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CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第31回

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第31回


前回、真空管マイクについて取り上げたところ予想以上の反響をいただきました。
今回も引き続きおすすめのチューブマイクをご紹介します。
SE Electonic Z5600 A-Ⅱ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
一見、単一指向性のように見えますが、専用の電源ユニットで無指向性・双指向性に切り替え可能というユニークな製品です。

専用電源ユニット

 

 

 

 

 

 

専用ケーブルは8ピン、かなりしっかりした作りで高級感があります。
専用ケーブル(8ピン)

 

 

 

 

 

 

 

肝心の音質はワイドレンジで、ウオーム&ブライトと言う言葉がピッタリ。どんな素材ににも対応出来る実力あるマイクです。実勢価格は8~9万円台でありながら、20万円台の上位モデルと比較しても全く遜色ありません。まず1本目に購入するチューブマイクとして、AKG P820と並んでお勧めしたい製品です。


大学生バンドのセルフREC~ミスチル風バラード~


3サビのVo.が予想以上に良くほぼ一発OKだったので、2サビを飛ばし、歌詞やニュアンスに共通項の多い1サビにチャレンジ。
ドラムやベースのリズムが少々粗く、ピッチやニュアンスは良いのだがリズムに乗り切れない。

リズムに乗れた、と思うとピッチが納得いかない。3テイク録ってとりあえずOK。次は2サビ、リズムが良いがピッチが惜しい。2テイク目でOK。ピッチが少々怪しいのはオートチューンで修正する。

2Bに進むが、Bメロはメロディー跳躍が多くピッチがとりづらく、16分音符のシンコペーションもあるのでリズムも難しい。3テイク録って前半のみパンチイン。ピッチも2か所直してOK。

2Aは一発OK。その流れで1Aへ。Aメロは今までとリズムパターンが違うので3テイク録って、ほぼ満足いく出来に。ピッチは少々修正する。

これで6曲分の歌録りがすべて終了した。
次はギターの残りか、コーラス入れの予定だ。


【今月のちょいレア】 YAMAHA CRW-F1

現在はディスコンになっているPlexterと並び称される、PC用CDライターの名機。通常のPC内臓ドライブや外付けドライブでは成し得ない、音の解像度、密度感が体感できる逸品である。


【今月のMV】 HINOMARI 「ABSTRACT」

既成のオルタナティブロックを新たに組み替えた、ニューエイジロックバンドの最新リード曲。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!

Kaleidoscope 「 時空旅行 」


バークリー音大卒のマルチインストゥルメンタリスト松井秋彦と、ミュンヘン国立音大卒のボーカリスト前田祐希によるクロスオーバージャズアルバム。嶋村一徳(Dr.)岡田次郎(Ba.)による鉄壁のリズム隊も聴きどころである。2017年7月全国発売。

RiNGO TONE 「 MUSIC 」


バンド名からも連想できるように、世界中のビートルズフォロワーの影響が根幹にあり、加えて現代のブリットポップを中心にあらゆるポップスフィールドのエッセンスが縦横無尽に感じ取れる、ハイセンスな作品。スプリット作品も期待大。

stink bugs 「 MAVERICK 」


一聴して、カナダのモダンへヴィネス系や北欧のニューメタル系フレーバーが随所に感じられる、ネオラウド系のマキシシングル。西洋人寄りの声質も相まって、どこから聴いても洋楽。楽曲のバリエーションも豊富で飽きが来ない。

Jam en drop 「 Singing in the rain 」


ボン・ジョビやレベッカといった80‘sポップスとハードロックがベースにある、女性Vo,パワーポップバンドのシングル。Saxの、的を得ながら時に意表を突くアプローチがとにかく面白く、一聴の価値あり。

Sunny Sound Leaf 「 明日はきっとイイ日になるさ 」


このバンドの楽曲を聴いていると、ギターロックの範疇がどんどん広くなるような錯覚に陥る。従来のポップフィールドの隅々まで研究しているだけでなく、自らの表現のツボがわかっているからであろう。オリジナリティーが炸裂する内容の濃い作品。

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