5~6万円で見かけることがあります、興味のある方は是非探してみてください。
【大学生バンドのセルフREC】
とりあえず、全部のサビの上ハモについてはダブリングまで録り終わった。
次に「全部のサビの下ハモ、下ハモダブリング」を録るか 「AメロBメロの上ハモ」を録るか迷ったが、サビの感覚が頭にしみこんでいるうちに「1サビの下ハモ」からとりかかることにした。
マイクは上ハモと同じくSHURE KSM44/SL
三声目となる今回のハモりは、かなり難易度が高そうだ。
MIDIでガイドメロディーを打ち込み、オーディオファイルに変換してプロトゥールスにインポートして使うことにした。
モニターバランスは以下の通り。
練習で1サビをループしながら、モニターバランスを少しずつ整える。
三声目のハモりは、職人技並みに困難を極めることもあるので、とにかく慎重に。
バランスが決まり1テイク目を録る。
全パート鳴らした状態でプレイバックすると、なんとなく合っているような感じだが 「メインVo、上ハモ、上ハモダブリング」と今録った下ハモだけで聴くと、結構ずれている。
下ハモのずれが一番目立つが、上ハモのダブリングのずれも気になる。
そこで、全部サビの上ハモダブリングをプラグインでピッチ修正して、その後下ハモを録ることにした。
【今月のちょいレア】 SHURE SRH440
ダイナミックマイクで有名なSHUREだが、ヘッドホンでも年々知名度を上げてきている。SRH440は決して上位機種ではないものの、フラットさに定評がありプロ現場でも見かけられるようになってきた。
【今月のMV】 Beadroads「RAINとPAIN」
古くはビートルズ、トッド・ラングレン、XTCあたりの影響がさりげなく感じられる、玄人受け必至のポップソング。New Radicals、Beth Orton、ジェリーフィッシュなどのエッセンスも漂ってくる。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
脳ジャズ featuring J.Lamotta すずめ 「I Love You Baby」
ソウル、ファンク、アシッドジャズをベースに、ネオR&Bやリアルタイムのクラブジャズなどが高次元に絡む、真にピュアな玄人作品。
THE SKA JUNCTIONS 「CHALLENGER」
スカのオーセンティック要素に、パーティー風J-ROCKが真っ向から入り込んだ意欲作。ブラスセクションのリフはルーツ的要素を小出しに感じさせ、直球で攻める他パートとのせめぎ合いに彼らのオリジナリティーを感じる。
BOOGIE HEADS 「Volume One」
ニューオーリンズサウンドが全ての土台にあり、ブルージーでバレルハウス的な世界観がストレートに包み込まれている現在進行形ルーツミュージック。当スタジオではM-3、M-5のマスタリングを担当。
THE SKA JUNCTIONS 「Summer Dive」
バンドが掲げる「ハイブリッドスカ」というキーワードの母体となるリード曲の一つ。ポップなメロディーと裏打ち、そして千変万化するギターサウンドとのコラボが楽しい。
みならいモンスター 「恋花火」
三姉妹バンドみならいモンスターの渾身の一曲。アレンジのバリエーションが作品を出すごとに広がっており、幅広い進化を十分に感じることができる。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第77回
今回も、国内を代表するハイエンドケーブル&オーディオアクセサリーメーカー Acoustic Reviveの電源ケーブルをご紹介します。
【POWER STANDARD Triple-C FM】
前回取り上げたAC2.0 Tripleの上位モデルにあたり、音楽的なフラットさを醸し出すキャラクターを踏襲しながら、さらにワイドレンジにパワーアップした製品です。
レコーディング機器はもとより、ギターアンプ、ベースアンプ、エフェクターやシミュレーターまでオールマイティーに使用することが出来て、全く死角が見当たりません。
販売価格は新品で3万円台前半。システム全体のサウンドクオリティーを上げたいのであれば、メイン機材にこのPOWER STANDARD Triple-C FMを使用することをおすすめします。
【大学生バンドのセルフREC】
前回に引き続きミスチル風バラードのコーラス録り。
【曲の構成】
サビの上ハモ録りは全部終了したのだが、さらに上ハモのダブリングを入れる。
まずサビ1の上ハモダブリングから。
少しキャラクターを変えるため、マイクはSHURE KSM44/SLを使う。
【モニターバランス】
サビ1の上ハモダブリングは、モニターバランスをとった後、各サビごとに3回ずつ歌ってみる。
3回分のいいところ取りをして、ピッチを修正し、予想の半分くらいの時間で終了した。
次回は各サビの下ハモ、下ハモダブリングの予定だ。
【今月のちょいレア】
Avid Protools専用キーボード
Protoolsオペレーションに特化した、Mac用キーボード。カラフルにデザインされた様々なショートカットキーが、創作意欲を掻き立ててくれる。
【今月のMV】
日々かりめろ「蜜源(ライブ動画)」
https://www.youtube.com/watch?v=9HbCSYHc2M8
新作フルアルバムのリーディングトラック「蜜源」のライブ動画。京都LIVE SPOT RAGで収録された。音源と全く変わらない高い演奏力、ライブ感が一体となり曲の魅力を一層引き立てている。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
日々かりめろ 「115(ヒビゴー)」
結成5年目、5作目となるフルアルバム。単なる節目を飛び越えた濃密な内容で構成されながら、肩ひじ張らずに聴きこめる。ゲストミュージシャンの参加により、絶妙なマジックが堪能できるのもポイント。2021年6月全国発売。
The echo dek ft.LEO and 綱彦 「EVERYBODY IS MY FRIEND.」
ゲストにkroiのLEO、Dreamcastの綱彦を迎えた新世代ダンスミュージック。もはや「ロックとヒップホップの融合」といったキーワードが古く感じてしまう、現在進行形でDeepな挑戦作となった。
sunnyside suicide 「ホワイトスランバー」
ちょっとサイケでオルタード、少しポップなグッドメロディーを捉えたロックバンドのデジタルシングル。アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの中間を堂々と表現する頼もしい音楽性に今後も期待する。
RIVER BABY 「it’s up to you」
トラップとトリップホップの要素がふんだんに盛り込まれたヒップホップサウンド。トロピカルハウスのエッセンスも微量ながら感じられ、ラップとの絡みに良い意味での化学反応が起きている作品。
深刻なエラー「車窓の月」
シューゲイザーとギターロックの中間を攻める、オルタナバンドのシングル。一聴するところUKプロジェクト系サウンドとも言えそうだが、最新洋楽テイストがギターフレーズからにじみ出ている。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第76回
今回から取り上げるのは、リクエストの多かった電源ケーブルです。
まずは、ピュアオーディオ、プロオーディオ業界をリードする「Acoustic Revive」の製品をご紹介します。
Acoustic Reviveは電源ケーブル、電源タップはもとより、ラインケーブル、モニタースタンド、インシュレーターなど、どれもハイエンドな製品ばかりを開発している国内屈指のメーカーです。
【AC-2.0Triple C】(写真↑)
エントリーモデルにもかかわらず、他社ブランドのフラッグシップモデルと同等、またはそれ以上の実力があるパワーケーブルです。一万円台後半という価格ながら高品位なフラットさが魅力的で、メイン機材にうってつけの逸品です。
【大学生バンドのセルフREC】
「サビ1上ハモ」のコーラス録りが終わったので、先程までの音程感が脳裏に焼き付いているうちに「サビ2上ハモ」のコーラスにチャレンジする。
【楽曲構成】
【マイク】
【モニターバランス】
「サビ2上ハモ」
*1stテイク
ピッチ、リズムは悪くないが歌詞を間違う
*2ndテイク
特に問題なさそうだが、もう少し精度を上げられそうなので保留
*3rdテイク
最後の部分が非常に良い出来だったので、3rdテイクの最後部分のみ採用
「2ndテイク+最後部分のみ3rdテイク」でOKとする
「サビ3上ハモ」
*1stテイク
音程に慣れてきて、1stテイクながら出来が良い、保留
*2ndテイク
雰囲気は良かったが、粗が目立つ
保留にしていた1stテイクのピッチを一部直してOKとする
サビの上ハモは、これで全部仕上がった。
【今月のちょいレア】 DRAWMER MX PRO 60
DRAWMERのアウトボードといえば「1960」があまりにも有名だ。この「MX PRO 60」は「1960」の1chバージョンかと思いきや少々違う。マイクプリは1960よりドライブ気味で、コンプはパキッとした印象。EQは3バンドながらガッツリ系で使いやすい。値段も手ごろでおすすめ。
【今月のMV】 REM(レム)「ハル」
https://www.youtube.com/watch?v=vL1PhIMeSTQ
USオルタナバンドを彷彿とさせる、邦楽ロックバンドのMV。ギターロックのストロングポイントをふんだんに取り入れることに成功した佳曲。幅広いリスナーから受け入れられそうだ。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表
レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰
専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
SDL 「CALL UP」
初期パンク黄金期を思わせる、硬派なバンドSDLのシングル。伝説のパンク雑誌「DOLL」に掲載されている曲のような雰囲気が漂う。
叶鏡敦士「いつの世にも」
1960~80年代のグループサウンズ、ムード歌謡をベースにしている叶鏡敦士のフルアルバム。「すべてのザ・ベストテン世代に送る」をキャッチフレーズに、邦楽の本質に問いかける極めつけの一枚。当スタジオではボーカルREC、ミックス、マスタリングを担当。
Cuicks 「midi glide」
Cuicksの新局面を見せるネオ・フューチャー・ポップ。ネオアコ、モンド、トロピカルハウス、ディスコパンクなどのバックグラウンドを小出しにしながら、独自のポップ路線を打ち出している。3か月連続配信のラストを飾る秀作。
THE ECHO DEK「EASY」
ここ一年ほどの彼らはHipHop、ネオソウル、トロピカルハウスなどのブラックミュージックに傾倒した作品が多いイメージがあった。しかし今作「EASY」は、原点であるNYパンク、USオルタナ色を前面に出している。5か月連続配信の締めくくりにふさわしい作品となった。
Nikiie 「YOLO」
DADALAYのメンバーとしても活動しているnikiie。この楽曲は最小限の音数のみで構成されたニューエイジ・オルタナポップとでも表現すべきか。作品に漂う澄んだ空気感が北欧を連想させる、ソフィストケイトされたポップスとも解釈できる。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第75回
今回紹介するマスターレコーダーはTASCAM DV-RA1000HDです。
前回取り上げたDV-RA1000と比較すると
加えてDV-RA1000HDはハイレゾ、DSDフォーマットも扱いやすくなっています。
内蔵EQ、コンプ系エフェクターも変わらず優秀で、現在の同系統プラグインと比較しても良い勝負が出来る実力を備えています。
残念ながらディスコンとなってしまった機材ですが、2021年3月現在、中古市場での相場は6~8万円ぐらいです。気になる方はチェックしてみてください。
【大学生バンドのセルフREC】
「ミスチル風バラード」のコーラス録り本番に取り掛かる。
コーラス録りに使用するマイクは、NEUMANN U87AiにKIKUTANIのポップガード、エンハンスド・オーディオ(サスペンション)をセットアップしたもの。
モニターバランスは以下の通り。
サビ1コーラス録り【Cho1:上ハモり】
1stテイク→モニターバランスを調整
2ndテイク→主メロのピッチが怪しい箇所があり、プラグインで直す。
3rdテイク→ずいぶん良くはなったが詰めが甘い。
4,5テイク→5テイク目を採用し、一部直し。
歌詞の1,2,3番がすべて違うので、コーラス録りもコピペが出来ず全て歌っていくしかない。
【今月のちょいレア】MACKIE HDR24/96
約20年前にリリースされた、プロユースの24トラックハードディスクレコーダー。音質がとにかくファット。かつ「本体にマウスとディスプレイを直接接続できる」仕様が、当時としては大変斬新だった。
【今月のMV】Slingshot Million2「じぶんDiscovery」
https://www.youtube.com/watch?v=V_Ke4hyqFnc
最新アルバム「広がれ!HAPPY PUNK」からのMV。スピードとダイナミック感が絡み合う、キレキレなソリッドパンクチューン。YOUTUBE再生数も既に6桁をマークし注目を集めている。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
The Mega Kipple 「Like a Maracas」
ガレージ、グランジ、ハードコア、R&Rなどの男臭いエッセンスが独自の世界観をアウトプットするロックバンドのミニアルバム。曲によってはメロディアスな部分もあったりして、意表を突くポイントが随所に見られ楽しめる。
a little swelling. 「I haven't regret」
エモ、オルタナ要素が多少混じるギターロックバンドのデジタルシングル。予定調和になりそうでならないアイデアがユニークで、好感が持てる。これからの活躍に期待大の自信作。
Cuicks 「Chinese Disko」
シングル3か月連続リリース第2弾。今作は、80~90年代UK NewWaveと現在進行形チルウエーブがオルタナティブに引き寄せられた、ボリューム満点の1曲。音楽ニュースサイトindiegrabにも取り上げられた。
THE ECHO DEK 「Nite Ride Home」
5か月連続シングルリリース第4弾。パリの街中を散策しているようなクロスオーバー的楽曲。前回に引き続きSpotify公式プレイリストEdge!に選曲され、音楽ニュースサイトindiegrabにも取り上げられた。国内在住欧米人からの評価も高い。
みるきーはぼくの味「缶コーヒーの味のよう」
Indigo la end、ゲスの極み乙女。などに影響を受ける、ギターロックバンドのデジタルシングル。単なるものまねではなく、ストライクゾーンのツボを押さえた「オマージュ」といった方が聴き手に伝わりやすいだろう。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第74回
今回取り上げるマスターレコーダーはTASCAM DV-RA1000です。
DSD [Direct Stream Digital]と呼ばれる、ハイエンドアナログのようなデジタルフォーマット方式を採用、従来のPCMフォーマットも選べる先進的な機種であり、発売当初(2005年ごろ)大変話題になりました。
音質面でも、当時のマスターレコーダー群の中でダントツに良く、現在の同様機種と比較しても十分通用する代物です。
またリアパネルにあるUSBポートとPCを接続すると、PC側がDV-RA1000を「CDドライブとして」認識するので、いとも簡単に高品位なマスターが製作できます。
特筆すべきは、高水準なダイナミック系エフェクターが搭載されている点です。
現行品の同種プラグインと比較しても劣ることはありません。
残念ながらすでにディスコンとなっている機材ですが、中古市場では3万円後半~5、6万くらいで見かけることもあります。興味のある方はぜひチェックしてください。
【大学生バンドのセルフREC】
【アジカン風ギターロック】のコーラス差し替えは、グレードアップさせたキューボックスのおかげで比較的短時間で済ませることができた。
次は【ミスチル風バラード】のコーラス録り。
この曲は音数が少ないので、ごまかしが全く効かない。
コーラスはAメロからアウトロまで、曲全体にわたって入っている。
特にBメロとサビは、上下のコーラスでがっちり固めるだけでなく、ダブリングまで入れるのでかなりの精度が要求される。
使用するマイクは、世界中のレコスタの定番NEUMANN U87Ai。
通常のU87Aiに「エンハンスド・オーディオ」と呼ばれるオーディオアクセサリーを装着した。
(写真の丸い銀色の金属パーツ部分、上部の黒い部品はポップガード)
マイクを固定する金属パーツはサスペンションまたはショックマウントと呼ばれ、REC時の床から伝わる低周波振動などをある程度分散させ、少しでもクリアな音像を録音する役割を担っている。
この「エンハンスド・オーディオ」もサスペンションの一種だが、サスペンションの役割に加え「マイク本体から出る振動そのものを抑えられる」ので、さらにピントのあった音像が期待できる。
まずAメロ1の下ハモからチャレンジすることにした。
【今月のちょいレア】ACOUSTIC REVIVE
Absolute-POWER CORD
POWER SENSUAL MD
ACOUSTIC REVIVE社の頂点に位置する、超ド級電源ケーブル。このケーブル達によってもたらされるスーパーフラットなエネルギー感は、他の追随を全く許さない。
【今月のMV】Cuicks 「indie pop fan club[guitar pop version]」
ヨーロッパのライブハウスの空気感がセンシティブに充満する、洗練されたレトロフューチャーエレポップのMV。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
magenta 「shine」
直球ではなく、少し斜めからみたオルタナピアノロック。UKプロジェクト的サウンドと、現在進行形ブリットポップの融合系ともとれる意欲作。
Cuicks 「indie pop fan club [guitar pop version]」
2021年3か月連続リリース第一弾として、各種サブスクにて配信中。
ツイッター上で、伝説のテクノポップバンド「プラスチックス」のメンバーから直々にコメントをもらったことでも盛り上がっている。
THE ECHO DEK「my friend」
5か月連続リリースの第三弾。70年代のAl Greenや80年代のAl B. Sure!を彷彿とさせながら、2020年代ソウルサウンドもさりげなく細部に散りばめられている。Spotify公式プレイリスト「Edge!」にも選曲された。
COLLAPSE 「VERTIGO」
国内シューゲイザー名門レーベルOnly Feedbacj Recordが放つ、2021年第一弾シングル。轟音に埋もれない、アンニュイなウィスパーボイスも健在だ。彼らの楽曲の幅広さを感じさせる一曲。
V.A.「ULTRA HIGH BEAM 2021」
大手インディーレーベルHIGH BEAM RECORDのコンピレーション盤第二弾。全国より選び抜かれた精鋭15バンドが参加、当スタジオでは11曲目BONNET MONKEYのRECを担当。全国発売中。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第73回
今回取り上げるマスターレコーダーはDENON DN-500Rです。
前回取り上げたDN-F650R同様ソリッドステイトレコーダーの区分に入り、音楽ホールをはじめ様々な商業施設などに導入されています。
レコーディングスタジオやMAスタジオなどでも通用するクオリティーを誇るDN-500R、残念ながら現在は生産完了品となってしまいました。
上位機種にあたるDN-700Rも生産完了となっていますが、シリーズ最上位機種のDN-900Rは現行品であり、Dante搭載ネットワークSD/USBレコーダーとして他社の追随を許さぬ人気を保っています。
DN-500Rは中古市場にて3万円台くらいで目にすることがあります。
DAWの内部バウンスで音質が変わってしまう、とお悩みの方には要チェックの逸品です。
【大学生バンドのセルフREC】
機材が出そろったので、いよいよコーラス録音に取り掛かる。
ポップガード KIKUTANI PO-7(新たに入手)
マイク SE Electronic SE2300にポップガードを装着したところ
まずモニターバランスを整えるため、1サビコーラスの入る4小節前から流し、モニターを調整しながら軽く歌ってみる。調整がうまくないのか主旋律につられがちになるので、ループレコーディングモードで何度か挑戦。
キューボックス CONISIS
ループレコーディングの中から出来の良かった6回目を採用し、ピッチ修正。
2サビも同じくループレコーディングを行い、出来の良い回を微調整する。
サビごとに歌詞が違うのでコピペは出来ず、1サビ、2サビ、ラスサビ全部を一通り歌うしかない。
ラスサビは運よく一発OKとなり、コーラス録り終了。
【アジカン風ギターロック】は、すべてのパートのRECを完了した。
【今月のちょいレア】OKUTSU DENKOU AIR CABLE UNIVERSE (AIR4-UV)
ピュアオーディオメーカーの重鎮 OKUTSU DENKOUが放つ、究極の電源ケーブル。
情報量と立体感、位相が三位一体となった良さが体感できる一級品。
【今月のMV】深刻なエラー「車窓の月」
フォーキーでポストロック、かつオルタナティブといった多様なファクターが凝縮されている、ファンタスティックな一曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
Slingshot Million2 「広がれ!HAPPYPUNK!」
次世代型とオールドスクールがバランスよく混在した“HAPPY PUNK”バンドのフルアルバム。単なるメロコアでは片づけられない奥深い精神性が整理され、リスナーにストレートに飛び込んでいきそう。当スタジオでは全曲のRECを担当。
East Blue Village 「弐○○弐」
USAヒップホップの影響を多大に受けている2人組ユニット(はやポン、WEMOUN)によるシングル。年代を問わず、ヒップホップリスナーから支持されそうな作品だ。
THE ECHO DEK 「Tiny Little Girl」
リアルタイムでUSチャートに入っていそうな色合いを醸すネオHIPHOPチューン。TOWER RECORDSのYOUTUBEを使ったサブミッションメディア「TOWER DOORS」や、Spotify公式プレイリスト「Edge!」にも曲が選ばれ現在公開されている。
ZERo 「Halluconation Butterfly」
New Wave色、オルタナティブとスタンダードなポップスが絶妙な棲み分けを演出し、独自の世界観を構築している自信作。当スタジオではボーカルRECを担当。
marbh 「Hymn in nothing place」
グランジというジャンルの端から端まで研究しつくしている、ネオグランジバンドのデジタルシングル。サブポップ色と、現在進行形のグランジロックの融合系と呼べそう。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第72回
今回ご紹介するマスターレコーダーは、DENON DN-F650Rです。
ソリッドステイトレコーダーというカテゴリの機種で、行政運営の音楽ホールや音響設備が充実している結婚式場などに多く設置されているようです。レコーディングの厳しい使用環境にも対応出来るのか?という声も聞こえてきそうですが、実はかなり使えます。
記録メディアはUSBスティックとSDカードで、個人的にはUSBスティックで記録した方が音質が良いと感じました。
作成出来るファイルフォーマットはWAVとMP3です。
WAVは16bit 44.1kHzから24bit 96kHzまで対応していますが、24bit 96kHzのみ他と比べると少々クオリティーが落ちる気がします。
一方MP3の音はピカイチで、通常のDAWでは太刀打ちできない程のクオリティーが得られます。
このDN-F650Rは2010年頃発売され、2016年頃にはディスコンになっていたように思います。当時のショップ販売価格は59,800円くらいだったでしょうか。
残念ながら生産完了となってしまいましたが、たまに中古市場で1万円台後半で見かけることもあります。
【大学生バンドのセルフREC】
ここしばらくはミックスを中心に作業してきたので、コーラスを録ることに少々身構えてしまったメンバーたち。
前回使用したキューボックスFURMAN HDS-6(親機)HR-6(子機)はステレオ1系統 モノラル4系統だったが、今回から使用するconisis 1811(親機)1805(子機)はステレオ1系統 モノラル6系統となる。
以前使用していたFURMANのキューボックス
今回使用するconisisのキューボックス
conisisを使うことにより、チャンネルの多さはもちろん音質もかなりグレードアップし、コーラスのダビングもしやすくなりそうだ。
各サビでとりあえず3度上ハモを入れる予定だが、場合によっては下ハモや、ラスサビのメインボーカルダブリングも入れてはどうかという案も出始めた。
セッティングも済み、ラフに歌ってモニターバランスをチェックすることに。
モニターバランスの設定は以下の通り。
【今月のちょいレア】SPL Gold Mike
現行品であるGold Mike MK2の初代モデルである、真空管2chマイクプリアンプ。真空管くささをあまり感じさせない、プレーンでややファットな音が特徴。大抵のソースに合うが、特にドラムのオーバートップにうってつけの機材だ。
【今月のMV】SNEAKIN’ NUTS 「GOIN’ BACK」
https://youtu.be/7LQDTFBzTd4
初期パンクとR&Rがバランスよくミックスupされた、SNEAKIN’ NUTSの代表曲。彼らのワン&オンリーな存在感は特筆ものだ。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
底なしの青 「rhythm」
仙台在住ギターロックバンドのフルアルバム。一聴するに下北系ギターロックバンド風、ただ彼らの楽曲はライブハウスより夏フェスの屋外ステージが似合うイメージがある。当スタジオでは全曲のマスタリングを担当。
モモかん 「マオ」
シンガーソングライターmomoのバンド形態「モモかん」によるシングル。王道ポップスワールドの中に垣間見えるmomoの世界観は、奇をてらうこともなく斬新なアレンジもほぼ存在しないが、聴き重ねるうちに自然に引きずり込まれる中毒性をはらんでいる。
SNEAKIN’ NUTS 「プロレタリアの銀河の夢」
平成最後の筋金入りガレージR&Rバンドのアルバム。硬派でブレない、真のロック的精神性がオールラウンドに伝わってくる。2021年1月全国発売。
美元智衣 「想っているよ」
美元智衣の等身大の魅力あふれる、聴き手を選ばない完成度の高いバラード曲。東京都の芸術文化活動支援事業「アートにエールを!東京プロジェクト」に合格、同サイトにて動画も公開されている。当スタジオではマスタリングを担当。
里実さと 「旅色」
「ピュアなアンプラグドサウンド」というワードがぴったりきそうな楽曲群が連なる。余計な脚色のない天然サウンドを是非体感してほしい。