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CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第69回

「ファイナルミックスやマスタリング時にバウンスすると、良くない方に音が変わってしまう」

周りのバンドマンからこういった話を聞く機会が増えてきました。

バウンスは、いわゆる「データの書き換え」なので常に副作用が伴います。
よくあるケースとしては

「立体感が減り、平面的になった」

「きらびやかな成分がかなり減って、パサパサした音像に(例えるなら賞味期限切れのような)なった」

など。

このコラムの第五回でも細かく触れましたが、こういった現象を解決するには
「プロユースのマスターレコーダーを導入する事」です。

マスターレコーダーというと「高価な機材」という印象が付きまといますが、現在(2020年9月)、

【KORG MR-2000S】

【TASCAM DA-3000】

といった現行品が存在します。

 

また、中古品であれば
【FOSTEX UR-2】

【FOSTEX CR500】

【TASCAM DV-RA1000】

【TASCAM DV-RA1000HD】

dv-ra1000hd

などを、中古品2~10万円ぐらいで見かけます。
次回はマスターレコーダーの接続方法を含め検証したいと思います。

 


 

【大学生バンドのセルフREC】

前回では、各楽器のダブつきをある程度抑えて、明瞭感を増やしてみました。
今回では、いよいよメインボーカルを中心とした総合的なミックスに取り掛かります。

ボーカルとスネアは近い音域にあることが多く、PANも双方ともにセンターに位置することが多いので、これをどう処理するかが1つのポイントになります。

例えば「ハイトーン女性ボーカル」と「ローピッチスネア」の組み合わせであれば、自然に音域の棲み分けが出来てすんなりといくこともありますが、今回の素材は「ノーマルな中域男性ボーカル」と「ほどほどに抜けるファットなスネア」なので、音域の被りが多いケースです。
それゆえに、スネアとボーカルの被りを「左右」よりも「前後」を巧みにコントロールし、程よく共存させてみましょう。

スネア音域の中でボーカルと被る部分をEQで少しカット
ボトム側トラックはとりあえずそのまま

コンプKnee→ボーカル最速、スネアTOPややゆるめ、スネアボトムさらにゆるめ

リバーブ(プレートもしくはホール系)1.5mmsec~2.0mmsecで、ボーカル、スネアにかける

プリディレイ(リバーブのかかるタイミングを調整するパラメータ)をいじる
ボーカルにはプリディレイを長めにかけ、スネアトップはやや短めに、ボトムは更に短くかけると前後の距離が更に調整され良い感じになることが多いです。

注)プリディレイ、リバーブタイムは楽曲のテンポに左右されます。

 


 

【今月のちょいレア】TK AUDIO DP1 mkⅡ

スウェーデンの高級アウトボードブランド。黄金期のSSL Eシリーズ、Gシリーズの良いところをとった優れもの。本物を超えたレプリカと言えそう。

 


 

【今月のMVANNIE DROPS RobberGirl

https://www.youtube.com/watch?v=kRvZGj6e6gQ&feature=youtu.be

古きを温めすぎて逆に今っぽくなった、R&RバンドANNIE DROPS。筋金入りのステージングはもちろんのこと、個性の強いキャラクターにも一気に引っ張られる。

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【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。

エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!

 

putit petit pupe rhythm

バンド名を「眠らない兎」から改名し、内容もより充実。ギターロックを中心に、楽曲ごとにツインボーカル、ツインキーボードが彩りを変えていく。さりげなく変拍子を取り入れたリズムアレンジも冴えわたる。


NEXT STORY Nexus Scenery

80~90年代のアメリカンハードロック的要素の中に、ジャパメタフレーバーがちらっと見え隠れする。定番的リフやフレーズが大半を占めるが、不思議とオリジナリティーを感じる。


OH MY GOD, YOU’VE GONE TACIET

オルタナティブを端から端まで掘り下げた、とにかく濃密な3曲入りマキシシングル。セミツインボーカル的なコンセプトも非常にバランスが良い。


FIRST STEPS watch your step

7080年代アメリカンソウルだけでなく、90年代以降のUKソウルやアシッドジャズの流れも汲んだ良盤。2010年代の国内シティーポップとは、良い意味で一線を画す一枚。


みならいモンスター「終わりのない青春を」

もはや説明無用の3姉妹ガールズトリオロックバンドのシングル。リード曲は転調を巧みに使い、キャッチーさと玄人さがバランスよく同居している。

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