音楽メディア・フリーマガジン

今月のリリース Vol:204

今月のおすすめリリース

『ALL OFF』

Artist : ALL OFF

まさかまさか、彼等に真夏のひたちなかに連れて行って貰えるとは夢にも思っていなかった。ROCK IN JAPAN FESTIVAL(以下RIJF)に出演する事は多くのミュージシャンの目標であり、ディレクターの僕にとっても本当に手放しでうれしい出来事。本当ならば7月末に今作のレコーディングは全て終了し、8月のRIJFは晴れ晴れとした開放的な気分で僕も一日楽しむ予定だったのだが、当然そんな考えは理想であって実現は不可能となっていた。とにかく終わらない。
僕:よし、今週末も歌入れの続きやるから、スタジオに午後から来てね。
so-hey(Vo.):いやいやタムさん、その日RIJFですよ。
あ〜なぬ〜、くっそ〜、あんなに楽しみにしてたのにな〜、世の中上手くいかないな〜。なーんて感じのレコーディングでした。作品の内容については僕がどうこう言っても伝わらないのでなんとしても聴いてもらいたい。彼等の今の勢いがギュッと詰まった一枚です。

レビュー執筆者:田村タツジ フリーの音楽プロデューサー、ディレクター、ミュージシャン。ALL OFFの他、THE PINBALLS、Goodbye holiday、ミソッカスの音源制作。IKU、でんぱ組.incなどのギターサポートとしても活動中。

『夕日信仰ヒガシズム』

Artist : amazarashi

 3年ぶりとなるamazarashiのフルアルバムです。今のamazarashiだからこそ出来た最高傑作だと思います。まずは、YouTubeで収録曲の「もう一度」や「スターライト」を聴いてみてください。購入を迷った方は、試聴機で1曲目をご試聴ください。頭からブチかましてくれますので。
 他にも秋田ひろむが友達へ向けて歌った「ひろ」等、全12曲収録しています。初回版には、9/9に行った初のアコースティックライブのDVDもついています。良かったと思って頂いた方は是非ツアーに遊びにきてみてください。映像とライブがクロスオーバーするamazarashi独特のステージでお待ちしております。

レビュー執筆者:株式会社 レインボーエンタテインメント マネジメント事業部 / クリエイティブ事業部 Chief Manager 平田 幸秀

『rebellion』

Artist : WARNING MESSAGE

 数多くのLoud Rockバンドを輩出している湘南から、地元シーンで熱い盛り上がりを見せる“WARNING MESSAGE”の1stミニアルバムがついにリリース!
 2011年に湘南で結成後、地元のライブハウス“善行Z”でのレーベルイベントに最多出演を誇るとともに、所属レーベル“UNICAST RECORDS”の2枚のコンピレーションアルバムにも参加するなど、精力的な活動を行なっている。2014年4月に配信限定でリリースされ本作にも収録されている楽曲を含む先行シングル『WARNING MESSAGE』はAmazonのダウンロードランキング:ハードロック・メタル部門で無名にもかかわらず1位(ロック部門11位)を記録し話題となった。本作品は様々なバックグランドをもつメンバーがそれぞれの特性を活かし、メロディックパンク、スクリーモ、エモ、ハードコア、メタルなど様々な要素で構成され、ライブでもオーディエンスを圧倒する“叫び”、そして曲中で見せる多様な展開は必聴!

レビュー執筆者:UNICAST RECORDS 2009年に地元のメロコアバンド・CHMOD777のkinoが設立。横浜や湘南での定期的な主催イベント開催や地域活性化を目的としたコンピレーションアルバムなどを手がけ、現在9バンドが所属している。

『Jidou』

Artist : カイモクジショウ

 カイモクジショウは原点型のミクスチャーバンドである。いうなれば、感性のミクスチャーに長けているバンドである。
 彼等の作る音楽のアレンジ構成、サウンド構成は極めて緻密。そして、素晴らしいのは緻密さの構築を、目一杯の満タン状態に"しない"ことだ。持ち前の技術力からしての腹八分目の味があるというのは、サウンドの拡がり、空間度の増幅につながって多彩な快感を得させてくれる。グルーヴ、ビート感、音量のかけひきは巧妙に時代の尖兵となっていて、そこに個人的とも、客観的とも、ポエムとも表すべきではない歌詞とヴォーカルがのって、その表現は、時としてミスマッチで、時として自然定着して投げかけてくる。
 自然体の証しが感性で、意図的な力の証しが緻密さであるなら、彼等の出来上がりは非常にイヤミなくそれらが合わさり固まっていて、ある意味で洗練された排他力を感じる。ハッキリした色合いを打ち出しつつ、今後の変形ぶりを期待させてくれる音楽だ。

レビュー執筆者:岡井大二/四人囃子 1974年“四人囃子”でデビュー。自由奔放且つ音楽的なドラミングはプログレッシブなシーンでは欠かせない存在。90年代にはL⇔Rのプロデューサーとしても辣腕をみせ、楽曲重視の制作活動に拘りを見せる。

『未来へ〜仲間と…〜』

Artist : がらくた☆

 2012年秋結成後、横浜・湘南のライブハウス、及び湘南地域、地元に根ざした音楽活動を展開。湘南のライブハウス・善行Zでの観客動員は着実に増加しており、地元のバンドシーンに話題を巻き起こしている。また、ライブ活動の他、湘南・茅ヶ崎地域の音楽祭やイベント等にも数多く出演している。
 彼らの特徴はVo.Densonのポップかつパワフルな楽曲・歌唱を軸にしたパンクチューンなロックサウンドが代表的な一方で、聴くものを引き込むバラード楽曲も評価が高く、幅広い年代のファンから支持を集めている。
 本作品は“がらくた☆”が結成から2年間、地域のファンや、地元の名士や仲間から多くの応援を受け、支えられる中で、走り続けてきたメンバー達の感謝のメッセージとも言える。全7曲の楽曲は、所々に遊び心も鏤めながら、音楽を愛する気持ちを余すところなく表現したポップ且つ情熱的な作品となっている。

レビュー執筆者:UNICAST RECORDS 2009年に地元のメロコアバンド・CHMOD777のkinoが設立。横浜や湘南での定期的な主催イベント開催や地域活性化を目的としたコンピレーションアルバムなどを手がけ、現在9バンドが所属している。

『ふらいはい!!!』(通常盤)

Artist : がんばれ!Victory

 小渕優子が経産相を辞任しました。初の女性総理大臣候補と言われていたのに思わぬところでつまずいちゃいましたね。しかし毎年開催していた明治座での観劇会というのも凄いですね。支援者にとっては年に1度の楽しみだったそうです。1万2千円払って、群馬(小渕氏の選挙区)からバスで明治座行く訳です。観覧ツアーみたいなものですね。言ってしまえば誰かのコンサートの観覧ツアーと一緒な訳です。政治家もミュージシャンも似たような仕事をしている気がしてしまいました。
 今春高校卒業し、佐賀県から上京してきた女の子5人組、がんばれ!Victoryがシングルをリリースする。ダイエット企画に失敗し、Victoryから「がんばれ!Victory」に改名させられてからの第1弾音源。ジャケはディープパープルの名盤のパロディ。小渕優子のようにつまずくことなく必ずブレイクするはずだ。

レビュー執筆者:redrec 沢田達郎 阪神タイガースがまさかの日本シリーズ進出! 和田監督がんばれ! ここに来てようやく投打がかみ合ってきたのでひょっとすると日本一もあり得るかも。仕事が手につきません。

『朝靄』

Artist : 砂場

 長野発の3ピースロックバンド、砂場が二度目の全国流通作品『朝靄』を先日完成させた。バンド活動が困難となりながらも、泥臭くも産み出した前作『ひとりきりでうたううた』からおよそ2年ぶりとなる今作は、リードトラックともなっている「朝靄」をはじめ、既にライブではお馴染みの「手のなる方へ」も収録されており、現時点での砂場を楽しむのに事欠かない一枚となっている。
 作品全体を通して、誰しもがぶつかる障害や心にいつもある不安な気持ちを抱きながらも、強く願い、信じる事で次の一歩を踏み込める気持ちになれる、そんな”僕らの唄”7つの物語が描かれている。
 歌い続けていくだけの価値がある、聴き続けていくだけの価値があるバンド砂場の今作は、是非歌詞カードを見ながら、出来れば一度、一人きりで部屋の中で聴いてみて下さい。その部屋はもう、昔あなたがよく遊びに行っていた公園の砂場のようで、楽しい事も寂しい事にも出会えるでしょう。

レビュー執筆者:UKプロジェクト / Zher the ZOO YOYOGI 後藤瞬 Zher the ZOO YOYOGIというライブハウスで副店長兼ブッキングを行っております。砂場のメンバー3人に負けずに東京で頑張っています。日々勉強ですね。

『鍛冶屋のFUNK』

Artist : 志磨参兄弟

 異なる2つを“掛け”合わせる事で今までの志磨でも無くFUNKでも無い新しい何かが確実にここには生まれているし、その何かこそが自分が今まで頭にぼんやりと描いていた本当の意味での“ミクスチャー”だと膝を叩いた。“コレや”と。
 今回のこの“掛けるミクスチャー”は志磨の和の構えやDJ JINのFUNKの心得やあらゆる音楽の伝統や裏切りがありえない胸熱バランスで融合している事で劇的に豊かなスペックを叩き出しており、ちょっと引くぐらい最高なのである。
 志磨マスターもFUNKマスターも必ずや納得の仕上がりの今作。日本伝統音楽が最も栄えた時代にFUNKを表現したらマチガイなくこうなっただろう的な試みをこの現代で遂行した名盤。過去と未来へ同時にタイムスリップする様な感覚は今後の志磨の基軸を更に屈強なモノへとアップデートするはずやと思います。
 これは“ロイクー”ならぬ“和イクー”な音楽時代の幕開けっす!

レビュー執筆者:BESHALIST 京都を拠点に活動するMC/BEAT MAKER。音楽に対する深い造詣と発想豊かなアウトプットを頼りにHIPHOPを様々な形で表現することに余念が無く、彼の長い活動歴自体が音源やイベントにおいて露わになる思考の鮮度やスペックの高さを物語っている。

『SOLARIS』

Artist : BEFORE MY LIFE FAILS

 2006年。世界のトレンドはLOUD ROCKからSCREAMOに移り変わり、HARDCORE畑の若いバンドが多く頭角を表し、世界中のキッズがこの新しい波に興奮していた時代にBEFORE MY LIFE FAILS(以下BMLF)は結成された。遅れること約10年、ここ国内でもようやく所謂“ラウド”というシーンが確率され今やライブシーンには欠かせないジャンルとして認知されるまでになった。その礎を築いたのは紛れもなくCrossfaith、HER NAME IN BLOODといったリアルタイムで世界の同世代のバンドたちに挑戦し続けてきたバンドたち。今回シングル『SOLARIS』をリリースするBMLFも共にシーンを盛り上げてきた重要なバンドの一つ。今日飽和状態にあるラウドシーンの中で強烈な“オリジナリティー”と右脳全開アドレナリン放出系のキラーチューンで真っ向勝負するBMLFに全力でエールを送りたい。

レビュー執筆者:TAG(ZESTONE RECORDS/JMS) 2004年ZESTONE RECORDSを神戸で設立。センス溢れるユニークな洋楽タイトルを多数リリースする傍ら、個性溢れる国内バンドを多数輩出。2014年末までLOSTのドラマーとしても活躍。

『Return to Earth』

Artist : FoZZtone

 2013年にリリースされたフルアルバム『Reach to Mars』から約1年半。“火星へ到達せよ”と掲げたFoZZtoneが、ミニアルバム『Stomp the Earth』を経て地球へ帰還した。
 11/12リリースのフルアルバム『Return to Earth』は、“地球に帰還したぜ!”という華々しい作品というよりは、“リアルな日常に帰ってきた”という味わい深く、精神性の強い作品になりました。
 レコーディングでは1曲目から順に録音したというこのアルバムは、インストをはさんでの前編・後編とまた違ったストーリーが楽しめ、何度でも繰り返し聴ける、聴けば聴くほど味わい深いアルバムに仕上がりました。
 音源だけでなく、Vo.渡會将士がイラスト、デザイン全てを制作したジャケットも含めて楽しんでいただきたい作品です。

レビュー執筆者:まりん FoZZtone事務所スタッフ。FoZZtoneのモバイルサイトのラジオ番組“RADIO FoZZtone 喫煙室”に出演している。ギャンブルが大好き。

『虚言NEUROSE』

Artist : MY FIRST STORY

 MY FIRST STORYが約1年8ヶ月振りとなるフルアルバムを完成させた。リリースを重ねるごとにその存在感を増していく彼らの渾身の一枚に期待が高まる!
 すでにMVも公開されているタイトルトラック「虚言NEUROSE(イツワリノイローゼ)」は、超攻撃サウンドに洗練されたメロディー、そして独特なワードが飛び交う、彼らのファンのみならず、全てのミュージックファンに捧げる絶対的キラーチューンとなっている。
 さらに今作を引っさげてのツアーは自身最長ツアー、しかもグランドファイナルは自身最大規模の新木場STUDIO COASTワンマンと、更なる高みへと向かう彼らからますます目が離せない!!
『虚言NEUROSE』TOUR FINAL SERIES
1/10(土) 名古屋DIAMOND HALL
1/12(月・祝) なんばHatch
1/17(土) 新木場STUDIO COAST(ワンマン)

レビュー執筆者:JMSなかむら 上司がオレを痩せさせてくれない…そんなことってありますか?

『MUSIC』

Artist : Who the Bitch

 3年4ヶ月振りとなる2ndアルバム『MUSIC』。待ちに待った待望のフルアルバムは、聴いてすぐ「これはたくさんの人に聴いて欲しい!」と思った最高傑作。
 『MUSIC』には、彼女達が持つ「歌の力」がこれでもかっ! と思う程詰まっていて、今まで出逢った人や音楽への感謝がとめどなく溢れ返っている。とても優しく、力強い想いが楽曲に込められ、それがストレートなアルバムタイトルにも表れている。
 かつてのWho the Bitchは、おもちゃ箱をひっくり返した様な楽しいライブバンドだったので、もしかしたら戸惑う人もいるかもしれない。でもご心配なく。それ以上に『MUSIC』には「音楽」と「歌」の持つ限りない力の光で溢れ返っていて、とにかくキラキラし真っすぐ指針を示す様に導いてくれる! ライブで歌って踊って感じれば、それがあなたの『MUSIC』! ツアーファイナル12/5(金) 下北沢GARDENで待ってます!

レビュー執筆者:SWOONプロモーション担当 小林あいら

『PRIVATE LESSON~THE PRIVATES Tribute~』

Artist : V.A.(ウルフルケイスケ、 OKAMOTO’S、ザ50回転ズ 他)

 最近のロックがつまらないとお嘆きのあなたに朗報です。60年代のUKロックに影響を受けて結成された偉大なるプライベーツの結成30周年を記念したトリビュート・アルバムがサイコーです。50才を過ぎても全国のライブハウス・ツアーをかかさないプライベーツを愛する、ウルフルケイスケ、OKAMOTO'S、ザ50回転ズ、THE NEATBEATS、THE BOHEMIANS、騒音寺、TERRY BAND、HARISS、VIOLETS、武藤昭平 with ウエノコウジ、LONESOME DOVE WOODROWSらが、かっこいいロックを演奏しています。もしプライベーツを知らなくても、ロックが好きなら、楽しめるアルバムとなっております。是非一度聴いてみてください。ちなみにプライベーツのボーカルの延原さんの息子さんがオカモトズのドラムのレイジ君です。時代は変わっても引き継がれるロックの遺伝子の今後に期待してます。

レビュー執筆者:北島健司 HARISSなどのドラムで活躍する高橋浩司氏と、20周年を迎えた下北沢CLUB Que二位店長によるLookHearRecordsのオブザーバーであり、UK.PROJECTのお役人。

『STANDARDS in a Sentimental Mood〜土岐麻子ジャズを歌う〜』

Artist : 土岐麻子

 2004年にソロデビューしてから今年で10周年を迎えた土岐麻子のニューアルバムは、約10年ぶりとなる『STANDARDS』シリーズ第4弾!
 当時と同様、父であり日本を代表するサックス奏者・土岐英史がプロデュースするジャズ・スタンダード・アルバムです。
 「In a Sentimental Mood」、「Round Midnight」、「Smile」、「Stardust」、「The Look of Love」、「Misty」など数々のスタンダード楽曲に加え、土岐英史作品に英詞を書き下ろしたオリジナル楽曲「Lady Traveler」、「After Dark」も収録。さらに意外な選曲として、Red Hot Chili Peppers「Californication」をカバー。
 アニバーサリーイヤーにお届けする、“今の土岐麻子にしか歌えない楽曲”を満載した新しいジャズ・スタンダード・アルバムです!

レビュー執筆者:エイベックス 木村恵美子 TOKYO No.1 SOUL SET&KAPPA氏は精力的に活動中!! 12/3発売の大森靖子ニューアルバム『洗脳』をぜひチェックしてね!!

『DANCE TIME』

Artist : 夜の本気ダンス

 京都発の4人組お祭りダンスロックバンド、夜の本気ダンス! 正式音源リリース前から数多くのイベントで入場規制をかけ話題となる。地元京都では自主企画が連続ソールドアウト。タワレコ限定シングル『B!tch』は各店でチャートインを記録し、大阪3店舗ではインディーズチャート同時1位を獲得! 今回、満を持してリリースするフルアルバムではタワレコメンを獲得するなど、この勢いは止まらない!
 全10曲入りの今作は、9曲(究極)踊れて1曲泣ける、聴き終わるとシアワセ感で溢れる、そんなダンスロックアンセムとなっている。リード曲「WHERE?」をはじめ前半にはシンセもエレクトロも使わない夜ダンの本命ダンスロックが凝縮されており、後半では「Bob Dance Bob」など秋の晴天の元で聴きたい爽やかロックに耳をつかまれる。リピート必須の1枚を是非チェックしてみてください。皆さん、踊れる準備はできてますか?

レビュー執筆者:日本テレビ音楽 穐山仁美 レビューを書いている本人が言うのもなんですが、すっかり夜ダンの虜になっております。通勤中、鬼リピートしています。
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