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CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第49回

今回は、当コラムで1年前に(第37~39回)ご紹介した英国の高品位アウトボードメーカー「Joemeek」について、再度スポットをあててみようと思います。
<Twin Q2>

マイクプリ→EQ→コンプを実装した、現行機種の2chチャンネルストリップ。
第37回で取り上げたTwin Qcs の後継機種で、さらに細かい調整が可能になっています。

<Twin Qcs>

Twin Q2とTwin Qcsを比べてみると、先代であるQcsの方が中音域に粘りがありロックぽい感じ、後継機種のQ2は全体的にシルキーでフラットという印象。ロックも当然いけますが、ポップスやジャズにも向いていると思います。

<VC2>

90年代初頭から約10年ほど販売されていた、当時のフラッグシップモデル1chチャンネルストリップ。真空管を搭載しており、マイクプリ→コンプ→EQ&エンハンサーというユニークな仕様。先ほどの2機種とはキャラクターも違い、設定によってはオールドNEVEを彷彿とさせる逸品です。
今回の3機種は、ステップアップトランスで115Vに上げて使用した方が本領発揮出来そうです。


<フラットな音像を演出するベーシックなノウハウ : モニタースピーカーの配置を考える>
前回は、共振を防ぐためスピーカー底辺に敷くインシュレーターと、フラットな音場にするためにマストなスピーカースタンドについて話をすすめました。
今回はモニタースピーカーを部屋に設置する際の基本ポイントについて検証します。

日本の場合、プライベートスタジオに使用する部屋の広さは6~8畳程度、天井高は2.5m程度、長方形の形状が一般的なようです。
スピーカーを、長方形の部屋の長辺に設置するか、短辺に設置するか迷うところですが、私は短辺(縦向き)に設置することをおすすめします。

壁の材質や、部屋に置いてあるものなどとの兼ね合いもありますが、横向きに設置してスピーカーから離れる距離が短いと(1mくらいとか)細かいところはチェック出来ても、全体像がわかりにくい傾向があります。(例外もあるので断定はできませんが)

スピーカーから約2mくらい離れてモニターした方が、低音から高音まで音全体がチェックしやすいと感じます。

部屋の縦向きにスピーカーを設置し、うまく距離をとってセッティング出来たら、スピーカーの後ろ側にも気を配ると良い結果が得られやすくなります。
例えば、後ろがガラス窓だと音が反射するので、窓にカーテンなどをつけて吸音するなどの工夫は必要でしょう。
また、左右のスピーカーの間にはパソコンモニターを置かないようにすると、音の乱反射が防げたりもします。


【今月のちょいレア】 TASCAM DM 3200
TASCAMが2005年頃リリースした、中型デジタルミキサーのフラッグシップモデル。96Hzでも48chフルに使える優れもの。U2のプロデューサー、ダニエル・ラノワがメインで使用していたことでも有名である。



【今月のMV】CloudyRoom 「 COLORLESS 」

透明感と力強さがバランスよく共存している、ギターロックの佳曲。サビのインパクトは聴き手を「クラウディーワールド」に引き込む独自な魅力にあふれている。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!

Aki Kitagawa & Shoya Kitagawa 「 Blooduo 」

プロジャズボーカリスト北川アキと、昨年メジャーデビューを果たしたフュージョンプログレバンドDEZOLVEのギタリスト北川翔也の親子デュオによるミニアルバム。ジャズをベースに、曲ごとに印象が変幻自在に変わってゆく。個人的にはジャズ界の名ボーカリスト、ホリー・コールを彷彿とさせる「Cry」がイチオシ。

DEAD STOCK 「 FINE GEARS 」

新旧織り交ぜたパンクの名曲たちが自由に羽を伸ばしているかのようなフルアルバム。全体的にストロングポイントのみが目立つ「フューチャーレトロパンク」とも呼べそうな勢いを感じる。特にUSパンク好きにおすすめしたい。

眠らない兎 「 Blue 」

冬をテーマにした、透明感あふれるマキシシングル。切なさの中にも控えめなアカデミックさが散りばめられており、聴き手を選ばないマルチフルワークスと言える逸品。季節によって作品を作り分けているセンスにも脱帽する。

mouse-unit 「 三原色 」

一聴して中性的な声質が印象的な、洋楽テイストを含むエモロックバンドのマキシシングル。ギター、ベース、ドラムのそれぞれのリフやパターンはノーマルであるが、組み合わせの妙で良い意味であまり聴いたことのないサウンドに仕上がっている。今後の活躍に期待。

THE MILES 「FRAGMENT 」

「New Order+Silver suns pickups」vs.「Chainsmokers」といった80年代ニューウエーブ、90年代オルタナ、2000年代以降のトロピカルハウスなどのいいとこどりとでも言うべき、ミニアルバム。これらの洋楽好きには是非聴いてほしい。

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