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CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第96回

CHAPTER H[aus]エンジニア樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 96


今回ご紹介するのは、究極の自宅プライベートスタジオです。

私の知人で、北関東にお住まいN氏のご自宅プライベートスタジオの写真をお借りしました。

お仕事のかたわらアマチュアでライブ活動、音楽制作を楽しまれています。

本業顔負けのプロフェッショナル感覚をお持ちのN氏、常に音楽機材のブラッシュアップに心を砕いており

その審美眼にはいつも感心させられます。

まさにこれが「至高のセルフRECスタジオ」と言えるのではないか、と思います。


【今月のMV】ひっとみぃ「暗森な夜」

https://www.youtube.com/watch?v=vGANm2Br4hU

オリエンタルな雰囲気の導入部に「エスニック・パッチワークポップ」と命名したくなる、

オリジナリティー全開の意欲作。

シタール風のフレーズとパラドクス的な映像とのコントラストが好印象。


【今月のちょいレア】AUDIO FLY AF240

低音が少々あっさりしているが、プレーンという印象がぴったりのヘッドホン。

エイジング前と後では、音の変化率がありえないくらい大きいのが特徴。

ケーブルにマイクが装着されている点に着目したい。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター

Whirlpool Records/brittford主宰

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください

当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します


 

PEI「深海 20Hz

福島を代表するギターロックバンドになりつつある、PEIのシングル。

前作より演奏力、作編曲力、音作り、ライブパフォーマンスなどマルチで向上している。

今後も活躍に期待したい。


 

小室壱成「city

80’sリバイバルなシティーポップと、リアルタイムAORが首尾よくドッキングした、洗練されたポップミュージック。渋谷系が好きな人にもおすすめしたい。当スタジオではマスタリングを担当。


ハルノアリカ「ヘルスフードサック」

定番ギターロックを、彼らなりのアレンジで少しずつ個性を出している作品。

卓越した演奏力の中に、遊び心あるフレージングが楽しめる。当スタジオではドラムレコーディングを担当。


 

THE+BETH「バイキルト」

ポップパンク、パワーポップを軸としたガールズグループの新作。

前作より、楽曲と歌の質感がより一体化している。当スタジオではマスタリングを担当。


 

TOYToo Proud

従来のややメロウなトラップ要素を包括したHipHopチューン。

ほんの少し匂いだす「いかつい感じ」が、トラック全体にさりげなくスパイスを与えている。

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第95回

CHAPTER H[aus]エンジニア樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 95


今回ご紹介する電源ケーブルはACROLINK 6N-P4030 です。

見た目は前々回でご紹介したOKTSU DENKO AIR3シリーズのDestinyに似ていますが、音の傾向はかなり異なります。

Destinyは「タイトでコンプ感が強い」印象、対してこの6N-P4030は「ナチュラルかつワイドレンジ」で、オールマイティーに使えそうです。

中古品であれば、1万円台後半くらいで見かけることもあります。

最初の1本として購入する電源ケーブルとしてはもちろん、2本3本目にもおすすめです。


【大学生バンドのセルフREC

ミックス作業は全曲終わっていないが、試しに1曲のみマスタリング作業をしてみることに。

マスタリングを自分たちだけで出来るか、もしくは業者に発注した方が良いかを見極めるためだ。

ミックスとマスタリングの違いを、ごく簡単に説明してみると

*料理の味付けをする→ミックス

*出来上がった料理を皿に盛り付け、見栄え良く仕上げる→マスタリング

といったところだろうか。

マスタリングという工程は、時代と共に解釈が変化してきている。

しかし、音楽制作全工程の中で「一番の職人技が要求される」という事実は、変わらないと思う。

ここ20余年で、高性能プラグインやアウトボードが数多くリリースされ、マスタリングに対しての敷居が低くなった雰囲気がある。

だが、あくまでも「便利になった」だけ、という点も否定は出来ないのではないか。

なぜなら、マスタリングに一番重要なツールは「フルレンジ、大音量で鳴らしてもフラットなジャッジが出来る、優秀なモニタースピーカー」「それらをサポートするハイエンドな電源周り」そして「鍛錬された耳」だからだ。

以前から何度となく触れている話題であるが「PC、DAW、オーディオインターフェースだけ」の内部MIX、マスタリングでのバウンスなどは、クオリティーがキープしにくい。

この連載では、PCベースではない「優秀なアウトボードやマスターレコーダー」を使用したマスタリング、その他工程の説明に、今後も特化していきたい。


【今月のMVwoe be goneTeasin’

https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=Y_AATXMqjh0

流行りのシティーポップやギターロックとは一味違う、現在進行形アブストラクトミュージックと呼べそうな作品。良い意味でルーツがわかりにくく、玄人受けしそうな一曲。


【今月のちょいレア】Better maker MASTERING LIMITER

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フルデジタルのアウトボードに見えるが、実はアナログのマスタリング用リミッター。

PCからの設定などはデジタルで行えるが、音声信号はフルアナログ。

このアウトボードに通すだけで、リッチな奥行き感が簡単に演出できる優れものだ。

数々の最新型プラグインを用意し、複数のマスターフェーダーに多段がけしたとしても、この機器の領域にはたどり着けないであろう。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター

Whirlpool Records/brittford主宰

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください

当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。


 

STAY FOR WELL SHE’S LEAVING HOME

パワーポップ、メロコアを軸に、様々な要素が自然に組み込まれている作品。

90年代のオールドスクールから2020年代最新洋楽のエッセンスまで、随所から感じることができる。


 

プルスタンス「夢追いフール」

叙情的ギターロック、というキーワードがドンピシャで当てはまるバンドのシングル。

豊かな倍音成分が含まれるリッチな声質と、バックのサウンドの相性が心地よい。今後の活躍に期待大。


 

YAPOOL BOY

R&R、パンク、ガレージロック、そして近年のUKロックサウンドを、独自の解釈で組み上げるYAPOOLの新作。前作の延長線上にありながらも、今作にも彼らの細かいこだわりが施されている。


 

woe be gone OOPS!

宮城在住オルタナティブシティーポップバンドのEP。今作ではシティーポップ路線だけでなく、オルタナ・アブストラクト系の英語詞の楽曲、邦ロック的日本語詞の楽曲がバランスよく混在している。当スタジオではマスタリングを担当。


 

COLLAPSE BLACK SHEEP IS STILL DREAMING」(US盤)

国内を代表するシューゲイザーバンドCOLLAPSEのUS盤がドロップ。アメリカのみの通販限定リリースではあるが、今作で欧米圏にも少しずつ浸透していく予感がある。当スタジオではMixとマスタリングを担当。

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第94回

CHAPTER H[aus]エンジニア樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 94


今回ご紹介する電源ケーブルは、関西屈指の楽器店 ワタナベ楽器店が放つ

「W&S CRYO (ダブルアンドエス クライオ) HG-125CT クライオ処理ホスピタルグレード電源ケーブル 1.5m」です。

名前の通りクライオ処理された強力な電源ケーブルで、傾向としては「高音がしなやかに伸び非常にさわやか、かつ力強い」感じです。

いわゆるマルチパーパス的パワーケーブルですが、ギターアンプ、ミキサー全般、オーディオインターフェースなどに実力を発揮します。

1万円ほどで手に入るので、ぜひチェックしてみてください。


【大学生バンドのセルフREC

エキスパンダー / ノイズゲートは「小さな音をさらに小さくする」エフェクターで、コンプ / リミッターとは逆の働きをします。

一般的な使い方は「ノイズが混入したトラックに刺して、ノイズ音量を少しでも目立たなくする」「ドラムのタム系に刺して被りを減らし、分離を良くする」など。

今回は、ややイレギュラーかつ別の効果を期待した使い方を紹介します。

まず、以下のパラメーターのあるExpanderをチョイスします。特にゲインは必須です。

とりあえず、主要トラックにエキスパンダーを刺して様子を見ましょう。

ただし、マスタートラックには刺さないように。

全体に大きな影響を及ぼすこともあるからです。


<特集アーティスト>

轟音と静寂との対比が特徴のオルタナティブ・ロックバンド twopack milk、新作をリリース

twopack milk

写真左よりyuno(Ba.)、瞳(Gt/Vo)

2019年12月、東京にて結成。

下北沢を中心に活動中。

シューゲイザーのような轟音ギター、ポストロックのような繊細なフレーズを多用したオルタナティブなロックサウンドを特徴とする。

バンド名は、映画『LEON』の劇中で「ヒロインが牛乳2本を買いに行ったことで命が助かった場面」からインスピレーションを得たもの。

“日々を掬いたい”と願うバンドの音楽性にリンクしたため、命名に至る。

 

2021年9月 1stシングル『沈黙/わかりやすい癖』デジタルリリース

2021年12月 初のMVとなる『沈黙』公開

2022年6月 MV『わかりやすい癖』公開

2022年9月 2ndシングル『君のいない部屋』デジタルリリース


①バンド結成のいきさつ

Gt/Vo.瞳:もともとは、現在twopack milkのサポートギターであるneiが組んでいた既存のバンドに、ギターボーカルとして私が加入したのが最初でした。

その後メンバー変遷を経て現ベースのyunoとドラマーが加入し、twopack milkの結成に至りました。

 

twopack milkが音楽的に一番こだわりたいポイント

Gt/Vo.瞳:美しくも感情的であるということ。曲を作るときは、芸術のような美しさがありながら感情的である、という部分を意識しているように思います。

そのためにというわけではないですが、シューゲイザーやポストロックの要素を取り入れた曲が多くなっています。大衆にひらけたジャンルではない音楽を取り入れながらも、歌もののようなメロディ・日本語詞を乗せることにもこだわって作っています。

 

③今回リリース音源の一番の聴きどころは

Gt/Vo.瞳:最後のサビ。「どうやって生きていたっけな 忘れてしまう距離にいた どうやって眠っていたっけな 忘れてしまう距離にいた」の歌詞を繰り返す最後のサビです。

だんだん盛り上がっていって、最後にはギターもドラムも激しくなって、歌とともに感情が張り裂ける様子を表現できたかと思います。

 

④国内外の音楽シーンは、今後どうなっていくと思いますか

Gt/Vo.瞳:近年はコロナ禍でアーティストは思うようにライブができない期間があり、自分たちでSNSなどを使ってセルフプロデュースを巧みに行うアーティストが増えました。

今はライブも行われていますが、SNSを使ったセルフプロデュースの流れは今後も続いていくと思われます。

”格好良さ”も多様化してきているので、今後はアメリカの音楽シーンを追従するようなかたちで日本の音楽シーンが形作られるのではなく、海外各国でも日本でも、よりおもしろいことをしようとオリジナリティのある音楽が生まれてくるのではないでしょうか。

 

⑤今後の展望は

Gt/Vo.瞳:「twopack milkの曲を聴くと心が楽になる」という人を一人でも多く増やしたいです。

私は、物心ついた時から音楽に救われて生きてきた人間なので、twopack milkの曲も誰かのそんな存在であればいいなと思っています。私たちの曲を日々の中に溶け込ませてくれたら、こんな幸せなことはないですね。

 

Ba.yuno:つらいときに自然と聴きたくなるようなバンドでありたいと思っています。

無理に頑張ろうとしなくてもいい、逃げてもいいのだと、そんな風にtwopack milkの曲が心の逃げ場になってくれればうれしいです。

音楽以外の部分であるCDジャケットやMVなどのクリエイティブにおいても、映画や本を楽しむような感覚で芸術として多方面から楽しめるようなものを作っていき、たくさんの人の目に触れる機会を作っていきたいと思います。


*最新作タイトル「 君のいない部屋」

 

配信のみ。

配信先はApple Music, Spotify, LINE MUSIC, AWA, YouTube Music, Amazon Music Unlimited など


【今月のちょいレア】AKAI MPC X

30年以上の長きにわたり、クラブ系トラックメイカーの心を掴んできたAKAI MPCシリーズ。

初期(1980年代後半)のMPC60から始まり、2008年リリースされたMPC5000を最後に、ハードウエアのスタンドアローンから一旦離れた。

その後2017年に満を持して発売されたモンスターマシンが、このMPC Xだ。

多くの予想をはるかに超えたスペックで構築されたこのマシンは、歴代MPCシリーズの最高峰として現在でも君臨している。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター

Whirlpool Records/brittford主宰

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください

当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します


twopackmilk 「君のいない部屋」

少量の「オルタナティブ」と「ポップ」が漂う、ギターロックバンドのシングル。Vo.瞳氏の高音域の個性的な倍音と、楽器陣の良質なコラボが魅力的。現時点での彼らの最高傑作と言える作品。


 

wrongvacation wrongvacation

東北を代表する洋楽系バンド渾身のフルアルバム。オールドスクールなソウルから、ネオソウルまで幅広く表現されており、西洋人が奏でるブラックミュージックより濃密な内容と言えるだろう。当スタジオではマスタリングを担当。


脳ジャズfeaturing Maki ZeniyaNight and Day / Blue Sky

玄人受けを飛び越え、リスナーに高品位なサウンドを常に届けてくれる「脳ジャズ」シリーズ最新作。今回は2曲入りで内容もさらに充実。旬なブルース、ファンク、クールジャズなどを求める人に是非おすすめしたい。


 

勇助「開歌」

シンガーソングライター勇助氏の初リリースとなるシングル。楽曲、歌詞、メロディー、歌いまわし、どれを取っても「ストレート」で「着色なし」のピュアな感性がさく裂した作品だ。


カカシカシカカ「たんこぶアドベンチャー」

カカシカシカカの作品には、バックグラウンドにうっすらとブラックミュージックが見え隠れする。毎回絶妙に、タイプの違う楽曲を発表する彼らだが、洋楽と邦楽の中間を狙い撃ちしたセンシティブさに好感を抱く。

 

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第93回

CHAPTER H[aus]エンジニア樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 93


今回ご紹介するパワーケーブルはOKUTSU DENKO Destiny AIR-3-DS-1.5です。

81回でご紹介したエアケーブルシリーズstrike AIR-3-ST-1.5と、82回のUniverse AIR4-UV-1.5との間に位置するケーブルです。

Destiny AIR-3-DS-1.5の特徴を一言で表すなら「タイト」。

レンジの広さはなかなかのもので、やや天然コンプ的質感と言えそうです。

ベースアンプ、ギターアンプ、アウトボードのマイクプリ、チャンネルストリップ、そしてワークステーション系シンセなどとの相性は抜群です。

新品定価で6万円弱、中古で3万円弱ほどで手に入るので、興味のある方は是非チェックしてください。


【大学生バンドのセルフREC

全体の空間の在り方をリバーブ中心で構築し終えたので、次は歌の立ち位置をどこにするか、を考える。

この曲は、コンプやボリュームカーブで歌の立ち位置を前に出すと、なぜか楽器隊との距離が出やすく、ボーカルだけが浮いてしまいがちになる。

そこで、プリディレイとリバーブタイムを細かく調整し、リバーブ(ホールまたはプレート)をやや深めにかけてみると、なじみすぎてしまった。

EQをいろいろ試してみるという案も出る中、「エキスパンダー」を使用してはどうかという意見が出た。

エキスパンダーやノイズゲートなどのエフェクターは、コンプと真逆で「小さい音をより小さくする」効果が一般的に知られている。

つまり、ホワイトノイズやピンクノイズなどが入ってしまったトラックにエキスパンダーをかまして、ノイズの音量を少しでも目立たなくしたり、ドラムのタム系トラックにさして被りを減らし、分離をよくするなどといった使用法が定番である。

なぜ今回、その「エキスパンダー」を使おうとするのか。

詳しい検証は次回で。


【今月のMV

例えばあなたと私の関係について「reject

https://www.youtube.com/watch?v=tK60W5UMVJM&t=1s

クールでグルーヴィーな楽曲に、セピア色の映像をまとわせたアーバンな作品。シティーポップやファンクといった一言では片づけたくない、有機的な魅力が細部にまで浸透している。


【今月のちょいレア】

Vintech Audio 609CA

Neveの名機であるコンプレッサー33609のレプリカ的な製品。

本家と比べると、ややワイドレンジで圧縮された感じがする。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター

Whirlpool Records/brittford主宰

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します


ひっとみぃ「何者にもなれない。だから何者にもなれる。」

幾何学的エレクトロニカとでも呼べそうな独自のジャンルを確立、音数を最小限に抑えて隙間を楽しむサウンド。パズルワークポップとも解釈できる、アート性あふれる作品。


D-VaTrigger

ソウル、ファンク、クロスオーバーをベースに、現在進行形のポップミュージックをセンシティブに付加して、玄人にも受けそうな本物のサウンドが楽しめる作品。ポップス製造職人のさりげないこだわりが堪能できる。


 

日々かりめろ「紀行録」

今年も東京ビッグサイトでのワンマンライブを決行する、日々かりめろの6thフルアルバム。従来の王道弾き語り路線に加えて、バンドアレンジやデジタル系トラックとの融合が素晴らしい。2022年10月全国発売。


wrongvacationHow Your Love Makes Me Feel

東北を拠点として活動する、ブラックミュージックを核とした洋楽系バンドのシングル。とにかく歌がうまいだけでなく、英語の発音や雰囲気も素晴らしい。楽器隊の演奏スキル、アレンジなど、どこをとってもお見事としかいいようがない。


ZERoMESSY SHOOTING STAR

ボトムは、90年代から2010年くらいのオルタナティブロックとクラブミュージックの融合から始まり、上モノは、古典的な楽器を彩り多く奏でているようだ。その上にZERo氏のMid-Lowボイスが乗るとき、新しい何かが生み出されるような感じを抱く作品。

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第92回

CHAPTER H[aus]エンジニア樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 92


今回ご紹介する電源ケーブルは OYAIDE BLACK MAMBA-α V2です。

前回紹介したBLACK MAMBA-Σ V2の廉価版にあたりますが、実力はなかなかのものです。

特に押し出し感が強いので、ギターアンプ、ベースアンプ、キーボードなどにも向いています。

価格も比較的リーズナブルなので、最初に持つ電源ケーブルにおすすめします。


【大学生バンドのセルフREC

 前回は、テンポチェンジ用に「2種類のプレートリバーブをAux2回線使用してかける」ところまで作業を進めた。

次に考えるべき点は「リバーブのRETURN(合流点)をステレオ、モノラルのどちらにするか」である。

 キックとベース以外のほとんどのパートに、ステレオで2種類のプレートリバーブを別々にかけることにした。注意する点は、そのままある程度の量をかけると「いかにも」な感じになるので、EQで500Hz以上と2KHz以上をシェルビングでゆったりカットして生音と混ぜつつも、よりリバーブ感が自然に感じられる質感に追い込むことである。


【今月のMVYAPOOL 90.5

https://www.youtube.com/watch?v=SD7BjH2wNwQ

R&R全開のアッパーチューン。全メンバーの振り切り感が潔すぎて好印象だ。YAPOOLというバンドの本音が伝わる本気のMV。


【今月のちょいレア】WAVES MAXX BCL

ダイナミクス系プラグインが有名なWAVESが、20年以上前にL2(マキシマイザー)のアウトボードをリリースした当時「かかりかたがプラグインとあまりにも違いすぎる」ことが話題を呼びました。

このMAXX BCLは、そのL2アウトボードにMAXX BASEとルネッサンスコンプを搭載し、ADコンバーター部分も強化された、真の「スーパーアウトボード」な逸品です。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター

Whirlpool Records/brittford主宰

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください

 当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します


wrongvacation Change

ソウル、ファンクにリスペクトを感じる、宮城在住チル系バンドの作品。60年代後半から70年代中期のアメリカンルーツミュージックが身体に染み込んでいる印象を受ける。当スタジオではマスタリングを担当。


カカシカシカカ「はじまる」

リードギターのエスニック風リフが特徴的な、カカシカシカカ満を持しての新曲。メンバーそれぞれが多種多様な活動をしているためか、アレンジのみならず演奏スキルも格段にアップしている。


ZERo「胡蝶の森」

古典風ダンスビートにLOW VOICEが刹那的に絡む、レトロフューチャーポップとでも呼べそうなトラック。古いとか新しいとかではない、不思議な魅力がある。


 

  CHiARiN 「玉響、恋情乱落す」

CHiARiNのきらびやかな声質に深いリバーブがかかると、妖艶さが増しながらバックトラックにも自然に溶け込み、不思議な魅力を放つ。クラシカルニューウエーブ風ポップ、とでも名付けるべきか。


NØlla HELLO

ギターロックを軸に、エモ、オルタナ、ミクスチャー的エッセンスが微量感じられるNØllaのシングル。普遍的なアレンジや音作りが、逆に個性的とも言えそう。

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第91回

CHAPTER H[aus]エンジニア樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 91


前回に引き続きOYAIDEの電源ケーブルを取り上げます。

(写真)OYAIDE BLACK MAMBA-Σ V2

 

BLACK MAMBA-Σ V2は、OYAIDEの電源ケーブルの中でもクオリティー、プライス共に上位に値し、オールマイティーに使用できる実力のある逸品です。先月ご紹介した同社製TSUNAMIより多少レンジは狭いのですが、スピード感はピカイチ。アウトボード、ギターアンプ、ベースアンプ、キーボードなどに使用するのがおすすめです。


【大学生バンドのセルフREC

 以前からレコーディングしている「テンポチェンジありオルタナロック」のミックス作業。

この曲は全体的にドライに録られている。しかしメンバーからは、仕上がりをウエットにしたい、という意見が出た。

ウエットな仕上がりを目指すべく、今回はホールリバーブではなくプレートリバーブを使用する。

この曲は曲中でテンポチェンジがある( BPM126 – 151 – 126 )ので、プリディレイとリバーブタイム(Decay)を変えたプレートリバーブを、「BPM126用」「BPM151用」と2種類用意した。

それに伴いAuxiliary Track(オグジュアリ トラック)も2つ作る。

 

Auxiliary Trackは簡単に言うと「補助トラック」。

河川の流れに例えるなら、通常のオーディオトラックが本流、Auxiliary Trackは支流というイメージ。

本流から一旦分岐した(SEND)支流が、リバーブを付加して再び合流(RETURN)する。

Auxiliary はAuxと略され、こちらの表記を目にする機会が多くなっている。


【今月のMV】星野由美子「ソレイユ」

https://www.youtube.com/watch?v=lOhrHsH0Hho

J-WAVE系ボサノバ、カリプソ、ソンゴ、サンバ、そしてネオ渋谷系がほどよくブレンドされた、ハイソなポップチューン。当スタジオが、作編曲、REC、MIX、マスタリングの全工程に関わっています。


【今月のちょいレア】UNIVERSAL AUDIO 2-1176

レコーディングに関わる人なら間違いなく耳にする高級ブランド「UNIVERSAL AUDIO」のコンプの、2chバージョン。洋楽のロックサウンドで聴けるスネア、キックの音が他機より容易に作れる名機。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター

Whirlpool Records/brittford主宰

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください

当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します


YOUHIKARU-TOBERU

ロックバンド LITTLE RED PUZZLEリーダー、Vo.&G.のYOU氏のソロアルバム。70’s欧米のR&Rやアシッドフォークに影響を受けたであろう楽曲群に、YOU氏独特のハスキーボイスが結合し、独自の空気感を作り上げている。オールドロック好き必聴。


 

栁かおりと酒呑み野郎共「酒呑みブルース」

1940~70年代あたりの昭和歌謡をデフォルメし、独自のフィルターを通して練り上げた「もう一つの昭和歌謡」。One&Onlyの楽曲とアレンジに乗って、ニッチでエグい歌詞を歌い上げる栁かおり氏の歌声が、ハイカラでディープな化学反応を起こしている。


 

ZERoAMETHYST DISSONANCE

日本の古典文化とロック、ポップスを融合させた新世代ポピュラーミュージック。ZERo氏の低音ヴォイスとクラシカルな歌詞、西洋サウンドに首尾よく絡む和楽器群など、どこをとってもオリジナリティーに溢れている。


 

YAPOOLJUMBLE

今、「ロックとは何ぞや」と問われたら「YAPOOL」と答えてしまう。今回のアルバムはそのくらい、高純度の精神論を超越した何かを感じる。一度ルーツに帰化し、その周辺に潜むロックの栄養素と共に根こそぎ掘り起こして、自分たちのセンスにフィードバックしているのだろう。

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第90回

CHAPTER H[aus]エンジニア樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 90


今回ご紹介するのはOYAIDEの電源ケーブルTSUNAMI GPX-RV2 です。

オヤイデ電機のオーディオケーブル・コネクター・オーディオアクセサリーブランドであるOYAIDEは、ピュアオーディオとプロオーディオのクライアントをバランスよく取り込んでいる印象を、個人的に持っています。

最近までフラッグシップケーブルとして君臨していたTSUNAMI GPX-RV2は、見た目の通りフラットで、ややファットなサウンドキャラクター。基本的には機材を選ばない優秀なケーブルです。

当スタジオでは、主にギターアンプ、ベースアンプに使用することが多いのですが、ソリッドステイト系マイクプリや、チャンネルストリップなどのアウトボードとの相性も抜群です。

現行品として販売されています。


【大学生バンドのセルフREC

「アコギ&Vo.弾き語り」と「ハードコア・ポストロックインストバンドの被りまくり一発録り」の2曲は、とりあえずミックスが片付いた。

今回からは、以前からレコーディングしている6曲中の「テンポチェンジありオルタナロック」のミックスに取り掛かる。

ミックス完成予想図↓

テンポチェンジ(BPM126→151→126)と、コード進行(Gm-C-F-E-F#-F)が個性的な楽曲であるため、パソコン内部のミックスは行わず、インターフェースからパラアウトでアナログミキサーに入れ(サミングミキサー)、マスタリング系アウトボード→マスターレコーダーというルーティングで作業することにした。


【今月のちょいレア】

【今月のMVCOLLAPSE MORPHEUS

https://www.youtube.com/watch?v=OIR_1fZ8EGY

ニューヨークパンクを多少想起させる、シューゲイザーサウンド。各パートのディテールのにじみ具合が、確信犯っぽさを強調している。

【今月のちょいレア】JOEMEEK ONE-Q2

今は無きJOEMEEKの、フラッグシップチャンネルストリップ。

サウンドキャラクターは、まさにブリティッシュサウンドなので、90年代ブリットポップ系を狙うのであればNeveより向いているかも。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター

Whirlpool Records/brittford主宰

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。

エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!


yuki「追憶 / 作り話」

パワーポップやJメロコアのエッセンスがほんのわずかに感じられる、女性シンガーソングライターのシングル。単なる弾き語りとは少々違う、静かなアグレッシブさが脳裏に焼き付く。


COLLAPSEBLACK SHEEP IS STILL DREAMING

今や国内を代表するシューゲイザーバンドに成長しつつある、 COLLAPSEのフルアルバム。

国内のみならず海外遠征も精力的にこなしており、これからの活躍が楽しみだ。


 

Total Feedback2022

アジアで一番ステイタスのあるシューゲイザーイベント、と言っても過言ではないTotal FeedbackのコンピレーションVol.4がリリース。日本、台湾の勢いあるシューゲイザーバンドが参加しており、今までとは違ったテイストも感じられる。


TOY YUI

HipHop、Trap、R&Bといった枠を超え始めたTOYのデジタルシングル。よりメロディアスで、歌詞のインパクトも増長している点が好印象。


GREEN EYED MONSTERXtreme / Authority

スペインをはじめ海外展開もしている、神奈川在住メロコアバンドのシングル。曲の長さは従来の5割増しになったが、全く無駄のないアレンジに仕上がった点に着目したい。 

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第89回

CHAPTER H[aus]エンジニア樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 89


 今回ご紹介する電源ケーブルは Ortofon(オルトフォン)PSC-1500XG です。

Ortofonはピュアオーディオのカテゴリーに入るので、ミュージシャンやプロデューサー系の人たちにはあまり馴染みのないメーカーかも知れません。

音質は、見た目同様の派手さが多少あり、広い視野で見ると「フラット、かつワイドレンジ」で、あらゆるシチュエーションに適合できそうです。一度使用すれば、想像以上の威力に驚かされることでしょう。

気になる価格は新品で13,000円程、中古で7,000円前後なので、一本目のパワーケーブルとして打ってつけと言えます。

【大学生バンドのセルフREC

前回からの続き(バンド被りまくり一発録音)ミックス作業

 とりあえず、どのトラックにも少なからず様々な音が被っているので、パンは下図↓のように配置する。

非常に時間と手間がかかるが、全トラックを最初から最後まで1つずつ聴き、各トラックの状況をチェック

他パートの被りが多いトラック(例:ドラムのオーバートップマイクに、ドラム以外のベースやギターの音が、かなり入っているなど)の、超低音域50Hz以下をシェルビングEQで少しずつカット

低音や被りのダブつきをある程度抑えられたら、低音系トラック(ベースやキック、フロアタムなど)から、あえてセンドリターンでコンプを弱めにかけていく

様子を見ながらトータルコンプを薄くかけ、まとまりを作る。

空間を広く演出したい時は

なるべくリバーブ等には頼らず、オーバートップのL、Rトラックをコピー

L、Rをコピーした2トラックをコンプで強くつぶし、リリースタイムを長めにして少しずつ全体に混ぜていく

ちなみにこれらの手法は1つのパターンであり、目的によってやり方を変えていくのは言うまでもない。


今月のMV 深川隆成 「桜の季節」

https://youtu.be/0exPVo5dQj0j0

JAZZとPOPSの中間を行くバラード曲のMV。シックな彩りを感じさせる、真の大人の作品だ。等身大の彼の本質が垣間見える。


 【今月のちょいレア】 TASCAM TM-280

老舗音響ブランドTASCAMのフラッグシップモデルだった、逸品コンデンサーマイク。広いレンジと解像度の高さを誇り、2段階上の上位機種と比較しても全く遜色がない。現在は生産完了となっているが、中古市場で15,000円ほどで見かけることもあるので、コスパの高い一本を探している方におすすめ。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。


とりいそぎ 「こんなに晴れているのに」

とにかく分厚い上モノ、多彩なキーボード群、重厚だが暑苦しくはないコーラスワーク、歯切れの良いギター、そしてファットかつ適度な存在感のボーカル。タイトでグルーヴィーなリズム隊が立役者なのは、言うまでもない。


 

ボトルメール 「拝啓」

少しアンニュイな女性ボーカルと、叙情的なギターロックサウンドがナチュラルに交差するポップバンドのミニアルバム。曲それぞれに多様な情景が浮かぶのが好印象だ。


例えばあなたと私の関係について  ing

ネオソウル、ニューファンク、フューチャージャズをベースに、時代の半歩先を意識したサウンドを常に追求するバンドのフルアルバム。東京ビッグサイトで開催される「DESIGN FESTA」への出演や、全国レベルのメディアへの露出など活躍の場が年々増えている。


 

深川隆成 「ひまわり Loss Of Love(Theme from Sunflower)

表題の「ひまわり」を筆頭に、ジョン・レノンの「Imagine」、ルイ・アームストロングの「What a wonderful world」を収録した、ピアノと歌による3曲入りカバーアルバム。CD売り上げの収益をウクライナ大使館に寄付、また5月26日にはサントリーホール小ホールにてウクライナ支援コンサートを開催。


 

woe be gone BLACK BIRDS

東北を代表する、オルタナ要素を含んだシティーポップバンドのシングル。今作は、より欧米を意識した曲調と、サウンドキャラクターが特徴的だ。特に洋楽好きにおすすめしたい。

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第88回

CHAPTER H[aus]エンジニア樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 88


今回ご紹介するのは、プロオーディオ界の重鎮 TASCAMが放つ電源ケーブル「AC-1800L」です。

パッと見、機材を購入した時付いてくる付属ケーブルのように見えますが、実力は全く別物。

基本的にフラットなケーブルなので、機材を選ばず幅広く使えます。

中域から中高音域が張り出す印象がありますが、これは低域がスッキリしているからでしょう。

ケーブルの根っこ部分が「グリッジ式」と呼ばれる抜けにくい構造になっており、レコーディングはもとよりPAMAなどでも重宝しそうです。

価格もミドルクラスのシールドと同じくらいの3,000円前後で、リーズナブルなのも魅力です。


【大学生バンドのセルフREC

ギター、ベース、ドラムの被りまくり一発録り。

ちなみにインスト曲である。

Mixは↑上図の配列で行う予定だ。


【今月のちょいレア】 TASCAM SS-R100

プロオーディオの老舗 TASCAMのソリッドステイトレコーダー。リッチでフラットな音が楽しめるだけでなく、USBSDカードなど複数のデバイスに対応している点も高評価。


【今月のMV ボトルメール「そばにいてほしい」

https://youtu.be/ukiqDPrd7Do

3人組ギターロックバンドのキラーチューン。ノスタルジックでアーバンな女性Vo.と、一番サビ後の間奏での転調が印象的だ。映像とのリンクも必見。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア

サウンドクリエーター

Whirlpool Records/brittford主宰

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を

年間平均250曲以上手掛ける

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください

当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。

エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!


チーコ 「焚き火」

スタンダードなギターロックをフレーズ、音色、声質でカラーリングしているロックバンドの最新作。

一度聴けば脳裏に焼き付く楽曲に今後も期待。


とりいそぎ 「パラシュート」

歌もの3ピースバンドのポップチューン。一言では簡単に説明できない多彩なアイデアが、至る所から感じられる。まさにパラシュートのような開放感全開の音像だ。


CORREKT monad

2ピースハードコア・ポストロック・インストバンドのアルバム。One&Onlyというキーワードがぴったりの意欲作だ。インスト曲ゆえのボーダレス感も半端ない。


SILVER GOAT CLAN FINALLY

メロディアスなハードロックにSAXをフィーチャリングした一曲目と、アコースティックサウンドを前面に押し出した二曲目とのコントラストがユニーク。ジャケットデザインも印象に残る。


woe be gone LOVE MATTERS

宮城県在住シティーポップバンドの新曲。従来路線を邁進する力強さと軽やかさが共存する、期待を裏切らぬナイスチューンに仕上がっている。

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第87回

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の

セルフRECはプロRECを越えられるか? 87


今回からは、使えるエントリーパワーケーブルを取り上げます。

Audio technical AT-PC600/2.0

ピンク色が目を引くこのケーブルは、派手な印象とは相反して、音のキャラクターは比較的フラットでワイドレンジです。

楽器や機材、パソコンなどの購入時に付いてくる電源ケーブルと差し替えるだけで、音質が1ランク以上グレードアップすること間違いなし。

数千円でこのクオリティーが手に入るのは、非常にありがたい限りです。

ちなみに、このケーブルには上位機種(AT-PC1000)もあり、より高音質にこだわる方におすすめです。


【大学生バンドのセルフREC

被りまくりREC、ミックス編

前々回の一発録音(アコギとボーカル)のミックス作業にとりかかる。

上図のようにパンニングしてから、EQ・コンプ・リバーブなどのベーシックなエフェクトをかけるかどうか、考えてみる。

各フェーダーをいろいろ動かして、ベストポイントを見つけるのが先決だ。

【今月のちょいレア】TC Electronic GOLD Channel

25年前にリリースされた、超ド級アウトボード。2chの高性能マイクプリ、ADDAコンバーター、EQ、コンプ、エキスパンダーなど、現在でもトップクラスのスペックを誇る機能が詰まっている。当時は定価で約30万円、現在はディスコンだが中古市場で6~7万円で見かけることも。


【今月のMVCOLLAPSE 「GARDEN」

https://www.youtube.com/watch?v=pCum3bbBL_Q

透明なシルエットを感じるサウンドスケープが魅力のCOLLAPSEの、代表曲。映像美と音の絡みが、深い精神性を浮かび上がらせる。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア サウンドクリエーター Whirlpool Records/brittford主宰。

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。

エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!


TOY TOY1

TOY氏のこれまでの音楽キャリアを裏付ける、現時点での最高峰と呼べる3曲入りシングル。ヒップホップの奥深さが随所に垣間見える。


TOY SUCK IT UP

どんな言語で歌おうとも彼独自の世界が堪能できる、3曲入りデジタルシングル。ヒップホップ、トラップなどになじみのない人にも響く要素が多いかも。

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