CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第86回
今回ご紹介する電源ケーブルは、ひさご電材の展開する音響機器用・楽器用ケーブルブランド
「GOURD」のGCP-600です。
GCP-600は非常にプレーン、かつナチュラルというイメージの電源ケーブルです。
例えば、20年前くらいのシンセやデジタルミキサーに使用すると、ギスギスした感じや、いびつな部分が減り、いい感じでマイルドになります。ワイドレンジ感も増してリッチさも体感出来ます。
エントリーモデルにあたる製品ですが、プロの現場でも充分通用する実力があります。
新品定価で\17,600、中古1万円くらいで手に入ります。
【大学生バンドのセルフREC】
「被りまくりVo&アコギ 一発録音」が予想以上の出来だったので、更にインストのバンドバージョンも「同一ブースでドラム、ギター、ベース3パート 被りありの一発録音」を試すことにした。
音の被りは、部屋の広さ、天井の高さ、壁の材質、アンプなどを含む機材の置き場所に左右される。
ただ、ベースはライン録りでもいけるので、実際はドラムとギターの被り調整が一番重要になる。
下の写真↓のように、ついたてを立てるだけでなく、ドラムに対してアンプ類を「背を向ける形で」置いて、マイクをセッティングするのが基本形になる。
とりあえず何度か試し録りしながら被り具合をみて微調整をし、被りがひどい時は距離を離す、使用していないアンプなどで壁を作ってみるなど工夫が必要だ。出来れば12畳以上のブースでチャレンジしたい。
【今月のちょいレア】 HEDD AUDIO TYPE07mk2
リボンツイーターで有名なADAM AUDIOから派生したドイツのハイエンドスピーカーブランド HEDD AUDIOの逸品。個人的にはADAM AUDIOのきらびやかさと、EVE AUDIO(HEDD同様ADAM AUDIOから派生)のナチュラルさの中間に位置するキャラクターだと思った。
【今月のMV】 THE REST 「 コドク無ヒカリ 」
米国モダンヘヴィネス系と日本のエモロックが、バランスよく混在する2020年代の新生ロック。歌に対する各楽器の音作りにも注目。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
River Baby & TOY 「 LIFE 」
メロウなトラップベースのヒップホップ。ナチュラルなポップチューンで、歌詞とトラック、声色の相性が良い。ヒップホップになじみの薄いリスナーにも心地よく耳に届く作品。
SILVER GOAT CLAN 「 Shining Of Love 」
80’sアメリカンハードロックをベースに、メロディアスなガールズボーカルが心地よく炸裂する。ダウンチューニングの割に中低音域がタイトに引き締まった歪んだギターサウンドと、サックスの絡みも聴きどころ。
candelastar 「 IN THE LIGHT 」
コミュナーズ、ABC、ブロンスキービート、A Flog of Seagullsといった80’sエレポップと、最新型UKエレクトロニカの中間にあるインテリジェンスなサウンドの楽曲。
yarn. 「 toKYO 」
定番J-POPとビルボードTOP40のアイデアが、良い意味でユニークに入り乱れた楽曲。大御所インディーバンドメンバーによるアレンジも聴きどころ。当スタジオではマスタリングを担当。
SILVER GOAT CLAN 「 MAGIC 」
メロディアスなロックをあらゆる角度から探求するロックバンドのデジタルシングル。楽曲の幅広さ、通常の歌詞でもメッセージ性の際立つ点がストロングポイントだ。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第85回
今回取り上げるのは、国内を代表するハイエンドオーディオアクセサリーメーカー「aet」です。
ハイエンド電源ケーブルを中心に、マイクケーブル、インシュレーターなど各種リリースしています。
<マイクケーブルEVO-0605SHRF>
<インシュレーター SH-2007A(BL)>
aetの電源ケーブルの中で特にご紹介したい製品は、HHS AC/SP EVD1.8です。
スピード感と、ややソリッドな印象が特徴で、アタック感を要するキック、タムやギターソロなどにハマることが多いと思います。生産完了品ですが、中古市場で1万円前後で見かけることもあります。興味のある方、ぜひチェックしてみてください。
【大学生バンドのセルフREC】
今回は、予定外の曲を追加RECすることに決まった。(通算7曲目)
弾き語り(アコギと歌)を、被りまくり一発録音する計画だ。
通常、レコーディングは人数に関係なく、被りなしで録ることがスタンダードとなっている。
今回挑戦する「被りまくりの一発録り」は、ミスがあるたびに曲の頭、またはブレイクまで戻って演奏をやり直さなければならないので、高い演奏力が要求される。(一人の弾き語りはもちろん、バンド編成ではメンバーの誰かが失敗する度やり直すことになり、条件はますます厳しくなる)
録音の方も、被りが多いと個別パートの上げ下げがしにくくなる。
このように、録る側も録られる側もハードルが非常に上がってしまうのだが、上手くいくと「上質なライブ録音のような質感」が出て、通常RECでは体験できないような臨場感が堪能できることが多い。
<マイクセッティング>
マイクセッティングが出来たので、試しに録ってみることにした。
【今月のちょいレア】 PMC 6
英国が誇る世界最強スピーカーブランドPMCの新製品。イギリスBBCやメトロポリススタジオといった、超メジャーな放送局、レコーディングスタジオへの導入実績もある。
【今月のMV】 ホロトニア 「雷乃発声」
https://www.youtube.com/watch?v=mpieV8neQnQ
新潟発ギターロックバンドのMV。付点8分音符のディレイがかかるギターリフに、大きなインパクトを感じる。2021年11月メジャーデビュー。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
DARYL HANNAH feat. RIVER BABY 「FLY HIGH」
Hip Hop、Trap、R&Bのフレーバーがディープに浸透するクラブミュージック。声質と歌詞のマッチング、特にネイティブな女性Vo.と邦人男性とのコラボがハイライト。
THE REST 「コドク無ヒカリ」
2000年代初期の米国ポストパンク、パワーポップ、エモロック、そしてネオグランジのエッセンスがバランスよく融合するデジタルシングル。邦楽中心に聴いているリスナーにもおすすめ。
yeahs 「help me」
アメリカのインディーパンク、イギリスのネオオルタナ、フランスのディスコパンクなどの要素が縦横無尽に錯綜する、ニューロックバンドのシングル。Vo.NANA氏の浮遊感たっぷりな歌声も魅惑的。
The Sticamor 「MOON BREATHING」
キーボード、ベース、ドラムからなるインストトリオバンドのデジタルシングル。ハイソな楽曲とエモい演奏力が聴きどころの一曲だ。
経血 「kankai」
80年代ハードコアパンク、ニューウエーブをこよなく愛する「経血」の2ndアルバム。80’sアンダーグラウンドロックの美味しいところを結集させた、濃密な内容に圧倒される。海外からの評価も高まっており、今後の活躍にますます期待。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第84回
先回に引き続き「ACスタビライザー」のご紹介です。
【FURUTECH Flow15】
FURUTECHは国内トップクラスのピュアオーディオアクセサリーメーカーで、Flow15はノイズ・フィルター内蔵型電源供給ユニットのエントリーモデルに値します。
使用法は前回と同じく「電源ケーブルとタップ」や「クリーン電源、アウトボードと楽器」の間につなぎます。
壁コンセントと電源ケーブル、ケーブル間に生じやすいグラウンドループや電源ノイズを遮断し、ピュアでリッチ、かつワイドレンジな音像がGETできます。
現在売価2万弱ほどで見かけますので、ミドルクラスの電源ケーブルを買うのと同じくらいで手に入れることができます。
興味のある方は是非探してみてください。
【大学生バンドのセルフREC】
引き続き「スローバラード系」のレコーディング。
1B・2Bの下ハモダブリングを残すのみ。加えて、アウトロのメインボーカルトラックにフェイクも入れてみよう、ということになった。
まず1B下ハモダブリングから。
1Bをループし、モニターバランスを追い込み、決まったところで練習がてら一回収録。
雰囲気がいまいちなので再度録りなおし、雰囲気、リズム、ピッチのどれも良い感じになったのでこの回をキープする。
ピッチとリズムを少々修正してOK。
2B下ハモダブリング。
慣れてきたためか1テイク目から良い感じに。2テイク目、修正なしでOK。
アウトロのフェイク。
メンバーと確認しながら一回チャレンジ。ニュアンスが違うということで再度収録。
手ごたえはあるがイメージと少し違うということで、他メンバーがお手本を見せる。
今までのキューボックスに加えて、もう一台メンバー用にキューボックスを用意した。
メンバーが②を使ってモニターバランスをとり、ループ、プレイバックしながら何度かお手本となるフェイクを歌う。
メンバーのお手本ニュアンスを再確認したところで、メインボーカルが再度フェイクにチャレンジする。
3回チャレンジし、結局1回目のピッチとリズムを修正してOK。
フェイク部分は、ミックスの時にディレイ、リバーブを深めにかけて世界観を演出することになりそうだ。
これでスローバラード系楽曲のレコーディングはすべて終了。
【今月のちょいレア】 Acoustic Revive RTP4 absolute
Absoluteの文字通り「究極の」電源タップ。往年のクリーン電源の名機たちより位相が良く、いびつさも偏りも皆無のハイエンドな特徴の固まりである。スーパーリッチでパワフルなダイナミックレンジが演出できる、至高の逸品。
【今月のMV】 YAPOOL 「尻切れトンボ」
https://www.youtube.com/watch?v=5-PfIxIDbm8
70年代のR&R、特撮のエッセンスをベースに、全年代のロックのおいしいところをセンス良く詰め込んだ作品。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
深川隆成 「時の流れ」
ジャズとニューミュージックの中間にある大人のポップスで統一されている、深川隆成のファーストフルアルバム。彼の声色には、リスナーに安堵感とポジティブな感情を与える成分が多大にありそうだ。当スタジオでは、3曲分のスタジオ録音と、ライブレコーディング楽曲のプリマスタリングを担当。
THE JIVES 「STABLE」
80年代、アメリカとイギリスで「ブルーアイドソウル」というジャンルが存在したが、THE JIVESの最新作は「ブラックアイドR&R」というキーワードがピッタリはまる。東洋人が奏でる、現代のリアルタイムロックサウンドを心ゆくまで堪能してほしい。
THE ECHO DEK 「Lost My Grip」
ここ数年、ビルボードチャートを意識するきらいがあったが、今回はちょっと毛色が違う。欧米圏のどこで流れていても違和感のない、かといって馴染みすぎない、2020年代のニューロック誕生といったイメージだ。
YAPOOL 「YAP YAP YAP」
ヤプール人、といえば「ウルトラマンA」をはじめとする「ウルトラシリーズ」に登場する架空の異次元人のこと。そこから名づけたというこのバンドは、まさに「異次元人が奏でるロックサウンド」だ。別角度からみるとディープなロックンロールでもあり、聴きこむほどにいろいろな発見がある。
アカハナ 「日常 / ミスター・ムーンシティ - EP」
初期と現在の下北系ギターロックの良いとこどりをした、ロックバンドのEP。個性的でブライトな声質と、歌詞が特徴的。バックサウンドの音作りの好印象だ。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第83回
今回ご紹介するのは「ACスタビライザー」です。
一見するところ電源ケーブル?高級な延長ケーブル?のようですが、実はかなりハイパーな代物なのです。
代表的な製品にはAcoustic ReviveのRAS-14 Triple C(写真)などが挙げられます。
通常のACケーブルにスタビライザーを接続し、壁のコンセントにつなぐのが一般的な使い方です。
ACスタビライザーを接続することにより、グラウンドループを断ち切ることが出来、いわゆるアースノイズをはじめとした大抵の電源ノイズを除去した、ピュアでワイドレンジな音像が体験出来ます。普通のご家庭の電源で作業している方には、効果絶大といえましょう。
【大学生バンドのセルフREC】
スローバラード系のRECもいよいよ最終段階。
残っているハモりは「2B下ハモ」「1B、2B下ハモダブリング」のみとなった。
モニターバランスは前回と同じ。
練習テイクで2B下ハモを歌ってみる。モニターバランスはすでに出来上がっているが、1Bの時と同様につられてしまう。ガイドメロディーを確認し再チャレンジするも、やはりつられる。
1B収録時に使った作戦「主メロ、上ハモ、上ハモダブリングをミュート」して歌ってみる。つられてはいないがリズムが甘い。再々チャレンジで雰囲気含め良くなった。
2B後半はパーフェクトなので、前半のみパンチインし、ほんの少しリズムを修正してOKとした。
次回はいよいよ1B2B下ハモダブリングだ。
【今月のちょいレア】 KS Digital
同軸のハイエンドパワードモニタースピーカー。手っ取り早くリッチなサウンドスケープが体験できる実力機だ。低音がやや強めなので、リアパネルのスイッチで音域を調整しながら使用すると、良いバランスになりやすいかも。
【今月のMV】 Slingshot Million2「アスミライ」
結成当時から「ハッピーパンク」というキーワードを掲げ続けている彼らの最新MV。楽曲バリエーションの幅広さ、ツインボーカルの絡みのセンスなど、どこを取ってもレベルアップしている作品。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
Radiolady 「Sweet Soul」
Novembers、People In The Boxなどに代表されるJオルタナバンドの系譜ともいえる「Radiolady」のデジタルシングル。随所に欧州シューゲイザーバンドのエッセンスも感じられ、好印象だ。
脳ジャズfeaturing Michel Kaneko 「Heaven」
70年代から現在に至るまでのソウル、ファンクの「原点と発展形」の要素を感じられる名曲。一般受けと玄人受けの丁度中間になるような音楽性が素晴らしい。
nikiie 「Lazy day」
ゲス極のBa.休日課長も在籍するバンドDADALAYや、音楽クリエイティブユニット (K)Now_NAMEのメンバーとしても活動するnikiieのデジタルシングル。気だるさとエキセントリックさが醸し出す快適な雰囲気がたまらなく伝わってくる秀作。
モノクロミライ 「カラフル」
彩りのバリエーションがリッチな気分にさせる、小洒落たギターロックバンドのミニアルバム。色合い豊かなこの作品は、どの曲から聴いてもストーリー性を感じさせる。
Alice Tea Party 「リズミック・プリズム」
アリス・ティー・パーティーの総結集ともいえるフルアルバム。ギターロックがベースにありつつ、オルタナ、ディスコパンク、NewWave、ポストロックチューンが満載の作品。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第82回
1~3万円クラスのパワーケーブルとは一線を画するクオリティーを誇るOKUTSU DENKOの製品を、今回もご紹介します。
<写真は前回ご紹介したUniverse AIR4-UV-1.5>
その1つがOKUTSU DENKO Prestage Customというケーブル。
下の写真はそのPrestage Customの上位にあたる、メーカーの中では最上位のフラッグシップケーブル、Extremeです。
他社のフラッグシップケーブルと比較しても一段階ワイドレンジで、芳醇な立体感がたやすく演出出来る実力を持ちます。ウイークポイントが見当たらず、ストロングポイントのみ目立ちます。
定価で20万超のこの製品、現在は生産完了らしいのですが、ごくたまに中古市場で10万前後で見かけることがあります。
ケーブル一本に10万円となると本職の方でも勇気のいる価格だと思いますが、ハイエンドなコンデンサーマイクやアウトボードの中古よりは安いと思います。システム全体のグレードアップ、と捉えれば決して高い買い物ではないと、個人的には思います。
【大学生バンドのセルフREC】
Bメロ下ハモからの予定だったが、上ハモの感覚が残っているうちに「Bメロ上ハモダブリング」を録ることにした。
上ハモOKテイクをガイド代わりに使えるので非常にやりやすく、1B、2B共にほぼ一発で決まった。
ピッチ、リズムの微調整後、1B、2Bの上ハモ下ハモダブリングはOK。
次はBメロ下ハモ。
多少モニターバランスを変えてみる。
<マイクBlue Dragonfly>
ガイドメロディーで下ハモのコーラスラインを再確認。
試しに一回チャレンジすると、3声になる下ハモがやはりハードルが高く、2声の時よりもすぐつられてしまう。再度ガイドメロディーを確認、Cueboxのバランスを調整しながら歌ってみた。モニターバランスは徐々に良くなってきたが、3声のハードルは高く、やはりつられてしまう。
強行策として、「主メロ、上ハモ、上ハモダブリング」の3パートをミュートして、下ハモのみにして録ってみた。つられなくはなったが、リズム含めまだ甘い。数回チャレンジし、ピッチ、リズムの修正をした。次回は2Bだ。
【今月のちょいレア】 PMC TWO TWO6
英国を代表するハイエンドスピーカーブランドの傑作。どこの周波帯を見ても全くいびつな成分がなく、音楽的に見てもスーパーフラットと呼べる逸品だ。
【今月のMV】 前田和花「DREss」
https://www.youtube.com/watch?v=3wGkwtYO9Hc
初期の椎名林檎と大森靖子を足して2で割ったような、パンチ力と疾走感がストロングポイントの一曲。メジャーデビューを果たした記念碑的作品。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
Sayonara Tokyo 「the sun and the moon」
エモーショナルとクール、洋楽と邦楽、といった相反しそうな世界観を全体から感じることが出来る。一貫していえるのは、ロックとかポップとかいうカテゴライズを超越した、圧倒的ワン&オンリーな作品であるということである。
woebegone 「GOLD」
仙台在住モダンポップバンドのミニアルバム。70~80年代のファンクと、現在進行形のシティーポップをナチュラルに融合させ、定番リフを多少変化させてアレンジしている点にオリジナリティーを感じる。当スタジオではマスタリングを担当。
ホロトニア 「ひと-ごと」
新潟在住ギターロックバンドのフルアルバム。一聴してU2のようなヨーロピアンテイストと、ロキノン系がバランスよく融合された作品。掘り下げて聴くと、細かいリフや音色に深いこだわりを感じる。2021年11月メジャーリリース。当スタジオではマスタリングを担当。
SlingshotMillion2 「アスミライ」
メロコアというジャンル枠に収まりそうで収まらない、男女ツインボーカルロックバンドのマキシシングル。定番を押さえつつ、真正面ではなく少々斜めからのアプローチがユニーク。
COLLAPSE 「GARDEN」
ミドルテンポのメロディアスなシューゲイザーチューン。個人的にはPale Saintsの「Kinky Love」が轟音になったような印象を受けた。Slowdive好きにもおすすめの一曲。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第81回
今回も、OKUTSU DENKOUのプレミアムな電源ケーブルをご紹介します。
OKUTSU DENKOUの開発したAir Cableシリーズ。
下の写真は前回ご紹介したエントリーモデル、strike AIR3-ST-1.5です。
AIR3には、この他に2つの上位機種Alchemy AIR3-AL-1.5とDestiny AIR3-DS-1.5があります。
そしてAIR3シリーズよりもう一段階以上の高級な音像を楽しめる、Universe AIR4-UV-1.5をご紹介します。
ワイドレンジで非常に位相が良く、きらびやかなフラットさが魅力で、どのような機材と組み合わせても全く死角がありません。
発売当時、定価で10万円ちょっとでしたが、ごくまれに中古市場で4~5万円で出ていることもあります。
既に1~3万円くらいのエントリーから中堅クラスのケーブルを所有していて、もっとステップアップを狙っている方には打ってつけの逸品と言えそうです。
【大学生バンドのセルフREC】
前回に続き、バラード曲のコーラス録り
Bメロ上ハモ、下ハモ、上ハモ下ハモのダブリングにチャレンジ。
Bメロの主メロは比較的中低域寄りなので、上ハモから録る。
その前に主メロのピッチ、リズムを直す。
Bメロは、Aメロと比べ楽器のアレンジが大きく変わる。
そこを見据えて、マイクはBLUE Dragonflyをチョイスした。
練習とバランスチェックを兼ねて数回試し録りをし、本番へ。
3rdテイクをOKとして、一部ピッチとリズムを修正。
2Bは主メロが少し変わる。1Bのつもりで歌ってみるとずれが出たので、ガイドメロディーを確認して数回テイクを重ねる。ようやくOKテイク、ピッチとリズムを修正した。
次はBメロの下ハモだ。
【今月のちょいレア】 TASCAM VL-X5
TASCAM VL-5シリーズ3種類のうちの一つ。大きさ、形、サウンドキャラクターはVL-A5に近いが、VL-X5はそれよりややシックでよりフラット。10年以上前の製品だが、中古市場で2万円台で見かけることも。3~5倍くらい価格が高い、欧米のスピーカーともいい勝負の実力を持つ名機なので、小型スピーカーから卒業したい方に是非おすすめしたい。
【今月のMV】 two pack milk 「わかりやすい癖」
https://www.youtube.com/watch?v=Q4QeIE9vAKE
例えるなら「オルタナ系メロディアスロック」とでも言うべきだろうか。独自の路線をまい進するtwo pack milkの意欲作。シューゲイザー系ギターサウンドとクールな映像とのコントラストが新鮮だ。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
PEI 「夢を見る島 / 瓦礫の上に立つ女」
福島県いわき市在住ギターロックバンドのシングル。王道サウンドの中にも、多少の亜流的要素が見受けられる点が個性になっている。声質と歌詞の絡み、楽器陣とのクロスオーバーも好印象。
前田和花 「月はおもしろいほど輝く」
高知出身18歳シンガーソングライターのメジャーデビューアルバム。椎名林檎や大森靖子に通ずるハスキーな声質や独特な世界観に、中毒性を感じる人が続出する予感。2021年10月全国発売。当スタジオではマスタリングを担当。
Talk Never Talk 「Flow」
カナダ、オーストラリア、日本の多国籍グローバル3ピースロックバンドのシングル。最新ビルボードチャート的な要素と、ヨーロッパインディーサウンドがハイクラスに混合しているのが聴きどころ。当スタジオではRECを担当。
Weather Forecast 「SLOUCY」
福島県会津若松市在住ロックバンドのシングル。80~90’sのJ-POP、J-ROCKド直球サウンドだが、20数年前に制作した楽曲を、少しずつアレンジを変えながら完成させたプロセスに、いわゆるオマージュではないものを感じ取ることが出来る。すべての世代におすすめ。
Risky Melody 「ESPERANZA」
Vo.アリスを中心とするガールズロックバンドのフルアルバム。各曲ごとのコンセプトの違いが音楽性の幅を広げつつも、根底では全曲通して一本の連続したストーリー性が完成している。スキャンダラスな雰囲気が見え隠れする楽曲にも着目したい。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第80回
今回からOKUTSU DENKO(奥津電工)の電源ケーブルをご紹介します。
OKUTSU DENKOは2008年に、絶縁体に独自の「空気絶縁構造」を採用したOFC導体を使用し、プラグ部には独自の固定機構を備えた電源ケーブルAir Cableを開発し、高い評価を得ているメーカーです。
【Strike AIR3-ST-1.5】
エントリーモデルであるこの電源ケーブルの一番の長所は、デジタルハードウエアとの相性です。
例えばオーディオインターフェース、マスターレコーダー、デジタルシンセ、ワードクロックジェネレーター、PCなどに使用すると、デジタルのギスギスした質感が和らぎ、ナチュラルかつプレーンな雰囲気を楽しむことが出来ます。
デジタル系に強いだけでなく、アナログ系機材でもディスクリート式のマイクプリ、EQ、コンプなどと相性ばっちりです。
発売当時4万円前後でしたが、現在中古市場で2万円前後で見かけることもあります。興味ある方はチェックしてみてください。
【大学生バンドのセルフREC】
【Aメロ上ハモコーラス録り】
Aメロは基本「上ハモと上ハモダブリングのみ」だが、楽器の音数が少なく1つ1つのパートが目立つので、全くごまかしが効かない。
コーラス録りの前に、メインVo.のピッチ、リズムをより丁寧かつ音楽的に直すことにした。
メインVo.のAメロ、2Aメロのピッチを、全直しに近いくらいに修正、リズムも多少修正。不自然にならないように修正することを心掛ける。
Aメロ上ハモコーラスの練習を開始、モニターバランスを下図のように調整。
マイクは前回と同じくCAD E300S
モニターバランスをリアルタイムで調整しながら数回録り、3回目がドンピシャにはまってOK。
2A上ハモコーラス録りは、1回目は惜しくも歌詞の間違いがあり2回目でOK。
Aメロ上ハモのダブリングを軽く録ってみたが、一聴して暑苦しいとの感想が多く、無しになった。
次はBメロ上ハモから。
【今月のちょいレア】 TASCAM VL-S5
前回紹介したVL-A5よりサイズは一回り小さいものの、パワー感はほぼ変わりない。全音域がバランス良く前に張り出し、加えて奥行きもよく見える真の実力機。ハイエンドブランドの同程度スピーカーを比較しても、勝るとも劣らないクオリティーはさすがである。生産完了品。
【今月のMV】 武田 愛 「So many stars - Japanese version」
ノラ・ジョーンズやシャーデーに代表される、セピア色のような空気感が漂う楽曲。映像と合わさると、オーセンティックでソフィスティケーションされた、肩の力を抜いた作品にブラッシュアップされている。当スタジオではミックス、マスタリングを担当。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
GLOCK406 「白いカーテン」
楽曲、音色、リズムパターンなどオーソドックスなギターロックに、Vo.が加わったとたん世界観ががらりと変わる点を大いに評価したい「GLOCK406」の配信シングル。細かいニュアンス、ディテールにとことんこだわったVo.を味わってほしい。
LeoLoop 「明日を描いて」
Vo.wataru、 Rap.ku-taによる男性ボーカルユニットのシングル。真っ向からJ-POPの王道を貫く楽曲に、独自の声質が絡むことにより彼らの個性がより前面に打ち出されている。
TALK NEVER TALK 「TALK NEVER TALK」
オーストラリア、カナダ、日本、とそれぞれ国籍の違う3人からなるボーダレスロックバンドのデジタルシングル。ポストロックと、最近のトラップが融合したニューエイジロックとでもいうべき特徴をそなえたサウンド。どこからどう聴いても洋楽ど真ん中です。
ZERo 「Missing Paradise」
明るさと暗さが同居する、独自の個性が発揮された楽曲を創り出すZERoのデジタルシングル。モダンポップサウンドに乗せて、癒しを与える歌声がより輝きを増している。
BErgamot velmail sole 「BErgamot velmail sole」
「民族音楽とブリットポップの結合」という点ではクーラシェイカーのようでもあり、「斜めからえぐるようなエスニック要素」という点ではバンド独自の個性を大いに感じる。視点を変えれば様々な音楽の融合が見えてくる作品。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第79回
今回もACOUSTIC REVIVE のパワーケーブルを取り上げます。
【POWER SENSUAL MD】
最近まで、ACOUSTIC REVIVE社国内販売用パワーケーブルのフラッグシップモデルだった製品です。(現在のトップモデルはPOWER SENSUAL MD K)
一際目を引く鉄の筒のようなパーツは「出川式MDユニット」と呼ばれ、電源ケーブルから発生する磁界を打ち消し、電源供給能力の劣化を抑える効果があり、電源ノイズ、グラウンドノイズを強力に消滅させ、S/N比が大幅に向上するそうです。
価格は、これまで紹介してきた同社製品と比較して一桁違いますが、実力は一桁どころか二桁以上違うと思います。
【大学生バンドのセルフREC】
今までに録った上ハモと上ハモダブリングのピッチをプラグインで修正、リズムのずれも少しずつ修正して、違和感がなくなった。
いよいよ下ハモ録り本番に突入。
上ハモ録りのマイクは中高音域がびしっときまるSHUREを使用したが、下ハモ用には中低域がリッチなCAD E300Sを使うことにした。
マイクのキャラクターが変わったので、モニターバランス、音色を念入りにチェック。練習がてら数回試し録音をした。
サビ1下ハモ録り 本番1回目。
全パート再生すると悪くない印象だったが、ボーカル各パートと今録った下ハモを部分的に聴くと、下ハモのピッチ、リズム共にずれており、ニュアンスもイマイチだったので、1回目テイクは没。
2回目を録り、先程と同じようにボーカル各パートと下ハモだけ取り出して聴いてみる。2回目はリズム、ピッチともにギリギリ大丈夫、雰囲気も良かったので修正してOKとする。
サビ2下ハモ録り 本番1回目。
慣れてきたようで全体的に良い感じ。修正してOKになった。
サビ3下ハモ録り 本番1回目。
サビ3の下ハモラインは他と少々違うので、まずハモリラインを単独で鳴らしてチェック。
1回目録ってみたが、先程までの癖が抜けずつられてしまう。
2回目でだいたいOK。ピッチ、リズムを修正。
続けて下ハモダブリングを録る予定だったが、お腹一杯な感じになってしまったので、次はAメロ上ハモを録る予定。
【今月のちょいレア】 TASCAM ニアフィールド・モニタースピーカー VL-A5
価格の1ランク上のクオリティーを保つ音響製品を提供し続ける老舗ブランドTASCAMの、ニアフィールド・モニタースピーカー。「真面目で素直な音」というブランドイメージとは少々異なり、「最近の海外ブランドスピーカーの派手さ」に通じる音像が印象的だ。ただし、色付けがあるというよりは「全体的にきらびやかなフラットさ」がある感じだ。
【今月のMV】 Andare 「希望のうた」
https://www.youtube.com/watch?v=Ms2ohepJmTo
Andare定番のヒーリング系バラードのMV。歌詞、歌声の存在感が、聞き手の感性にストレートに響く。一度聴いたら脳裏に焼き付く名曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
GLOCK406 「20」
「ソフトなエモーショナルギターロック」というキーワードが思い浮かぶ、空想力全開の一曲。歌詞の1ワードごとのニュアンスにこだわっており、街で流れていても耳を捉えるであろう存在感がみなぎっている。
ボトルメール 「なつぞめ」
いわゆるロキノン系枠、といえるスタンダードな一曲。ただ繰り返し聴くと、細部にわたり一筋縄ではない工夫が施されているのがわかる。リスナーを選ばない間口の広さが、次世代につながっていく作品。
ボトルメール 「また、ここで」
前出の曲と少々パターンが違う点は、歌詞、メロディーライン、声質、そして全体のアレンジの一体感が、かなり深いところで混然一体となっていることだ。おそらく5年、10年経っても色あせない魅力にあふれている。
ハレひらく 「赤 / 渡月橋」
ド直球J-POPかと思いきや、楽曲の細部にわずかに変化球的な要素が含まれている。それ故に不思議な世界観が構築されているのが個性であり、魅力となっている。当スタジオではミックスとマスタリングを担当。
THE SKA JUNCTIONS 「Feel the Beat」
スカに加え様々な音楽要素がクロスオーバーし、練りあがった「ハイブリットスカ」をキーワードに掲げる彼ら。この曲もスカ+αが絶妙にブレンドされている。スカに馴染みのないリスナーでも、自然に聴ける要素が十二分に感じられる。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第78回
今回も国内を代表するハイエンドケーブル&オーディオアクセサリーメーカー Acoustic Reviveのケーブルをご紹介します。
【POWER REFFERENCE】
今は生産完了していますが、前回・前々回に紹介した同社パワーケーブルよりレンジが広く、音像がより前にくるフラットさが特徴です。他メーカー 2~3万円クラスのミドルランクケーブルとは次元の違う、しなやかな力強さが堪能できます。メイン機材に使用すれば、システムのパワーアップを容易に感じられることでしょう。中古市場で5~6万円で見かけることがあります、興味のある方は是非探してみてください。
【大学生バンドのセルフREC】
とりあえず、全部のサビの上ハモについてはダブリングまで録り終わった。
次に「全部のサビの下ハモ、下ハモダブリング」を録るか 「AメロBメロの上ハモ」を録るか迷ったが、サビの感覚が頭にしみこんでいるうちに「1サビの下ハモ」からとりかかることにした。
マイクは上ハモと同じくSHURE KSM44/SL
三声目となる今回のハモりは、かなり難易度が高そうだ。
MIDIでガイドメロディーを打ち込み、オーディオファイルに変換してプロトゥールスにインポートして使うことにした。
モニターバランスは以下の通り。
練習で1サビをループしながら、モニターバランスを少しずつ整える。
三声目のハモりは、職人技並みに困難を極めることもあるので、とにかく慎重に。
バランスが決まり1テイク目を録る。
全パート鳴らした状態でプレイバックすると、なんとなく合っているような感じだが 「メインVo、上ハモ、上ハモダブリング」と今録った下ハモだけで聴くと、結構ずれている。
下ハモのずれが一番目立つが、上ハモのダブリングのずれも気になる。
そこで、全部サビの上ハモダブリングをプラグインでピッチ修正して、その後下ハモを録ることにした。
【今月のちょいレア】 SHURE SRH440
ダイナミックマイクで有名なSHUREだが、ヘッドホンでも年々知名度を上げてきている。SRH440は決して上位機種ではないものの、フラットさに定評がありプロ現場でも見かけられるようになってきた。
【今月のMV】 Beadroads「RAINとPAIN」
古くはビートルズ、トッド・ラングレン、XTCあたりの影響がさりげなく感じられる、玄人受け必至のポップソング。New Radicals、Beth Orton、ジェリーフィッシュなどのエッセンスも漂ってくる。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
脳ジャズ featuring J.Lamotta すずめ 「I Love You Baby」
ソウル、ファンク、アシッドジャズをベースに、ネオR&Bやリアルタイムのクラブジャズなどが高次元に絡む、真にピュアな玄人作品。
THE SKA JUNCTIONS 「CHALLENGER」
スカのオーセンティック要素に、パーティー風J-ROCKが真っ向から入り込んだ意欲作。ブラスセクションのリフはルーツ的要素を小出しに感じさせ、直球で攻める他パートとのせめぎ合いに彼らのオリジナリティーを感じる。
BOOGIE HEADS 「Volume One」
ニューオーリンズサウンドが全ての土台にあり、ブルージーでバレルハウス的な世界観がストレートに包み込まれている現在進行形ルーツミュージック。当スタジオではM-3、M-5のマスタリングを担当。
THE SKA JUNCTIONS 「Summer Dive」
バンドが掲げる「ハイブリッドスカ」というキーワードの母体となるリード曲の一つ。ポップなメロディーと裏打ち、そして千変万化するギターサウンドとのコラボが楽しい。
みならいモンスター 「恋花火」
三姉妹バンドみならいモンスターの渾身の一曲。アレンジのバリエーションが作品を出すごとに広がっており、幅広い進化を十分に感じることができる。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第77回
今回も、国内を代表するハイエンドケーブル&オーディオアクセサリーメーカー Acoustic Reviveの電源ケーブルをご紹介します。
【POWER STANDARD Triple-C FM】
前回取り上げたAC2.0 Tripleの上位モデルにあたり、音楽的なフラットさを醸し出すキャラクターを踏襲しながら、さらにワイドレンジにパワーアップした製品です。
レコーディング機器はもとより、ギターアンプ、ベースアンプ、エフェクターやシミュレーターまでオールマイティーに使用することが出来て、全く死角が見当たりません。
販売価格は新品で3万円台前半。システム全体のサウンドクオリティーを上げたいのであれば、メイン機材にこのPOWER STANDARD Triple-C FMを使用することをおすすめします。
【大学生バンドのセルフREC】
前回に引き続きミスチル風バラードのコーラス録り。
【曲の構成】
サビの上ハモ録りは全部終了したのだが、さらに上ハモのダブリングを入れる。
まずサビ1の上ハモダブリングから。
少しキャラクターを変えるため、マイクはSHURE KSM44/SLを使う。
【モニターバランス】
サビ1の上ハモダブリングは、モニターバランスをとった後、各サビごとに3回ずつ歌ってみる。
3回分のいいところ取りをして、ピッチを修正し、予想の半分くらいの時間で終了した。
次回は各サビの下ハモ、下ハモダブリングの予定だ。
【今月のちょいレア】
Avid Protools専用キーボード
Protoolsオペレーションに特化した、Mac用キーボード。カラフルにデザインされた様々なショートカットキーが、創作意欲を掻き立ててくれる。
【今月のMV】
日々かりめろ「蜜源(ライブ動画)」
https://www.youtube.com/watch?v=9HbCSYHc2M8
新作フルアルバムのリーディングトラック「蜜源」のライブ動画。京都LIVE SPOT RAGで収録された。音源と全く変わらない高い演奏力、ライブ感が一体となり曲の魅力を一層引き立てている。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
日々かりめろ 「115(ヒビゴー)」
結成5年目、5作目となるフルアルバム。単なる節目を飛び越えた濃密な内容で構成されながら、肩ひじ張らずに聴きこめる。ゲストミュージシャンの参加により、絶妙なマジックが堪能できるのもポイント。2021年6月全国発売。
The echo dek ft.LEO and 綱彦 「EVERYBODY IS MY FRIEND.」
ゲストにkroiのLEO、Dreamcastの綱彦を迎えた新世代ダンスミュージック。もはや「ロックとヒップホップの融合」といったキーワードが古く感じてしまう、現在進行形でDeepな挑戦作となった。
sunnyside suicide 「ホワイトスランバー」
ちょっとサイケでオルタード、少しポップなグッドメロディーを捉えたロックバンドのデジタルシングル。アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの中間を堂々と表現する頼もしい音楽性に今後も期待する。
RIVER BABY 「it’s up to you」
トラップとトリップホップの要素がふんだんに盛り込まれたヒップホップサウンド。トロピカルハウスのエッセンスも微量ながら感じられ、ラップとの絡みに良い意味での化学反応が起きている作品。
深刻なエラー「車窓の月」
シューゲイザーとギターロックの中間を攻める、オルタナバンドのシングル。一聴するところUKプロジェクト系サウンドとも言えそうだが、最新洋楽テイストがギターフレーズからにじみ出ている。