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CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第47回

今回も、活動レベルが高く個性的なアーティストを一組ご紹介します。

The echodek

フレンチダンスロック( ex. PHOENIX / Justice )、UKチルウエーブ( ex. Temples / Foals )、そしてブルックリン勢( ex. Animal Collective / WASHED OUT )のハイソなエッセンスがバランスよく散りばめられているバンド。

*劇団キャラメルボックスの公演CMに楽曲提供
*FM802のヘビーローテーション曲に採用&ゲスト出演
*月刊Sound&Recording Magazine、月刊SOUND DESIGNERに各3回記事掲載
*タワーレコード情報誌ZINE SPICE2018年7月号に記事掲載
などの経験を持つ彼らが2018年12月、2ndフルアルバムを全国発売します。

ジャングルライフ252号p28・29およびWEB版に、The echodekの3人と私の対談が掲載され
ています。是非ご覧ください。


【大学生バンドのセルフREC】
今回は番外編としてモニタースピーカーについて考えてみたいと思います。

MIX、マスタリングにあたって「プラグインを購入する前に」まずモニタースピーカーの環境構
築をしっかり行います。

モニタースピーカーは、大きく二種類に分けられます。

① パワーアンプ内蔵タイプ
パワードモニターもしくはアクティブモニタースピーカーなどと呼ばれ、種類も多く現在の
主流と言ってよいでしょう。
パワーアンプを別に買う必要がないので、省スペースかつケーブル配線もシンプルなのが特徴です。
最初に買うモニタースピーカーとして打ってつけとも言えるものを挙げてみましょう。
*YAMAHA MSP5 STUDIO
*YAMAHA HS5
*JBL 305 PMKⅡ
*ADAM T5V
*TASCAM VL-S3
*FOSTEX PM0.4n(写真↓)


*SONY SMS-1P(写真↓)生産完了品ですが中古市場でたまに見かけます。

② パッシブモニタースピーカー
最近はピュアオーディオ系が中心になりつつあり、プロオーディオ部門の製品が少なくなってきているようです。パッシブモニターの代表的なものの一つにYAMAHA NS10M(生産完了品)が挙げられます。世界中で今でも現役で活躍する名機です。
パッシブモニタースピーカーは、パワーアンプを別に用意しなければならないこともあり、最初の一台に向いている、とは言いにくいようです。

モニタースピーカーの次は、専用のスピーカースタンドとインシュレーターは最低限用意したいところです。スピーカーを置く角度や振り方もしっかり整え、環境構築を行うことが出来てこそ、良いMIX、マスタリング作業につながると思っています。

余談ですが、今月発売の月刊SOUND DESIGNER(2018年12月号)でモニタースピーカーのレビューを担当させていただきました。文中にも登場したADAM T5VとFOCAL SHAPE50について執筆しています。(P79・80)


【今月のちょいレア】TASCAM TM-D1000
TM-D4000(TASCAM初期のデジタルミキサー)の流れを汲む、コスパ充実の名機。


【今月のMV】Cuicks 「blink,blink,blink,blink」

80年代後半のR&B~現代のニューウエーブ的な要素が巧みに絡む名曲。


 
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!

フラスコテーション 「 イノセントユートピアE.P. 」


神戸在住エモ・パワーポップ系ギターロックバンドのシングル。平均年齢19歳でありながら、ハイスピードな作曲力、年間約100本のライブをこなすフットワークの軽さなど、これからの活躍が大いに期待できる。Eggsでの上位ランキングや2018年Minami Wheel出演など話題も豊富だ、2018年11月全国発売。

The echodek 「 Nothing but you 」

国内の洋楽系バンドとは一線を画する、フューチャー・オルタナ・ポップバンドのセカンドフルアルバム。フレンチダンスロックとブルックリン勢のベストマッチングが心地よい。当スタジオレーベルWhirlpool Recordsより2018年12月全国発売。


ザ・ビールス 「 酔。 」


“酔っぱらいのためのR&R”というキーワードを掲げた、オールドスクールを少し匂わせる3ピースバンドのシングル。まさにビールを片手に、余計な邪念を取り払って聴くことをおすすめしたい。ライブパフォーマンスも一見の価値あり。


marbh 「 crack of dawn 」


90年代グランジを現代風に昇華させた、ネオ・グランジバンドのシングル。オルタナ、ハードロック、シューゲイザー好きの琴線に触れそうな硬派サウンドが魅力的。逆輸入バンドの王道を行きそうな勢いを全方位から感じる。


みならいモンスター 「 REAL 」


以前発売した人気曲を新たにリテイクしたシングル。いつもの彼女たちよりも、ハードロック寄りのパワフルな仕上がりとなっている。ハードロック系有名音楽雑誌「WE ROCK」のコンピレーションにも参加。

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