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CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第65回

このコラムを読んでくださる方々から、機材についての質問をいただくことが多くなりました。
中でも最近多いのが「ライブ用ハンドマイク」についてです。

敢えて「定番ではないもの」に絞り、今回ご紹介するのは「CAD D32とD38」です。
どちらも3本セットで7~8千円と、リーズナブルに購入できます。
【CAD D32(3本セット)】

D32はスイッチ付きのダイナミックマイクです。

【CAD D38(3本セット)】

D38はD32の上位モデルにあたり、音質も少しリッチな感じがします。
どちらもスタイリッシュなルックスで、ライブ映えすること間違いなしと言えそうです。



【大学生バンドのセルフREC】

今回は「MIXはどこからとりかかれば良いのか?」「EQはどこをどのようにかけると良いのか?」というテーマについて考えます。

もう一度REC時に立ち戻って、全体を鑑みてみましょう。
今までに何度も申し上げていますが「録り音が自分の中のイメージに限りなく近い素材になっているか?」ここが第一関門です。

これがクリアできている前提で、次の段階になります。
MIXとEQは相当密接なものであり「ここからやらねばならない」といった決まり事は特にありません。

無難なところで言えば、低音処理から手をつけて
低音→中低音→中音→中高音→高音
といった「下から固める」方法を試してみるとよいでしょう。

まず、キックとベースをコンプである程度整え、ダブついている成分をEQカット。
その後、必要・目的に応じてブーストします。

大学生バンドのセルフRECで現在題材になっている「四つ打ちダンスロック」はクラブテイストのロックチューンなので、このような曲には「生キックにトリガーでエレクトロ系キックをレイヤーして出す」のが一般的になっています。

【トリガーとは?】
生ドラムのキックに使用されるパターンが定番。
例えば画面のように
元々の生ドラムキックのトラックをコピー

コピートラックにトリガーソフトを挿入し、エレクトロ系キックに差し替え

生ドラムキックとエレクトロ系キックの分量を調整しながら出力

ダンスミュージックやUSAラウド系のような音色が自由に演出できるようになります。
(画面は代表的な一例です)

生ドラムキック+エレクトロ系キックをレイヤーすると、50Hz以下のローエンド成分のコントロールも必要になりますので、モニタースピーカーは最低でも中クラス以上(YAMAHA MSP7 STUDIOやFOSTEX NF-1Aなど)を使用したいところです。
【YAMAHA MSP7 STUDIO】

理想を言えば、プラス「サブウーファー」があればかなり良いと思います。ただし、きちんとしたモニタースピーカーのセッティングにはかなりの熟練技が必要です。


【今月のちょいレア】 YAMAHA QY700

1996年発売、ハードウエアシーケンサーの名機中の名機。編集力、互換性などは現在のDAWに及ばないが、ステップ入力の扱いやすさは今でも群を抜いている。


【今月のMV】 The Blue Scream 「 Fire And Fire 」

80年代LAメタル、ハードロックを極限まで追求した、Very Niceなロックチューン。音楽性に対して全くブレの無い彼らの姿勢には、最大限のエールを送りたい。


 
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!

SNEAKIN’ NUTS 「 夜明け前に / センチメンタル・ブルー 」

バンドの根底にR&Rがあるのは言うまでもないが、各メンバーの精神性もロックの一番奥深くまで掘り下げられている点に好感が持てる。形から入らない潔さ、を是非この音源で体感してほしい。

さよならグッピー 「 ネオンテトラ 」

王道ギターロックの中に、メロディーや歌詞、リフに細かい独自性を垣間見せるバンドの新作。各パートの音色、リズムのフィルインにも新たな発見が少しずつ伺える点も、聴きどころの一つであろう。

The echo dek 「 LOVE LIKE AN EMPTY ROOM 」

最新のトロピカルハウスと、現在のニューヨーカーが奏でるEDM複合混在サウンドの極致。メジャーとインディーズ、もしくはアンダーグラウンドとオーバーグラウンド、といった区分が意味を成さなくなるような魅力にあふれている。

美元智衣 「 SMILE 」

大手レーベルBeingから独立後2枚目のフルアルバム。歌声の音域やキャラクターを存分に引き出すハイソなアレンジにも注目。当スタジオではアルバム収録曲「LIFE」のリマスタリングを担当。

marbh 「 shame 」

ネオグランジのニューカマーバンドのデジタルシングル。例えるならば、90‘sグランジロック名門レーベルSUB POPに在籍していそうな雰囲気。2020年代ニューシューゲイザー的要素も散りばめられている点にも注目してほしい。

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