今回はまず、私がレコーディングで関わっているバンド・アーティストの中でも、特に活動レベルが高く個性的な3組をご紹介します。
★Andare(アンデア)
「国吉亜耶子and西川真吾Duo」名義で活動、年間100本以上のライブやフェス、サーキットイベントに出演。フジテレビ系ドキュメンタリー「Nonfix」エンディング曲を担当。
2016年「Andare」に改名し、サポートメンバーに下上 貴弘(アルカラ)星 直旗(僕とモンスター)佐藤 学(おいおい教バンド、ロックンロールサービス)を迎え、Andare名義での1stアルバムを発売する。
*JUNGLE LIFE 251号WEB及び誌面P26・27にインタビューが掲載
★S.H.E(Struggle-Head,Emergence)
世界最大のインディーズバンドコンテスト「EMERGENZA MUSIC FESTIVAL 2011」で優勝、並びにベストベーシスト賞を受賞。日本代表としてドイツで開催されたEMERGENZA INTERNATIONAL FINALに出場し4位入賞。渋谷O-WEST、新宿ロフトでワンマンライブ、岩手県の音楽イベント「いしがきMUSIC FESTIVAL」にゲスト出演。その他にもチバテレビ「応援美女子」エンディング曲担当、月刊サウンドデザイナー2015年3月号に企画素材曲を提供。
この度6枚目となるフルアルバムを全国発売する。
*JUNGLE LIFE 251号WEB版及び誌面P24・25にインタビュー掲載。
★川嶋志乃舞(かわしましのぶ)
東京藝術大学卒、三味線日本一に四度輝くなどの経歴を持ち、自ら作詞作曲もする才能あふれる彼女。数か月前にフルアルバムを発表、間髪を入れずに今回4曲入りE.Pをリリースする。氷川きよし「見えんけれどもおるんだよ」(アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』新章「西洋妖怪編」新EDテーマ)に津軽三味線と長唄三味線で参加、西日本最大のフェス「MINAMI WHEEL 2018」に出演。年末には台湾、来年春にはロシア公演も予定されており、音楽ジャンルや世界を越えた活躍が期待されている。
【大学生バンドのセルフREC】
セルフRECもいよいよMIXにとりかかったが「どこから手をつけたら良いのか」に迷うメンバーたち。
↓【MIX完成予想図】
どのパートから手をつけるのかは、プロのエンジニアでも様々であり、曲調によっても変わることがあるのだが、大きく分けると
① ドラム、ベースから
② (歌ものなら)歌から
③ 全体を少しずつ
のいずれかが多いようだ。
MIXを行う上で一番大切なことは「モニタースピーカーのフラットな環境」だ。
「モニタースピーカーから出る音がすべてフラットで正しい」ということを大前提に音をいじっていくので、この基準にかたよりがあると仕上がりが微妙になる。
例えば海外製のパワードモニターは国産のものより低音が強く出る傾向があるので、これをそのままMIXに使ってしまうと他のモニターで聞き比べた時「低音が少なめ」になっている、ということにもなりかねない。
また「良いヘッドフォンがあるからモニタースピーカーは必要ない」という考えもあるようだが、基本は「モニターから出てくる音が空気を伝って耳に入り、バランスをチェックする」のが一番自然である。
細かいノイズチェック、エフェクトのかかり具合のチェックにはヘッドフォンは最適だが、全体のバランスを聴くには向いていない。
理想はかたよりのない良いモニタースピーカーと、細かい部分もしっかりチェックできる良いヘッドフォンの両方を持っておくことだ。
【今月のMV】 極悪いちご団 「 追え!御江戸町娘 」
千葉県ニューマッドシティ(新松戸)が生んだファンキー演歌歌謡バンド。洋楽ファンクロックをベースに、歌謡曲、演歌、80年代J-POPの要素も見え隠れする独自の音楽性を持つ。2018年12月に新譜をリリース予定。
【今月のちょいレア】 Forcusrite Mixmaster
T.C.electronic Finalizer96kやDBX Quantamのライバル機種でもあるマルチバンドコンプの名機。
ビートルズのプロデューサー、ジョージ・マーティンが愛用していたことでも有名である。生産完了品。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
S.H.E(Struggle-Head,Emergence) 「 AtoZ-Anxiety to Zillion- 」
オルタナティブロックという範疇を軽々と飛び越え、5人の個性が1つの大きなベクトルの中でせめぎあいながらまとまっている。サウンド的にも余裕を感じる、現時点での最高傑作と言えよう。2018年11月britttfordレーベルより全国発売。
Andare 「 鏡に映る花のように 」
以前からの流れを踏襲しながらも、一回り大きくなった彼らの新作。国吉の攻めのピアノ&Vo.と、西川の紳士的ながらもアグレッシブなドラムとのバトルが頼もしい。歌声や歌詞から少し尖った安堵感もある。サポートベースに、アルカラの下上貴弘氏が参加しているのも話題の1つ。2018年10月ベルウッドレコードより全国発売。
川嶋志乃舞 「 ラブハイウエイE.P. 」
数か月前にフルアルバムをリリースしたばかりだが、インターバルの短さとは反比例して、演奏・作詞作曲ともにますますスキルアップしている。今回も新進気鋭のドラマー渡邊シン氏(ex.映画「坂道のアポロン」、ジェジュンコンサートツアーに帯同など)アレンジャー宮野弦士氏(ex.フィロソフィーのダンス)が参加、楽曲の魅力を最大限に押し上げている。
ハルヨリ
栃木在住ギターロックバンドのシングル。楽器隊はもとより、歌と歌詞を大切にするピュアな精神と、彼らの一番根底にある熱量が沸々と伝わってくる。ライブパフォーマンスも魅力的であり、今後ますますの活動を期待する。
GROANING BARBARIAN 「 沈む箱舟 」
キャリア10年超のベテラン勢で結成された、モダンヘヴィネス系バンドのシングル。全体的にダウナーでありながらも、等身大の疾走感がにじみ出ている。デスボイスの絡み方がナチュラルな雰囲気を醸し出しており、ラウド系リスナー以外からも支持されそうな可能性を感じる。
日本を代表するシューゲイザーバンド、cruyff in the bedroomが毎月最終日曜に開催している
シューゲイザー特化イベント「Total Feedback」が10周年を迎え、10年ぶりとなるコンパイルアルバム第2弾をリリースします。当スタジオもcruyff in the bedoroomの楽曲レコーディング、ミックスと、参加12バンド全曲のマスタリングを担当させていただきました。12バンド中4組が海外勢ということも大変話題になっています。
イベント主催者であるcruyff~のハタ ユウスケ氏をはじめ、参加バンド4組よりメンバーなど5名、進行役にdisk unionの小野氏を迎えたJUNGLE LIFE SPECIAL TALK SESSIONに、私 樫村も参加させていただきました。この対談の模様はJUNGLE LIFE本誌250号P22・23とJUNGLE LIFE WEB 9月更新分に掲載されています。ぜひご一読ください。
「Total Feedback 2018」2018/10/10 Release
Only Feedback Record JCSS14-19 ¥1,500+税
参加バンド紹介およびライブ情報は公式youtubeチャンネルをご覧ください。
【大学生バンドのセルフREC】
セルフRECも終盤に差し掛かっているが、MIXにはまだ1曲も手を付けていない。全6曲中2曲は全てのパートを録り終わっているので、今回は【4つ打ちダンスロック】をとりあえずMIXしてみようということに。
MIXにおける重要なポイントは「完成形がある程度、頭の中で描けているか」。
ゆえに一連のRECでは、常に完成形を想定して録音してきた。
【4つ打ちダンスロック】のMIX完成予想図
また、どういうシステムでMIXをするべきかを考える。通常ならPCとインターフェースだけで完結するところを、下記のようなセッティングで進めることにした。
数あるトラックをある程度グループ分けして束ねることを「ステムミックス」と言うが、今回が8系統に分け、オーディオインターフェースのパラアウトからアナログミキサーに出力。いわゆる「サミングミキサー」的にアナログミキサーを活用する。これによりPC内部でのMIXでは実現しにくい、ファットでリッチな質感が演出しやすくなる。
裏面
次にアナログミキサーのステレオアウトを、Finalizer96kまたはDBX Quantum、ForcusriteのMIXマスター系のマルチバンドコンプなどのアウトボードに通し、音圧を少々稼ぎつつリミッター的に使用しピークを抑える。
マルチバンドコンプ
その信号をマスターレコーダーなどに入力し、アウトプットの音を聴きながらMIXをすると、バウンス時における音の変化を極力抑えることが出来る。
また、スピーカーも専用スタンドやインシュレーターを使用し、しっかりと音像が見えるよう努力することを忘れてはならない。
これらを実行するには予算、スキル、根気、センスなどの全てが必要になるのだが、やっただけの価値が充分にある。
【今月のちょいレア】 MACKIE DESIGNS CR-1604
【今月のMV】 S.H.E(Struggle-Head,Emergence)「hiria」
トリプルギターをフィーチャーした、女性Vo.オルタナ・エモロックバンド。マニアックだがノーマルすぎない落としどころが印象に残る。年内に2年ぶりとなる新作を発売予定。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
V.A 「Total Feedback 2018」
シューゲイザーバンドcruyff in the bedroomがオーガナイズする、アジア4か国のハイエンドシューゲイザーコンピの決定盤。濃密な内容にネクストステージのあらゆる可能性を感じる。2018年10月、日本およびアジア圏で発売。
Jam en drop 「MONSTER」
80~90年代のアメリカンハードロックを基調とした、女性Vo.ロックバンドのシングル。常に攻めているSAXの存在が、バンドサウンドに絶妙にマッチして素晴らしい。ワン&オンリーな世界観が、着実に構築されつつある。
LITTLE RED PUZZLE 「TREBLY」
15年のキャリアを誇る、ベテランR&Rバンドのミニアルバム。Vo.YUのハスキーな歌声に磨きがかかって、更に全方位に存在感を増している。大御所バンドとの対バン経験の多さにも目を引かれる。
Beadroads 「SUNSHINE」
70年代アメリカンポップスに現代のフィルターを通すことにより、モダンJ-POPなるジャンルを確立させた活動歴20年Beadroads。シュガーベイブの進化形とも解釈できる意欲作。良質なポップスを求める人に特におすすめ。
Boyish 「めざめ」
90年代ソフトオルタナティブを通過した、はっぴいえんど系ポップグループのアルバム。バックグラウンドの広さと深さが自然とにじみ出てくる、等身大のマスターピース作品。2018年10月全国発売。
【dbxシリーズ第4弾】
今回取り上げるのは、2000年初頭にdbxが満を持してリリースしたデジタルマルチダイナミックプロセッサーQuantumです。
【表面】
【裏面】
Quantumは「デジタルマルチバンドコンプ」「シングルコンプ」「EQ」「Normalize」といった機能を備えた、いわゆるマスタリング用のアウトボードです。
当時プラグインとしてリリースされていたマキシマイザーやマルチバンドコンプと比較しても、相手にならないくらいのクオリティーを保っていました。
また、ハードウエアのライバル機種としてはT.C.electronic Finalizer96kや、Forcusrite MixMaster、そしてタイプは異なりますがWAVES L2(ハードウエア)などが挙げられ、Quantumと比較検討されていました。
【T.C.electronic Finalizer96k】
【WAVES L2】
この時代のアウトボードは、アナログ、デジタルのインプットとアウトプットの使い勝手の良さが秀逸です。例えばエントリーモデルのオーディオインターフェイスとつないで使用しても、かなりの威力を発揮します。
2018年8月現在、上記に挙げたようなアウトボードの現行機種はほとんどなく、中古で探すしかない状況です。レアで状態の良い物はなかなか入手困難ではありますが、Quantumでしたら3万円台(発売当時18万8千円)、Forcusrite MixMasterが5万円前後、Finalizer96kは6~8万円(発売当時30万円前半)、WAVE L2は10万以上といったところでしょうか。
QuantumとFinalizer96kを比較すると、音のレンジとワイドさはFinalizer96kが、ノーマライズでの音圧の上り具合はQuantumがやや勝っていると感じます。
DAコンバーターとワードクロックに関しては、個人的にQuantumの方が好みです。特にパンク、メタル、オルタナ、グランジ、シューゲイザー系に合うと思います。
マキシマイザー、マルチバンドコンプ系のプラグインは、この10年で相当の進化を遂げていますが、最新プラグインと2000年初頭のアウトボードを比較しても、ほとんどの面で10数年前のアウトボードに軍配が上がります。
アウトボードならではの「ガシッとした感じ」、音像の面積、体積がよりナチュラルに広がる感じは、実機を体験していただかないとわからないのですが、気になる方はぜひ手に入れて検証してみてください。
Quantumの進化系、QuantumⅡというモデルも2005年くらい?にリリースされていました。こちらもたまに、中古で3万円後半くらいで目にします。
【大学生バンドのセルフREC】
録りもいよいよ終盤、数曲のコーラス録り、Key録り、ソロも含むリードギター録りを残すだけになった。全部のパートを録り終わりミックスに取り掛かれる曲もあるのだが、残っているパートを録り進めたのちに、ミックスを同時進行で行うことにした。
今回は【4つ打ちダンスロック】のキーボード録り。
定番の音色(ピアノ、オルガン、エレピ、ストリングス、クラビネットなど)ではなく、アナログシンセのリフ2音色を、Bメロとサビに入れることにした。
【使用シンセ:Roland JD-XA】
打ち込みで同期パートに入れてもよさそうなパートなのだが、アナログシンセ特有の「音色の時間変化に伴う予測不可能な効果」を狙うため、あえて手弾きにした。
Bメロ①アナログシンセのフィルターがかかったリード系音色のリフ。弾く強さによって音色が目まぐるしく変わり、打ち込みでは実現しにくい偶発的なサウンドが期待できる。
弾いてみると音色の変化は良いがリズムがイマイチ。音色のうねり具合を調節し、2テイク目。
3テイク目でOK。音色の波形を少しエディットし、2Bと3Bにもコピペした。3Bは最後2小節のコードが変わるので、ここのみパンチインで対応。
サビは、音色は同じだがリズムのシンコペーションが間違いを引き起こしやすい。テイクを重ねるたびシンコペーションには慣れてきたが、それでもつまづく。なんとかOKのでたテイクをエディットし、2サビ3サビにコピペ。3サビは2回しあり、アウトロ前の2小節は違うコードなのでここはパンチイン。
次にモジュレーションのかかったシンセブラスのリフ。サビのみに使う音色だ。シンコペーションに左右されないフレーズなので比較的大丈夫かも。数テイクを録って、とりあえずOKに。それぞれのサビのフレーズが少しずつ違うのでコピペは使えない。順調に録音を進めていくが、急にアウトロにもブラスの音色を入れることになる。いきなりだったので間違いも多いが、やはりこのフレーズをアウトロにも入れた方が効果的だと意見が合致し、テイクを重ねることにした。間違った箇所をパンチインしたり、音色のうねりがつながらない箇所は通して弾きなおして、キーボードを録り終えた。
これで【4つ打ちダンスロック】は全パート録音を終えることができた。
【今月のMV】The Echo Dek 「Sister On The Family Bed」
PHOENIXにも通じる、フレンチダンスロックのキラーチューン。近々新作音源をリリース予定、今後の活躍が期待できる。
【今月のちょいレア】T.C.electronic 2240
2chのプリアンプ&EQの名機。2Mixを通して音作りが劇的に改善出来る、高品位な逸品。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
GREEN EYED MONSTER 「 1minute match 」
スペインをはじめとするヨーロッパツアーを敢行する、メロコアバンドのミニアルバム。最近では少数派になってきた硬派なパンク精神が、サウンド全体から感じ取れる。
music makes me... 「 ひかりを描きつけるもの 」
ネオアコ、ソフトロック、アノラック、スウェデッシュポップの有機的なエッセンスが堪能できる名盤。ポップスの真髄が凝縮されている。
CHIERI SUZUKI 「 - TONE 002 – 」
ネオフュージョン、映画音楽、ヒーリングミュージックあたりにカテゴライズできる、ファンタスティッ
クなインストゥルメンタルの決定盤。前作よりもブラッシュアップされた内容にも注目。
いこち 「 化物屋敷に灯が点る 」
ニューハーフVo.蠍ちか子率いるR&Rバンドの自信作。オーストラリアツアーも敢行経験あ
り、グローバル感覚みなぎる作品だ。全国発売中。
スキャナーズ 「 世界の裏側 」
R&Rの大御所との対バンも数多くこなす、スリーピースバンドのアルバム。コミカルな歌詞と
独自のボイスの絡みが耳から離れない。
<dbx特集 第3弾>
今までシルバーシリーズと呼ばれるdbx3シリーズと5シリーズについて取り上げてきました。
今回は最新機種dbx676についてです。
<dbx676フロント面>
<リア面>
ブラックボディーが高級感を醸し出す676は、1chのチャンネルストリップです。
シルバーシリーズと比べ、マイクプリアンプ部はワイルドさが少し治まり、レンジが広くなってより幅広いソースに対応できるようになりました。
コンプ部はガッツ具合も少々残しつつ、よりナチュラルになりオールマイティーに使えます。
特にEQの音楽的な派手なかかり具合は特筆ものです。さすがは上位機種、と言えるでしょう。
DI部も秀逸で、特にベースRECに大活躍します。
一生使える手頃なチャンネルストリップは何か?と聞かれたら、迷いなくこの676をお勧めします。Neveをはじめとする最上位機種と肩を並べる実力機です。実機だからこそ出るこのキャラクターは、プラグインでは無理なのでは?と思います。
2018年7月上旬現在の実売価格は11万円前後といったところです。興味のある方はぜひ探してみてください。
<大学生バンドのセルフREC>
勢いにのってきたセルフRECのコーラス録りは、2曲分が終わり、次はテンポチェンジ有りのオルタナロックのコーラスだ。
サビのみのハモリだが上ハモ下ハモがあり、コーラスを担当するのはVo.ではなくギターとベースのメンバーだ。歌詞が違うのでコピペは使えず、テンポチェンジもあるのでリズムの変化にも気を付けなければならない。
使用する機材は前回と同じ。
<マイク:SE Electronics SE2200aⅡc>
<マイクケーブル:KLOTZ Titanium>
<チャンネルストリップ:TOFT Audio Designs EC-1>
<電源ケーブル:オヤイデ ブラックマンバ>
まず録りやすい3サビから、モニターチェックを兼ねて取り掛かる。
上ハモ2テイク目で、ピッチを少々直せば使えるレベルのものが録れた。保留して3テイク目で満足いく結果になりOKがでた。
次に2サビの上ハモ。歌詞に舌がもつれてあやふやに聴こえたり、歌詞を間違えたりで1テイク目と3テイク目のいいところ取りで解決する。
1サビの上ハモは調子が出てきて一回でOK。
1サビ下ハモに取り掛かる。すでに主旋律と上ハモで2声重なっているところに、3声目となる下ハモを加えることになるので、シビアにジャッジしなければならない。
モニターバランスも変更した。
とりあえず録ってみる。すでに録った2声と、下ハモのバランスがいまいちなので、さらにテストを重ねてバランスが出来上がった。
下ハモ録りの本番。1テイク目は主旋律のラインにつられ、2テイク目は上ハモのラインにつられなかなか満足いく出来にならない。3テイク目、前半はまあまあの出来なので残して修正し、後半はパンチイン。後半も修正してようやくOKとした。
2サビの下ハモ。録ってみたら後半はまあまあの出来だったので、前半のみ録り直し。ピッチを直せばなんとかなるテイクが録れたのでOK。
3サビの下ハモは一発OKが出て、この曲の全パートを録り終えることとなった。
<今月のMV> GREEN EYED MONSTER 「HELLO」
この秋ヨーロッパツアーを敢行するメロコアバンドの、一押しコンセプトMV。
<今月のちょいレア> Waves L2
マキシマイザーの代名詞ともいえるL2のハードウエア版。プラグインでは成し得ないリッチな音像を、いともたやすく演出できる逸品。約10年前にディスコンとなった名機である。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
Rina Hoshino feat.Shoya Kitagawa 「Attack!!」
ジャズギタリスト矢堀孝一のツアーにもレギュラーで参加している、プロベーシスト星野李奈の
初リーダー作。ハイクオリティーながらキャッチーでアカデミックなフュージョン系インストに仕上が
っている。Dezolveのギタリスト北川翔也が、G.に加えアレンジ、トラック制作で全面参加して
いる。
GENSEKI 「サイキッカー」
エモロックとラウド系の中間に位置するロックバンドのミニアルバム。セミハイトーン系Vo.と、ラウ
ドに振り切らないギター系の音色との紙一重なマッチングが素晴らしい。ラブソング的な歌詞
が少ないのが逆に新鮮なバンドだ。
キリマルカラー 「キミイロ」
仙台在住、少々渋谷系の匂いを感じさせる男女ポップスユニット。スウェイデッシュポップにも
影響を受けており、日本語詞でも洋楽っぽさを感じさせる洗練されたセンスに注目したい。
品川ユースフル 「poppin」
ファンク、ディスコパンクなどが根底にあり、ハイソな上モノが縦横無尽に飛び交うギターロック
バンドのマキシシングル。ダークなルーツミュージックと最先端ヨーロッパダンスミュージックのフレ
ーバーもさりげなくミックスされている。
新宿良音演奏会
新宿を中心に活動するハイレベルな26組のバンドによる、2枚組スーパーコンピ盤。人気バ
ンド 鶴をはじめ、R&R、エモ、フォーク、パワーポップ、UKロック、オルタナなどとにかく幅広く濃
い曲が満載。全国発売中。
<DBXシリーズ第2弾>
前回では「5シリーズ」と呼ばれる566(デュアルチューブコンプ)、576(チューブチャンネルストリップ)、586(デュアルマイクプリ+EQ)について触れました。
今回は「3シリーズ」について取り上げます。
<写真上:376 下:386>
特徴について「5シリーズ」と比較しながら説明していきます。
①1chチューブチャンネルストリップ
576(写真上)376(写真下)
キャラクターは類似していますが、上位機種である576の方がレンジが広く、EQ、コンプのかかりもやや派手。
双方とも生産完了で、中古のみとなります。
②2chチューブマイクプリ
386(写真上)586(写真下)
通すだけでかなりファットになります。
586にはEQがついており、強烈なかかり具合は使い勝手が良く非常に重宝します。
386はEQなしでレンジも少々狭めですが、他のマイクプリよりファットになります。
スネアの表裏のマイク2chにかますのがお勧めです。
「3シリーズ」は376、386の二機種のみなので「5シリーズ」の566(デュアルチューブコンプ)に該当するモデルはありません。
最近まで現行機種であった「3シリーズ」は中古品の出回り率が高く、価格相場も2万前半~3万前半と手に入れやすくなっています。
【大学生バンドのセルフREC】
セルフREC作業も終わりが見えてきた。
あと数曲のリードギター、コーラス、キーボードを残すのみ。
【4つ打ちダンスロック】は全パート録り終えて、いつでもミックスに取り掛かれる状況。
だが今回は、コーラスのモニターバランスが良い状態なので【BPM=158:アジカン風ギターロック】のハモリ録りをすることにした。サビに上ハモが入るだけのシンプルなコーラスだ。
マイクは曲調に合わせてSE Electronics SE2200aⅡcをチョイス。
マイクケーブル:KLOTZ Titanium。
チャンネルストリップ:TOFT Audio Designs EC-1.
電源ケーブル:オヤイデ ブラックマンバ
モニターバランス
1サビは、モニターバランスの良さに加えて気分も乗っていたので、まさかの一発OKで録り終えた。ピッチ直しも必要ない完璧な出来栄えだ。
全サビの歌詞が違う為にコピペ作戦が使えないので、次は2サビのハモリ録りへ。舌がもつれたりして、ようやく3テイク目でOKにしてピッチ直し。
3サビは倍の量あるので前後半の二回に分けて録る。歌いやすい後半から録り始め3テイクでOK。
【アジカン風】のコーラスはこれで全部終了。次は【テンポチェンジ有オルタナ】のコーラスへ。
【今月のMV】 川嶋志乃舞 「プレミアムフライデーまで待ちきれない」
レトロ、フューチャー、ロマンチックあふれるカラフルなミュージックビデオ。どこかアンニュイさも漂い、一瞬昭和感も垣間見える。
【今月のちょいレア】 TOFT Audio Designs EC-1
デヴィッド・ボウイのエンジニアが設立したプロオーディオブランドの、エース的存在であるチャンネルストリップ。中音域の粘り気がファットで魅力的である。国内ではステップアップトランスと併用して使用すると威力を発揮する。
樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
YU-DAI 「SUMMER TIME INSPIRATION 2」
NewYorkにも進出しているHipHopアイコンYU-DAI氏の4thフルアルバム。ブラックミュージックの細部まで掘り下げた、マスターピース的な作品。2018年7月全国発売。
THE FREEMAN 「FAT LIPS」
ローリングストーンズ、フェイセズ、レイナード・スキナード、エリック・クラプトン、グレイトフルデッド&ウッドストック系にルーツを感じる、ブルースロックバンドのミニアルバム。今までよりもブルース色が強調されて、音楽性ににじみ出ている。2018年6月発売。
さよなら劇場池袋 「pie-ce / Fake in Nyanderland」
横浜在住ギターロックバンドのミニアルバム。展開がとてもカラフルなライブでは、カバー曲も多く披露する彼らだが、今作はオリジナル曲中心の構成になっている。
Tripletops 「Irotoridori」
ストロベリー・スウィッチブレイド、チャーチズ、t.A.T.u、Télépopmusikのエッセンスがさりげなく漂う、エレクトロ・デュオの1stアルバム。
スキャナーズ 「K.O」
邦楽R&Rをベースにしたトリオ・ロックバンドのアルバム。声質と歌詞の世界観が印象的。ライブパフォーマンスも圧巻で、真のエンターティナーと言える。
<お知らせ>ジャングルライフ発行人P.J氏と樫村の対談が、ジャングルライフ247号P46・47に掲載されます。
今回から、dbxシリーズについてご紹介しましょう。
dbxと聞いて真っ先に思い浮かぶのは「PA機器ブランド」というイメージですが、実はRec用としても優秀な機材が多いメーカーだと私は思います。
特にコンプが有名ですが、マイクプリ、チャンネルストリップにも良い製品があります。
革新的だったのは、1999年に当時定価14万円で発売された2chチューブコンプ「dbx566」、チャンネルストリップ「dbx576」、2chマイクプリ・EQ「dbx586」です。これらの3機種は“5”シリーズと呼ばれています。
“5”シリーズのマイクプリやコンプは、どれもワイルドでパンチのある音ですが、特筆すべきはEQの性能の素晴らしさです。今まで他メーカーも含め100台以上のアウトボードを試しましたが、これ程までに「派手に、かつ音楽的に」かかるEQは他にありません。
その特徴ゆえに、ナチュラル指向の音源には不向きかと思いますが、ヒップホップ、レゲエ、R&B、ラウド系などに多大なる効果をもたらします。
特にHighとLowのかかり方が秀逸で、他の機材の追随を許しません。
中古市場でたまに3万円台後半で販売されているのを見かけます、状態の良いものであれば是非試してみてください。
次回は5シリーズの弟分に当たる3シリーズについてご紹介します。
【大学生バンドのセルフREC】
以前、散々に打ちのめされた【4つ打ちダンスロック:BPM=170】のコーラスアレンジをやり直し、新たなコーラスを猛特訓して、いよいよ再チャレンジすることになった。
コーラスを重ねる予定のサビのメインVo.のピッチをAutoTuneで補正してから、コーラス録りに挑むことにした。
いかにも補正しました、と思われないように「グラフィカルモード」で丁寧に修正していき、いよいよコーラス録りに。
使用マイク:Audix CX111
マイクケーブル:Evidence Audio
アウトボード:Forcusrite Voice Master Pro
コーラスのモニターバランスは、他パート以上にシビアに行う。
1サビの上ハモを録る。
2テイク目を残し、AutoTuneで修正する。
2サビの上ハモも、本当はコピペで行きたいところだが、歌詞が違うのでコツコツと録り進めるしかない。3テイク目を採用し、AutoTuneで修正。
3サビは、まさかの1stテイクが無修正でOK。
3声コーラスは、より一層難易度が上がるので、モニターバランスもサビだけループプレイバックにして、細かく調整する。3テイク目がまあまあの出来だったので、これを修正して1サビはOKに。
2サビは一発OK。
3サビはピッチ、リズムは良かったが歌詞を間違えるというミスが。録り直して修正なしでいける出来に。
これでこの曲については、全パートを録り終わり、ミックスができる状態になった。
【今月のちょいレア】Fostex Model 2016
80年代後半にリリースされた16chラインミキサー。30年経った現在でも、音質的には同じ価格帯のものより1ランク上のクオリティーを提供してくれる。操作性も良い。
【今月のMV】 カイザーストロングバーツ 「風を掴む」
自由奔放に駆け巡るR&Rバンドの真髄が詰まった作品。とにかくリスナーをハッピーさせるバンド。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
Rapid an Falsetto 「 Where are you Standing? 」
スピード感のあるパワーポップ、ギターロックバンドのマキシシングル。的を得た活動のセンスが素晴らしい。
ROKI 「 1965 」
音がとにかくデカい。ラウド系よりも1ランク上の音圧が堪能できるR&Rバンドのアルバム。直観的な初期衝動で制作された本作は、よい意味で予定調和がない。
航空電子 「 サクラサク 」
某大手楽器メーカー社員で結成されたフォーク・トロンカ、オルタナバンドのシングル。「はっぴいえんど」のトリビュート盤に参加経験あり。
DARKNESS FLOW 「 Friend of Mine 」
栃木在住ヒップホップグループのシングル。ブラックミュージックを厳選したネタで網羅され、
深い音楽性が体感できる。Lunch Time SpeaxのGocchiもラップで一曲参加。
The Vision 「 course 」
横浜を拠点とするセミアコ、エレアコを全面的にフィーチャーしたエモロックバンドのシングル。
歌詞のセンス、メロディー、声質などが個性を醸し出している。
【お知らせ】
SOUNDDESIGNER 2018年6月号「マイク特集」特集記事P16~17で執筆、P37でコメントを掲載していただきました。ぜひご一読ください。
数か月に渡り、三味線奏者 川嶋志乃舞さんの1stフルアルバムレコーディングに関わらせていただきました。東京藝術大学を卒業後も、三味線界のポップアイコンとして国内外の様々なシーンで活躍する彼女ですが、自らが作詞作曲を手掛ける楽曲は「クールジャズ、EDM、ファンク、トロピカルハウス」などをハイソに織り交ぜ、古来からの伝統芸能をより進化させる「レトロなフューチャーポップ」とでも言うべき新たなジャンルを生み出しています。
三味線のレコーディング風景です。
使用マイク:Luwitt 640、Brauner Panthera、AKG P820 TUBE(MOD)、SE Electronic GeminiⅡ(MOD)、SHURE KSM44(MOD)、etc…
マイクプリ、チャンネルストリップは AVALON 737をはじめ VINTECH AUDIO 273やRUPERT NEVE 5024、TUBETECH MP1A(MOD)、DBX 676、586(MOD)などを使用して、超低音域から超高音域までの全ての音域を無駄なくカバーして収録しています。
和太鼓にはマイクを5本使用
ボーカルには2本使用しました。
三味線だけでなく、和太鼓、篠笛、子どもたちのお囃子など、音域も様々な特徴ある音をどのように、より良い音で録るかということに毎回試行錯誤しながら取り組んでいます。
【大学生バンドのセルフREC】
「アジカン風ギターロック」のギターパートを全部録り終わり、次はキーボードを入れる。
ライブではキーボードは入っていないのだが、音源化にあたりサビ部分にオルガンやストリングスを入れてみようということになった。
使用機材はRoland FA08(88鍵タイプ)
マイクプリ/DIは、Forcusrite 428MKⅡ。キーボードとオーディオインターフェースの間にこれを挟むと、生楽器との混ざりが良くなり、より音楽的になるのだ。
1サビにオルガンを入れてみるが選んだ音色が可愛らしすぎたので、もう少々ワイルドな音を選んで再度挑戦。グリッサンドが決まらなかったのでもう一度取り直してOK。
2サビ、3サビにも同じフレーズがあるのだが、ここは敢えてコピペはしないで録音をすすめた。
3テイクほどでOKを出す。
ストリングスパートは、3サビのみに対旋律フレーズを入れることにした。
Strings1の音色だと、音の立ち上がりが遅くフレーズに合わないので、エンベロープのアタックを調整して録り直す。弾き始めの7連駆け上がりフレーズが決まらないので、そこはパンチインを使う。納得のいくまで繰り返して、波形をジャストに近づけるようエディットしてキーボードパートを録り終えた。
【今月のちょいレア】APHEX EXCITER
エンハンサー、エキサイターの現存する、数少ないアウトボード。The Chainsmokersをはじめ、ワールドクラスアーティストのミックスにもしばしば使用されている。
【今月のMV】新村けんぞう 「独りよがりなボクと何も言わない君の歌」
JellyFishやWingsなどにルーツを感じさせる、ポップスの伝道師が放つキラーチューン。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
川嶋志乃舞 「月曜日のマドンナ」
キャッチーなポップナンバーからアーバンR&B、EDM、ビックバンドサウンドからファンクまで、
彼女の描く世界はまさに欲張りなフューチャーポップだ。三味線奏者としての確かな技術力
を軸に、今回も様々なチャレンジが気負うことなく詰め込まれている。2018年4月発売。
Omoinotake 「Hit It Up/ダイアローグ」
日本テレビの深夜番組「バズリズム」の挿入歌に起用された経験をもつ、シティーポップの雄 Omoinotake。ライブでも特に人気の曲を集めた7インチアナログシングル盤。
Pygmalion 「Reconstruction.ep」
Syrup16gをよりシューゲイザー化したかのような、オルタナティブバンドのep。音楽に対する博学的バックボーンが豊かで、質の高いアイディアがみなぎっている。
ISAKA YUICHI 「DAY565」
サンフランシスコ、シンガポールをはじめヨーロッパにも遠征しているヒップホップグルーKAIJINのリーダーが放つ意欲作。ルーツミュージックの優れた要素を全面に吸収して制作された。全国発売中。
V.A 「PUNKS AND SKINS ARE FUCKIN’ WALKING DOWN THE STREET」
70年代後半~80年代前半の初期パンク、モッズ好きにお勧めの名盤コンピレーションアルバム。当スタジオではEvil Substituteの楽曲を担当。
ここ数回Joemeekについて触れていますが、今回はJoemeekの「プラグイン」についてのお話です。
仕事柄、各種プラグインだけでなく、EQやコンプの実機も数多く持っているので「プラグインと実機」をリアルに比較しながら、日々作業しています。
さっくり言いますと、実機とプラグインは「ほとんどが別物」です。代用品ではないことが多いので、頭を切り替えて使用します。
しかし例外もあり、特にJoemeekのプラグインは実に音楽的な効果が期待できます。
Joemeekのプラグイン(コンプ)
「機材は結構そろっているが、電源を含むモニタースピーカーやケーブルなど周辺機器があまり充実していない状態でパラメーターをもらい、マスタリングのみを依頼される」
「パラデータをもらい、ミックスやマスタリングのみを依頼される」
上記のようなケースの作業時に、JoemeekプラグインのEQやコンプを使用することが多くあります。
プロ、アマ問わず、普通の部屋の家庭用電源を使用して制作されたトラックファイルは、ある一定のかたよりが見られることが多くあります。
↑上図のように「フラットではないところから作業している」場合、中低音域以下が薄く、逆に中高音域がどぎつくシャリシャリとしていて、ギターのエッジやハイハットのオープンなどのシンバル類が耳につき、痛い音になりやすいのです。
この現象をある程度改善することが期待されるプラグインとして、JoemeekプラグインのEQ、コンプが真っ先に挙げられます。操作も実にシンプルで使いやすくなっています。
音が細く、他と混ざりにくいといったファイルに対しても、このプラグインのコンプは大変良い結果をもたらしてくれます。
【大学生バンドのセルフREC】
【アジカン風ギターロック:BPM=158】のリードギターは、歪み系やクランチは全部録り終わり、残すはAメロのクリーンリフのみとなった。
ギター:ストラト
アンプ:Marshall JCM2000 TSL100(モディファイ)
マイク:SHURE BETA52、SM57、LEWITT MTP220
アンプ直なので、エフェクターは挟まない。
準備が整ったところで、モニターチェックと音色チェックを兼ねて1テイク、設定を作り直すがクリーンの音色が抜けてこない。
アンプのトレブルと、マイクプリのEQをいじって狙った音色に近づける
アルペジオのフレーズ、前半がなかなか決まらない。パンチインしてみるとリズムは良くなったがピッチに不満が残る。チューニングをやり直し、録りを重ねる。レガートなリフが多く、ピンポイントな編集がしにくいので、結果何度も演奏することになってしまった。休憩を挟み3回連続で録り、ようやくOK。他のAメロにはこれをコピペし、うまくはまった。
これで2曲分のリードギターは終了した。
【今月のちょいレア】ETEK Dynamagic
2chアナログコンプ。他のどのメーカーにも類似しない独特のキャラクターがウリだ。
ガツンとしながらも、どこかジェントルな質感に魅了される。
【今月のMV】S.H.E 「daub」
ドイツの音楽フェスにも出演経験があり、タイアップも複数あるエモロックバンドの力作。
ジャングルライフWEB連載「S.H.E meets Movies and Music」も是非ご一読を。
https://www.jungle.ne.jp/serial_post/s-h-e-243/
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
digda 「 From behind the moon 」
栃木在住、日×米のツインボーカルと、卓越した演奏力がウリ。ファンク、ソウルを中心にアブストラクト、エレクトロニカ、レゲエ、シューゲイザー、ディスコパンクを柔軟に飲み込んだ自信作。
GREEN EYED MONSTER 「 HELLO 」
神奈川県厚木市発のメロコアバンド新作。これまでも数回の全国流通盤を発売、フェス出演やヨーロッパ遠征も経験ありの実力派。
深川隆成 「 桜の季節 」
JAZZとAORがクロスオーバーした、有機的コンテンポラリーミュージック。少し抒情的な歌詞と、メロウな曲調のマッチングが素晴らしく、様々な音楽ファンを取り込む魅力にあふれている。
HOUSE
少し甘美な雰囲気がたまらない、ギターロックバンドのシングル。16ビートの楽曲と相性が良く、聴いていて自然に身体が動き出す。メンバーはそれぞれ茨城、千葉、新潟と遠距離ながらも、マイペースで展開している。
国吉亜耶子and西川真吾duo 「 PARAGRAPH –節- 」
メッセージ性の強い抒情的な歌詞と、シンプルながら洗練された楽曲とアレンジ、そして卓越した演奏力の彼らの世界観は圧巻だ。聴き手を選ばない懐の深い秀作。全国発売中。
【お知らせ】SOUND DESIGHNER2018年4月号の「宅録の主役 EQを知る」特集内の、P22「EQ処理を分析」、P64~66「パート別オススメEQ設定法(題材曲:中田ヤスタカ)」に執筆させていただきました。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第38回
今回ご紹介するのは、先回取り上げたJOEMEEKのメインエンジニア、Ted Fletcherが2000年初頭に立ち上げたブランド「tfpro」です。
写真は当スタジオのメインアウトボードの1つ「P2」で、極限までモディファイを施しています。15、6年前に発売された当初は定価22万円くらい、マイクプリ→EQ→コンプ×2の2chチャンネルストリップです。
このP2がディスコンになって修理が出来なくなり、それを機にモディファイを施した結果、ブリティッシュなテイストは残したままリッチなワイドレンジになり、あらゆる音楽ソースに対応できるようになりました。
元々の状態でもNEVEに負けないクオリティーをキープしているこのP2は、中古で10万円を切って販売されていたら即GETすべき逸品だと私は思っています。
完動美品なのは当然の条件、個人売買よりも専門店での購入をお勧めします。
個人売買は確かに安価ですが、専門店販売品は最低限の動作チェック済で保証がつくことも多く、安心です。
tfpro P2(写真上段:赤)と、先回ご紹介したJOEMEEK TWINQCS(写真下段:緑)です。
並べると兄弟機器のように見えますが、中のサーキット回路には結構違いがあり、音質もそれぞれに良さが違います。
P2の方はTWINQCSと比べるとパンチがあり、ラウド系にも対応できる点が長所だと感じます。
この2機種を最大限に活用するためには、ステップアップトランスを間に挟んで使用することをお勧めします。
日本の電圧は100V、欧米の電圧は115から240Vです。
海外製機材を日本の100V電圧で使用しても音は普通に出ます。
しかし、その海外製機材本来の性能が100%引き出されるわけではありません。
欧米の電圧と同じような性能で使用したい時、この電圧差を解決する周辺機器が
「ステップアップトランス」なのです。
日本で使用する電源(100V)と海外製機器との間にステップアップトランスを接続することで、電圧を100Vから海外並みの電圧(115V~)に引き上げることができます。
(但し故障のリスクはあります、あくまでも自己責任でお願いします。)
並行輸入品だけでなく、国内の正規代理店で購入した海外製品でも、電圧は生産国のままになっていることがあるので注意が必要です。「日本国内の店で買ったから、電圧も日本仕様になっているに違いない」と思い込まず、使用の前に電圧表記をチェックしてみましょう。
逆に日本製の機材を欧米で使用する場合には、機材が壊れないようにするために電圧を下げる「ステップダウントランス」を使用します。
【大学生バンドのセルフREC】
コーラス録りは、コーラス自体のアレンジをもう一度見直すことになったので、リードギター録りに突入。一番音作りがしやすそうな【アジカン風Gロック:BPM158】から。
使用ギター:ストラト。
アンプ:Marshall JCM2000 TSL100(モディファイ)
JCM2000 TSL100はクリーン、クランチ、歪みの3chがあるので、エフェクターをあまり使用しなくもいけそうな点がポイントだ。
リードギターは3パート分。クリーン系リフ、クランチ系アルペジオ、サビの歪み系アルペジオ。
マイク:SHURE BETA52、SM57、LUWITT MTP220
サビの歪み系アルペジオから音作り、モニターのチェックを始めた。
モニターバランスを見ながらテイクを重ねて5テイク目でOKを出し、続けてBメロのクランチ系音作り。音色もモニターも一発OKでIBから録り始める。リズムが突っ込みすぎなどの課題をクリアして2B へ。リードギター全般に言えることであるが、1B と2B ではフレーズが違うのでコピペは出来ない。2B は難なくOKを出して、次は一番難しい3Bだ。
前半のリズムが突っ込み気味、チューニングの狂い、などを直して2テイクでOKに。
音色を少々変更してイントロ、間奏、アウトロへ。クランチの音作りはトレブルを上げて、よりソリッドな音にした。
イントロから録り始める。音色はドンピシャだが前半のリズムが突っ込み気味で、前半のみパンチイン。つなぎ目のよれが大きいので、弾きなおしてOK。
アウトロはイントロとほぼ同じフレーズなので難なくOK。
間奏は、リズムがいまいちだった後半だけをパンチインして、クランチ系の音色はすべて録り終わり。
残るはAメロのクリーン系リフのみとなった。
【今月のMV】川嶋志乃舞「遊郭ディスコ」
ライブでも人気の高い曲。川嶋自身が作詞作曲、独特な世界観あふれる秀作だ。
【今月のちょいレア】 MindPrint T-COMP
チューブながらの、ファットなコンプのかかり具合がワン&オンリーな独自性を感じさせる。ロックならオールジャンルに対応できます。
樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
古今三奇人(Kokon-Trio)「 アコースティックマジック 」
Piano-jackやH ZETT Mを彷彿とさせる、ピアノ・オルタナ・インストバンドのアルバム。卓越した演奏力はもちろんだが、歌ものにも通じるアレンジが新鮮だ。2018年4月全国発売。
ブラジル人 「 破裂 」NYハードコアをユニークに変形させたオリジナルなスタイル。今作品は、かぶり有りのほぼ一発録りで、ライブ感はもとより音源としての完成度も高い。2018年1月全国発売。
GEEKS 「 MAGICAL VOX PARANOIA 」
サウスバイサウスウエストにも2回出場経験があり、インキュバスやフーバスタンフのプロデューサー Jim WartともコラボしているUS風パンクバンド。全国発売中。
thatta
ニュージーランドをはじめ海外での活動を精力的に行ってきたthattaのアルバム。欧米のロック要素が土台にあり、無国籍な質感を全体にまとっている。
KAIJIN 「 japacronics 」
サンフランシスコ帰りのYUICHI氏率いるKAIJINのフルアルバム。90年代ヒップホップを根底に、70~80年代のソウル、ファンク、2000年代LAアンダーグラウンドR&Bのエッセンスが深く交じり合っている。硬派なヒップホップ好きにおすすめ。全国発売中。
【お知らせ】
音楽情報サイト TuneGateに、当スタジオの記事を掲載していただきました。
http://tunegate.me/P20180118016
明けましておめでとうございます。
おかげさまで、この連載も4年目を迎えることとなりました。いつもお読みいただき、感想や質問などお寄せ下さる皆様に改めて感謝申し上げます!
今回から「中古機材の隠れた名機」に、よりスポットを当てていきたいと思います。
まずご紹介するのは英国の老舗ブランド JoemeekのTwinQcs(2chチャンネルストリップ)です。
この機材は、名機SC-2mkⅡの後継機種として、2001年頃には20万円弱で販売されていました。
よく比較される機材としてはDRAWMER1960が挙げられます。
↑写真は当スタジオで所有のTwinQcsで、裏面パネルのOUTPUTを通常ならTRSフォーン出力のところ、キャノン出力にモディファイ改良しています。
サウンドキャラクターはブリティッシュで粘り気のある密度の濃い音、ビートルズ→オアシス→アークティック・モンキーなどのブリットロックにはドンピシャではまります。
ラウド系以外のアメリカンロックや、邦楽ギターロックとも相性は良いです。
現行機種であるTwinQと比べると、ややカラッとしており中音域に少しファットさが見受けられます。
このTwinQcsは、今となっては非常にレア物ではありますが、粘り強く探すとたまに中古楽器市場で見かけることもあります。価格は6~10万くらいのようです。
TwinQcsの下位機種であるVC3Qは、中古楽器市場1万円台で見かけます。
VC3Qの現行機種、ThreeQは新品だと4万円前後で販売されています。
VC3QとThreeQの2つに共通することは「どちらも1chチャンネルストリップだが、マイクプリ部分はハイエンドなオーディオインターフェイスに付いているプリアンプといい勝負が出来るクオリティを保っている」という事です。
【大学生バンドのセルフREC】
バッキングGt.とVo.を全曲録り終わり、残るはリードGt.とコーラス、追加のkeyとなった。
とりあえずコーラスを一曲も録っていなかったので、一番簡単そうな【4つ打ちダンスロック:BPM=170】のサビ部分から録ってみることにした。
ライブでこの曲を演奏する時は、リードGt.がコーラスを担当するのだが結構外してしまう。
RECではVo.自らが3度上のハモリを入れることにした。
ケーブル:EvidenceAudio
マイクプリ:Forcusrite VoiceMasterPro
コーラス、特にハモリはモニターバランスが重要。他のどのパートよりも気を使わねばならない。
設定したモニターバランスは下図の通り。
数回バランスチェックのために録音してみる。徐々に良くなってきたので本番へ。
モニターバランスは良い。しかし皆が何かしらの違和感を感じていた。
話し合いの末に行き付いた違和感の正体は「今まで正しいと思っていたコーラスラインそのものが、実はあやふやなのではないか?」という事。
主メロとハモリのラインをキーボードで音出ししながら改めて確認してみた。
すると、ずっと3度だと思い込んでいたハモリのラインが、5度ハモリやオクターブ、ユニゾンなどが正解だったことが判明。
今更ながらの間違いに気づいたメンバー全員がショックを隠し切れなかった。
コーラスラインを再確認し、改めてチャレンジ。しかし今まで歌ってきたラインのくせが抜けず、失敗が続きピッチ修正出来るまでのレベルにすら到達しない。
コーラス録りは一旦あきらめ、残りの曲についてもコーラスラインを再確認。後日録ることにして、ここからはリードGt.録りに切り替えた。
【今月のちょいレア】Forcusrite VoiceMasterPro
先程の「セルフREC」文中にも登場した、NEVE風Vocal専用チャンネルストリップの決定盤。かつてのPlatiumシリーズとは一味も二味も違う。現在は生産完了となっている。
【今月のMV】 The Mash 「最終回」
テレビ東京で水曜深夜放送中の新人アーティスト発掘番組「エンタX」で3週勝ち抜きを果たした、話題の女性Vo.R&Rオルタナバンド。同番組のグランドチャンピオン大会進出も決定している。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
cruyff in the bedroom 「HATE ME (アナログ盤)」
ジャパニーズ・キング・オブ・シューゲイザーと呼ぶにふさわしいクライフインザベッドルームの最新
作が、アナログ盤としても遂にドロップ。国内はもとよりアメリカなど、海外でもリリースされ話題 になっている。
どろだるま 「モンキーダンス」
頭脳警察、村八分といった70年代R&Rを彷彿とさせる2010年代のニューカマーの新作。洋の東西を問わず、ロックの真髄が垣間見える逸品である。
57pictures 「Wonder to Myself」
Subways、Atom For Peace、Sunshine Undergroundにも通じる、UK色が色濃く漂う邦楽ロックバンド。TemplesやMetronomyなどが好きな人にもおすすめ。
うさぎファクトリー 「うさぎファクトリー」
国内外のフォークロックを根底にもつような、エモロックの王道的作品。長い時間を経ても全く色あせない空気感に魅了される。
KONTA BAND 「Mouse Bites Cats」
仙台在住のプロギタリスト、KONTA氏率いるニューエイジプログレッシブインストバンドのアルバム。ドリームシアターやシステム・オブ・ア・ダウンとも違った切り口のアプローチにオリジナリティーを感じる。メンバー全員が音楽専門学校講師陣で固められている。
【お知らせ①】
月刊SOUNDDESIGNER別冊「ミュージシャンの仕事場」に、当スタジオを掲載していただきました。(P94・95)
【お知らせ②】
CRT栃木放送(AMラジオ)の音楽番組「我ら音楽仲間たち」(毎週火曜22:30~)の1/30放送回にCuicksさんと私 樫村がゲスト出演させていただきました。