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CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第 62回

【ペンシル型コンデンサーマイク考:TASCAM TM-50C】
このマイクは単体での販売はなく、Kick用TM50 DB、Snare用TM-50 DSと4本セットで価格は一万円台後半、現行商品として販売されています。

TM50 DB(Kick用)

TM-50 DS(Snare用)

TM-50C(クラッシュシンバルにおすすめ)

TM-50Cは、この価格帯にありがちな「高音がシャリシャリして低音が薄い」といった印象はほとんどなく、フラットでタイトな感じがします。
特に、クラッシュシンバルを録るにはうってつけのマイクと言えるでしょう。
クラッシュシンバルの録りにありがちな「きらびやか過ぎ、エッジが立ち過ぎ」てしまうこともなく、本当に必要な成分だけをチョイスしてくれる音楽的な名マイクです。


【大学生バンドのセルフREC:コンプ編】
<ボーカル・コーラス>
ほとんどのジャンルでボーカルは主役であり、コンプのかけ方のバリエーションも多種多様です。

まず「男性ボーカル・女性ボーカル」と大きく区別するだけではなく、声質も多々あるので、1つのコンプで一気にかけるのではなく「2段3段といった多段がけ」から様子をみて「スレッショルド、レシオ、アウトプットゲインを少しずついじる」のがコツです。
音量の落差がありずぎるときには、ボリュームカーブを細かく書くと良いでしょう。

コーラスも、注意すべき点はボーカル同様ですが、メインボーカルよりは前に出さないことが多いので、音量が決まれば後は「パンをどのくらい振るか」が重要になってきます。

コーラスにリバーブをかける時は、ボーカルと同じ種類のリバーブを使い、リバーブをかける量を調整していきたいところです。

<キーボード・同期系>
キーボードや同期はライン系の音なので、他のパートより音量が既に決まっていることが多いと思います。まずは無難なコンプを選んで程々にかけ、必要に応じてかける量を増やしましょう。

<トラック全体のトータルコンプ>
最後に、トラック全体にかけるトータルコンプですが、マキシマイザー系ではなく本当にフラットなコンプを、ゆるくかけるのがポイントです。


【今月のちょいレア】 STUDIO PROJECTS B1

フラットかつ線も太いコンデンサーマイク。ボーカル録りならどんなジャンルでも対応できるであろう、守備範囲の広い名マイクです。現在はメーカーごとディスコンとなってしまい、手に入れるには中古を探すのみとなっています。


【今月のMV】日々かりめろ「あなたのうた」Short Version

フォークソングとパワーポップに蜜月的コンビネーションが、彩りと力強さを与えてくれる曲。圧倒的な存在感が全方向から感じられる。


 
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!

magenta「 precious 」

ギターレス3ピースポストロックバンドの最新シングル。日本語詞でありながら、サウンドは回を重ねるごとに洋楽テイストが占有してきている。少しずつ変化を続けているオルタナティブさが心地よい。

CHIERI SUZUKI 「 -TONE 003- 」

SAX、ピアノの講師として活動しながら作編曲もマルチにこなす鈴木 千絵里の新作。今回はジブリ系だけでなく、アシッドジャズ風インストも取り入れ、楽曲のバリエーションが一気に広がった。

カカシカシカカ 「 ひとりぼっちのスノーマン 」

一聴すると今風のクリスマスソングと思われがちだが、じっくり分析するとセミスタンダードなポップスであることに気づく。常にタイプの違う、良質なポップスを着実に制作している点に才能を感じる。

美元 智衣 「 7th Avenue 」

ソニーミュージックエンタテインメント、ビーイングといった大手に長年所属してきた美元 智衣の最新作。当スタジオではマスタリングを担当。アルバムバージョンとは一味違った仕上がりとなった。

脳ジャズ 「 LOVELY LADY FEAT. NICK KUROSAWA 」

1977年に『SPI』というマイナーレーベルからリリースされたRobert Johnson「Lovely Lady」をカバー、ボーカルにハワイ出身のNick Kurosawa(Aloha Got Soul)を迎えた7インチアナログ盤。トランス的なドーパミンが全身から発動しそうなインパクト大、の秀作。

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